愛知県内で商店街の活性化や地域の賑わい創出に取り組む皆様へ朗報です。愛知県では、商店街振興組合や商工会などが実施するイベント、販売促進、デジタル化などの取り組みを支援する「令和7年度 商業振興事業費補助金(地域商業活動活性化事業)」の追加募集を開始しました。この補助金を活用すれば、最大90万円の支援を受け、夏祭りやイルミネーション、ECサイトの構築といった魅力的な事業を実現できます。この記事では、補助金の概要から対象経費、申請方法、さらには採択されるためのポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。あなたの団体のアイデアを形にし、地域をさらに元気にするための第一歩を、この記事から踏み出しましょう。

この補助金のポイント

  • 愛知県内の商店街組織や商工会、組合などが対象
  • イベント、販促、デジタル化、インバウンド対策など幅広い事業に活用可能
  • 補助上限額は最大90万円
  • 会員数に応じて最大80%の高い補助率(特定団体の場合)
  • 追加募集の申請期間は2025年8月8日から11月28日まで

① 補助金の概要

まずは、この補助金がどのような制度なのか、全体像を把握しましょう。

正式名称

令和7年度 商業振興事業費補助金(地域商業活動活性化事業)

実施組織

愛知県 経済産業局 中小企業部 商業流通課

目的・背景

この補助金は、愛知県内の地域経済の持続的な発展を目的としています。商店街などの団体が自主的かつ主体的に取り組む、地域の賑わい創出や販売促進、機能強化といった商業活動を支援することで、地域全体の活性化を図ることを目指しています。夏祭りやイルミネーションのような集客イベントから、ECサイト構築のようなデジタル化の取り組みまで、幅広い活動が対象となります。

② 補助金額・補助率

補助金の活用を検討する上で最も重要な、金額と補助率について詳しく見ていきましょう。

補助限度額

  • 補助金の上限額:90万円
  • 補助対象経費の下限額:20万円

補助の対象となる経費の合計が20万円未満の事業は申請できませんのでご注意ください。

補助率

補助率は、団体の会員数と事業内容によって変動します。特に、県の指定を受けた「商店街の未来を拓くプロジェクト指定団体」は、補助率が2倍に引き上げられる優遇措置があります。

会員数 通常事業
(賑わい創出・インバウンド等)
地域課題対応事業
(通常)
地域課題対応事業
(未来を拓くプロジェクト指定団体)
1~30者 40%以内 40%以内 80%以内
31~50者 30%以内 30%以内 60%以内
51者~ 20%以内 20%以内 40%以内

※過疎・離島地域は会員数に関わらず「1~30者」の補助率が適用されます。

計算例

【例】会員数25者の商店街が、総事業費150万円(うち補助対象経費120万円)の夏祭り(賑わい創出事業)を実施する場合

  • 補助対象経費:120万円
  • 補助率:40%(会員数1~30者のため)
  • 計算上の補助金額:120万円 × 40% = 48万円
  • 交付される補助金額:48万円(上限90万円以内)

③ 対象者・条件

どのような団体がこの補助金の対象となるのか、具体的な要件を確認しましょう。

対象となる団体

以下のいずれかに該当する団体が対象です。

  • 商店街振興組合及び発展会等の商店街組織
  • 事業協同組合、商工組合(商業組合)、協業組合
  • 若手及び女性経営者団体
  • 商工会、商工会議所、まちづくり会社、その他各種準拠法に基づく法人
  • 商店街組織又は事業協同組合等の組合を含む連合組織

団体の必須要件

上記の団体は、さらに以下の要件をすべて満たす必要があります。

  • 愛知県内に事務所があり、愛知県内で活動していること
  • 定款、規約又は会則があること
  • 理事又は役員が定められていること
  • 総会等で事業の実施が会員の総意で決定されていること
  • 団体名義の通帳、経理の帳簿が整備されていること
  • 補助対象事業の確実な実施が見込まれること
  • 政治団体、宗教団体、営利目的の団体でないこと
  • 暴力団又は暴力団員との関係が無いこと

