離島での生活や事業に不可欠な石油製品。その安定供給体制の構築と維持は、地域にとって喫緊の課題です。この記事では、資源エネルギー庁が実施する「離島への石油製品の安定・効率的な供給体制の構築支援事業」について、対象者、補助額、申請方法などをプロの視点で徹底解説します。コンソーシアム形成による流通合理化から、油槽所の設備維持まで、最大1億円が補助されるこの重要な制度をぜひご活用ください。
補助金の概要
補助金名 | 離島への石油製品の安定・効率的な供給体制の構築支援事業 |
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実施機関 | 資源エネルギー庁(窓口:全国石油商業組合連合会) |
目的 | 離島における石油製品の安定的かつ効率的な供給体制の確保を図るため、①流通合理化・安定供給対策の策定、②油槽所設備等の維持に要する経費を補助する。 |
補助額・補助率 | ①対策策定支援:定額(10/10)、上限1,000万円 ②設備維持支援:補助率1/2、上限1億円 |
公募期間 | 2025年4月3日(木) ~ 2025年8月15日(金) |
2つの支援メニューを徹底解説
本事業は、離島の状況に応じて2つの支援メニューが用意されています。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
① 流通合理化・安定供給対策の策定支援
地域関係者が連携し、石油製品の流通合理化や安定供給体制を構築するための計画策定を支援するメニューです。
- 内容:自治体、事業者、需要家などで構成されるコンソーシアムを設立し、協議会等を開催。地域の実情に合わせた具体的な対策を策定します。
- 補助額:上限1,000万円(定額補助)
- 具体例:島内配送体制の見直し、共同配送の検討、海上輸送方法の効率化、石油製品備蓄増強による安定供給体制の確立など。
② 離島の油槽所設備等の維持支援
離島のエネルギー供給の要である油槽所の維持・管理にかかる経費を支援するメニューです。
- 内容:離島に所在する油槽所の開放検査や、老朽化した設備の維持・改修などを支援します。
- 補助額:上限1億円(補助率1/2)
- 具体例:タンクの開放検査費用、配管やポンプ等の修繕・更新費用、安全対策強化のための設備導入費用など。
あなたは対象?応募資格をチェック
応募資格のポイント
【① 対策策定支援】
民間団体等によるコンソーシアムの代表団体が対象です。重要なのは、当該離島が属する地方公共団体の参画が必須である点です。企業(元売・特約店・地元販売店等)、NPO法人、組合団体、研究機関などが連携して申請します。
【② 設備維持支援】
離島に所在する油槽所の所有者または管理者が対象です。申請には、油槽所が所在する地方公共団体や島内給油所等からの推薦が必要です。対象は地方公共団体、組合団体、企業(特約店・販売店等)ですが、企業の場合は中小企業基本法に規定される中小企業者のみが対象となり、大企業は対象外です。
申請スケジュールと手順
公募期間(2025年度)
公募期間は以下の通りです。締切が複数回設定されています。
- 全体期間:2025年4月3日(木) ~ 2025年8月15日(金)
- 1次締切:2025年4月25日(金)
- 2次締切:2025年6月20日(金)
- 3次締切:2025年8月15日(金)
【重要】予算上限に達し次第、期間内でも公募を終了する場合があります。事業計画が固まり次第、できるだけ早い締切回での申請を強く推奨します。
申請の4ステップ
- 1公募要領・関係書類の確認
公式サイトから最新の公募要領や様式類をダウンロードし、事業内容や要件を詳細に確認します。 - 2事業計画の策定
(メニュー①の場合)地方公共団体を含む関係者と連携し、コンソーシアムを形成します。課題解決に向けた具体的な事業計画を策定します。 - 3申請書類の作成・提出
指定の様式に従い、交付申請書や事業計画書、経費積算表などを作成します。電子申請システム「Jグランツ」での申請も可能です。 - 4審査・採択
提出された書類は審査委員会によって審査され、採択・不採択が決定されます。
まとめ
「離島への石油製品の安定・効率的な供給体制の構築支援事業」は、離島のエネルギーインフラを支える極めて重要な補助金です。計画策定から大規模な設備投資まで幅広く支援されるため、地域の課題解決に直結します。成功の鍵は、地方公共団体や地域の関係事業者との緊密な連携です。本制度を最大限に活用し、持続可能なエネルギー供給体制の構築を目指しましょう。
公式情報・お問い合わせ先
公募要領、申請様式などの詳細は、必ず公式サイトでご確認ください。
【お問い合わせ先】
全国石油商業組合連合会 政策グループ 環境・安全対策チーム
E-mail:kankyou@zensekiren.or.jp