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【中野区】介護職員の家賃を最大87.5%補助!宿舎借上げ支援事業補助金を徹底解説

詳細情報

東京都中野区で介護事業所を運営されている法人様へ。深刻化する介護人材の不足は、事業運営における大きな課題ではないでしょうか。職員の定着率を高め、新たな人材を確保するためには、魅力的な福利厚生が不可欠です。特に、生活費の大部分を占める「家賃」へのサポートは、職員にとって非常に大きな魅力となります。

この記事では、中野区が実施する「中野区介護職員宿舎借上げ支援事業補助金」について、対象者、補助金額、申請方法から採択のポイントまで、どこよりも詳しく解説します。この制度を活用すれば、職員1人あたり月額最大82,000円の家賃経費に対し、最大8分の7(87.5%)という手厚い補助を受けることが可能です。人材確保と定着、そして災害時の対応力強化にも繋がるこの補助金を、ぜひご活用ください。

この記事でわかること

  • 中野区介護職員宿舎借上げ支援事業補助金の全体像
  • 自社が補助金の対象になるかの確認方法
  • 具体的な補助金額と補助率の計算方法
  • 申請から受給までの具体的なステップと必要書類
  • 申請前に必ずやるべき重要な準備

① 補助金の概要

まずは、本補助金の基本的な情報を確認しましょう。どのような目的で、誰を対象にしているのかを理解することが第一歩です。

正式名称 中野区介護職員宿舎借上げ支援事業補助金
実施組織 中野区
目的 介護職員等のために宿舎を借り上げる費用の一部を補助することにより、働きやすい職場環境の実現及び介護人材の確保・定着を図るとともに、事業所の防災への取組を推進し、災害時の迅速な対応を実現すること。
対象者 中野区内で特定の地域密着型サービス事業所を運営する法人

この補助金の大きな特徴は、中野区の「地域密着型サービス」に特化している点です。東京都が実施している類似の宿舎借上げ支援事業では地域密着型サービスは対象外のため、中野区内でこれらのサービスを提供する事業者にとっては非常に貴重な制度と言えます。

② 補助金額・補助率

補助金額は、法人が負担する家賃額と、区との協定の有無によって変動します。計算方法をしっかり理解しましょう。

補助額の計算方法

補助額は以下の3ステップで計算されます。

  • Step 1: 法人負担額を算出
    (宿舎の賃料・共益費等) – (入居職員からの負担額) = 法人負担額
  • Step 2: 補助基準額を決定
    「Step 1の法人負担額」と「上限基準額82,000円」を比較し、いずれか少ない方の額を補助基準額とします。
  • Step 3: 補助額を確定
    「Step 2の補助基準額」 × 「補助率(8分の7 or 2分の1)」 = 補助額(1,000円未満切り捨て)

補助率の詳細

補助率は、災害時への協力体制によって大きく変わります。

補助率 条件
8分の7
(87.5%)
事業所が中野区と福祉避難所協定等を締結しており、かつ、借り上げる宿舎が事業所から10km以内に存在する場合。
2分の1
(50%)
上記以外の場合。

【具体例】補助額シミュレーション

ケース1:福祉避難所協定ありの場合

  • 家賃・共益費:92,000円
  • 職員負担額:10,000円
  • 法人負担額:82,000円
  • 補助基準額:82,000円(法人負担額と上限82,000円の少ない方)
  • 補助額:82,000円 × 7/8 = 71,750円 → 71,000円(1,000円未満切捨)

ケース2:福祉避難所協定なしの場合

  • 家賃・共益費:92,000円
  • 職員負担額:10,000円
  • 法人負担額:82,000円
  • 補助基準額:82,000円
  • 補助額:82,000円 × 1/2 = 41,000円

③ 対象者・条件

補助金を利用するには、法人・職員・宿舎のそれぞれに定められた要件をすべて満たす必要があります。

対象となる法人(事業所)

中野区内で、以下のいずれかの地域密着型サービスに係る事業所を運営する法人が対象です。

  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 夜間対応型訪問介護
  • 地域密着型通所介護
  • 認知症対応型通所介護
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 認知症対応型共同生活介護
  • 看護小規模多機能型居宅介護

