詳細情報
福島県内の市町村および一部事務組合の担当者の皆様へ。地域の持続可能性を高める「ごみ減量」や「資源化」の新たな取り組みを検討していませんか?福島県では、循環型社会の形成を促進するため、市町村等が主体となって実施する3R(リデュース・リユース・リサイクル)推進事業を強力に後押しする「福島県ごみ減量・資源化取組実践支援事業補助金」を実施しています。この制度を活用すれば、最大250万円、補助率最大2/3の支援を受けながら、先進的なごみ減量施策を導入・拡大することが可能です。この記事では、補助金の概要から対象経費、申請方法、採択されるためのポイントまで、担当者の方が知りたい情報を網羅的に、そして分かりやすく徹底解説します。
【重要】この補助金の対象者について
本補助金は、福島県内の市町村および一部事務組合が対象です。一般の事業者、NPO法人、個人の方は申請できませんのでご注意ください。
① 福島県ごみ減量・資源化取組実践支援事業補助金の概要
まずは、本補助金の基本的な情報について確認しましょう。制度の目的や背景を理解することは、効果的な事業計画を立てる上で非常に重要です。
正式名称と実施組織
- 正式名称: 福島県ごみ減量・資源化取組実践支援事業補助金
- 実施組織: 福島県(担当課:一般廃棄物課)
目的・背景
この補助金は、「福島県廃棄物処理計画」に定められたごみ処理に関する施策、特に「3R(ごみの発生抑制、再使用、再生利用)の推進」を具体的に進めることを目的としています。市町村が主体となって行う先進的・効果的な取り組みを財政的に支援し、成功事例を県内で横展開することで、福島県全体のごみ減量と資源化を加速させることを目指しています。
対象となる事業
補助の対象となるのは、市町村が実施する3Rの推進に資する事業のうち、以下のいずれかに該当するものです。
- 新規事業: これまで当該市町村で行われてこなかった、新しい3Rの取り組み。
- 取組を拡大する事業: 既存の取り組みを、対象地域、対象品目、事業規模などの面で拡大するもの。
単なる既存事業の継続経費は対象外となるため、計画策定時には「新規性」や「拡大性」を明確に示す必要があります。
② 補助金額・補助率
本補助金の最大の魅力である、補助金額と補助率について詳しく見ていきましょう。特に、事業内容によって補助率が変動する点に注意が必要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助限度額 | 250万円(2,500千円) / 1市町村当たり |
| 補助率(原則) | 補助対象経費の 1/2 以内 |
| 補助率(特例) | 「ごみ組成分析調査」または「実証試験」については、補助対象経費の 2/3 以内 |
計算例
具体的なイメージを掴むために、いくつかのケースで計算してみましょう。
- ケース1:フードロス削減キャンペーン事業(補助対象経費 400万円)
補助率1/2が適用されます。
400万円 × 1/2 = 200万円
→ 補助金額は200万円となります。 - ケース2:新たな資源ごみ分別のための実証試験(補助対象経費 300万円)
実証試験のため、補助率2/3が適用されます。
300万円 × 2/3 = 200万円
→ 補助金額は200万円となります。 - ケース3:ごみ減量アプリ開発とごみ組成分析調査(補助対象経費 合計600万円)
ごみ組成分析調査(補助対象経費150万円)には補助率2/3、アプリ開発(同450万円)には補助率1/2が適用されます。
(150万円 × 2/3) + (450万円 × 1/2) = 100万円 + 225万円 = 325万円
しかし、上限額が250万円のため、
→ 補助金額は上限の250万円となります。
③ 対象者・条件
補助金の対象となる団体と、満たすべき条件を再確認します。
対象者: 福島県内の市町村及び一部事務組合
事業要件:
- 3R(ごみの発生抑制、再使用、再生利用)の推進に資する事業であること。
- 新規の事業、または取組を拡大する事業であること。
- 福島県知事の採択を受けた「ごみ減量・資源化取組実践支援事業計画書」に基づき実施されること。
④ 補助対象経費
どのような経費が補助の対象になるのか、具体的に見ていきましょう。経費の区分を誤ると補助対象外となる可能性があるため、慎重に確認が必要です。
対象となる経費の例
補助事業を実施するために直接必要となる経費が対象です。
- 委託料: ごみ組成分析調査、実証試験の実施、啓発イベントの企画運営、コンサルティングなどを外部に委託する費用。
- 消耗品費: 啓発チラシやパンフレット、イベントで使用する物品などの購入費用。
- 印刷製本費: 報告書やマニュアルなどの印刷・製本費用。
- 通信運搬費: 資料の郵送代や資材の運搬費用。
- 使用料及び賃借料: イベント会場や実証試験に必要な機材のレンタル費用。
対象とならない経費
以下の経費は補助対象外となりますので、事業費の積算時には含めないようにしてください。
- 職員人件費その他、地方公共団体の通常の行政運営に必要な経費
- 国庫補助事業等の地方負担分へ充当する事業経費
- 消費税及び地方消費税仕入控除税額
- その他、事業の実施に直接関係しないと判断される経費
⑤ 申請方法・手順
申請から補助金受領までの流れをステップごとに解説します。交付要綱で定められた様式を使用する必要があるため、公式サイトから最新の様式をダウンロードして準備を進めましょう。
- Step 1: 事業計画の策定と事前相談
