詳細情報
注意: 本補助金は各自治体の予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。お早めの申請をご検討ください。
対象となる方
- 公共下水道の整備予定がない地域で、居住用の住宅に合併処理浄化槽を設置する個人または事業者
- 既存の単独処理浄化槽または、くみ取り槽から合併処理浄化槽へ転換する方
- 申請先の市区町村に住所を有し、市税等を滞納していない方
- 販売や賃貸など営利目的の住宅ではないこと(自治体により要件が異なります)
申請手順
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| STEP 1 | お住まいの市区町村の担当課へ相談・事前申込 |
| STEP 2 | 必要書類を準備し、補助金交付申請書を提出 |
| STEP 3 | 審査後、市町村から「交付決定通知書」を受領 (この通知後に工事契約・着工) |
| STEP 4 | 浄化槽設置工事の実施 |
| STEP 5 | 工事完了後、実績報告書を提出し、完了検査を受ける |
| STEP 6 | 補助金交付請求書を提出後、指定口座へ補助金が振り込まれる |
補助金額・補助率
補助金額は、お住まいの自治体や設置する浄化槽の人槽(サイズ)によって大きく異なります。一般的に、「浄化槽本体の設置費用」「既存槽の撤去費用」「宅内配管工事費用」の3つの区分で補助が構成されています。
| 補助区分 | 補助上限額(例) | 備考 |
|---|---|---|
| 浄化槽本体設置費 | 5人槽: 332,000円~530,000円 7人槽: 414,000円~663,000円 10人槽: 548,000円~907,000円 |
住宅の延床面積に応じて人槽が決定されます。 |
| 既存槽撤去費 | 単独処理浄化槽: 上限120,000円 くみ取り槽: 上限90,000円 |
転換設置の場合に上乗せされます。 |
| 宅内配管工事費 | 上限300,000円 | 転換設置の場合に上乗せされます。 |
計算例(岩手県平泉町の場合): 既存住宅のくみ取り槽から10人槽の合併処理浄化槽へ転換する場合
本体設置費(907,000円) + 撤去費(90,000円) + 宅内配管費(上限300,000円) = 最大 1,297,000円 の補助が受けられる可能性があります。
対象者・申請要件
対象となる主な要件
- 対象区域: 公共下水道事業の認可区域および農業集落排水事業の採択区域などを除く地域に設置すること。
- 対象建築物: 主に居住を目的とした住宅(店舗等併用住宅の場合は、居住部分の面積が1/2以上であることなど、自治体ごとの規定あり)。
- 対象者: 申請先の市区町村に住民登録があり、税金等の滞納がないこと。
- 対象浄化槽: 国が定める仕様に適合した環境配慮型の合併処理浄化槽であること。
対象とならない主なケース
- 浄化槽法や建築基準法に基づく届出を行わずに設置する場合。
- 販売、賃貸、別荘など、常時居住しない住宅に設置する場合。
- 既存の合併処理浄化槽を更新または改築する場合(ただし、災害復旧や老朽化更新を対象とする制度が新設・拡充されています)。
- 法人で、暴力団員等に該当する場合。
補助対象経費
| 経費区分 | 詳細 | 対象可否 |
|---|---|---|
| 浄化槽本体費 | 合併処理浄化槽の購入費用 | ○ |
| 設置工事費 | 浄化槽の据付、基礎工事、埋め戻し等にかかる費用 | ○ |
| 撤去費(転換時) | 既存の単独処理浄化槽やくみ取り槽の撤去・処分費用 | ○ |
| 宅内配管工事費(転換時) | 便所、台所、風呂等からの流入管、ます、放流管の設置費用 | ○ |
| 外構・植栽工事費 | 工事に伴う庭の復旧費用など | × |
| 維持管理費 | 設置後の保守点検、清掃、法定検査の費用 | × |
重要: 補助金の交付決定前に着工(工事契約を含む)した場合は、補助対象外となります。必ず市町村からの「交付決定通知書」を受け取ってから、工事業者と契約・着工してください。
必要書類一覧
| No. | 書類名 | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | 補助金交付申請書 | 各自治体の指定様式 |
| 2 | 浄化槽設置届出書の写し or 建築確認済証の写し | 保健所や建築主事の受理印があるもの |
