「専業主婦(主夫)だから、保育園は利用できない…」「少しだけ子どもを預けてリフレッシュしたいけど、頼れる場所がない…」そんな悩みを抱える子育て中の保護者の皆様に朗報です。2025年度から順次開始される「こども誰でも通園制度」は、保護者の就労要件を問わず、誰でも月10時間まで保育所などを利用できる画期的な新制度です。この制度は、すべての子どもの健やかな育ちを応援すると同時に、保護者の孤立感や育児負担を軽減することを目的としています。この記事では、こども誰でも通園制度の対象者、利用料金、申請方法から、スムーズに利用するためのポイントまで、気になる情報をどこよりも詳しく、わかりやすく解説します。あなたの子育てライフを豊かにする新しい選択肢を、ぜひ知ってください。

制度のポイント
✅ 保護者の就労状況に関わらず誰でも利用可能!
✅ 0歳6ヶ月から満3歳未満の未就園児が対象
✅ 月10時間まで、時間単位で柔軟に利用できる
✅ 2025年度から一部自治体で先行実施、2026年度から全国展開!

こども誰でも通園制度とは?制度の概要をわかりやすく解説

「こども誰でも通園制度」は、国の「こども未来戦略」に基づいて創設された新しい子育て支援策です。正式名称は「乳児等通園支援事業」といいます。これまで保育園などの利用は、保護者の就労などが条件となることが一般的でしたが、この制度はそうした要件を一切問いません。すべての子育て家庭が、多様な働き方やライフスタイルにかかわらず支援を受けられることを目指しています。

制度の目的と背景

この制度の主な目的は2つあります。

  • 子どもの良質な成育環境の整備:家庭だけでは体験しにくい同年代の子どもとの関わりや、専門の保育士による多様な遊びの機会を提供し、子どもの健やかな発達を促します。
  • すべての子育て家庭への支援強化:保護者がリフレッシュしたり、通院や買い物、自己啓発の時間を持ったりすることで、育児による心身の負担や孤立感を軽減し、親子関係にゆとりをもたらします。

いつから始まる?スケジュール

制度は段階的に実施されます。

  • 2025年度(令和7年度):一部の市町村で試行的・先行的に事業が開始されます。お住まいの自治体が対象かどうかは、市町村のホームページなどで確認が必要です。
  • 2026年度(令和8年度):全国のすべての自治体で本格的に実施される予定です。

実施主体はどこ?

制度全体の設計や方針は国(こども家庭庁)が行いますが、実際に事業を実施し、住民へのサービス提供を行うのは、お住まいの市区町村です。そのため、具体的な利用方法や手続き、実施施設などの詳細は、各市町村によって異なります。

利用料金と減免制度

この制度は有料サービスですが、子育て家庭の負担が大きくならないよう、利用しやすい料金設定と減免制度が設けられています。

基本的な利用料金

利用料金は、子ども1人1時間あたり300円程度を標準として、各実施事業所が設定します。利用時間は、子ども1人あたり月10時間が上限です。例えば、月に10時間利用した場合の料金は3,000円程度が目安となります。別途、おやつ代などの実費が必要になる場合もあります。

所得に応じた利用料の減免制度

低所得世帯などを対象に、利用料の負担を軽減する減免制度があります。市町村民税の課税状況などに応じて、補助が受けられます。以下は、国が示す減免制度の基準例です(実際の減免額は市町村により異なります)。

対象世帯 補助基準額(1時間あたり)
生活保護世帯 300円
市町村民税非課税世帯 240円
市町村民税所得割課税額77,101円未満の世帯 210円
要支援児童及び要保護児童のいる世帯 150円

※例えば生活保護世帯の場合、1時間300円の補助が受けられるため、利用料が300円の施設であれば実質無料で利用できることになります。

誰が使える?対象者と利用条件

対象となるこども

この制度を利用できるのは、以下の条件をすべて満たすお子さんです。

  • 年齢:生後6か月から満3歳未満(3歳の誕生日の前々日まで)
  • 居住地:保護者が制度を実施している市町村に在住していること
  • 利用状況:認可保育所、認定こども園、小規模保育事業、企業主導型保育事業などを利用していないこと(いわゆる未就園児)

※一時預かり事業の利用や、認可外保育施設に通っている場合は対象となります。

保護者の条件

この制度の最大の特徴は、保護者の就労要件を一切問わない点です。専業主婦(主夫)、育児休業中、求職中、フリーランス、パートタイムなど、どのような状況の方でも利用できます。

