【2025年最新】東京都北区・渋谷区の公衆喫煙所設置助成金を徹底解説!最大900万円の費用補助

店舗やビルの前に喫煙者が集まってしまい、ポイ捨てや受動喫煙のクレームにお困りではありませんか?あるいは、地域貢献の一環として、喫煙者と非喫煙者が快適に過ごせる環境づくりを検討している事業者様もいらっしゃるでしょう。そんな課題を解決するために、東京都北区と渋谷区では、公衆喫煙所の設置費用および維持管理費を補助する非常に手厚い助成金制度を用意しています。この記事では、両区の制度を徹底的に比較し、対象者、助成金額、申請方法、そして採択されるためのポイントまで、専門家がわかりやすく解説します。この制度を活用すれば、初期費用を大幅に抑えて、快適でクリーンな環境を実現できます。

この記事のポイント

  • 東京都北区と渋谷区の公衆喫煙所設置助成金の違いがわかる
  • 設置費用は最大900万円(渋谷区)助成率10/10という破格の補助内容
  • 維持管理費も最長5年間(北区)期間上限なし(渋谷区)で継続的に支援
  • 申請の第一歩は「区への事前相談」が必須

助成金の概要と比較

この助成金は、喫煙者と非喫煙者の共存を図り、路上喫煙の防止やポイ捨てごみの削減を通じて、快適な生活環境を実現することを目的としています。誰でも無料で利用できる「公衆喫煙所」を新たに設置・運営する事業者に対して、その経費を区が補助する制度です。北区と渋谷区で同様の制度がありますが、助成額や期間に違いがあります。

制度の基本情報

  • 正式名称:
    • 北区:公衆喫煙所設置費等助成
    • 渋谷区:渋谷区公衆喫煙所設置費等助成
  • 実施組織: 東京都北区、東京都渋谷区
  • 目的・背景: 喫煙者と非喫煙者の共存、路上喫煙の防止、受動喫煙のリスク低減、地域の美化推進
  • 対象者: 各区内の土地または建物を所有・賃借する法人、団体、個人事業主

【重要】助成金額・補助率の比較

この助成金の最大の魅力は、その手厚い補助内容です。特に設置費用は助成率10/10(全額補助)となっており、事業者の負担を大幅に軽減します。ここでは、北区と渋谷区の助成内容を比較表で詳しく見ていきましょう。

項目 東京都北区 東京都渋谷区
設置経費(新規) 助成率: 10/10
上限額: 400万円
回数: 1回限り
助成率: 10/10
上限額: 900万円 (面積に応じて変動)
回数: 初回に限り
維持管理経費 助成率: 10/10
上限額: 年間60万円
期間: 5年間
助成率: 10/10
上限額: 月間20万円 (年間240万円)
期間: 上限なし (令和7年4月1日より)

注目ポイント:渋谷区は設置費用の上限が900万円と非常に高額です。また、維持管理費の助成期間の上限が撤廃された点も大きなメリットと言えます。一方で、北区も設置費用400万円、維持費年間60万円と十分手厚い内容です。どちらの区も消費税相当額が助成対象経費に含まれる点も事業者にとっては嬉しいポイントです。

対象者と助成要件

助成金を受け取るためには、いくつかの要件を満たす必要があります。申請者の要件と、設置する喫煙所に求められる要件の両方を確認しましょう。

対象となる申請者

以下のいずれかに該当する方が対象です。法人、団体、個人のいずれでも申請可能です。

  • 北区または渋谷区内の建物または土地を所有する方
  • 北区または渋谷区内の建物または土地を賃借する方(所有者の同意が必要)

※国、独立行政法人、地方公共団体は対象外です。

喫煙所の主な要件

助成対象となる喫煙所は、技術的な基準や運営方法について細かな要件が定められています。主なものを以下にまとめました。

  • 運営要件:
    • 一般に開放し、無料で利用できること。
    • おおむね1日8時間以上かつ週5日以上運営すること。
    • 供用開始日から最低5年間(60ヶ月)は継続して運営すること。
  • 設備要件(屋内):
    • 壁や天井で非喫煙区域と完全に分離されていること。
    • たばこの煙が外部に流出しないよう、出入口で喫煙室内に向かう風速0.2m/s以上を確保すること。
  • 設備要件(屋外コンテナ型等):
    • コンテナ等で非喫煙区域から区画されていること。
    • 建物の出入口や人通りの多い場所から離すなど、周囲への配慮がされていること。
    • 排気した煙が近隣に流入しないよう配慮されていること。
  • その他:
    • 喫煙可能場所であることがわかる標識を掲示すること。
    • 近隣住民等への十分な説明と理解を得ていること。
    • 路上喫煙禁止地区内や駅周辺など、区長が必要と認める場所に設置されていること。

補助対象となる経費

助成金の対象となる経費は、「設置経費」と「維持管理経費」の2種類に大別されます。

設置経費

喫煙所を新しく設置するためにかかる初期費用です。

  • 工事費
  • 設備費(換気設備、脱臭機など)
  • 備品費(灰皿、椅子、パーテーションなど)
  • 機械装置費

維持管理経費

設置後の運営にかかるランニングコストです。

  • 空気清浄機のリース料・保守料
  • 電気代
  • 火災保険料
  • 清掃・吸い殻処理の委託費
  • 賃料(喫煙所部分にかかるもの)

