群馬県でDX(デジタルトランスフォーメーション)化を推進したい中小企業の皆様へ朗報です。革新的な製品・技術開発を支援する「ぐんまDX技術革新補助金」の2025年度(令和7年度)公募がまもなく開始されます。この補助金は、最大500万円、補助率1/2という手厚い支援で、貴社の生産性向上や新たなビジネスモデル構築を強力に後押しします。本記事では、補助金の概要から申請のポイント、採択されるためのコツまで、専門家がわかりやすく徹底解説します。
ぐんまDX技術革新補助金 制度概要
まずは、本補助金の全体像を把握しましょう。重要なポイントを以下の表にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
補助金名 | ぐんまDX技術革新補助金(令和7年度) |
実施主体 | 群馬県 産業経済部 地域企業支援課 |
目的 | 県内中小企業のデジタル技術を活用した製品開発や地域課題の解決に向けた技術開発を支援し、生産性・企業価値の向上を実現する。 |
補助上限額 | 500万円 |
補助率 | 2分の1以内 |
募集期間 | 令和7年4月1日(火) ~ 5月9日(金) 午後5時まで |
補助対象者の詳細な要件
本補助金を申請するには、いくつかの要件を満たす必要があります。自社が対象となるか、しっかり確認しましょう。
基本要件
- 群馬県内に主たる事業所を有する中小企業者であること。
- 本社が県外でも、開発実施拠点が群馬県内にあれば対象となります。
- 個人事業主や特定の組合等も対象に含まれます。
【令和7年度からの最重要変更点】
令和7年度より、補助対象者の要件に「パートナーシップ構築宣言」を宣言していることが追加されました。これは、サプライチェーン全体の共存共栄を目指す取り組みです。未宣言の企業は、申請前に必ず宣言を済ませておく必要があります。詳細は専用ページをご確認ください。
中小企業者の定義(資本金または従業員数)
業種 | 資本金 | 常時使用する従業員数 |
---|---|---|
製造業、建設業、運輸業 | 3億円以下 | 300人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
申請資格に関する注意点
- 「みなし大企業」は補助対象外です。
- 同一年度の「ぐんまDX技術革新補助金」「ぐんま技術革新チャレンジ補助金」への重複申請はできません。
- 過去に同種の補助金を受け、「企業化状況報告書」の提出を怠っている場合は申請資格がありません。
補助対象となる事業は?2つの申請枠
本補助金には、事業内容に応じて2つの申請枠が設けられています。自社の取り組みがどちらに該当するか確認しましょう。
1. デジタル実装枠
デジタル技術を活用して、自社の生産プロセスやサービス提供方法を改善する事業です。
(例)AIを活用した検品システムの開発、IoTによる生産ラインの見える化など。
2. ビジネスモデル変革枠
デジタル技術を活用して、新たなビジネスモデルの構築や、地域課題を解決するための新技術・製品・サービスを開発する事業です。
(例)サブスクリプション型サービスの開発、ドローンを活用した新たな配送サービスの構築など。
重要:定量的な目標設定が必須
どちらの枠で申請する場合も、「生産性・企業価値の向上」について申請者が定量的な目標を設定する必要があります。審査においても重要なポイントです。
- 目標例1:補助事業終了後5年後までに付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)を年率3%以上増加させる。
- 目標例2:補助事業終了後、開発した新サービスで新規受注を5件獲得する。
補助対象となる経費
開発事業に直接要する経費が補助対象となります。対象外の経費も多いため、注意深く確認してください。
対象経費の一覧
経費区分 | 内容 |
---|---|
原材料費 | 原材料や副資材の購入費 |
機械装置費・工具器具費 | 機械装置等の購入、改良、借用費(申請額総額の1/2が上限) |
委託費 | 外注加工費、大学等との共同研究費、専門家指導料など |
市場調査費 | 市場ニーズ調査に要する経費 |
