東京都内の保育園や幼稚園で、子どもたちのための「木育活動」を始めませんか?東京都では、施設の運営者が行う木育活動や、多摩産材を活用した施設整備を支援する補助金制度を実施しています。最大250万円の補助で、子どもたちが木のぬくもりに触れる豊かな環境づくりを実現できます。この記事では、補助金の概要から申請方法まで、専門家が分かりやすく解説します。
保育園等による木育活動の支援事業とは?
この事業は、東京都が保育園や幼稚園などでの「木育活動」を支援するものです。木育とは、子どもたちが木材や木製品とのふれあいを通じて、木や森への親しみを深め、その役割や良さを学ぶ活動です。五感が豊かな乳幼児期に木と触れ合うことは、子どもの健やかな成長を促す上で非常に重要とされています。
この補助金の目的
- 幼少期からの木育を通じて、森林の役割や木の良さへの理解を深める。
- 保育施設等に木のぬくもりを取り入れ、子どもたちのための快適な環境を創出する。
- 東京の貴重な財産である森林を次世代に継承していく意識を育む。
補助金の概要(令和7年度)
まずは補助金の基本情報を確認しましょう。重要なポイントを以下の表にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
補助金額 | 【ソフト事業】最大50万円 【ハード事業】最大200万円 |
補助率 | 補助対象経費の2分の1以内 |
募集期間 | 令和7年3月18日(水) ~ 令和7年5月13日(火) |
対象者 | 都内に所在する民間の保育園、幼稚園、認定こども園等の運営者 |
申請方法 | 郵送 または 電子申請システム(Jグランツ) |
補助対象となる事業者・経費
対象となる施設
都内に所在する以下の施設が対象です。ただし、国公立の施設は対象外となります。
- 認可保育所、認証保育所
- 幼稚園、幼保連携型認定こども園
- 家庭的保育事業、小規模保育事業、事業所内保育事業
補助対象経費
補助対象は、ソフト事業とハード事業の2種類に分かれます。ソフト事業の実施が必須で、ハード事業のみの申請はできません。
(1)ソフト事業(必須)
木育活動計画に基づく活動や人材育成にかかる経費です。
- 森林体験活動
- 木製玩具の購入・導入
- 木工作の実施
- 木育に関する研修参加などの人材育成
(2)ハード事業
多摩産材を活用した施設整備にかかる経費です。
- 施設の内装木質化(床、壁など)
- 木製遊具の整備
- 木製什器(机、椅子、棚など)の整備
- 木製外構施設(ウッドデッキ、フェンスなど)の整備
【注意点】ハード事業の要件
ハード事業を実施する場合、多摩産材を一定量以上使用する必要があります。また、設計費や解体・撤去費、消費税は補助対象外となるためご注意ください。
申請の主な要件
申請にあたっては、以下の要件を満たす必要があります。
- 事業完了期限:令和8年3月31日(火)までに事業が完了すること。
- 事業費:1施設あたりの事業費が30万円以上であること。
- 継続性:補助事業を実施した翌年度以降も、木育活動を継続的に行うこと。
- 報告義務:補助事業実施の翌年度から3年間、木育活動の実施状況等を東京都へ報告すること。
申請から補助金交付までの流れ
申請手続きは以下のステップで進みます。スケジュールをしっかり確認し、計画的に準備を進めましょう。
-
ステップ1:応募申請
【期限:令和7年5月13日(火)】
必要書類を作成し、郵送またはJグランツで提出します。 -
ステップ2:審査・事業予定者内定
【時期:7月上旬(予定)】
学識経験者を交えた審査会で木育活動計画の内容が審査され、補助事業者が選定されます。 -
ステップ3:交付申請・決定
内定通知を受けた後、正式に補助金の交付申請を行い、東京都から交付決定通知が届きます。
-
ステップ4:事業着手
交付決定通知を受けてから事業を開始します。決定前の着手は補助対象外です。
-
ステップ5:事業完了・実績報告・補助金受領
事業完了後、実績報告書を提出。金額が確定した後、補助金が支払われます。
申請方法と必要書類
提出書類一覧
申請には以下の書類が必要です。特に「木育活動計画書」は審査の重要なポイントとなるため、園独自の目的や方針を明確に記載しましょう。
- 応募申請書(第1号様式)
- 経費内訳書(第2号様式)
- 申請者の概要(第3号様式)
- 木育活動計画書(第4号様式)
- 位置図(施設所在地、事業実施箇所)
- 設計図書(立面図、平面図等) ※ハード事業実施の場合必須
- 木材使用数量表 ※ハード事業実施の場合必須
提出先・問い合わせ先
申請書類の提出先および問い合わせ先は、施設の所在地によって異なりますのでご注意ください。
23区・島しょの施設
宛先: 産業労働局 農林水産部 森林課 木材流通担当
住所: 〒163-8001 東京都新宿区西新宿2-8-1 東京都庁第一本庁舎21階中央
電話: 03-5320-4855
多摩地域の施設
宛先: 産業労働局 森林事務所 森林産業課 振興担当
住所: 〒198-0036 東京都青梅市河辺町6-4-1 青梅合同庁舎2階
電話: 0428-22-1162
まとめ
東京都の「保育園等による木育活動の支援事業」は、子どもたちの豊かな成長を願い、木のぬくもりある環境づくりを目指す施設にとって、非常に魅力的な補助金です。ソフト事業とハード事業を組み合わせることで、活動の幅を大きく広げることができます。
申請には「木育活動計画書」の質が重要となりますので、園の特色を活かした計画をじっくりと練ることが採択への鍵となります。募集期間は限られていますので、早めに準備を始め、この機会をぜひご活用ください。