詳細情報
東京都「需給最適化に向けたエネルギーマネジメント推進事業」とは?
東京都では、エネルギー効率の最大化を目指し、「ゼロエミッション東京」の実現に向けて、高度なエネルギーマネジメントの実装に取り組んでいます。その一環として、電力需給の最適化を推進するため、エネルギーマネジメントシステム(EMS)やアグリゲーションビジネス(ERAB)に必要な設備の導入などを支援する「需給最適化に向けたエネルギーマネジメント推進事業」を令和7年度から開始しました。この助成金を活用することで、企業の省エネ化やコスト削減、さらには新たなビジネスチャンスの創出が期待できます。
本記事では、この注目の助成金について、対象者、助成金額、申請方法などを詳しく解説します。エネルギーコスト削減や事業拡大を目指す企業にとって、見逃せない情報が満載です。ぜひ最後までお読みいただき、助成金活用をご検討ください。
助成金の概要
正式名称
需給最適化に向けたエネルギーマネジメント推進事業
実施組織
公益財団法人東京都環境公社 東京都地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)
目的・背景
東京都は、「ゼロエミッション東京」の実現に向けて、エネルギー効率の最大化を進めています。再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力需給の変動に対応するためのデマンドレスポンス(DR)などの調整力が重要視されています。この助成金は、エネルギーマネジメントシステム(EMS)やアグリゲーションビジネス(ERAB)に必要な設備の導入を支援することで、電力需給の最適化を推進し、企業の省エネ化と新たなビジネスモデルの創出を促進することを目的としています。
対象者の詳細
この助成金の対象者は、EMS区分とERAB区分で異なります。
- EMS区分: 都内に本店または支店を有し、東京電力管内(ERAB実施する場合)または都内の事業所を所有または使用する事業者、またはこれらの事業者にEMSを導入する登録アグリゲーターや小売電気事業者等
- ERAB区分: 都内に本店または支店を有し、東京電力管内において都内事業所を含んだERABを実施する事業者、または本事業の登録アグリゲーター
助成金額・補助率
助成金額と補助率は、EMS区分とERAB区分、および対象経費によって異なります。以下に詳細を示します。
EMS区分
| 助成対象経費 | 助成率 | 1事業所あたり助成上限額 |
|---|---|---|
| システムの導入・改修 | 都内中小企業:2/3 都内でのERAB実施:2/3 上記以外(東電管内):1/2 |
見える化:1,000万円 最適制御:5,000万円 |
| エネルギー貯留設備の導入・改修 | 都内中小企業:2/3 都内でのERAB実施:2/3 上記以外(東電管内):1/2 |
見える化:1,000万円 最適制御:5,000万円 |
ERAB区分
| 助成対象経費 | 助成率 | 助成上限額 |
|---|---|---|
| システムの構築・改修(都登録アグリゲーターのみ申請可) | 都内中小企業:2/3 都内での電力の市場供出:2/3 上記以外(東電管内):1/2 |
1,250万円/システム |
| 再エネ発電設備の導入 | 都内中小企業:2/3 都内での電力の市場供出:2/3 上記以外(東電管内):1/2 |
7,500万円/所 |
| エネルギー貯留設備の導入 | 都内中小企業:2/3 都内での電力の市場供出:2/3 上記以外(東電管内):1/2 |
1億5,000万円/所 |
| 通信機器の導入 | 都内中小企業:2/3 都内での電力の市場供出:2/3 上記以外(東電管内):1/2 |
50万円/所 |
計算例: 例えば、都内の中小企業がERAB区分でエネルギー貯留設備を導入する場合、対象経費の2/3が助成され、上限は1億5,000万円となります。
対象者・条件
この助成金を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 都内に本店または支店を有すること
- 東京電力管内(ERAB実施の場合)または都内の事業所を所有または使用すること
- EMS区分の場合、DR実施等のエネルギーマネジメント計画を策定し、3年間のエネルギーマネジメントを実施すること
- ERAB区分の場合、VPP構築または市場供出目的のERABを実施すること(東電管内の2事業所以上・3年以上)
- 普及啓発の取組・報告を行うこと(3年間)
具体例:
- 都内の中小製造業が、自社の工場にEMSを導入し、エネルギー使用量の見える化と最適制御を行う場合
- 都内の小売電気事業者が、複数の事業所のエネルギーリソースを束ね、デマンドレスポンスを実施する場合
- 都内の商業施設が、屋上に太陽光発電設備を設置し、発電した電力を自社で使用するとともに、余剰電力を電力市場に供給する場合
補助対象経費
補助対象となる経費は、EMS区分とERAB区分で異なります。
- EMS区分: システムの導入・改修費、エネルギー貯留設備の導入・改修費
- ERAB区分: システムの構築・改修費、再エネ発電設備の導入費、エネルギー貯留設備の導入費、通信機器の導入費
対象外経費: ランニングコスト(電気代、保守費用など)は補助対象外となります。
申請方法・手順
申請は、原則として電子申請(フォーム)で行います。以下の手順で申請を進めてください。
- クール・ネット東京のホームページから申請フォームにアクセスします。
- 申請に必要な情報を入力し、必要書類をアップロードします。
- 申請内容を確認し、送信します。
必要書類
- 交付申請書
- 事業計画書
- 経費内訳書
- 見積書(2社以上)
- 会社概要
- 直近の決算書
- その他、必要に応じて追加書類
申請期限: 令和8年3月31日(火)17:00まで
採択のポイント
採択されるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
- 事業計画が具体的かつ実現可能であること
- 省エネ効果やCO2削減効果が明確であること
- 費用対効果が高いこと
- 東京都の政策に合致していること
申請書作成のコツ: 申請書は、審査員が理解しやすいように、簡潔かつ明確に記述することが重要です。図表やグラフを効果的に活用し、視覚的に訴えることも有効です。
よくある質問(FAQ)
- Q: 助成金の申請は初めてですが、申請サポートはありますか?
- A: クール・ネット東京では、申請に関する相談を受け付けています。また、専門家による申請サポートも提供しています。
- Q: 申請に必要な書類はどこで入手できますか?
- A: クール・ネット東京のホームページからダウンロードできます。
- Q: 助成金の交付決定はいつ頃になりますか?
- A: 申請書類の審査後、通常1〜2ヶ月程度で交付決定が通知されます。
- Q: 助成金はいつ支払われますか?
- A: 事業完了後、実績報告書を提出し、内容が確認された後に支払われます。
- Q: 国の補助金との併用は可能ですか?
- A: 国の補助金との併用は可能です。詳細は手引きでご確認ください。
まとめ・行動喚起
東京都の「需給最適化に向けたエネルギーマネジメント推進事業」は、企業の省エネ化と新たなビジネスチャンスの創出を支援する魅力的な助成金です。対象となる事業者は、ぜひこの機会に助成金の活用をご検討ください。
次のアクション:
- クール・ネット東京のホームページで詳細を確認する
- 申請に関する相談を申し込む
- 申請に必要な書類を準備する
ご不明な点がありましたら、クール・ネット東京までお気軽にお問い合わせください。
問い合わせ先:
公益財団法人東京都環境公社 東京都地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)
電話: 03-5990-5242(9時00分~12時00分、13時00分~17時00分まで(土曜日・日曜日・祝祭日は除く。))