詳細情報
千葉県内で優秀な若手人材の確保や定着にお悩みの経営者・人事担当者の皆様へ朗報です。千葉県では、従業員の奨学金返還を支援する中小企業を対象とした新しい補助金制度「中小企業の人材確保に向けた奨学金返還支援事業」を開始します。この制度を活用することで、企業は従業員1人あたり年間最大10万円、最長6年間の補助を受けることができ、採用活動における強力なアピールポイントとなります。若手社員の経済的負担を軽減し、働きがいのある職場環境を整備することで、企業の持続的な成長に繋げることができます。この記事では、制度の概要から対象条件、申請方法、採択のポイントまで、どこよりも詳しく解説します。
この補助金のポイント
- ✅ 従業員の奨学金返還支援額の2分の1を補助
- ✅ 従業員1人あたり年間最大10万円、最長6年間まで支援
- ✅ 1社あたり最大5人まで対象
- ✅ 若手人材の採用力強化と定着率向上に直結
- ✅ 令和7年度からの新規事業で注目度大!
① 補助金の概要
本事業は、千葉県が県内中小企業の人材確保・定着を促進し、同時に若者の経済的負担を軽減することを目的として創設した、令和7年度からの新しい補助金制度です。多くの若者が抱える奨学金の返還という課題に対し、企業が支援する仕組みを後押しすることで、魅力的な職場環境づくりをサポートします。
| 正式名称 | 千葉県中小企業の人材確保に向けた奨学金返還支援事業補助金 |
|---|---|
| 実施組織 | 千葉県(担当課:商工労働部 雇用労働課) |
| 目的 | 県内中小企業の人材確保・定着及び若者の経済的負担軽減 |
| 公式サイト | 千葉県公式サイト |
② 補助金額・補助率
本補助金の補助率と上限額は以下の通りです。従業員の定着を長期的に支援できるよう、最大6年間の補助が受けられる点が大きな特徴です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 企業が従業員に支援する額の2分の1 |
| 補助上限額 | 従業員1人につき年間10万円まで |
| 補助対象期間 | 従業員1人につき最大6年間まで |
| 補助対象人数 | 企業1社あたり従業員5人まで |
【重要】令和7年度の特例措置
初年度である令和7年度は、補助対象期間が令和7年10月から令和8年3月までの6ヶ月間となります。そのため、補助上限額も年間の半額である従業員1人につき5万円となりますのでご注意ください。
計算例
例えば、企業が従業員Aさんの奨学金返還のために、年間20万円の支援(手当支給など)を行った場合:
- 企業の支援額:200,000円
- 補助率:1/2
- 補助額計算:200,000円 × 1/2 = 100,000円
- 補助上限額:100,000円
- → 千葉県からの補助金額:100,000円
この場合、企業の実質的な負担は10万円となり、従業員は20万円の支援を受けられることになります。
③ 対象者・条件
本補助金を利用するには、企業(中小企業者)と従業員の双方で、以下の要件をすべて満たす必要があります。
企業の要件
- 中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者であること。
- 従業員の奨学金返還を支援する制度を就業規則や賃金規程等に明確に定めていること。(手当支給、代理返還など)
従業員の要件
- 正社員として勤務し、奨学金を返還中であること。
- 申請年度の4月1日時点で、正社員となってから6年以内であること。
- 千葉県内に居住し、かつ千葉県内の事業所に勤務していること。(申請時に居住予定でも可。ただし実績報告時点での居住が必須)
対象となる奨学金
以下の機関が貸与する奨学金が対象となります。
- 独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)
- 地方公共団体
- 大学
- 公益法人
- 民間企業 等
対象外となる奨学金:医療・福祉などの特定分野への就労や、地域への定着を目的としており、返還が免除される制度の奨学金は対象外です。
④ 補助対象経費
補助の対象となるのは、企業が従業員の奨学金返還を支援するために支出した費用です。支援方法としては、主に以下の2つの方法が想定されます。
- 手当支給:給与に上乗せして「奨学金返還支援手当」などの名目で支給する方法。
- 代理返還:企業が従業員に代わって、直接貸与機関(日本学生支援機構など)に返還する方法。
どちらの方法でも補助対象となりますが、いずれの場合も就業規則等で制度として明確に定めておく必要があります。千葉県の公式サイトでは、それぞれのパターンの「奨学金返還支援制度規程例」が公開されているため、制度設計の参考にすることができます。
⑤ 申請方法・手順