対象となる職員

上記の事業所に勤務し、以下の要件を満たす職員が対象です。

  • 職種:介護職員、訪問介護員、サービス提供責任者、生活相談員、支援相談員、居宅サービス計画を作成する者、介護支援専門員
  • 法人の役員ではないこと。
  • 非常勤職員の場合、実労働時間が常勤職員の所定労働時間の2分の1以上であること。
  • (補助率8分の7の適用を受ける場合)福祉避難所協定等に係る業務に従事する職員であること。

対象となる宿舎

  • 法人が対象職員を居住させるために平成28年度以降に借り上げた住宅であること。
  • 対象職員が現に居住していること。
  • (補助率8分の7の適用を受ける場合)事業所から10km以内に存在すること。

重要な制限事項

  • 1事業所(法人)あたり、同一年度内に補助を受けられるのは1戸までです。
  • 同一の宿舎に対する補助は、通算4年間が上限となります。
  • 他の補助金等と重複して受給することはできません。

④ 補助対象経費

補助の対象となる経費、ならない経費を正確に把握しておきましょう。

項目 詳細
対象となる経費
  • 賃料
  • 共益費(管理費)
  • その他、借上げに要する費用(礼金、更新料などが含まれる可能性があります。詳細は区にご確認ください)
対象とならない経費
  • 敷金、保証金など、後に返還される費用
  • 仲介手数料
  • 火災保険料
  • 駐車場代、駐輪場代
  • 水道光熱費、通信費
  • 入居職員が全額負担している費用

⑤ 申請方法・手順

申請は計画的に進める必要があります。特に、申請前の準備が非常に重要です。

Step 1: 【最重要】前年度の需要量調査への回答

この補助金を申請するためには、原則として、補助を受けたい年度の前年度に、中野区が「ケア倶楽部」を通じて行う需要量調査に回答している必要があります。これが申請の絶対条件となるため、来年度以降の活用をお考えの場合は、調査の案内を見逃さないように注意してください。もし回答状況が不明な場合や回答を忘れた場合は、速やかに担当窓口へ相談しましょう。

Step 2: 必要書類の準備

申請には以下の書類が必要です。早めに準備を始めましょう。

  • 中野区介護職員宿舎借上げ支援事業補助金交付申請書(第1号様式)
  • 福祉避難所協定等の写し(補助率8分の7の適用を受ける場合)
  • 労働基準法第108条に規定する賃金台帳の写し
  • 宿舎の賃貸借に係る契約書等の写し(契約者名義が法人であること
  • 宿舎に居住する対象職員の住民票の写し
  • 法人と職員との雇用関係を証する書類(雇用契約書など)
  • その他、区長が必要と認める書類

Step 3: 申請書の提出

準備した書類一式を、中野区の担当窓口に提出します。提出期限は「区長が別に定める日」とされているため、必ず事前に担当窓口に確認してください。

Step 4: 交付決定から支払いまで

  1. 交付決定:区が申請内容を審査し、適当と認められると「交付決定通知書」が届きます。
  2. 実績報告:補助対象期間が終了した後、「実績報告書」と経費の支払いを証明する書類(振込明細書の写し等)を提出します。
  3. 金額確定:実績報告の内容に基づき、補助金の交付額が最終的に確定し、「交付額確定通知書」が届きます。
  4. 請求・支払:確定通知書を受け取った後、区に補助金の支払いを請求します。その後、指定の口座に補助金が振り込まれます。

⑥ 採択のポイント

本補助金は、事業計画の優劣を競うものではなく、定められた要件を満たしていれば採択される可能性が高い制度です。以下のポイントを確実に押さえましょう。

  • 需要量調査への回答が絶対条件:何度も繰り返しますが、これが最も重要です。来年度の活用を見据え、必ず回答しましょう。
  • 書類の完璧な準備:申請書類に不備があると、審査が遅れたり、最悪の場合不採択となったりする可能性があります。特に、賃貸借契約書の名義が法人であること、職員の勤務時間等の要件を満たしていることを証明する書類は念入りに確認してください。
  • 福祉避難所協定の検討:補助率が50%から87.5%へと大幅にアップします。地域貢献にも繋がり、法人の信頼性向上にも寄与するため、積極的に締結を検討することをおすすめします。

⑦ よくある質問(FAQ)

Q1. 職員が個人で契約しているアパートを、法人が家賃補助する形でも対象になりますか?

