福井県内で事業を営む中小企業・小規模事業者の皆様へ。デジタル化による業務改革や生産性向上を目指すなら「ふくいDX加速化補助金」が強力な味方になります。この記事では、最大400万円の支援を受けられる本補助金の概要から申請のポイント、活用できる相談窓口まで、専門家が分かりやすく徹底解説します。
※注:本記事で解説する令和7年度の募集は終了しています。来年度以降の申請に向けた情報収集にお役立てください。
ふくいDX加速化補助金とは?
「ふくいDX加速化補助金」は、福井県内の中小企業等がデジタルツールを活用して業務効率化や生産性向上を図る取り組みを支援する制度です。単なるツールの導入だけでなく、業務プロセスの変革や新たなビジネスモデルの構築まで視野に入れた、意欲的なDX推進を後押しすることを目的としています。
令和6年度からの主な変更点
- 補助対象事業の拡大:従来の「生産性向上・業務改革」に加え、「新たなビジネスモデルの確立を目指す事業」も対象になりました。
- 専門家経費の範囲拡大:「デジタルツール導入の技術指導」に限定されていた専門家経費が、「補助事業に必要な専門家の費用」全般に拡大され、より柔軟な活用が可能になりました。
補助金の概要
制度の基本情報を一覧表にまとめました。自社が対象となるかご確認ください。
項目 | 内容 |
---|---|
補助限度額 | 400万円 |
補助率 | 1/2 (小規模事業者の場合は 2/3) |
補助対象者 | 福井県内に所在する中小企業者・小規模事業者 |
補助対象経費 | 機械装置・システム費、外注・委託費、専門家経費、クラウドサービス利用料、研修費など |
事業対象期間 | 交付決定の日から令和8年1月31日まで |
実施主体 | 公益財団法人ふくい産業支援センター |
⚠️ 注意点
過去に本補助金(一般枠)の交付決定を受けた事業者は、採択回数に応じて審査で減点される場合があります。詳細は募集要項をご確認ください。
補助対象となる事業のポイント
この補助金で最も重要なのは、「デジタルツールを活用して、いかに自社の生産性や競争力を向上させるか」という点です。単に新しいPCやソフトウェアを導入するだけでは対象となりません。
対象となる「デジタルツール」とは?
補助対象となるデジタルツールは幅広く定義されています。
- デジタル技術を活用した機械装置
- 自社業務用の情報システム、パッケージソフトウェア
- 月額・年額で利用するサブスクリプションサービス
- クラウドサービス など
採択の鍵:導入効果の具体性
申請の際には、ツール導入によって「どの業務の時間が何%削減されるのか」「売上がいくら向上する見込みなのか」といった具体的な数値目標を事業計画書に明記することが極めて重要です。
申請スケジュールと交付までの流れ
令和7年度の募集は終了しましたが、一般的なスケジュールと流れは以下の通りです。次年度の準備にお役立てください。
- 1書類作成・準備
公式サイトから応募様式をダウンロードし、事業計画書などを作成します。 - 2書類の提出
募集期間内に持参、郵送、または電子申請システム「Jグランツ」で提出します。(参考:1次募集は5月末、2次募集は7月末が締切でした) - 3審査会
1次審査(書面)と2次審査(対面でのプレゼンテーション)の2段階で審査が行われます。 - 4交付決定(事業開始)
審査を通過すると交付が決定され、事業を開始できます。
申請方法と必要書類
申請方法
- 持参または郵送:指定の様式をダウンロードし、必要書類を添えて提出します。
- 電子申請(Jグランツ):GビズID「gBizプライム」の取得が必要です。取得に2~3週間かかるため、早めの準備が推奨されます。
主な提出書類
申請には多くの書類が必要です。チェックシートを活用し、漏れなく準備しましょう。
- 事業計画書(様式第1など)
- 納税証明書(国税)
- 県税の納税状況の確認同意書
- 履歴事項全部証明書(法人)
- 住民票(個人)
- 直近2期分の決算書 or 確定申告書
- 積算根拠資料(見積書・相見積書)
- 製品パンフレット等
- 会社概要
⚠️ 書類提出時の重要注意点
- 原則として複数社の見積書(相見積)が必要です。提出できない場合は「選定理由書」が必須です。
- 見積書は「システム一式」のような大雑把なものではなく、ハードウェア、ソフトウェア開発費など、内訳を詳細に記載する必要があります。
- 記載内容の誤りや記入漏れは、内容にかかわらず不採択となる場合があるため、提出前に必ずダブルチェックしましょう。
専門家による無料相談窓口を活用しよう!
「事業計画の立て方がわからない」「自社に最適なデジタルツールが何か相談したい」といった悩みは、専門家の無料相談窓口で解決できます。申請を検討している方は、積極的に活用しましょう。
ふくいDXオープンラボ
ITコーディネータ等の専門家が、DXの進め方や有効なデジタルツールの選定についてアドバイスを行います。
総合相談窓口
中小企業診断士等の専門家が、経営課題の解決や事業計画の策定をサポートします。
※いずれも事前予約が必要です。締切直前は混み合うため、早めの予約をおすすめします。
【連携情報】福井市の事業者様は要チェック!
福井市では、市のコンサルティング支援や「ふくいDX加速化補助金」を受けた事業者を対象に、さらなる支援を行う「企業価値向上推進補助金」(上限50万円)を実施しています。県の補助金と組み合わせることで、より大きな投資が可能になります。福井市内の事業者様はぜひご確認ください。
まとめ
「ふくいDX加速化補助金」は、福井県の中小企業がデジタル化の波に乗り、力強く成長するための重要な支援策です。今年度の募集は終了しましたが、採択されるためには周到な準備が不可欠です。
この記事を参考に、次年度の公募に向けて自社の課題を洗い出し、専門家の力も借りながら、説得力のある事業計画を練り上げていきましょう。
この事業に関するお問い合わせ
公益財団法人ふくい産業支援センター 経営支援部
〒910-0296 福井県坂井市丸岡町熊堂第3号7番地1-16
TEL: 0776-67-7406