この記事のポイント
✅ 東京都内の商店街が対象の防災力強化支援!
✅ 防災用品の購入費などを最大30万円、補助率10/10(全額)で補助!
✅ 複数の商店街での共同申請なら上限額が「30万円×商店街数」にアップ!
✅ 申請期限は2025年11月30日(日)消印有効。期間延長されました!
✅ 申請の要件や手順、必要書類まで、この記事一本で全てわかります。

はじめに:あなたの商店街の防災対策は万全ですか?

首都直下地震をはじめとする大規模な自然災害は、いつ起こるかわかりません。地域コミュニティの中心である商店街は、災害時に来街者や地域住民の安全を守る重要な拠点となります。しかし、「防災対策の必要性は感じているけれど、何から手をつければ良いかわからない」「資機材を揃えるための費用が負担だ」と感じている商店街関係者の方も多いのではないでしょうか。

そんな悩みを解決するために、東京都が強力な支援策を用意しています。それが「商店街防災力向上緊急支援事業費補助金」です。この補助金は、防災資機材の購入や防災訓練にかかる費用を補助率10/10(全額補助)、最大30万円まで支援するという、非常に手厚い内容です。この記事では、補助金の概要から申請方法、採択されるためのポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。この機会を最大限に活用し、地域から信頼される安全・安心な商店街を目指しましょう。

① 補助金の概要

正式名称

東京都 商店街防災力向上緊急支援事業費補助金事業

実施組織

東京都 産業労働局 商工部 地域産業振興課

目的・背景

この補助金は、首都直下地震等の大規模な自然災害の発生に備え、都内の商店街が主体となって行う地域の防災力向上への取り組みを支援することを目的としています。災害時における来街者や地域住民の安全確保、帰宅困難者支援など、商店街が地域防災の拠点としての役割を果たすための体制づくりを経済的に後押しします。

② 補助金額・補助率

この補助金の最大の魅力は、その手厚い支援内容にあります。補助率は10分の10、つまり全額補助です。自己負担なしで防災対策を進めることができます。

ポイント:複数の商店街で協力すれば、補助上限額が大幅にアップします!地域全体で防災力を高める絶好の機会です。

申請形態 補助率 補助上限額
商店街による単独申請 10/10 30万円
商店街の連合会や商工会等による「とりまとめ申請」
(複数の商店街が共同で実施する場合も含む)
10/10 30万円 × とりまとめて申請する商店街等の数

計算例

例えば、ある区の商店街連合会が、加盟するA商店街、B商店街、C商店街の3つの商店街の防災事業をとりまとめて申請する場合、補助上限額は以下のようになります。

30万円 × 3商店街 = 90万円

これにより、各商店街が個別に申請するよりも大規模な防災対策(共通の備蓄倉庫の設置、広域で使える無線機の導入など)が可能になります。

③ 対象者・補助要件

補助対象者

以下のいずれかに該当する団体が対象です。

  • 都内の商店街(法人格の有無は問いません)
  • 区市町村を単位とする商店街の連合会
  • 商工会、商工会議所及び商工会連合会

必ず満たすべき2つの補助要件

この補助金を受給するには、以下の2つの要件を両方とも満たす必要があります。

(1) 防災訓練を1回以上実施すること

事業実施期間内(令和7年4月1日~令和8年2月27日)に、防災訓練を最低1回実施する必要があります。申請書には実施日または予定日を記載します。単に資機材を揃えるだけでなく、実際に使えるようにしておくことが重要視されています。

【防災訓練の具体例】

  • 緊急時の連絡体制の確認、安否確認訓練
  • 一時避難場所までの避難誘導訓練
  • 消火器やAEDの使用方法の確認訓練
  • 購入した資機材(発電機、簡易トイレ等)の設営・使用訓練
  • 消防署と連携した総合訓練
  • 防災士などの専門家を招いた図上訓練(マップを使ったシミュレーション)

