はじめに:北海道の観光事業を加速させる補助金・助成金
北海道で観光事業に携わる皆様へ。インバウンド需要の回復や新たな観光スタイルの登場により、北海道の観光産業は大きな変革期を迎えています。このチャンスを最大限に活かすため、国や道は多種多様な補助金・助成金を用意しています。しかし、「種類が多すぎて、どれが自社に合うのか分からない」という声も少なくありません。
この記事では、北海道運輸局が公開する「観光地域づくりNAVI 2025」を基に、78種類もの観光関連支援事業を目的別に分かりやすく整理しました。「人を呼びたい」「知名度を上げたい」「新しいサービスを始めたい」など、あなたの事業課題に直結する支援策がきっと見つかります。
目的から探す!北海道 観光補助金クイックナビ
【目的別】人を呼びたい(観光誘客・海外アピール)
インバウンド誘客や国内観光の推進、海外への魅力発信に繋がる補助金です。コンテンツ造成からプロモーションまで幅広くカバーします。
1. 先進的設備等を活用した放送コンテンツ製作促進事業
この補助金のポイント
- 海外での放送・配信を前提とした高品質な映像コンテンツ制作を支援。
- 4K、VFX、AI技術などの先進的設備の使用・導入経費が対象。
- 最大2億円という大規模な支援で、世界水準のコンテンツ創出を目指せます。
対象者 | 国内の放送事業者、番組製作会社等 |
補助率・上限額 | 補助率1/2、上限3,000万円〜2億円 |
公募期間(2次) | 令和7年9月17日~9月30日正午(必着) |
実施機関 | 総務省 |
7. 地方創生プレミアムインバウンドツアー集中展開事業
この補助金のポイント
- 富裕層向けの高価格帯ツアー商品造成を強力に支援。
- 特別な体験や希少性の高いコンテンツ開発、販路開拓まで一貫してサポート。
- 補助額は1,000万円まで定額、最大4,500万円と手厚い支援が魅力です。
対象者 | 地方公共団体、DMO、民間事業者等 |
補助額 | 1,000万円まで定額、超える部分は1/2(上限4,500万円) |
公募期間 | 令和7年2月6日~3月14日(受付終了)※次年度公募に期待 |
公式サイト | https://premium-tour.go.jp/ |
その他の「人を呼びたい」方向け補助金一覧
事業名 | 概要 | 対象者 |
---|---|---|
2. SAVOR JAPAN | 地域の食と農林水産業を核としたインバウンド誘致の取組を認定・発信 | 実行組織 |
4. 酒類業振興支援事業費補助金 | 酒蔵ツーリズム推進や日本産酒類の海外展開を支援 | 酒類事業者等 |
8. 地域観光魅力向上事業 | 収益性の高い観光コンテンツ開発から販路開拓まで総合的に支援 | DMO、民間事業者等 |
9. 地方部での滞在促進のための地域周遊観光促進事業 | DMOが中心となる地域一体の周遊・長期滞在促進の取組を支援 | 登録DMO、地方公共団体 |
11. 国際競争力の高いスノーリゾート形成促進事業 | インバウンド需要を取り込むスノーリゾートのインフラ整備等を支援 | DMO、民間事業者等 |
15. 「食」の力を最大活用したガストロノミーツーリズム推進事業 | 地域の食を核とした体験コンテンツ造成や施設整備を支援 | DMO、民間事業者等 |
18. 全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業 | デジタルツール導入による販路拡大や生産性向上を支援 | DMO、民間事業者等 |
21. デジタルノマド誘客促進事業 | 国際的なリモートワーカー(デジタルノマド)の誘客と受入環境整備を支援 | DMO、民間事業者等 |
【目的別】観光に関わる人を増やしたい(環境整備)
受入環境の整備や人材不足対策など、観光地の基盤を強化するための補助金です。宿泊施設や交通事業者が特に注目すべき支援策が揃っています。
24. 宿泊施設インバウンド対応支援事業 / ユニバーサルツーリズム促進事業
この補助金のポイント
- インバウンド対応として混雑状況の見える化やバリアフリートイレ整備を支援。
- ユニバーサルツーリズム促進として、客室や施設のバリアフリー改修、備品購入を支援。
- 高齢者や障害者、訪日外国人など、誰もが快適に過ごせる施設づくりに活用できます。
対象者 | 宿泊事業者、観光事業者 |
補助率・上限額 | インバウンド対応:1/3(上限150万円) ユニバーサル:1/2(上限750万円~3,000万円) |
