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東京都事業内スキルアップ助成金とは?
従業員のスキルアップは、企業の成長に不可欠です。しかし、研修費用の負担は中小企業にとって大きな課題となることも。そこで、東京都では、都内企業が従業員のスキルアップのために実施する研修費用を支援する「事業内スキルアップ助成金」を提供しています。この助成金を活用すれば、最大150万円の助成を受けられ、従業員の能力開発を促進し、企業の競争力強化につなげることができます。本記事では、令和7年度の事業内スキルアップ助成金について、その概要から申請方法、採択のポイントまで詳しく解説します。
助成金の概要
正式名称:令和7年度 事業内スキルアップ助成金
実施組織:公益財団法人東京しごと財団
目的・背景:都内企業における従業員のスキルアップを促進し、企業の競争力強化を図ることを目的としています。変化の激しい経済環境に対応するため、従業員の能力開発を支援します。
対象者の詳細:都内に事業所を有する中小企業等(個人事業主を含む)が対象です。特定の要件を満たす必要があります(後述)。
助成対象となる研修
- 申請企業等の従業員を対象として計画する研修
- 集合研修(同時かつ双方向で行われるオンライン研修を含む)
- 受講者の職務に必要となる専門的な技能・知識の習得・向上又は専門的な資格の取得を目的とする研修
- 専門的な技能・知識を有する指導員、講師により行われる研修
- 通常の業務と区別できるOFF-JTであること
- 研修に要する経費の全額を申請企業等が負担していること
- 業務命令として労働時間内に研修を行い、所定の賃金を支払っていること
- 助成を受けようとする研修について国又は地方公共団体から助成を受けておらず、今後受ける予定もないこと
- 交付申請時に提出した計画のとおりに実施すること
- 令和7年4月1日から令和8年3月31日までの間に開始し、令和8年8月31日までに終了する研修であること
- 1研修あたりの総研修時間数が3時間以上10時間未満であること
- 研修ごとに、2名以上の受講者が総研修時間数の8割以上を受講すること
助成金額・補助率
助成額:助成対象受講者数 × 研修時間数 × 760円
助成限度額:1申請企業等あたり150万円(事業外スキルアップ助成金と合わせて)
計算例:
5人の従業員が5時間の研修を受講した場合:5人 × 5時間 × 760円 = 19,000円
上限額に達するまで複数回の申請が可能です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成額 | 助成対象受講者数 × 研修時間数 × 760円 |
| 助成限度額 | 1申請企業等あたり150万円(事業外スキルアップ助成金と合わせて) |
対象者・条件
都内で事業を営んでいる中小企業等(個人事業主を含む)が対象です。具体的には、以下の要件を満たす必要があります。
- 中小企業基本法第2条第1項に該当する中小企業者であること
- 都内に本社又は主たる事業所(支店・営業所等)があること
- 東京都政策連携団体、事業協力団体又は東京都が設立した法人でないこと
- 過去5年間に重大な法令違反等がないこと
- 都税の未納付がないこと
業種・規模の制限:
| 業種分類 | 資本金の額又は出資の総額 | 常時使用する従業員数 |
|---|---|---|
| 小売業・飲食業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
補助対象経費
助成対象となる経費は、研修に直接必要な経費です。具体的には以下のものが含まれます。
- 指導員・講師謝金
- 会場借上費
- 教科書・教材費
- その他当該研修に直接必要で財団が認める経費
対象外経費:
研修に関係のない経費や、他の事業に要した経費は対象外となります。
申請方法・手順
申請は、紙申請または電子申請(Jグランツ)で行います。
- 交付申請書の提出:紙申請またはJグランツで提出します。
- 審査:東京しごと財団が申請内容を審査します。
- 交付決定:審査通過後、交付決定通知が送付されます。
- 研修の実施:計画に基づき研修を実施します。
- 実績報告書の提出:研修終了後、実績報告書を提出します。
- 助成金の請求:実績報告書に基づき、助成金を請求します。
- 助成金の支払い:東京しごと財団から助成金が支払われます。
必要書類:
- 事業内スキルアップ助成金交付申請書(様式第1号)
- 助成対象額計算書(様式第2号)
- 研修計画(様式第3号)
- 講師名簿(様式第3号-2)
- 誓約書(様式第4号)
- その他必要書類(募集要項参照)
申請期限:研修開始予定日の1か月前まで
申請スケジュール:
交付申請書受付期間:令和7年3月1日から令和8年2月28日まで
オンライン/郵送の詳細:
郵送の場合:〒102-0072 東京都千代田区飯田橋3‐8‐5 住友不動産飯田橋駅前ビル11階 公益財団法人東京しごと財団 「スキルアップ助成金」事務局
Jグランツの場合:Jグランツ申請フォーム
採択のポイント
採択されるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
- 研修内容が従業員の職務に必要な技能・知識の習得・向上に繋がること
- 研修計画が具体的かつ実現可能であること
- 経費の算出根拠が明確であること
審査基準:
審査では、研修の必要性、妥当性、効果などが総合的に評価されます。
採択率の情報:
採択率は年度によって変動しますが、事前の準備をしっかり行うことで採択の可能性を高めることができます。
申請書作成のコツ:
申請書は、研修の目的、内容、効果を明確に記載し、審査員に分かりやすく伝えることが重要です。
よくある不採択理由:
研修内容が助成対象に該当しない、申請書類に不備がある、経費の算出根拠が不明確などが不採択の理由として挙げられます。
よくある質問(FAQ)
- Q: 助成対象となる研修はどのようなものですか?
- A: 従業員の職務に必要な技能・知識の習得・向上を目的とした研修が対象です。
- Q: 助成金の申請はいつまでに行えばよいですか?
- A: 研修開始予定日の1か月前までに申請が必要です。
- Q: 助成金はいつ支払われますか?
- A: 実績報告書に基づき、助成金額が確定した後、支払われます。
- Q: 電子申請(Jグランツ)の方法がわかりません。
- A: 東京しごと財団のウェブサイトに掲載されている電子申請の手引きをご確認ください。
- Q: 申請書類の書き方がわかりません。
- A: 東京しごと財団のウェブサイトに掲載されている記入例をご参照ください。
まとめ・行動喚起
東京都事業内スキルアップ助成金は、従業員のスキルアップを支援し、企業の成長を促進するための有効な制度です。申請を検討されている方は、本記事を参考に、早めに準備を始めましょう。
次のアクション:
- 東京しごと財団のウェブサイトで募集要項を確認する
- 研修計画を立てる
- 申請書類を準備する
- 申請を行う
問い合わせ先:
公益財団法人東京しごと財団 企業支援部 雇用環境整備課 「スキルアップ助成金」事務局
電話:03-5211-0391(平日9時~17時)