④ 補助対象事業・経費

この補助金は、大きく3つの事業区分に分かれています。自団体の計画がどれに該当するか確認しましょう。

3つの事業区分と具体例

  • (1) 賑わい創出・商機能強化事業
    地域の賑わいを作り出し、販売を促進するための事業です。
    例:夏まつり、イルミネーション、共同セール、商店街マップ作成、ECサイト構築、デリバリーアプリ導入など
  • (2) 地域課題対応事業
    (1)の事業と併せて、地域が抱える課題解決に取り組む事業です。
    例:子育て支援(託児)、高齢者交流イベント、防災セミナー、地元の名産品活用、空き店舗対策、清掃活動など
  • (3) インバウンド対策事業
    訪日外国人の集客や消費拡大を目的とした事業です。
    例:外国人向けイベント、多言語対応のPRツール作成、免税手続きの講習会など

1団体につき、各区分で1事業ずつ、最大3事業まで申請可能です。

補助対象となる経費(OK経費)

補助金の対象となる経費は主に以下の通りです。

経費区分 具体例
会場費 会場借上料、設営・撤去費、警備費、ECサイト構築費、有償ボランティアへの謝礼(1人1日1万円以内)など
謝金 講師謝金・旅費、タレント・司会者出演料・旅費など
広告費 チラシ・ポスター印刷費、ホームページ作成費用、新聞・ラジオ広告料、看板作成・設置費など
その他 事業効果測定の調査費、振込手数料、天災等による中止に伴う経費など

補助対象とならない経費(NG経費)

以下の経費は補助対象外となるため、事業計画を立てる際に注意が必要です。

  • 飲食費、粗品・賞品代
  • 団体の運営にかかる経費(家賃、光熱費、事務費など)
  • 消費税及び地方消費税
  • 反復使用が可能な物品(パソコン、カメラなど)の購入費
  • 組合員やその従業員への人件費
  • 原則1万円以上の現金・小切手での支払い
  • 個人名義のクレジットカードやキャッシュレス決済での支払い

⑤ 申請方法・手順

申請から補助金受け取りまでの具体的な流れを解説します。

申請期間と事業実施期間

  • 追加募集 申請期間:2025年8月8日(金)~ 2025年11月28日(金)
    ※予算額に達した場合、期限前に受付を終了することがあります。
  • 補助対象事業の実施期間:2025年8月8日(金)~ 2026年3月31日(火)

申請から交付までの流れ

  1. 事前相談:管轄の窓口に事業内容について相談します。
  2. 申請書類の作成:愛知県の公式ウェブサイトから申請書等をダウンロードし、必要事項を記入します。
  3. 申請書類の提出:募集期間内に管轄の窓口へ提出します。
  4. 審査・交付決定:県による審査後、交付(または不交付)決定通知が届きます。
  5. 事業実施:交付決定後、計画に沿って事業を実施します。
  6. 実績報告:事業完了後、定められた期間内に実績報告書と証拠書類を提出します。
  7. 額の確定・補助金交付:県による完了検査後、補助金額が確定し、指定口座に振り込まれます(精算払い)。

必要書類一覧

  • 補助金交付申請書
  • 事業計画書
  • 収支予算書
  • 団体の概要がわかる書類(定款、規約、役員名簿など)
  • 誓約書
  • その他、県が必要と認める書類

最新の様式や記入例は、必ず愛知県の公式ウェブサイトでご確認ください。

問合せ・申請書提出先

申請は、団体を所管する県の各機関、または団体の所在地を所管する県民事務所などへ行います。まずは、愛知県商業流通課または最寄りの窓口へお問い合わせください。
【主担当】愛知県経済産業局中小企業部商業流通課 商業振興グループ
電話:052-954-6337

⑥ 採択のポイント

多くの団体が申請する中で、採択を勝ち取るためにはいくつかの重要なポイントがあります。

審査で重視される視点

  • 事業の公益性と必要性:なぜこの事業を今、この地域で行う必要があるのかが明確か。
  • 計画の具体性と実現可能性:誰が、いつ、どこで、何を、どのように行うのかが具体的に示されているか。スケジュールや体制は現実的か。
  • 費用対効果:投入する経費に対して、地域への波及効果や活性化への貢献度が期待できるか。
  • 事業効果の測定:事業の成果を客観的に測るための指標(来場者数、売上増加額など)が設定され、測定方法が具体的か。

