J-Partnership補助金とは?新興国の未来を創るビジネスを支援
J-Partnership(正式名称:技術協力活用型・新興国市場開拓事業費補助金)は、経済産業省が実施する、新興国・開発途上国の社会課題解決に繋がるビジネスを支援する補助金です。日本企業の持つ優れた技術やサービスを活用し、現地パートナーと共同で製品開発や実証事業を行う取り組みに対して、最大1,000万円の補助金が交付されます。グローバルな事業展開を目指す企業にとって、大きなチャンスとなる制度です。
この補助金のポイント
- 新興国の社会課題解決に貢献するビジネスが対象
- 補助上限額は1,000万円、補助率は最大2/3
- アフリカ、インド、中南米などの地域が重点対象
- J-Startup選定企業は審査で優遇措置あり
補助金の概要
本補助金の基本的な情報を表にまとめました。公募は例年春ごろに行われますので、次年度の申請に向けて今から準備を進めましょう。
補助金名 | J-Partnership 製品・サービス開発等支援事業補助金 |
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実施機関 | 経済産業省(J-Partnership事務局) |
公募期間 | 【参考】令和6年度:2024年4月15日~5月17日 ※令和7年度の公募は終了しました。次年度の情報は公式サイトをご確認ください。 |
補助上限額 | 1,000万円 |
補助率 | 中堅・中小企業:2/3以内 大企業:1/3以内 |
対象者 | 新興国・開発途上国の社会課題解決に取り組む日本企業(単体または複数) |
対象となる事業と地域
対象事業の要件
本補助金の対象となるには、現地のニーズに合った製品・サービスの事業化を目指す取り組みで、以下の要件を満たす必要があります。
- 現地の企業・大学・研究機関・NGO等と共同で、現地の社会課題を解決する製品・サービスの開発や実証・評価等に取り組むこと。
- 本事業終了後2年以内に事業化を目指す具体的なビジネスプランであること。
対象地域
対象地域は、OECDの「援助受取国・地域リスト(DACリスト)」に掲載されている新興国・開発途上国のうち、ASEAN、モンゴル、中国を除く国です。特に、以下の地域でのビジネスアイデアが重点的に募集されています。
- アフリカ: エチオピア、ケニア、ルワンダ、ナイジェリア、ガーナ、セネガル、南アフリカ、チュニジア
- アジア: インド
- 中南米
申請から採択までの流れ
申請は、政府の補助金申請システム「Jグランツ」を利用して行います。事前に「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要ですので、早めに準備しておきましょう。
- GビズIDの取得: Jグランツの利用に必須のアカウントです。取得には2〜3週間かかる場合があるため、公募開始前に済ませておきましょう。
- 公募要領の確認: 公式サイトで公開される公募要領を熟読し、要件や必要書類を確認します。
- 事業計画の策定: 現地パートナーと連携し、社会課題の解決に繋がる具体的な事業計画書を作成します。
- Jグランツで申請: 申請期間内に、Jグランツ上で必要事項を入力し、事業計画書などの書類をアップロードして申請を完了します。
- 審査・採択・事業開始: 審査を経て採択が決定されると、交付決定通知が届き、事業を開始できます。
過去の採択事例紹介
これまで、DX、医療、農業、エネルギーなど、多様な分野で革新的なプロジェクトが採択されています。ここでは、その一部をご紹介します。
会社名 | 対象国 | 事業内容 |
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SORA Technology 株式会社 | シエラレオネ | ドローンとAI技術を活用したマラリア媒介蚊の繁殖域管理サービス |
富士フイルム株式会社 | ケニア | スクリーニング検査体制の整備によるNCDの早期診断と医療費負荷低減 |
株式会社SENRI | ナイジェリア | 機械学習を利用した消費財サプライチェーンの自動化 |
鉱研工業株式会社 | ウガンダ | 電子マネー決済を用いた持続可能な給水事業 |
株式会社立花商店 | ガーナ | 機能性バイオ炭の生産とカカオの生産性改善事業 |
まとめ
J-Partnership補助金は、新興国市場への進出と社会貢献を両立させたい企業にとって、非常に価値のある制度です。資金的な支援だけでなく、経済産業省や関係機関による伴走支援も受けられるため、海外展開の大きな足がかりとなります。次年度の公募に向けて、ぜひ公式サイトで最新情報をチェックし、準備を進めてください。