実施したい事業内容を具体化し、「ごみ減量・資源化取組実践支援事業計画書(様式第1号・別紙1)」を作成します。計画内容について、事前に福島県一般廃棄物課に相談することをお勧めします。 - Step 2: 申請書類の準備
以下の書類を準備します。- ごみ減量・資源化取組実践支援事業補助金交付申請書(様式第2号)
- ごみ減量・資源化取組実践支援事業計画書(様式第1号、別紙1)
- 予算書(新規または拡大事業であることがわかるもの)
- 経費の算定根拠となる資料(見積書等)
- その他、知事が必要と認める書類
- Step 3: 申請書の提出
定められた提出期限までに、福島県一般廃棄物課へ申請書類を提出します。提出期限は年度によって異なるため、必ず県の公式サイトで確認してください。 - Step 4: 審査・交付決定
提出された事業計画書等に基づき、県による審査が行われます。審査を経て事業が採択されると、「補助金交付決定通知書」が送付されます。 - Step 5: 事業の実施
交付決定後、事業計画書に沿って事業を開始します。事業内容に重要な変更が生じる場合や、事業を中止・廃止する場合は、事前に県の承認(様式第3号)が必要です。 - Step 6: 事業完了・実績報告
事業が完了したら、速やかに「事業完了報告書(様式第4号)」を提出します。その後、事業完了の日から30日以内、または当該年度の3月31日のいずれか早い日までに、「事業実績報告書(様式第5号・別紙2)」に関係書類を添えて提出します。 - Step 7: 補助金額の確定・請求・受領
実績報告書等の審査により補助金額が確定され、「補助金確定通知書」が送付されます。その後、「補助金交付請求書(様式第6号)」を提出し、補助金が支払われます(精算払)。
⑥ 採択のポイント
本補助金は予算の範囲内で交付されるため、申請すれば必ず採択されるわけではありません。審査を通過し、採択されるための重要なポイントを解説します。
1. 事業目的の明確化と計画との整合性
なぜこの事業を行うのか、地域のどのような課題を解決するのかを明確にしましょう。また、その取り組みが「福島県廃棄物処理計画」のどの部分に貢献するのかを具体的に示すことで、事業の妥当性が高まります。
2. 効果の具体性と測定可能性
「ごみが減る」「リサイクル率が上がる」といった抽象的な表現だけでなく、「事業実施により、生ごみの排出量を年間〇トン削減する」「新たな分別品目の導入で、リサイクル率を〇%向上させる」など、具体的な数値目標を設定することが重要です。また、その効果をどのように測定するのか(効果測定の方法)も計画に盛り込みましょう。
3. 横展開の可能性(波及効果)
この補助金は、効果の高い事業を県内で横展開することも目的としています。したがって、「この取り組みが成功すれば、他の市町村でも応用可能である」という視点をアピールすることが有効です。事業のプロセスや成果をマニュアル化するなど、普及を見据えた計画は高く評価される可能性があります。
4. 経費の妥当性と透明性
計上する経費が事業内容に対して妥当であり、必要不可欠であることを示さなければなりません。複数の業者から見積もりを取得するなど、経費積算の透明性を確保することが重要です。対象外経費を誤って計上しないよう、細心の注意を払いましょう。
⑦ よくある質問(FAQ)
Q1. 一般の事業者やNPO法人でも申請できますか?
A1. いいえ、できません。この補助金は福島県内の市町村および一部事務組合のみが対象となります。
Q2. 補助金はいつ支払われますか?
A2. 補助金は、事業完了後の実績報告に基づき金額が確定された後、請求に基づいて支払われる「精算払い」となります。事業実施期間中は、市町村で費用を立て替える必要があります。
Q3. 「取組を拡大する事業」の具体例を教えてください。
A3. 例えば、「これまで一部地域で実施していた生ごみ分別収集を、市内全域に拡大する」「プラスチックの分別回収品目に、これまで対象外だった製品プラを追加する」などが該当します。前年度の予算書と比較して、事業規模が拡大していることを客観的に示す必要があります。
Q4. 職員の人件費は対象になりますか?
A4. いいえ、対象になりません。交付要綱において、職員人件費は補助対象外経費として明確に定められています。
Q5. 申請前に県に相談することは可能ですか?
A5. はい、可能です。計画している事業が補助金の趣旨に合致するか、対象経費は妥当かなど、不明な点があれば福島県一般廃棄物課へ事前に相談することをお勧めします。早期の相談が、スムーズな申請と採択につながります。
⑧ まとめと問い合わせ先
「福島県ごみ減量・資源化取組実践支援事業補助金」は、市町村が主体となって3Rを推進するための強力なツールです。最後に、本補助金の重要ポイントをまとめます。
- 対象者: 福島県内の市町村・一部事務組合
- 対象事業: 新規または拡大する3R推進事業
- 補助額: 最大250万円
- 補助率: 原則1/2、ごみ組成分析調査・実証試験は2/3
- ポイント: 事業効果の具体性、横展開の可能性、経費の妥当性が採択の鍵
地域の特性を活かしたユニークなごみ減量・資源化の取り組みを実現するために、ぜひ本補助金の活用をご検討ください。申請にあたっては、必ず公式サイトで最新の交付要綱や様式をご確認の上、計画的に準備を進めましょう。
お問い合わせ先
福島県 生活環境部 一般廃棄物課
〒960-8670 福島県福島市杉妻町2-16
電話番号(企画調整担当): 024-521-7172
公式サイト: 福島県ごみ減量・資源化取組実践支援事業補助金