令和6年度補正「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」とは?
令和6年度補正予算「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」は、工場や事業場における省エネ性能の高い汎用的な設備への更新を支援する制度です。エネルギー価格の高騰が続く中、企業のコスト削減とカーボンニュートラル実現への貢献を後押しすることを目的としています。この記事では、特に多くの事業者が活用しやすい「(Ⅲ)設備単位型」を中心に、公募情報や申請方法をプロ級に分かりやすく解説します。
この補助金のポイント
- ✓ 汎用的な15種類の設備が対象で使いやすい
- ✓ 補助上限は最大1億円と大規模投資にも対応
- ✓ EMS導入を組み合わせることで、さらなる省エネとDXを推進可能
- ✓ 複数年度にわたる事業計画(最大2年)も支援対象
補助金概要(3次公募)
まずは補助金の全体像を把握しましょう。3次公募の主な情報は以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
補助金名 | 令和6年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業費補助金 |
実施団体 | 一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII) |
3次公募期間 | 2025年8月13日(水)~ 2025年9月24日(水)※17:00必着 |
対象事業者 | 国内で事業活動を営む法人及び個人事業主 |
交付決定予定 | 2025年11月中旬予定 |
2つの事業区分を解説
本事業は、大きく分けて2つの区分で申請が可能です。自社の計画に合わせて最適な区分を選びましょう。
(Ⅲ) 設備単位型
SIIが定めた基準を満たす省エネ設備(指定設備)の導入を支援する、最も一般的なプランです。
補助対象設備
対象となるのは、以下のユーティリティ設備および生産設備です。
- 高効率空調、産業ヒートポンプ、業務用給湯器
- 高性能ボイラ、高効率コージェネレーション
- 低炭素工業炉、変圧器、冷凍冷蔵設備
- 産業用モータ、制御機能付きLED照明器具
- 工作機械、プラスチック加工機械、プレス機械、印刷機械、ダイカストマシン
申請要件・補助率
省エネ要件 | 更新範囲内で、①省エネ率10%以上、②省エネ量1kl以上、③経費当たり省エネ量1kl/千万円 のいずれかを満たすこと。 |
補助対象経費 | 設備費 |
補助率 | 1/3以内 |
補助金限度額 | 上限額:1億円 / 事業全体 下限額:30万円 / 事業全体 |
(Ⅳ) エネルギー需要最適化型
登録されたEMS(エネルギーマネジメントシステム)を導入し、エネルギーの見える化と最適化を図る事業を支援します。この補助金では「(Ⅲ)設備単位型」との組み合わせ申請が必須です。
申請要件・補助率
申請要件 | 省エネ率2%改善を目安としたEMS活用計画の作成・成果報告・公表を行うこと。 |
補助対象経費 | 設計費・設備費・工事費 |
補助率 | 中小企業者等:1/2以内 大企業・その他:1/3以内 |
補助金限度額 | 上限額:1億円 / 事業全体 下限額:30万円 / 事業全体 |
重要:申請時の注意点
契約・発注は必ず交付決定日以降に行ってください。交付決定前に発注した設備は補助対象外となります。また、(Ⅲ)設備単位型では原則として3者以上からの見積取得が必須です。早めに準備を進めましょう。
申請から補助金受領までの8ステップ
交付申請は計画的に進めることが採択への鍵です。以下のステップを参考にしてください。
-
1
補助事業ポータルのアカウント登録
申請手続きの第一歩。まずは専用ポータルサイトのアカウントを取得します。登録後、ログイン情報がメールで送付されるまで約1日かかります。 -
2
公募要領・手引きの確認
公式サイトから最新の公募要領や手引きをダウンロードし、事業内容やルールを正確に理解します。 -
3
更新設備・エネマネ事業者の選定
補助対象設備一覧を確認し、導入する設備を選定します。EMSを導入する場合は、登録エネマネ事業者を選びます。 -
4
見積の取得(3者以上)
(Ⅲ)設備単位型では、導入する設備について3者以上の販売事業者から見積書を取得します。価格の妥当性を示す重要な書類です。 -
5
必要書類の収集・作成
決算書や登記簿謄本などの必要書類を収集し、指定の申請様式を作成します。 -
6
省エネルギー量の算出
指定の計算手引きに基づき、設備更新による年間の省エネルギー量を計算します。 -
7
補助事業ポータルへの入力
収集・作成した情報を補助事業ポータルに入力し、申請書データを作成します。 -
8
書類の郵送
ポータルから出力した書類とその他必要書類をファイリングし、副本を保管した上で、正本を公募期間内に必着で郵送します。
まとめと次のアクション
「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」は、企業の省エネ設備導入を力強くサポートする制度です。特に「(Ⅲ)設備単位型」は対象設備が広く、多くの企業にとって活用価値が高いと言えます。公募期間は限られているため、早めの情報収集と準備が採択の鍵となります。
まずは公式サイトで最新の公募要領をダウンロードし、自社の設備更新計画が対象になるか確認することから始めましょう。