詳細情報
この記事では、埼玉県北本市が実施するがん患者様向けの2つの重要な支援事業について、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。がん治療による外見の変化にお悩みの方への「アピアランスケア用品購入費助成金」と、若年世代の在宅療養を支える「AYA世代がん患者在宅療養支援事業助成金」です。対象者、助成金額、申請方法などを網羅し、あなたの不安を少しでも和らげるお手伝いをします。
はじめに:北本市が、がん治療と向き合うあなたを支えます
がんの治療は、身体的な負担だけでなく、脱毛や手術痕といった外見の変化による心理的な苦痛や、経済的な負担を伴うことがあります。また、住み慣れた自宅で最期まで自分らしく過ごしたいと願う方も少なくありません。埼玉県北本市では、そうした市民の方々の想いに寄り添い、負担を軽減するための支援制度を設けています。
本記事でご紹介するのは、以下の2つの助成金です。
- 北本市がん患者アピアランスケア用品購入費助成金:ウィッグや乳房補整具などの購入費用を最大10,000円助成します。
- 北本市AYA世代がん患者在宅療養支援事業助成金:18歳から40歳未満のAYA世代の末期がん患者様が在宅で療養するためのサービス利用料等を助成します。
これらの制度を正しく理解し活用することで、治療に前向きに取り組む一助となるはずです。それでは、各制度の詳細を一つずつ見ていきましょう。
1. 北本市がん患者アピアランスケア用品購入費助成金
がん治療の副作用による脱毛や、手術による乳房の切除など、外見の変化は患者様にとって大きなストレスとなります。アピアランスケアは、こうした外見の変化を補い、心理的な苦痛を和らげるためのケアです。北本市では、その経済的負担を軽減するために購入費用の一部を助成しています。
助成金額と助成回数
助成額は、対象用品の購入にかかった費用、または10,000円のいずれか低い方の額となります。助成は、対象者1人につき、以下の区分ごとに1回限りです。
| 対象区分 | 助成上限額 | 助成回数 |
|---|---|---|
| 区分1:ウィッグ等 | 10,000円 | 各区分1回限り |
| 区分2:乳房補整具 | 10,000円 |
(例)15,000円のウィッグを購入した場合 → 10,000円の助成
(例)8,000円の補整下着を購入した場合 → 8,000円の助成
対象となる方(対象要件)
助成を受けるには、以下のすべての条件を満たす必要があります。
- 購入日から申請日まで、継続して北本市に住民登録があること。
- がん治療に伴う脱毛や乳房切除等により、アピアランスケア用品を購入したこと。(令和7年4月1日以降の購入が対象)
- 市税を滞納していないこと。
- 過去に他の法令等に基づき、同種の助成金(ウィッグや乳房補整具)を受けていないこと。
助成の対象となるアピアランスケア用品
対象となる用品は以下の通りです。
- 【区分1:ウィッグ等】
- ウィッグ(全頭用。医療用に限りません)
- 装着用ネット
- 毛付き帽子
- 【区分2:乳房補整具】
- 補整下着、下着とともに使用するパッド
- 専用入浴着
- 人工乳房、人工乳頭(肌に直接貼り付けるタイプのみ)
【注意】対象外となるもの
クリーナーやブラシ等のケア用品、付属品、自作した場合の材料費、送料、医療保険が適用されるものなどは助成の対象外です。
2. 北本市AYA世代がん患者在宅療養支援事業助成金
AYA世代(思春期・若年成人、主に15歳~39歳)のがん患者様が、人生の重要な時期に病気と向き合うための支援は非常に重要です。北本市では、18歳から40歳未満の末期がん患者様が、住み慣れた自宅で安心して療養生活を送れるよう、在宅サービスの利用料などを助成します。
助成金額と上限額
助成内容は多岐にわたります。詳細は以下の表をご確認ください。
| 助成対象経費の種類 | 助成率・額 | 助成上限額 |
|---|---|---|
| 訪問介護、訪問入浴介護、福祉用具貸与 | 対象経費の9割(生活保護世帯は10割) | 月額72,000円 |
| 特定福祉用具購入 | 対象経費の9割(生活保護世帯は10割) | 90,000円(1回限り) |
| 主治医意見書の作成費用 | 全額 | 5,000円(1回限り) |
対象となる方(対象要件)
こちらも、以下のすべての条件を満たす必要があります。
- 北本市に住民登録がある、18歳以上40歳未満の方。
- 医師により末期がんと診断され、在宅療養に支援や介護が必要な方。
- 小児慢性特定疾病医療費の支給対象外であること。
- 他の制度で同等の補助や給付を受けることができないこと。
申請方法と必要書類|スムーズな手続きのために