| 3 | 設置場所の案内図、配置配管図 | 住宅と浄化槽の位置関係がわかる図面 |
| 4 | 工事費見積書の写し | 本体、設置、撤去、配管等の内訳がわかるもの |
| 5 | 浄化槽の構造図、仕様書、認定シートの写し | メーカー発行の書類 |
| 6 | 市税等の納税証明書または滞納がないことの同意書 | 自治体により運用が異なります |
| 7 | その他(賃貸の場合は所有者の承諾書など) | 申請内容に応じて追加書類が必要な場合があります |
審査基準・採択のポイント
本補助金は、事業計画の優劣を競う競争的資金とは異なり、要件を満たしていれば原則として交付されます。しかし、予算に限りがあるため、申請期間内であっても早期に受付が終了する可能性があります。採択されるための最も重要なポイントは、以下の通りです。
採択率を高めるポイント
- 早めの行動: 年度初めに受付を開始する自治体が多いため、計画段階で担当課に相談し、早めに申請準備を進めることが重要です。
- 交付決定前の着工厳禁: 最も多い不採択理由が「交付決定前の着工」です。必ず交付決定通知書を受け取ってから工事契約・着工を徹底してください。
- 書類の正確性: 申請書類に不備がないよう、提出前に複数回確認することが不可欠です。不明点は必ず担当課に問い合わせてください。
- 工事業者との連携: 補助金申請の実績が豊富な工事業者を選ぶことも円滑な手続きのポイントです。見積書や図面など、業者に依頼する書類は早めに準備してもらいましょう。
採択率(令和6年度参考): 約95%(要件を満たし、予算内で申請されたもののうち)
よくある質問
Q1: 交付決定前に工事業者と契約してしまいました。対象になりますか?
A: いいえ、原則として対象外となります。補助事業は、交付決定日以降に契約・着工したものが対象です。これは補助金制度の根幹に関わるルールであり、例外は認められない場合がほとんどです。
Q2: 申請から補助金の振込まで、どのくらいの期間がかかりますか?
A: 自治体や申請時期によりますが、一般的に申請から交付決定まで1ヶ月程度、工事完了後の実績報告から振込まで1~2ヶ月程度が目安です。合計で数ヶ月かかるため、資金計画には余裕を持つことが重要です。
Q3: 住宅の建て替えに伴う設置も対象になりますか?
A: はい、対象となる場合が多いです。特に、既存の住宅が単独処理浄化槽やくみ取り槽で、建て替えを機に合併処理浄化槽を設置する場合は、転換扱いとなり撤去費なども補助対象となる可能性があります。詳細は自治体にご確認ください。
Q4: 浄化槽の維持管理にも補助はありますか?
A: 設置後の維持管理費(保守点検、清掃、法定検査)は原則として自己負担です。ただし、国は少人数高齢世帯などを対象とした維持管理費の負担軽減事業をメニューに加えており、一部の自治体では独自の支援制度を設けている場合があります。
制度の概要・背景
本補助金制度は、生活排水による河川や海などの公共用水域の水質汚濁を防止し、生活環境の保全を図ることを目的としています。国の「循環型社会形成推進交付金」などを財源とし、各市区町村が主体となって実施しています。
日本の汚水処理人口普及率は93.3%(令和5年度末)に達する一方、依然として約830万人がし尿のみを処理する単独処理浄化槽や、くみ取り槽を利用しており、生活雑排水が未処理のまま放流されているのが現状です。特に人口5万人未満の市町村では普及が遅れており、下水道整備が困難な地域において、合併処理浄化槽への転換は水環境保全のための重要な施策と位置づけられています。令和7年度予算案では、高齢世帯の負担軽減や老朽化した浄化槽の更新支援などが強化される方針です。
まとめ・お問い合わせ先
浄化槽設置整備事業補助金は、水環境の保全に貢献しつつ、浄化槽設置にかかる経済的負担を大幅に軽減できる有効な制度です。自治体ごとに制度の詳細や申請期間が異なるため、計画の初期段階で必ずお住まいの市区町村の担当課へ相談することをお勧めします。
お問い合わせ先
実施機関: お住まいの市区町村
担当部署: 浄化槽補助金担当課(例:環境課、下水道課、都市整備課など)
【国の制度に関する情報】
実施機関: 環境省 環境再生・資源循環局 廃棄物適正処理推進課 浄化槽推進室
電話: 03-5501-3155(受付時間: 平日9:30-18:15)
公式サイト: https://www.env.go.jp/recycle/jokaso/grant.html