熊本県 景観形成支援事業 概要

熊本県内の美しい景観を守り、育てるための「景観形成支援事業」が、くまもと緑・景観協働機構によって実施されています。この事業は、地域の住民協定などに基づいて行われる街並みの保全や修景活動を支援するもので、最大100万円の助成金が交付されます。申請期限は2025年12月15日(月)です。この記事では、事業の詳細や申請方法について詳しく解説します。

助成金名景観形成支援事業
実施機関くまもと緑・景観協働機構
対象地域熊本県内(指定地域あり)
助成額最大100万円(事業内容により異なる)
助成率対象経費の1/2以内
申請期限2025年12月15日(月) 必着

※予算の上限に達した場合、期限前に募集を締め切ることがありますので、早めの申請をおすすめします。

支援対象となる2つの事業

この助成金は、対象となる地域や事業内容によって大きく2つの種類に分かれています。ご自身の計画がどちらに該当するか確認しましょう。

1. 協定地域修景事業

景観協定などを締結している地域で行う、歴史的街並みの維持・保全や、看板の集合化、商店街の景観形成などが対象です。

  • 対象事業の例:
    • 歴史的街並みの維持、保全・修復事業(街並みを維持するための新築も対象)
    • 看板の集合化・デザイン統一などの修景事業
    • 商店街のアーケード改修やファサード整備などの景観形成事業
  • 対象地域: 景観条例等に基づく住民協定を有する地域、または市町村が推薦し会長が認める地域
  • 助成対象経費: 街並みの保全、修復等に要する費用(工事費、設計委託料)
    ※新築の場合は、通りに面した外観部のみが対象です。
  • 助成率・限度額: 対象経費の1/2以内、最大100万円

2. 重点地域修景事業

熊本県や市町村の景観計画で「景観形成の重点地域」と定められたエリアで行う、屋外広告物や建築物の修景が対象です。

  • 対象事業の例:
    • 屋外広告物の修景事業(色彩や形状を地域の景観基準に合わせるなど)
    • 建築物の修景事業(外壁の塗り替え、屋根の葺き替えなど)
  • 対象地域: 熊本県または市町村の景観計画で定められた重点地域、または市町村が推薦し会長が認める地域
  • 助成対象経費: 屋外広告物または建物等の整備等に要する費用(工事費、設計委託料)
  • 助成率・限度額: 対象経費の1/2以内、最大30万円

申請するための主な要件

助成を受けるためには、以下の基準を満たす必要があります。申請前に必ず確認してください。

  • 事業完了時期: 原則として、令和8年(2026年)2月末までに事業が完了可能であること。
  • 事業開始時期: 事業の実施は、助成金の交付決定後に行うこと。(申請から決定まで約1ヶ月程度)
  • 過去の助成: 事業が実施される土地に対して、過去に同機構の景観形成に関する助成金が交付されていないこと。

申請から助成金交付までの流れ

申請手続きは、お住まいの市町村などを通じて行います。スムーズに進めるために、全体の流れを把握しておきましょう。

  1. 事前相談・申請: 事業を行う前に、必要書類を揃えて所在市町村等の景観担当課を通じて申請します。
  2. 審査・交付決定: 書類審査等が行われ、助成金の交付先と金額が決定・通知されます。(申請から約1ヶ月後)
  3. 事業の実施: 交付決定通知を受けてから、事業を開始します。
  4. 完了報告: 事業完了後、速やかに完了届と添付書類を提出します。
  5. 交付額確定・請求・交付: 現地検査等を経て助成金額が確定され、請求書を提出後、助成金が交付されます。

申請に必要な主な書類

申請には以下の書類が必要です。不備がないように準備しましょう。

  • 景観形成住民協定等活動支援申請書(様式第1号)
  • 景観形成事業を実施する区域を示す地図
  • 見積書
  • 設計図、平面図(景観形成部分を朱書き)
  • 工事予定箇所及び付近を含めた全体写真
  • 付近見取図
  • 住民協定に関する協定書等の写し、または所有者等を証明する書類の写し

※「市町村が推薦する地域」での申請の場合は、事前協議や推薦状が必要となり、一部書類を省略できる場合があります。詳細は必ず事務局にご確認ください。

支援決定後の注意点(支援の条件)

助成金を受けた後も、いくつかの条件を守る必要があります。

  • 適切な管理: 支援を受けてから5年間は、施工箇所を適切に管理し、破損した場合は再施工すること。
  • 書類の保管: 支援を受けてから5年間は、事業に関する収支書類を保管し、求めに応じて報告すること。
  • 広報への協力: 機構がホームページ等で事業内容を紹介することに了承し、問い合わせがあった場合は適切に対応すること。
  • 支援の掲示: 施工箇所に、機構の支援を受けて実施した旨を掲示すること。(掲示費用は助成対象外)

まとめ

熊本県の景観形成支援事業は、地域の景観をより良くするための活動を金銭的にサポートする貴重な制度です。歴史的な街並みの修復や、お店の看板、自宅の外壁改修などを検討している方は、この機会にぜひ活用を検討してみてはいかがでしょうか。

申請には多くの書類が必要となり、市町村との連携も欠かせません。募集は予算に達し次第終了となる可能性があるため、関心のある方は、まずはお住まいの市町村の景観担当課、または「くまもと緑・景観協働機構」へ早めに相談することをおすすめします。