ふくいDX加速化補助金とは？福井県内企業のDXを強力に後押し
「ふくいDX加速化補助金」は、福井県内の中小企業や小規模事業者が、デジタルツールを活用して生産性向上や業務変革に取り組む際の経費を支援する制度です。業務効率化はもちろん、新たなビジネスモデルの構築まで、幅広いDXの取り組みをサポートします。この記事では、補助金の概要から申請方法、採択されるためのポイントまで、専門家が分かりやすく解説します。
この補助金の3つの重要ポイント
- 1.最大400万円の大型支援で、本格的なDX投資が可能
- 2.小規模事業者は補助率が2/3に優遇され、負担を軽減
- 3.ハードウェアからクラウドサービスまで幅広いデジタルツールが対象
補助金の概要（令和7年度）
まずは補助金の全体像を把握しましょう。主要な項目を以下の表にまとめました。
| 項目 |
内容 |
| 補助金名 |
ふくいDX加速化補助金 |
| 実施機関 |
公益財団法人ふくい産業支援センター |
| 対象者 |
福井県内に所在する中小企業者・小規模事業者 |
| 補助上限額 |
400万円 |
| 補助率 |
1/2以内 （小規模事業者は 2/3以内） |
| 対象事業 |
デジタルツールを活用した生産性向上、業務変革、新ビジネスモデル構築など |
| 公募期間（予定） |
【1次】令和7年4月1日～5月30日
【2次】令和7年7月1日～7月31日 |
| 公式サイト |
ふくい産業支援センター公式サイト |
対象となる事業者と事業内容
対象となる事業者
本補助金の対象は、福井県内に主たる事業所を持つ中小企業者および小規模事業者です。詳しい定義は公募要領で確認が必要ですが、幅広い業種の方が対象となります。
注意点：過去の採択事業者について
過去に本補助金（一般枠）の交付決定を受けた事業者は、採択回数に応じて審査で減点される場合があります。初めて申請する事業者が優先される傾向にあるため、ご注意ください。
対象となる事業
単にデジタルツールを導入するだけでなく、それを活用して自社の生産性向上や業務変革を図り、競争上の優位性を確立する取組みが対象です。令和6年度からは、さらに以下の事業も対象に拡大されました。
- デジタルツールを活用し、生産性向上や業務改革を進める事業
- 【NEW】その取組をもとに、新たなビジネスモデルの確立を目指す事業
補助対象となる「デジタルツール」とは？
本補助金では、非常に幅広いツールが対象となります。
- 機械装置: デジタル技術を活用した機械や設備
- 情報システム・ソフトウェア: 業務用のシステム開発やパッケージソフト導入
- サブスクリプションサービス: 月額・年額で利用する各種サービス
- クラウドサービス: ネットワーク経由で利用するサービス（SaaS, PaaS, IaaSなど）
申請スケジュールと交付決定までの流れ
申請を検討されている方は、全体のスケジュール感を把握しておくことが重要です。令和7年度の予定は以下の通りです。
募集スケジュール（令和7年度予定）
| 募集回 |
期間 |
採択予定件数 |
| 1次募集 |
令和7年4月1日（火）～5月30日（金） |
8件程度 |
| 2次募集 |
令和7年7月1日（火）～7月31日（木） |
4件程度 |
申請から事業開始までの4ステップ
- 書類作成・準備: 公式サイトから応募様式をダウンロードし、事業計画書などを作成します。
- 書類の提出: 期限内に持参、郵送、または電子申請システム「Jグランツ」で提出します。
- 審査会: 1次審査（書面）と2次審査（対面）の2段階で審査が行われます。2次審査ではプレゼンテーションが求められます。
- 交付決定（事業開始）: 審査を通過すると交付が決定され、事業を開始できます。事業期間は交付決定日から令和8年1月31日までです。
申請方法と必要書類
申請方法
申請方法は以下の2通りです。電子申請「Jグランツ」を利用する場合、事前に「GビズIDプライム」の取得が必要です。取得には2～3週間かかるため、早めに準備しましょう。
主な必要書類一覧
申請には多くの書類が必要です。漏れがないようにチェックリストを活用して準備しましょう。
- 補助金交付に関する事業計画書（様式第1など）
- 納税証明書（法人税、消費税など）
- 履歴事項全部証明書（法人の場合）／住民票（個人の場合）
- 直近二期分の決算書資料／確定申告書の写し
- 積算金額の根拠資料（見積書および相見積書または選定理由書）
- 製品の機能がわかる資料（パンフレット等）
- 会社の概要がわかるもの（パンフレット等）
提出時の最重要注意点
以下の点が守られていない場合、申請内容にかかわらず不採択となる可能性があります。
- 原則として複数社の見積書を添付すること。（提出できない場合は明確な理由を記載した「選定理由書」が必要）
- 記載内容（特に数値）に誤りや記入漏れがないこと。
- デジタルツール導入による効果の根拠が明確であること。
採択されるための3つのポイント
本補助金は対面審査もあり、計画の具体性が厳しく評価されます。採択率を高めるために、以下の3つのポイントを意識しましょう。
ポイント1：導入効果を具体的に数値化する
「業務が効率化される」といった曖昧な表現ではなく、「〇〇の導入により、作業時間が月間△△時間削減され、人件費が□□円削減される見込み」のように、誰が読んでも理解できる具体的な数値目標を事業計画書に記載することが不可欠です。
ポイント2：詳細な見積書と相見積もりを準備する
「システム一式 100万円」のような大雑把な見積書は評価されません。ハードウェア、ソフトウェア、開発費など、内訳が詳細に記載された見積書を準備しましょう。また、価格の妥当性を示すために、原則として相見積もりを取得することが重要です。
ポイント3：専門家の相談窓口を積極的に活用する
ふくい産業支援センターでは、無料の相談窓口を設けています。DXの進め方やツールの選定については「ふくいDXオープンラボ」、事業計画の策定については「総合相談窓口」など、専門家のアドバイスを受けることで計画の質が格段に向上します。申請前に一度相談することをおすすめします。
採択事例の紹介
実際にどのような事業が採択されているのか、過去の事例を見てみましょう。
事例1：IoTによる織機稼働管理（トヨシマセンイ株式会社）
旧型の織機にセンサーを接続し、稼働状況をリアルタイムで管理するシステムを導入。これにより、生産ロスの削減や稼働率の改善を実現。稼働状況の調査が不要になり、月に約24時間を他の業務に充てることが可能になりました。
事例2：AR遠隔支援システムを用いた業務効率化（藤井防災エネルギー株式会社）
スマートグラスを装着した現場スタッフに対し、熟練者が遠隔で指示を送るARシステムを導入。経験の浅いスタッフでも的確な対応が可能になり、緊急時の対応力向上と技術継承の両立を目指しています。
事例3：AI画像解析による検品システム導入（株式会社ワカヤマ）
従来は目視で行っていた検品作業にAIの画像解析システムを導入。コストダウンと検品精度の安定化を図り、24時間稼働による全体的な作業効率の向上を見込んでいます。
まとめ：福井県のDX推進の切り札を活用しよう
「ふくいDX加速化補助金」は、福井県内の中小企業がデジタル化の波に乗り、競争力を高めるための強力な支援策です。最大400万円という手厚い支援は、これまでコスト面で躊躇していたDXへの投資を実現する大きなチャンスとなります。
申請には詳細な事業計画や複数の書類準備が必要ですが、専門家のサポートも充実しています。この記事を参考に、ぜひ貴社の成長戦略の一環として本補助金の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
