詳細情報
東京都にお住まいで、「夏の暑さや冬の寒さが厳しい」「光熱費をなんとか節約したい」とお考えの方に朗報です。東京都では、既存住宅の断熱性向上を目的とした大規模な助成金制度「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」を実施しています。この制度を活用すれば、高断熱窓や断熱材へのリフォーム費用の一部が助成され、最大で325万円もの支援を受けられる可能性があります。快適で健康的な住環境を実現し、光熱費の削減にも繋がる絶好の機会です。この記事では、制度の概要から申請方法、採択のポイントまで、誰にでもわかるように徹底解説します。
この記事でわかること
- 東京都の住宅省エネ改修助成金の詳しい内容
- 対象となる工事や製品の具体的な条件
- 助成金額の計算方法と上限額
- 失敗しないための申請手順とスケジュール
- 国の補助金との違いや採択されるためのコツ
助成金の概要|東京都の「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」とは?
この事業は、東京都が地球温暖化対策の一環として、都内の既存住宅における省エネ性能の向上を促進するために設けた制度です。断熱性能を高めることで、冷暖房効率を改善し、エネルギー消費量とCO2排出量を削減することを目的としています。また、快適な室温を保つことで都民の健康増進に貢献し、断熱性の高い住宅は災害時の避難生活においても体への負担を軽減する効果が期待されています。
実施団体
- 事業主体: 東京都環境局
- 執行機関: 公益財団法人東京都環境公社 東京都地球温暖化防止活動推進センター(愛称:クール・ネット東京)
令和7年度の拡充ポイント
令和7年度事業では、さらに利用しやすくなるよう以下の点が拡充されています。
- 防犯断熱窓への上乗せ補助: 防犯性能の高い高断熱窓(CP部品)を設置する場合、助成単価が大幅にアップします。
- 管理組合による大規模改修の単価割増: 分譲マンションの管理組合が50戸以上の改修を行う場合、助成単価が割増になります。
助成金額と補助率|いくらもらえる?
助成額は、改修する設備や製品の性能、大きさによって細かく定められています。ここでは主な対象工事の助成額を解説します。
【重要】高断熱窓と高断熱ドアの助成金額の合計が5万円以上の工事が対象となります。
高断熱窓・高断熱ドア
製品の性能(熱貫流率)と大きさによって助成単価が設定されています。性能が高いほど、助成額も大きくなります。上限額は1住戸あたり130万円です。
| グレード(熱貫流率) | 大(2.8㎡以上) | 中(1.6㎡以上2.8㎡未満) | 小(0.2㎡以上1.6㎡未満) |
|---|---|---|---|
| P(1.1以下) | 53,000円 | 36,000円 | 23,000円 |
| S(1.5以下) | 43,000円 | 29,000円 | 18,000円 |
※上記は一例です。外窓交換、ガラス交換、ドア交換にもそれぞれ単価が設定されています。詳細は公式サイトをご確認ください。
【上限額の特例】
- 管理組合が50戸以上改修する場合:上限156万円/戸
- 防犯にも資する高断熱窓(CP部品)を設置する場合:上限325万円/戸
断熱材
- 補助率: 助成対象経費の1/3
- 上限額: 1住戸あたり100万円
高断熱浴槽
- 補助率: 助成対象経費の1/3
- 上限額: 1住戸あたり95,000円
リフォーム瑕疵保険
- 助成額: 1契約あたり7,000円(定額)
対象者と対象住宅の条件
助成金を利用するには、申請者と住宅の両方が条件を満たす必要があります。
対象となる方
- 都内に住宅を所有する個人・法人及び管理組合
- 上記の方と共同で申請するリース事業者
対象となる住宅・製品の要件
- 住宅: 都内にある既存住宅であること(新築は対象外)。
- 共通: 令和7年4月1日以降に新たに設置する未使用品であること。
- 高断熱窓・断熱材: 国の「先進的窓リノベ2025事業」や「子育てエコホーム支援事業」などの補助対象製品として登録されていること。
- 高断熱ドア: 熱貫流率が2.3 W/(㎡・K)以下であること。
- 高断熱浴槽: JIS規格に規定する「高断熱浴槽」と同等以上の性能を有すること。
製品選びは非常に重要です。必ずリフォーム業者と相談の上、対象製品リストを公式サイトで確認してください。
申請方法と手続きの流れ【完全ガイド】
申請手続きは、順番を間違えると助成対象外になる可能性があるため、慎重に進める必要があります。特に重要なのは、「事前申込」を済ませてから「契約・施工」に進むという点です。
【最重要】工事の契約・施工は必ず「事前申込」の後に行ってください!