申請方法・手順

申請から助成金交付までの流れは、両区とも概ね同じです。最も重要なのは、計画段階で必ず区の担当課に事前相談を行うことです。相談なしに工事を進めてしまうと、助成対象外となる可能性があるため注意してください。

  1. ステップ1:事前相談
    計画の概要(設置場所、規模、設備など)をまとめ、各区の担当課に相談します。要件に合致するか、申請の進め方についてアドバイスを受けます。
  2. ステップ2:交付申請書の提出
    相談内容を踏まえ、正式な申請書類を作成・提出します。工事着工の15日前までに提出が必要です。
  3. ステップ3:審査・交付決定
    区が申請内容を審査します(通常2週間程度)。内容に問題がなければ「交付決定通知書」が届きます。この通知を受け取る前に工事契約や着工はできません。
  4. ステップ4:設置工事の実施
    交付決定後、計画通りに工事を進めます。
  5. ステップ5:完了報告書の提出
    工事完了後、速やかに完了報告書を提出します。年度末(令和8年3月末日など)が最終期限となるため、余裕を持ったスケジュールが必要です。
  6. ステップ6:検査・金額確定
    区の担当者が現地検査を行い、計画通りに設置されているかを確認します。その後、助成金額が正式に確定します。
  7. ステップ7:交付請求・助成金交付
    確定した金額で交付請求書を提出し、後日指定の口座に助成金が振り込まれます。

主な必要書類

  • 交付申請書、設置・運営計画書
  • 設置場所の登記事項証明書(所有者)または賃貸借契約書(賃借者)
  • 所有者の同意書(賃借者の場合)
  • 周辺地図、案内図、各種図面(配置図、平面図、立面図など)
  • 工事や設備の見積書の写し
  • 設置前の現況写真

※その他、完了報告時や請求時に別途書類が必要です。詳細は各区のホームページや案内でご確認ください。

採択されるための3つのポイント

この助成金は先着順で、予算がなくなり次第終了となる可能性があります。確実に採択されるために、以下の3つのポイントを押さえましょう。

1. 設置場所の公益性・妥当性

助成金の目的は「公衆」の利益に資することです。そのため、駅周辺や人通りの多い場所、路上喫煙禁止地区内など、多くの人が利用し、路上喫煙の防止効果が高い場所での計画は高く評価されます。なぜその場所に必要なのか、社会的な意義を明確に説明できるように準備しましょう。

2. 周囲への配慮と合意形成

喫煙所の設置は、近隣の住民や店舗から反対される可能性もあります。要件にもある通り、事前に十分な説明を行い、理解を得ておくことが極めて重要です。煙や臭いが漏れない高性能な設備を導入することや、清掃を徹底して清潔に保つことなどを具体的に説明し、合意形成を図りましょう。このプロセスを丁寧に行っているかが審査で重視されます。

3. 計画の具体性と迅速な行動

「予算がなくなり次第終了」という点を考慮すると、スピード感が重要です。早めに事前相談を行い、具体的な図面や見積もりを準備して、実現可能性の高い計画を提示することが採択への近道です。施工業者とも事前に打ち合わせを進め、スムーズに申請・着工できる体制を整えておきましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 個人事業主でも申請できますか?

はい、法人、団体、個人のいずれでも申請可能です。区内で店舗を経営されている個人事業主の方も対象となります。

Q2. 既存の喫煙所を改修して一般開放する場合も対象になりますか?

渋谷区では「既存喫煙所を公衆喫煙所として開放する場合の維持管理費用」が助成対象となっています。新規設置だけでなく、既存施設の有効活用も支援の対象となる場合がありますので、詳細は区にご相談ください。設置費(改修費)が対象になるかは個別の判断となる可能性があります。

Q3. 5年間の運営義務を果たせなかった場合はどうなりますか?

やむを得ない事情なく運営を中止した場合、助成金の一部または全部を返還する必要があります。事業計画を慎重に立て、継続的な運営が可能か十分に検討した上で申請してください。

Q4. なぜこれほど手厚い助成金があるのですか?

路上喫煙や受動喫煙の問題は、行政だけでは解決が難しい課題です。民間の事業者と協力して公衆喫煙所を整備することで、区全体の環境美化と快適なまちづくりを効率的に進めることができるため、インセンティブとして高額な助成金が用意されています。

Q5. 申請すれば必ず採択されますか?

必ず採択されるわけではありません。計画内容の審査がありますし、先着順で予算が上限に達した場合は受付が終了します。採択率を上げるためにも、本記事で紹介したポイントを押さえ、早めに事前相談を始めることをお勧めします。

まとめ:まずは「事前相談」から始めよう

東京都北区と渋谷区の公衆喫煙所設置助成金は、設置費用の全額(上限あり)と継続的な維持管理費を補助する、事業者にとって非常に魅力的な制度です。この助成金を活用することで、費用負担を最小限に抑えながら、地域の環境美化や集客力向上に貢献できます。

助成額や期間は渋谷区の方が手厚いですが、北区の制度も十分に魅力的です。ご自身の物件がある区の制度を確認し、まずは第一歩として担当課への「事前相談」を予約しましょう。専門家である担当者から直接アドバイスを受けることが、採択への最も確実な道筋です。

お問い合わせ先

  • 東京都北区
    生活環境部 環境課 地域美化担当
    住所: 〒114-0002 東京都北区王子1-12-4 TIC王子ビル2階
    電話: 03-3908-8610
  • 東京都渋谷区
    環境整備課 きれいなまちづくり係
    住所: 渋谷区役所12階
    電話: 03-3463-3496