システム開発費 | システム開発やソフトウェア制作に要する経費(自社人件費も一部対象) |
クラウドサービス利用費 | 補助事業専用のクラウドサービス利用料 |
知財出願費 | 弁理士費用など(申請額50万円が上限) |
対象外経費の例
以下の経費は補助対象となりませんのでご注意ください。
- 交付決定日より前の契約・支出
- 消費税、振込手数料
- 汎用性のあるもの(パソコン、プリンタ、サーバ等)の購入費
- 通常の会社運営にかかる人件費(システム開発に係る人件費は除く)、旅費交通費
- 広告宣伝費(ホームページ作成、チラシ、展示会出展費用など)
申請手続きとスケジュール
申請方法(4種類から選択)
申請は以下の4つの方法から選べます。書類に不備があると受理されないため、余裕を持った提出を心がけましょう。
- Jグランツ(電子申請)
推奨されている方法です。GビズID「gBizIDプライム」の取得が必要で、取得に2~3週間かかるため早めに準備しましょう。 - 電子メール
希望する場合は、4月25日(金)までに指定のメールアドレスへ事前連絡が必要です。 - 郵送
募集期間最終日の午後5時必着です。 - 持参
群馬県庁12階の地域企業支援課へ直接提出します。
申請から採択までの流れ
- 1申請書類の提出(~5/9)
- 21次審査(書面審査・現地調査)
- 32次審査(プレゼンテーション)
- 4採択・不採択の通知
- 5交付決定(令和7年6月下旬頃予定)
審査のポイントと加点・減点項目
採択を勝ち取るためには、審査で評価されるポイントを理解することが不可欠です。
主要な審査項目
- 対象事業との合致度:事業目的と合致し、定量的な目標が示されているか。
- 新規性・優位性:既存技術・製品に対する新規性や優位性があるか。
- 計画妥当性:開発手法、体制、スケジュール、経費は妥当か。技術課題が明確か。
- 事業化可能性:市場ニーズを捉え、売上・利益につながる可能性があるか。他分野へ展開可能か。
【採択率アップ!】加点項目を活用しよう
以下の認定を受けている事業者は、成長性や継続性が評価され、審査で加点されます。該当する場合は必ず申告しましょう。
- 中小企業等経営強化法に基づく「経営革新計画」の承認を受けている。
- 事業継続のために「BCP(事業継続計画)」を策定している。
注意!減点項目
前年度(令和6年度)に「ぐんまDX技術革新補助金」の交付決定を受けている事業者は、審査の際に減点となります。
過去の採択事例から見る傾向
どのようなテーマが採択されているか、過去の事例を見てみましょう。自社の計画を立てる際の参考になります。
区分 | 企業名 | 開発テーマ |
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デジタル実装枠 | スバル工業株式会社 | 精密切削加工プロセスにおけるMRを実装する革新的な新技術開発 |
デジタル実装枠 | FUTURENAUT株式会社 | コオロギ産業養殖のスケール化におけるAIを活用した生育状況の見える化 |
ビジネスモデル変革枠 | 有限会社糸井商会 | 大規模言語モデルを使用した技能ギャップの解消 |
まとめ
「ぐんまDX技術革新補助金」は、群馬県の中小企業がデジタル技術を活用して新たなステージへ飛躍するための絶好の機会です。最大500万円という手厚い支援は、資金面でのハードルを大きく下げてくれるでしょう。
採択されるためには、事業の新規性や事業化可能性を明確にし、説得力のある事業計画書を作成することが鍵となります。また、令和7年度から必須となった「パートナーシップ構築宣言」や、加点項目となる「経営革新計画」「BCP」の準備も重要です。
募集期間は令和7年4月1日から5月9日までと限られています。本記事を参考に、計画的な準備を進め、ぜひこのチャンスを最大限に活用してください。
お問い合わせ・公式情報
申請に関する詳細や最新情報は、必ず公式サイトでご確認ください。
群馬県 産業経済部 地域企業支援課 ものづくりイノベーション室 技術開発係
〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
電話:027-226-3352