A1. いいえ、対象になりません。この補助金は、法人が貸主と直接「賃貸借契約」を締結し、借り上げた宿舎(社宅)が対象です。いわゆる「また貸し」の状態である必要があります。

Q2. 東京都の「介護職員宿舎借り上げ支援事業」との違いは何ですか?

A2. 最大の違いは対象となるサービスです。東京都の事業は広範な介護サービスを対象としていますが、「地域密着型サービス」は対象外です。一方、この中野区の補助金は「地域密着型サービス」に特化しています。ご自身の事業所がどちらに該当するかを確認することが重要です。

Q3. 職員から家賃を徴収しても補助金は受けられますか?

A3. はい、受けられます。ただし、補助対象となるのは法人が実際に負担した金額(家賃総額から職員負担額を差し引いた額)です。職員負担額を増やすと、その分補助額は減少します。

Q4. 前年度の「需要量調査」に回答し忘れてしまいました。もう申請は不可能でしょうか?

A4. 中野区の公式サイトには「回答忘れ等がある場合は担当までご連絡ください」との記載があります。諦めずに、まずは担当窓口である介護保険課管理係に事情を説明し、相談してみてください。

Q5. 補助金はいつ振り込まれますか?

A5. 補助金は、事業年度が終了した後の実績報告、金額確定を経てから支払われる「精算払い」です。家賃の支払いは法人が立て替える必要がありますので、資金繰りにはご注意ください。

⑧ まとめ・お問い合わせ先

「中野区介護職員宿舎借上げ支援事業補助金」は、地域に根差した介護サービスを提供する事業者にとって、人材確保・定着の強力な武器となる制度です。

重要ポイントの再確認

  • 対象:中野区の地域密着型サービス事業所を運営する法人
  • 補助額:法人負担の家賃等(上限月8.2万円)に対し、補助率8分の7または2分の1
  • 条件:法人名義での宿舎契約、職員要件の遵守、そして【最重要】前年度の需要量調査への回答
  • 制限:1法人あたり年度内1戸、通算4年間まで

職員の満足度向上と事業の安定化のために、この制度の活用をぜひご検討ください。不明な点や詳細な申請スケジュールについては、下記の担当窓口へ直接お問い合わせください。

お問い合わせ先

担当部署 中野区 地域支えあい推進部 介護保険課 管理係
電話番号 03-3228-5629

補助金詳細

補助金額 最大 8万円
主催 中野区
申請締切 要確認(前年度の需要量調査への回答が必要なため、詳細は区へお問い合わせください)
申請難易度
(一般的)
採択率 30.0%
閲覧数 2 回
👥

対象者・対象事業

中野区において、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、看護小規模多機能型居宅介護のいずれかに係る事業所を運営する法人。

📝 申請の流れ

1

必要書類の準備

事業計画書、見積書などを用意します。

2

申請書類の提出

オンラインまたは郵送で提出します。

3

審査

通常1〜2ヶ月程度かかります。

4

採択・交付決定

結果通知と交付手続きを行います。

❓ よくある質問

中野区において、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、看護小規模多機能型居宅介護のいずれかに係る事業所を運営する法人。

通常、申請から採択決定まで1〜2ヶ月程度かかります。ただし、補助金の種類や申請時期によって異なる場合がありますので、詳しくは担当窓口にお問い合わせください。
多くの場合、次回の募集期間で再申請が可能です。不採択の理由を確認し、改善した上で再度申請することをお勧めします。詳しくは担当窓口にお問い合わせください。

お問い合わせ

中野区 地域支えあい推進部 介護保険課 管理係
電話番号: 03-3228-5629

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