※令和7年4月1日から6月30日までの契約・施工については、事後申込が可能な遡及期間が設けられていますが、この場合も事前申込手続きは必須です。
Step 1: 事前準備(業者・製品選定)
まずは、信頼できるリフォーム業者を選定し、助成金の利用を前提としたリフォーム計画を立てます。どの製品が助成対象になるか、業者と一緒に入念に確認しましょう。
Step 2: 事前申込
工事内容が決まったら、クール・ネット東京の電子申請ポータルから事前申込を行います。
- 受付期間: 令和7年5月30日から
- 申請方法: 電子申請を推奨(紙申請も可能ですが、処理に時間がかかる場合があります)
Step 3: 契約・工事着工
事前申込の受付が完了したら、リフォーム業者と正式に契約を結び、工事を開始します。施工前・施工中・施工後の写真撮影を忘れずに行いましょう。
Step 4: 交付申請兼実績報告
工事が完了し、費用の支払いが終わったら、実績報告を兼ねた交付申請を行います。この手続きは、事前申込から1年以内に行う必要があります。
- 受付期間: 令和7年6月30日から令和11年3月30日まで
- 必要書類: 契約書、領収書、製品の性能証明書、施工写真など多数。公式サイトの「申請の手引き」で必ず確認してください。
Step 5: 審査・助成金交付
提出された書類が審査され、内容に問題がなければ交付が決定し、指定の口座に助成金が振り込まれます。
採択されるための3つの重要ポイント
ポイント1:対象製品の要件を確実に満たす
この助成金は、指定された性能基準を満たす製品のみが対象です。国の補助金対象製品リストに掲載されているか、熱貫流率の基準をクリアしているかなど、見積もり段階で業者に証明書類を提示してもらい、確実に確認しましょう。
ポイント2:手続きの順番を絶対に間違えない
繰り返しになりますが、「事前申込 → 契約・施工 → 交付申請」という流れが鉄則です。焦って先に契約してしまうと、助成金が受けられなくなりますので十分注意してください。
ポイント3:書類の不備をなくし、電子申請を活用する
申請には多くの書類が必要です。公式サイトから最新の「申請の手引き」や様式をダウンロードし、記入漏れや添付忘れがないか何度も確認しましょう。手続きがスムーズで進捗状況も確認できる電子申請の利用が強く推奨されています。
よくある質問(FAQ)
- Q1. 国の補助金(先進的窓リノベ事業など)と併用できますか?
- A1. 国の補助金と併用は可能です。ただし、同じ工事に対して両方から補助を受けることはできません。例えば、「リビングの窓は国の補助金、寝室の窓は都の助成金」といったように、工事箇所を分けて申請する必要があります。詳細は公式サイトの「提出書類についてのご案内」をご確認ください。
- Q2. 賃貸マンションやアパートでも利用できますか?
- A2. 申請者は住宅の所有者(オーナー)である必要があります。お住まいが賃貸の場合は、オーナー様にこの制度の利用を相談してみてください。
- Q3. 申請手続きは難しいですか?代行は可能ですか?
- A3. 書類準備がやや複雑なため、難しく感じる方もいるかもしれません。多くのリフォーム業者が申請手続きのサポートや代行を行っています。助成金の利用実績が豊富な業者に依頼するとスムーズに進められるでしょう。
- Q4. 予算がなくなって早期終了することはありますか?
- A4. 令和7年度は約702億円という大規模な予算が組まれていますが、申請状況によっては早期に受付が終了する可能性もゼロではありません。公式サイトで予算の執行状況が公表されていますので、定期的に確認することをおすすめします。
- Q5. リフォームで税金の控除も受けられますか?
- A5. はい、一定の要件を満たす省エネ改修工事を行った場合、所得税の控除や固定資産税の減額といった税制優遇措置を受けられる場合があります。助成金とは別の制度ですので、国税庁や東京都主税局のサイトで詳細をご確認ください。
まとめ:東京都の助成金を活用して快適でお得な住まいへ
東京都の「既存住宅における省エネ改修促進事業」は、住宅の断熱性能を向上させたい都民にとって非常に魅力的な制度です。経済的な負担を大幅に軽減しながら、光熱費の削減、快適性・健康性の向上、さらには防災力強化まで実現できます。
最後に、成功のための重要ポイントを再確認しましょう。
- 最大のポイント: 必ず「事前申込」を済ませてから工事契約・着工する。
- 製品選び: 国の補助金対象製品リストなどを参考に、要件を満たす製品を慎重に選ぶ。
- 情報収集: 公式サイトの「申請の手引き」を熟読し、最新情報を確認する。
この機会を最大限に活用し、より快適で、環境にも家計にも優しい住まいへのリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。まずは公式サイトで詳細を確認し、信頼できるリフォーム業者に相談することから始めましょう。
お問い合わせ先
クール・ネット東京 創エネ支援チーム
電話:03-6633-3822
受付時間: 平日9:00~17:00(12:00~13:00を除く)