【5ステップ】申請から利用までの流れ

利用するには、事前登録や手続きが必要です。ここでは、先行実施している鹿児島市の例を参考に、一般的な利用の流れを5つのステップで解説します。詳細はお住まいの市町村にご確認ください。

Step 1: 利用登録申請(初回のみ)
まず、お住まいの市町村の保育担当窓口(子育て支援課など)に「対象者確認申請書」といった書類を提出し、利用登録を行います。お子さん一人につき1枚の申請書が必要です。

Step 2: ログインIDの受け取り
申請が受理されると、市町村からメールなどで国の「こども誰でも通園制度総合支援システム」にログインするためのIDが発行されます。

Step 3: 利用者情報の入力(初回のみ)
発行されたIDでシステムにログインし、保護者やお子さんの情報(アレルギーの有無など)を入力します。

Step 4: 事前面談(初回利用施設ごと)
システムを使って、利用したい施設に事前面談を予約します。面談では、施設の案内を受けたり、お子さんの様子を伝えたりします。安全にお子さんを預かってもらうための重要なステップです。

Step 5: 利用予約・利用開始
面談後、システムを通じて利用したい日時を予約します。予約が確定したら、当日に施設へ行き、サービスを利用します。利用料は、利用した施設へ直接支払います。

「こども誰でも通園制度総合支援システム」とは?
国が開発した、この制度専用のオンラインシステムです。保護者はスマートフォンやタブレットから、実施施設の検索、事前面談や利用の予約、利用可能時間の確認などができます。事業者や市町村もこのシステムで情報を管理するため、スムーズな運営が可能になります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 2026年度から全国で必ず始まりますか?

A1. はい、2026年度からは子ども・子育て支援法に基づく新たな給付として、全国の自治体で実施されることが法律で定められています。

Q2. 月10時間の利用時間は、使いきれなかったら翌月に繰り越せますか?

A2. いいえ、利用可能時間は当月のみ有効で、翌月への繰り越しはできません。

Q3. 兄弟がいる場合、それぞれ10時間ずつ利用できますか?

A3. はい、対象年齢のお子さんであれば、それぞれ月10時間まで利用可能です。例えば、1歳と2歳のお子さんがいれば、合計で月20時間まで利用できます。

Q4. 里帰り出産中など、住民票のない自治体でも利用できますか?

A4. 2025年度の時点では、原則として住民票のある市町村での利用となります。市町村間で協定を結んでいる場合は広域利用が可能な場合もありますが、限定的です。将来的に広域利用がしやすくなるよう検討が進められています。

Q5. 障害や医療的ケアが必要な子どもでも利用できますか?

A5. はい、利用できます。市町村は、障害児や医療的ケア児が円滑に利用できるよう配慮することとされています。看護師等が配置された施設や、必要に応じて保育士が自宅を訪問する「居宅訪問型」の支援も可能です。まずは市町村の窓口にご相談ください。

Q6. 利用予約のキャンセルはできますか?キャンセル料はかかりますか?

A6. キャンセルはシステムで可能です。ただし、国の実施要綱では「当日のキャンセル」については利用したものとみなし、利用者の利用可能時間から減算し、料金も発生する可能性があるとされています。キャンセルポリシーは施設や自治体によって異なるため、予約時に必ず確認しましょう。

まとめ:新しい子育ての選択肢を活用しよう

「こども誰でも通園制度」は、これからの日本の子育て支援を大きく変える可能性を秘めた制度です。最後に、重要なポイントをもう一度確認しましょう。

  • 誰でも使える:保護者の就労状況は関係ありません。
  • 対象は未就園児:0歳6ヶ月から満3歳未満のお子さんが対象です。
  • 月10時間まで:リフレッシュや用事など、目的に合わせて柔軟に利用できます。
  • 手続きが必要:利用にはお住まいの市町村への事前登録が必要です。
  • まずは情報収集から:2025年度の先行実施、2026年度の本格実施に向けて、お住まいの市町村のホームページをチェックしたり、子育て支援課に問い合わせてみましょう。

この制度を上手に活用することで、お子さんには新しい成長の機会を、そして保護者のあなたには心と時間のゆとりをもたらすことができます。一人で抱え込まず、社会のサポートを積極的に利用して、より豊かな子育てを実現しましょう。