(2) 災害が起きた際のルール・マニュアルを具備すること

災害発生時に誰が、何を、どのように行うかを定めたルールやマニュアルを作成し、申請書に添付する必要があります。難しく考える必要はありません。東京都が簡易的な記入様式を用意しているため、それに沿って作成すれば大丈夫です。

専門家派遣も活用可能!
マニュアル作成に不安がある場合は、「商店街ステップアップ応援事業」の無料専門家派遣を活用できます。専門家のアドバイスを受けながら、実用的なマニュアルを作成することが可能です。

④ 補助対象経費

補助の対象となるのは、地域の防災力向上に直接つながる経費です。具体的には以下のようなものが挙げられます。

対象経費の具体例

  • 防災資機材の購入費:防災用無線機、メガホン、発電機、投光器、災害救助用工具セット(バール、ジャッキ等)、担架、リヤカー、ヘルメット、台車など
  • 防災備蓄品の購入費:保存水、非常食(アルファ米、乾パン等)、簡易トイレ、トイレットペーパー、毛布、救急セット、マスク、消毒液など ※水や食料品は保存年限が5年以上のものが対象です。
  • 情報伝達・啓発に関する経費:防災訓練の案内チラシやポスターの作成・印刷費、防災マップの作成・印刷費など
  • その他:防災訓練やマニュアル作成のための打合せに係る会場費など

対象外となる経費

一方で、以下のような経費は補助の対象外となりますのでご注意ください。

  • 人件費、謝礼
  • 通常の商店街運営にかかる経費(事務所家賃、光熱水費など)
  • 飲食費(防災訓練時の炊き出し費用などは対象となる場合がありますので要相談)
  • 交付決定日より前に購入・契約したもの

⑤ 申請方法・手順

申請は、定められた期間内に必要書類を揃え、各区市町村の窓口に提出します。全体の流れをステップごとに確認しましょう。

申請スケジュール

  • 申請受付期間:令和7年6月9日(月)~ 令和7年11月30日(日)【消印有効】 ※期間が延長されました!
  • 事業実施期間:交付決定日 ~ 令和8年2月27日(金)

重要:事業の開始は「交付決定日」以降です。申請前に購入した物品は補助対象外となるため、絶対にフライングしないように注意してください。

申請のステップ

Step 1:事前準備
まずは商店街内で話し合い、どのような防災対策が必要か、何を購入するかを検討します。同時に、補助要件である「防災マニュアル」の作成と「防災訓練」の計画を進めます。

Step 2:必要書類の準備
後述する「必要書類リスト」を参考に、漏れなく書類を準備します。申請様式は東京都産業労働局のホームページからダウンロードできます。

Step 3:申請窓口へ提出
準備した書類一式を、商店街が所在する各区市町村の商店街振興担当課に提出します。郵送または持参となります。一部、Jグランツによる電子申請も可能です。

Step 4:交付決定
審査を経て、東京都から交付決定通知が届きます。この通知を受け取ってから、事業を開始できます。

Step 5:事業の実施
計画に沿って防災資機材の購入や防災訓練を実施します。支払いの証拠となる領収書や、購入した物品、訓練の様子がわかる写真は必ず保管しておきましょう。

Step 6:実績報告
事業が完了したら、30日以内に東京都へ実績報告書を提出します。報告書が受理されると、補助金が指定の口座に振り込まれます。

必要書類リスト(単独申請の場合)

申請には多くの書類が必要です。事前にチェックリストを作成し、準備を進めましょう。(※詳細は必ず募集要領や各区市町村にご確認ください)

  • 補助金交付申請書
  • 収支予算書
  • 定款、規約など商店街の設立根拠がわかる規程
  • 商店街の役員名簿
  • 災害が起きた際のルール、マニュアル(作成したもの)
  • 対象経費の金額の根拠資料(購入したい物品のカタログや見積書のコピー等)
  • 保存年限がわかる資料(パンフレット等 ※防災備蓄品を購入する場合のみ)
  • 印鑑証明書(原本)
  • 通帳の表紙裏(支店名、口座番号、口座名義人がわかるページ)のコピー
  • 納税証明書(原本 ※法人のみ)