公式サイト | https://ut-hojo.go.jp/ |
29. 観光地・観光産業における人材不足対策事業
この補助金のポイント
- 宿泊業の人手不足解消に特化した支援事業。
- 自動チェックイン機、清掃ロボット、配膳ロボットなど省力化設備の導入経費を補助。
- 生産性を向上させ、少ない人数でも質の高いサービスを提供できる体制構築を後押しします。
対象者 | 宿泊事業者 |
補助率・上限額 | 補助率1/2、上限500万円(1施設あたり) |
公式サイト | https://www.kanko-jinzai.go.jp |
【目的別】新しいモノ・コトをつくりたい(新事業・サービス)
新たな事業展開やサービス開発、生産性向上を目指す事業者向けの補助金です。IT導入や省エネ設備投資など、未来への投資を支援します。
45. サービス等生産性向上IT導入支援事業補助金(IT導入補助金)
この補助金のポイント
- 中小企業・小規模事業者の業務効率化やDXに向けたITツールの導入を支援する定番の補助金。
- 予約管理システム、会計ソフト、決済端末(レジ・券売機)など幅広いツールが対象。
- インボイス制度対応のためのツール導入にも活用できる専用枠があります。
対象者 | 中小企業・小規模事業者等 |
補助率・上限額 | 枠により異なる(例:通常枠 1/2、最大450万円) |
公式サイト | https://it-shien.smrj.go.jp/ |
49. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
この補助金のポイント
- 革新的な新製品・新サービスの開発に必要な設備投資等を支援。
- 試作品開発や新たな生産プロセスの導入など、企業の挑戦を後押しします。
- 海外展開を目指す「グローバル枠」も用意されています。
対象者 | 中小企業者、小規模事業者等 |
補助率・上限額 | 1/2 or 2/3、上限750万円~4,000万円(枠・従業員数による) |
公式サイト | https://portal.monodukuri-hojo.jp/ |
【目的別】人が集まるまちにしたい(まちづくり・活性化)
DMOや自治体、地域協議会が主体となり、地域全体の魅力を高めるための事業です。ハード・ソフト両面から、賑わいのあるまちづくりを支援します。
54. 「かわまちづくり」支援制度
この補助金のポイント
- 河川空間とまち空間が融合した、良好な水辺空間の形成を支援。
- 遊歩道やオープンカフェの設置、船着き場の整備など、水辺の利活用計画をハード・ソフト両面からサポート。
- 地域住民や民間事業者と連携した計画が対象となります。
対象者 | 市町村、民間事業者、協議会等 |
支援内容 | 計画策定、河川整備、利活用に関するソフト・ハード両面の支援 |
実施機関 | 北海道開発局 |
【目的別】知名度をあげたい(ブランド力向上)
エコ活動や表彰制度、知的財産の活用などを通じて、地域や事業のブランド価値を高め、知名度アップに繋げるための支援策です。
71. 生物多様性保全推進交付金(エコツーリズム地域活性化支援事業)
この補助金のポイント
- 地域の自然環境の保全と、それを活用したエコツーリズムの推進を両立させる取組を支援。
- 自然観察路の整備、ガイド育成、体験プログラム開発などが対象。
- 「エコ」を切り口とした地域のブランド化、知名度向上に繋がります。
目的 | エコで知名度アップ、地元の魅力活用、観光誘客推進 |
実施機関 | 環境省 |
まとめ:計画的な活用で事業を次のステージへ
本記事では、北海道の観光事業者が活用できる78種類の補助金・助成金を目的別にご紹介しました。自社の課題や目標に合った支援策は見つかりましたでしょうか。
補助金活用の成功の鍵
- 早めの情報収集と準備:公募期間は限られています。常に最新情報をチェックし、事業計画を練っておきましょう。
- 明確な事業計画:なぜこの補助金が必要で、活用して何を実現したいのか、具体的で説得力のある計画書が採択率を高めます。
- 専門家への相談:申請手続きは複雑な場合も。必要に応じて、中小企業診断士や行政書士などの専門家に相談するのも有効です。
これらの支援制度を戦略的に活用し、あなたの観光事業をさらに飛躍させてください。各事業の詳細は、必ず公式サイトや担当窓口で最新情報をご確認ください。