申請書作成のコツ

審査員に「この事業を支援したい」と思わせる申請書を作成しましょう。

  • ストーリーを語る:地域の課題や現状を具体的に示し、その解決策として今回の事業がどう貢献するのか、熱意をもって伝えましょう。
  • 数字で示す:目標は「賑わいを創出する」だけでなく、「前年比10%増の来場者数を目指す」「参加店舗の平均売上5%アップを図る」など、具体的な数値目標を設定しましょう。
  • 収支計画は堅実に:経費の見積もりは複数の業者から取るなど、積算根拠を明確にし、現実的な計画を立てましょう。対象外経費を含めないように細心の注意を払ってください。
  • 写真は雄弁に語る:過去の活動写真や、事業実施予定場所の写真を添付すると、事業のイメージが伝わりやすくなります。

⑦ よくある質問(FAQ)

Q1: 複数のイベントをまとめて1事業として申請できますか?

A1: はい、可能です。例えば「夏まつり」と「冬のイルミネーション」のように、年度内に期間を定めて複数の事業を実施する場合でも、同じ目的(例:商店街の年間を通じた賑わい創出)で行う事業であれば、1つの事業としてまとめて申請することができます。

Q2: 補助金はいつもらえますか?

A2: この補助金は「精算払い」です。事業がすべて完了し、実績報告書と経費の支払いを証明する書類(領収書など)を提出した後、県の検査を経て補助金額が確定し、その後に支払われます。事業実施期間中は、団体で費用を立て替える必要があります。

Q3: 経費の支払いで特に注意すべきことはありますか?

A3: はい、いくつか重要な注意点があります。まず、経費の支払いは銀行振込が原則です。1万円以上の支払いを現金や小切手で行うと補助対象外になります。また、クレジットカードで支払う場合は、必ず団体名義のカードを使用してください。個人名義のカードやキャッシュレス決済での支払いは認められません。

Q4: 「商店街の未来を拓くプロジェクト」とは何ですか?

A4: これは、商店街の若手などが中心となり、地域のニーズに対応した取組計画(商店街地域未来構想)を策定し、市町村を通じて県に申請することで指定を受ける制度です。この指定を受けると、本補助金の補助率が2倍になるなど、重点的な支援を受けられます。詳しくは県の担当課へお問い合わせください。

Q5: 申請後に事業内容を変更することはできますか?

A5: やむを得ず事業内容や収支計画に変更が生じる場合は、事前に県の担当者へ相談し、変更申請等の手続きを行う必要があります。自己判断で変更してしまうと、補助金の対象外となる可能性がありますので、必ず事前に相談してください。

⑧ まとめ・行動喚起

今回は、愛知県の「令和7年度 商業振興事業費補助金(地域商業活動活性化事業)」について詳しく解説しました。

重要ポイントの再確認

  • 目的:愛知県内の商業活動を活性化させるための事業を支援。
  • 金額:最大90万円、補助率は会員数などに応じて20%~80%。
  • 対象:商店街、組合、商工会など愛知県内の団体。
  • 期間:追加募集は2025年11月28日まで。早めの行動が鍵!

この補助金は、地域の魅力を高め、多くの人々を惹きつける絶好のチャンスです。あなたの団体のアイデアを形にするために、まずは公式サイトで詳細な資料を確認し、不明な点があれば県の担当窓口へ気軽に相談してみましょう。

申請期限は迫っています。計画的な準備を進め、この機会を最大限に活用して、あなたの地域をさらに盛り上げていきましょう!

お問い合わせ先

愛知県 経済産業局 中小企業部 商業流通課 商業振興グループ
電話:052-954-6337(ダイヤルイン)
公式サイト:令和7年度 商業振興事業費補助金(地域商業活動活性化事業)の概要