詳細情報
「少しだけ自分の時間がほしい」「子どもに同年代の子と触れ合う機会を作ってあげたい」そんな風に思う保護者の方に朗報です。2025年度から本格実施が広がる「こども誰でも通園制度」は、保護者の就労状況にかかわらず、月10時間まで保育所などを利用できる画期的な新制度です。この制度は、すべての子どもの健やかな育ちを応援すると同時に、子育て中の保護者がリフレッシュしたり、育児の悩みを専門家に相談したりする機会を提供することを目的としています。この記事では、制度の対象者や利用料金、具体的な申請方法から利用のコツまで、気になる情報を網羅的に解説します。あなたの子育てライフをより豊かにするこの制度、ぜひ詳細をチェックしてみてください。
こども誰でも通園制度とは?
「こども誰でも通園制度」は、国の「こども未来戦略」に基づき創設された新しい子育て支援サービスです。正式名称を「乳児等通園支援事業」と言い、こども家庭庁が主導し、全国の市区町村が実施主体となって運営します。これまでの一時預かり事業とは異なり、より定期的かつ柔軟に利用できるのが大きな特徴です。
制度の目的と背景
この制度の主な目的は、すべての子どもに良質な成育環境を保障し、同時にすべての子育て家庭を支援することです。核家族化や地域のつながりの希薄化が進む現代において、孤立しがちな子育て家庭を社会全体で支える仕組みとして期待されています。保護者の就労要件を問わないことで、専業主婦(主夫)家庭やフリーランスなど、多様なライフスタイルの家庭も気軽に利用できるよう設計されています。
制度がもたらす3つの大きなメリット
- 子どもにとってのメリット:家庭だけでは得られない多様な経験ができます。保育士や他の子どもたちとの関わりを通じて、社会性やコミュニケーション能力が育まれます。園の活動に参加することで、心身ともに健やかな発達が促されます。
- 保護者にとってのメリット:育児から少し離れてリフレッシュする時間を持つことができます。これにより、心に余裕が生まれ、子どもとより良い関係を築くことにつながります。また、保育のプロである保育士に育児の悩みや不安を相談できるため、孤立感の解消にもなります。
- 社会にとってのメリット:地域全体で子育てを支える意識が高まります。潜在的な児童虐待のリスクを早期に発見し、予防する効果も期待されています。
制度の概要をチェック!対象者・利用時間・料金
制度を利用するためには、いくつかの要件があります。ここでは、対象となる子ども、利用できる時間、そして気になる料金について詳しく見ていきましょう。
対象となる子ども
以下のすべての要件を満たすお子さんが対象となります。
- 年齢:利用日時点で生後6か月から満3歳未満であること(3歳になる誕生日の前々日まで)。
- 状況:保育所、幼稚園、認定こども園、地域型保育事業などに通っていない「未就園児」であること。
- 住所:利用したい施設がある市区町村に住民票があること。
利用できる時間と料金
利用時間と料金は全国で基本的なルールが定められていますが、詳細は自治体や施設によって異なる場合があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 利用可能時間 | 子ども1人あたり月10時間まで |
| 利用単位 | 1時間以上、30分単位など、施設により設定 |
| 利用料金(目安) | 子ども1人 1時間あたり300円程度 |
| 別途必要な費用 | 給食費、おやつ代、その他雑費(おむつ代など) |
| 料金の減免 | 生活保護世帯や市民税非課税世帯などを対象とした減免制度あり(要申請) |
【重要】利用しなかった時間分を翌月に繰り越すことはできません。料金や別途必要な費用は施設によって異なりますので、利用前に必ず確認しましょう。
【5ステップ】こども誰でも通園制度の申請から利用までの流れ
制度の利用には事前の手続きが必要です。多くの自治体でオンラインシステムが導入されており、スマートフォンやパソコンから申請が可能です。ここでは一般的な流れを5つのステップで解説します。
STEP1: 利用者登録申請(オンライン)
まず、お住まいの市区町村の公式サイトから「こども誰でも通園制度」の案内にアクセスし、オンライン申請システムで利用者登録を行います。申請にはメールアドレスが必須となります。案内に従って、保護者や子どもの情報を入力してください。
STEP2: ログインIDの受け取りと情報登録
申請内容が自治体で受け付けられると、登録したメールアドレスに国の「こども誰でも通園制度総合支援システム」のログインIDが通知されます。この通知には1週間から2週間程度かかる場合があります。IDを受け取ったらシステムにログインし、お子さまのアレルギー情報や健康状態など、より詳細な情報を登録します。
