詳細情報
2025年(令和7年)の「住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業(セーフティネット住宅改修事業)」が開始されます。この制度は、空き家や賃貸住宅をバリアフリー化したり、子育て世帯向けに改修したりする際に、1戸あたり最大50万円以上の補助金が交付されるものです。高齢者や低額所得者、子育て世帯などの住宅確保が難しい方々のための住宅を増やすことを目的としています。この記事では、制度の概要から対象者、補助額、申請手続きまで、大家さんや不動産オーナー様向けに分かりやすく解説します。
セーフティネット住宅改修事業とは?
正式名称を「住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業」といい、一般に「セーフティネット住宅改修事業」と呼ばれています。これは、高齢者、障がい者、子育て世帯、低額所得者など、住宅の確保に特に配慮が必要な方々(住宅確保要配慮者)が安心して暮らせる賃貸住宅(セーフティネット住宅)の供給を促進するための国の補助制度です。
近年増加する空き家を有効活用し、社会的な課題である住宅問題の解決に繋げる重要な取り組みです。所有する空き家や賃貸物件を改修し、セーフティネット住宅として登録することで、社会貢献と安定した賃貸経営の両立が期待できます。
この補助金の3つのポイント
- ポイント1:幅広い改修工事が対象
バリアフリー改修だけでなく、耐震改修や子育て世帯向けの改修、共同居住用住宅(シェアハウス)への改修なども対象となります。 - ポイント2:最大50万円/戸以上の手厚い補助
改修工事費の1/3が補助され、上限は50万円/戸です。さらに、特定の要件を満たすことで補助額が加算される場合があります。 - ポイント3:空き家対策と社会貢献を両立
活用できていない空き家を改修して貸し出すことで、資産を有効活用しながら、住宅を必要としている人々の助けになります。
補助金の詳細:対象者・補助額・対象工事
本事業を利用するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。ここでは、具体的な対象者、補助額、対象となる工事内容について詳しく見ていきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | セーフティネット住宅として登録する予定の住宅の所有者(個人・法人問わず)。賃貸住宅や空き家のオーナーが主な対象です。 |
| 対象住宅 | 改修後に「セーフティネット住宅」として都道府県等に登録される賃貸住宅または空き家。 |
| 補助率 | 補助対象工事費の 1/3 |
| 補助上限額 | 50万円 / 戸 ※子育て世帯向け改修や共同居住用住宅への改修など、条件に応じて加算措置があります。 |
補助対象となる主な改修工事
- バリアフリー改修工事:手すりの設置、段差の解消、廊下幅の拡張、浴室・トイレの改修など。
- 耐震改修工事:建物の耐震性を向上させるための補強工事など。
- 子育て世帯向け改修工事:転落防止手すりの設置、防音工事、キッズスペースの設置など。
- 共同居住用住宅(シェアハウス)への改修工事:共用の浴室、トイレ、食堂、キッチンの設置など。
- 間取り変更工事:和室から洋室への変更など、入居者のニーズに合わせた改修。
申請期間と手続きの流れ
補助金を活用するためには、定められた期間内に正しい手順で申請を行う必要があります。スケジュールをしっかり確認し、早めに準備を始めましょう。
申請期間
2025年度の申請期間は、2025年4月頃から2025年12月12日(金)までとなる見込みです。
※予算の上限に達し次第、早期に締め切られる可能性があります。また、申請窓口となる地方公共団体によって期間が異なる場合があるため、必ず公式サイトやお住まいの自治体にご確認ください。
申請から補助金受領までのステップ
- 事前相談:お住まいの地方公共団体の住宅担当部署に、計画している改修が補助対象になるかなどを相談します。
- 交付申請:必要書類を揃え、地方公共団体に補助金の交付申請を行います。(※工事着工前に行う必要があります)
- 交付決定:審査後、地方公共団体から交付決定通知書が届きます。この通知を受け取ってから工事を開始します。
- 工事の実施・完了:計画通りに改修工事を実施し、完了させます。
- 実績報告:工事完了後、実績報告書や工事費の領収書などを地方公共団体に提出します。
- 補助金額の確定・受領:提出された書類の審査後、補助金額が確定し、指定の口座に振り込まれます。
よくある質問(Q&A)
- Q1. 個人(大家)でも申請できますか?
- A1. はい、個人・法人を問わず、対象となる住宅の所有者であれば申請可能です。
- Q2. すでに着工済みの工事は対象になりますか?
- A2. いいえ、対象になりません。必ず、補助金の「交付決定」を受けた後に工事に着手する必要があります。
- Q3. 申請はどこに行えばよいですか?
- A3. 申請窓口は、物件が所在する都道府県や市区町村の住宅担当部署となります。自治体によって制度の詳細が異なる場合があるため、まずは管轄の自治体にお問い合わせください。
まとめ
2025年のセーフティネット住宅改修事業は、空き家や賃貸住宅のオーナーにとって、物件の価値を高めつつ社会貢献もできる絶好の機会です。バリアフリー化や子育て世帯向けの改修を行うことで、入居者が見つかりやすくなり、安定した賃貸経営に繋がります。申請期間には限りがあり、予算に達し次第終了となるため、活用を検討されている方は、早めに情報収集と準備を進めることをお勧めします。まずは、所有物件が所在する地方公共団体のウェブサイトを確認するか、担当部署に相談してみましょう。