⑥ 採択のポイント

この補助金は予算の範囲内で交付されるため、申請すれば必ず採択されるわけではありません。以下のポイントを押さえて、採択の可能性を高めましょう。

申請書作成のコツ

  • マニュアルの具体性:誰が見てもわかるように、連絡先、役割分担、避難経路などを具体的に記載しましょう。テンプレートをただ埋めるだけでなく、自分たちの商店街の実情に合わせた内容にすることが重要です。
  • 防災訓練計画の実現性:「いつ、どこで、誰が、何をするか」を明確にした、実現可能な訓練計画を示しましょう。
  • 経費の妥当性:なぜその資機材が必要なのか、その数量や金額は妥当なのかを、誰が読んでも納得できるように説明しましょう。複数の見積もりを取るなど、価格の妥当性を示すことも有効です。
  • 書類の完璧さ:記入漏れや添付書類の不足は、審査の対象外となる可能性があります。提出前に複数人でダブルチェックを行いましょう。

よくある不採択理由

  • 補助要件(防災訓練の実施、マニュアルの具備)を満たしていない。
  • 申請書類に不備(記入漏れ、印鑑の押し忘れ、添付書類不足)がある。
  • 申請期限を過ぎて提出された。
  • 補助対象外の経費が含まれている。
  • 事業内容が不明確で、防災力向上への貢献度が低いと判断された。

⑦ よくある質問(FAQ)

Q1. 法人格のない任意団体の商店街でも申請できますか?

A1. はい、申請できます。ただし、商店街としての規約や役員名簿など、組織として活動している実態がわかる書類の提出が必要です。

Q2. 防災訓練は申請前に実施しておく必要がありますか?

A2. いいえ、申請時に実施済みである必要はありません。申請書に実施予定日を記載すれば大丈夫です。訓練の実施は、事業実施期間内(交付決定後~令和8年2月27日)であれば問題ありません。

Q3. 防災マニュアルは、どのような内容を盛り込めば良いですか?

A3. 東京都が提供する簡易記入様式を参考に、「災害時の連絡体制」「役員の役割分担」「一時避難場所と経路」「備蓄品の管理方法」などを盛り込みましょう。商店街の特性に合わせて、帰宅困難者への対応などを加えるのも良いでしょう。

Q4. 申請は東京都に直接行うのですか?

A4. いいえ、申請の窓口は商店街が所在する各区市町村の商店街振興担当課となります。まずは所在地の区市町村役場にお問い合わせください。

Q5. 申請は1つの商店街につき1回限りですか?

A5. はい、その通りです。単独で申請した商店街が、別のとりまとめ申請に重複して参加することはできませんのでご注意ください。

⑧ まとめ・行動喚起

今回は、東京都の「商店街防災力向上緊急支援事業費補助金」について詳しく解説しました。最後に重要なポイントをもう一度おさらいします。

  • 補助率10/10(全額補助)で、商店街の防災対策を強力に支援。
  • 補助上限額は単独申請で30万円、とりまとめ申請なら30万円×商店街数
  • 「防災訓練の実施」と「防災マニュアルの具備」が必須要件。
  • 申請期限は令和7年11月30日(日)消印有効
  • 申請窓口は各区市町村の商店街振興担当課

この補助金は、費用負担なく商店街の安全性を飛躍的に高めることができる、またとないチャンスです。地域の防災拠点としての役割を果たし、住民や来街者からの信頼を高めるためにも、ぜひ積極的に活用を検討してください。

まずは、東京都産業労働局の公式ホームページで最新の募集要領を確認し、ご自身の商店街が所在する区市町村の担当課へ相談することから始めましょう。期限が延長されたとはいえ、準備には時間がかかります。今すぐ行動を開始することをお勧めします。