【ご注意】本記事で解説している2025年度の公募はすでに締め切られています。次年度以降の公募に向けた情報収集や準備の参考としてご活用ください。
対内直接投資促進事業費補助金とは?
「対内直接投資促進事業費補助金」は、独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)が実施する補助金制度です。この制度は、外国企業や在日外資系企業が持つ革新的な技術やビジネスモデルを日本へ導入・展開する取り組みを支援することを目的としています。具体的には、外国企業と連携する日本企業や、日本での事業拡大を目指す在日外資系企業に対し、事業可能性調査(F/S)や社会実装に向けた実証プロジェクトの経費の一部を補助します。
この補助金を活用することで、日本市場への参入障壁を下げ、投資意欲を喚起し、事業展開を加速させることが期待されます。
補助金名 | 対内直接投資促進事業費補助金 |
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実施機関 | 独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ) |
補助上限額 | 最大1,500万円 |
補助率 | 中小企業:2分の1以内 大企業:3分の1以内 |
対象者 | 日本に拠点を持つ民間事業者等(在日外資系企業、外国企業と協業する日本企業など) |
対象事業 | 日本国内での事業可能性調査やビジネス実証プロジェクト |
公募期間(参考) | 【一次】2025年3月31日~5月9日 【二次】2025年5月15日~6月27日 ※公募は終了しています |
補助対象となる事業者と事業内容
補助対象者の要件
この補助金の対象となるには、以下の基本的な要件を満たす必要があります。
- 日本に拠点および法人格を持ち、事業実態がある民間事業者等であること。
- 外国企業との協業連携プロジェクトを有する日本企業、または日本での投資・事業拡大プロジェクトを有する在日外資系企業であること。
特に重要なポイント:在日外資系企業の定義
在日外資系企業として申請する場合、外国人投資家が当該日本法人の株式の3分の1以上を所有しており、かつ、外国側筆頭出資者の出資比率が10%以上である必要があります。
補助対象事業と対象分野
補助の対象となるのは、日本への革新的な技術やビジネスモデルの導入・展開を目指す、日本国内での実証事業や事業可能性調査です。
- 対象事業:製品・サービスの開発、運用、評価等を通じた実証や、日本での投資・事業拡大・協業連携に係る事業可能性調査(F/S)。
- 実施地:日本国内
- 対象分野:製造、ヘルスケア、グリーン、その他デジタル関連技術(モビリティ、Fintech、卸・小売り)など。特に半導体・マイクロエレクトロニクス、ライフサイエンス、脱炭素分野が重視されます。
補助対象経費と補助率
対象となる経費
補助対象となる経費は、事業実施に直接必要と認められる以下の費用です。
- 機械設備費
- 外注・委託費
- 旅費
- 備品費、消耗品費
- 人件費、補助要員費
- 広告費
- その他、事業実施に必要な経費
支払いに関する注意点
補助金は事業完了後、実績報告書とジェトロによる確定検査を経て支払われる「精算払い」です。事業実施中の資金繰りに充てる「概算払い」はありませんので、ご注意ください。
申請手続きの流れ(参考)
2025年度の公募は電子申請システム「jGrants」を利用して行われました。次年度以降も同様の手続きとなる可能性が高いため、参考にしてください。
- ステップ1:必要書類の準備
公募要領を確認し、「交付申請書」「事業経費概算書」「プロジェクト概要資料」などの指定様式をダウンロードして作成します。その他、会社概要や決算書なども準備します。 - ステップ2:jGrantsでの申請
jGrantsの公募ページ内にある応募フォームに必要事項を入力し、ステップ1で準備した全ての書類をアップロードして送信します。 - ステップ3:書類審査・プレゼン審査
提出された書類に基づき審査が行われます。書類審査を通過した事業者は、プレゼンテーション審査に進みます。 - ステップ4:採択発表・交付契約
審査を経て採択事業者が決定・発表され、その後ジェトロと補助交付契約を締結します。
採択率を高める審査のポイント(加点要件)
過去の公募では、以下の要件を満たすプロジェクトが審査で高く評価される傾向にありました。次回の申請準備の際に、これらの要素を事業計画に盛り込むことが重要です。
- 技術・ビジネスモデルの新規性:技術的に新しい、または日本にまだないビジネスモデルであること。
- 社会課題解決への貢献:日本の経済や社会が抱える課題(例:脱炭素、高齢化)の解決に繋がること。
- 政策分野への貢献:サプライチェーン強靭化など、国の重要政策に貢献するものであること。
- 地域経済への貢献:地方の活性化や、地域への対日投資を促進するものであること。
- スタートアップ連携:協業する外国企業や在日外資系企業が、技術革新性を持つスタートアップであること。
- 実現可能性の高さ:プロジェクトの計画が具体的で、対日投資や協業の実現性が高いこと。
まとめと次年度公募への準備
JETROの「対内直接投資促進事業費補助金」は、外国の優れた技術やビジネスを日本に呼び込み、経済を活性化させるための重要な制度です。補助上限額が大きく、日本市場への進出や協業を検討している企業にとっては非常に魅力的な支援策と言えます。
2025年度の公募は終了しましたが、例年同様の事業が実施される可能性があります。次回の公募に備え、今のうちから事業計画の具体化、協業パートナーとの連携強化、加点要件を意識したプロジェクト設計を進めておくことをお勧めします。
お問い合わせ先
ジェトロ ビジネスデロップメント課(実証担当)
E-mail: DX_POC@jetro.go.jp
Tel: 03-3582-5644
受付時間:9時00分~12時00分 / 13時00分~17時00分(土日祝日・年末年始を除く)