申請は、必要書類を揃えて市の窓口に提出する流れとなります。事前にしっかり準備することで、手続きがスムーズに進みます。
申請手順
- 対象用品の購入・サービスの利用:まず、助成対象となる用品を購入したり、在宅サービスを利用します。その際、必ず領収書と明細書(原本)を受け取り、大切に保管してください。
- 必要書類の準備:下記のリストを参考に、必要な書類をすべて揃えます。申請書は北本市の公式ホームページからダウンロードできます。
- 窓口へ提出:すべての書類が揃ったら、北本市役所の健康づくり課窓口へ提出します。
必要書類リスト
【アピアランスケア用品購入費助成金】
- 申請書兼請求書(様式第1号)
- がん治療を受けていることがわかる書類の写し(治療説明書、診断書など)
- 購入した用品の領収書および明細書の原本
- 購入した用品がわかる書類(パンフレットのコピーなど)
【AYA世代がん患者在宅療養支援事業助成金】
- 申請書兼請求書(様式第1号)
- 主治医の意見書(様式第2号)※初回申請時のみ
- サービス利用等の領収書および明細書の原本
申請期限
- アピアランスケア助成金:用品の購入日から1年以内
- AYA世代助成金:サービスを利用した日等の属する年度の末日まで
期限を過ぎると申請できなくなりますので、十分にご注意ください。
申請前にチェック!受給のためのポイントと注意点
書類の不備などで手続きが滞らないよう、申請前に以下のポイントを確認しておきましょう。
- 領収書の記載事項:アピアランスケア助成金の領収書には「申請者氏名」「支払日」「品名」「金額」「領収書発行者名」がすべて記載されているか必ず確認してください。不足していると受理されない場合があります。
- 振込先口座:助成金の振込先は、申請者本人名義の口座に限られます。
- 治療の証明:がん治療を受けていることがわかる書類は、医師の診断書でなくても、治療計画書や説明書の写しで構いません。複数の書類を組み合わせても大丈夫です。
- 事前相談の活用:申請書類の書き方や、どの書類が必要かなど、不明な点があれば、提出前に北本市役所の健康づくり課へ電話などで相談することをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1. 北本市外のお店やインターネットで購入したウィッグも対象になりますか?
A1. はい、対象になります。購入先の所在地は問いません。ただし、申請に必要な事項が記載された領収書(原本)が必須です。
Q2. 医療用ウィッグでなくても対象になりますか?
A2. はい、医療用に限定されません。「全頭用ウィッグ」であれば対象となります。部分ウィッグは対象外です。
Q3. 申請は家族が代理で行うことはできますか?
A3. 申請者は助成対象者ご本人となります。ただし、対象者が未成年であったり、成年後見制度を利用している場合は、法定代理人による申請が可能です。書類の提出だけであれば、ご家族の方でも問題ありません。
Q4. 埼玉県や他のがん支援に関する相談窓口はありますか?
A4. はい、埼玉県では「がん相談支援センター」が県内のがん診療連携拠点病院などに設置されており、誰でも無料で相談できます。また、治療と仕事の両立や医療費など、役立つ情報がまとめられた「埼玉県がんサポートハンドブック」も県のホームページで公開されています。これらも併せてご活用ください。
Q5. AYA世代助成金は、介護保険と併用できますか?
A5. いいえ、この助成金は介護保険など他の制度で同等の給付を受けられない方を対象としています。主に40歳未満で介護保険の対象とならない世代を支援するための制度です。
まとめ:北本市の支援制度を活用し、あなたらしい生活を
今回は、北本市のがん患者様を支える2つの助成金制度について詳しく解説しました。
【この記事の重要ポイント】
- アピアランスケア助成金:ウィッグや乳房補整具の購入費を最大1万円助成。
- AYA世代在宅療養支援:18歳~40歳未満の末期がん患者様の在宅サービス利用料等を助成。
- 申請要件の確認:申請日時点での北本市在住、市税の滞納がないことなどが共通の条件です。
- 書類準備が鍵:領収書・明細書の原本と、治療を証明する書類を忘れずに準備しましょう。
- 申請期限は厳守:アピアランスケアは購入日から1年、AYA世代は年度末までです。
がん治療は心身ともに大きな負担がかかります。経済的な不安や療養生活の悩みを一人で抱え込まず、ぜひ北本市の支援制度を積極的にご活用ください。あなたらしい生活を送り続けるための一助となれば幸いです。
【この記事に関するお問い合わせ先】
北本市役所 健康づくり課 健康推進担当
〒364-8633 埼玉県北本市本町1-111
電話:048-594-5545
ファックス:048-592-3367