STEP3: 利用したい施設を探し、事前面談を予約
総合支援システム上で、利用可能な施設を地図や条件で検索できます。気になる施設を見つけたら、システムを通じて事前面談の予約を行います。初めて利用する施設では、安全にお子さまを預かるために事前面談が必須となります。
STEP4: 事前面談の実施
予約した日時に、親子で施設を訪問し、事前面談を受けます。面談では、お子さまの健康状態、アレルギーの有無、発達状況、生活リズム、好きな遊びなどについて保育士からヒアリングがあります。施設の雰囲気を確認し、疑問点などを質問する良い機会です。
STEP5: 利用予約と利用開始
事前面談が完了し、施設側で受け入れ可能となれば、総合支援システムから希望の日時を予約できるようになります。予約が確定したら、当日は時間に間に合うように親子で登園します。多くの施設では、スマートフォンのQRコード読み取りで登園・降園の時間を記録します。利用料は、施設の指定する方法で直接支払います。
スムーズな利用のためのポイントと注意点
制度を快適に利用するために、いくつか知っておきたいポイントがあります。事前の準備と確認が大切です。
事前面談で伝えておくべきこと
お子さまが安心して過ごせるよう、事前面談では以下の情報を正確に伝えましょう。
- 食物アレルギーやその他のアレルギーの有無、具体的な症状
- 普段の睡眠時間や食事のリズム
- 人見知りや場所見知りの程度
- 好きな遊び、お気に入りのおもちゃ
- トイレトレーニングの状況
- 言葉の発達状況やコミュニケーションの取り方
予約のコツとキャンセルポリシー
人気の施設や時間帯は予約が埋まりやすいため、利用したい日が決まったら早めに予約するのがおすすめです。また、急な体調不良などでキャンセルする場合のルール(キャンセルポリシー)は施設ごとに定められています。例えば、「利用日前日の午後6時以降のキャンセルは、予約時間分の利用枠が減算され、利用料が発生する場合がある」といった規定があります。無断キャンセルは避け、必ず施設のルールに従って連絡をしましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1: 兄弟で同時に利用申請できますか?
A1: はい、可能です。ただし、申請はお子さま一人ひとり個別に行う必要があります。利用時間の上限(月10時間)も、それぞれのお子さまに適用されます。
Q2: 住民票がある市とは別の市の施設は利用できますか?
A2: 原則として、住民票のある市区町村内の施設のみ利用可能です。市外の施設の利用可否については、その施設がある自治体にお問い合わせください。
Q3: 一時保育との違いは何ですか?併用は可能ですか?
A3: こども誰でも通園制度は、より定期的・継続的な利用を想定した制度です。一時保育は、保護者の急な用事や病気などの際に緊急・一時的に利用する側面が強いです。制度が異なり、それぞれの利用要件を満たせば併用できる自治体が多いですが、詳細はお住まいの自治体にご確認ください。
Q4: 利用料金の支払い方法は?
A4: 支払い方法は施設によって異なります。現金、口座振替、キャッシュレス決済など、利用する施設に直接ご確認ください。
Q5: 予約をキャンセルしたい場合はどうすればいいですか?
A5: 利用予約のキャンセルは、総合支援システムから行えます。ただし、キャンセル期限を過ぎるとシステムで操作できなくなる場合があります。その際は施設に直接電話などで連絡してください。事前面談の予約キャンセルはシステムではできないため、直接施設への連絡が必要です。
まとめ:こども誰でも通園制度を活用して、親子ともに豊かな時間を
「こども誰でも通園制度」は、子育ての新しい選択肢となる画期的なサポートです。最後に、この制度の重要ポイントを再確認しましょう。
- 対象:0歳6ヶ月~満3歳未満の未就園児
- 条件:保護者の就労要件は不問
- 時間:月10時間まで利用可能
- 料金:1時間300円程度+実費
- 手続:オンラインでの事前登録と施設での事前面談が必要
この制度を利用することで、お子さまは新しい世界に触れ、保護者の方は心にゆとりを持つことができます。子育ては一人で抱え込むものではありません。こうした社会のサポートを上手に活用し、親子ともに笑顔で過ごせる時間を増やしていきましょう。
まずは、お住まいの市区町村の公式サイトで「こども誰でも通園制度」の詳細を確認し、利用者登録から始めてみてください。