申請から補助金受給までの大まかな流れは以下の通りです。特に、申請期間が限られているため、事前の準備が重要になります。
申請スケジュール(令和7年度)
| ステップ | 期間 | 内容 |
|---|---|---|
| 1. 準備 | ~令和7年9月 | 就業規則等の整備、対象従業員の確認、必要書類の準備 |
| 2. 申請 | 令和7年9月25日~11月28日(必着) | 申請書類一式を千葉県へ提出 |
| 3. 交付決定 | 申請後 | 審査後、県から交付決定通知が届く |
| 4. 事業実施 | 令和7年10月1日~令和8年3月31日 | 従業員への奨学金返還支援を実施 |
| 5. 実績報告 | 事業完了後 | 実績報告書と必要書類を提出 |
| 6. 補助金交付 | 報告後 | 県からの額の確定通知後、請求書を提出し、補助金が振り込まれる |
必要書類
申請には多くの書類が必要です。公式サイトで公開されている「交付申請必要書類確認表」を必ず確認し、漏れなく準備してください。主な書類は以下の通りです。
- 交付申請書(様式第1号)
- 誓約書
- 役員等名簿
- 補助対象中小企業等確認書
- 事業計画書[当初]
- 奨学金返還支援制度が定められている就業規則や賃金規程等の写し
- 支援対象従業員の雇用契約書又は労働条件通知書の写し
- 支援対象従業員の奨学金貸与証明書の写し
- 支援対象従業員の奨学金返還額証明書の写し
- 支援対象従業員の住民票の写し
⑥ 採択のポイント
本補助金は要件を満たしていれば採択される可能性が高いと考えられますが、申請を成功させるためには以下の点に注意しましょう。
ポイント1:事前の制度整備が必須
申請の前提条件として、奨学金返還支援制度が就業規則等に明記されている必要があります。まだ制度がない場合は、申請期間が始まる前に規程を整備し、社内に周知しておくことが不可欠です。県の規程例を参考に、早めに準備を進めましょう。
ポイント2:書類の正確性と完全性
補助金申請で最も多い不採択理由は書類の不備です。公式サイトの「申請の手引き」や「必要書類確認表」を熟読し、一つ一つの書類を丁寧に作成してください。特に、事業計画書や従業員の証明書類などは、記載内容に誤りがないか複数人でチェックすることをお勧めします。
ポイント3:申請期限の厳守
申請期間は令和7年11月28日「必着」です。消印有効ではありませんので、郵送にかかる日数を考慮し、少なくとも1週間前には発送するなど、余裕を持ったスケジュールで進めましょう。
⑦ よくある質問(FAQ)
Q1. これから奨学金返還支援制度を作る場合でも申請できますか?
A1. はい、申請できます。ただし、申請時点で就業規則等に制度が明記されている必要があります。申請期間に間に合うように、制度の設計と規程の整備を完了させてください。
Q2. 従業員が県外から転入予定ですが対象になりますか?
A2. 申請時点では「居住予定」でも対象となります。ただし、事業完了後の実績報告時点で千葉県内に居住していない場合は補助対象外となりますのでご注意ください。
Q3. 他の団体から奨学金返還支援に関する補助金を受けている場合、併用できますか?
A3. いいえ、できません。同一の補助対象経費(従業員への支援金)に対して、他の団体の奨学金返還支援補助金と重複して利用することはできません。
Q4. 令和7年度の上限額が5万円なのはなぜですか?
A4. 令和7年度の補助対象期間が、年度の途中である令和7年10月1日から令和8年3月31日までの6ヶ月間だからです。年間の上限額10万円の半額である5万円が上限となります。令和8年度以降は、通年で最大10万円の補助が見込まれます。
Q5. 申請すれば必ず採択されますか?
A5. 要件をすべて満たし、書類に不備がなければ採択される可能性は高いですが、予算には限りがあるため、申請件数が想定を大幅に上回った場合などは採択されない可能性もゼロではありません。確実な採択のためにも、早めの準備と丁寧な書類作成が重要です。
⑧ まとめ・お問い合わせ
千葉県の「中小企業の人材確保に向けた奨学金返還支援事業」は、企業の採用力と従業員エンゲージメントを高める絶好の機会です。若手人材にとって「働き続けたい」と思える魅力的な企業となるために、この制度を積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
次のアクション
- ステップ1:千葉県公式サイトで交付要綱や申請の手引きをダウンロードする。
- ステップ2:社内の奨学金返還支援制度を整備・確認する。
- ステップ3:対象となる従業員をリストアップし、必要書類の準備を開始する。
ご不明な点がある場合は、下記の担当課へ直接お問い合わせください。
【お問い合わせ先】
千葉県 商工労働部 雇用労働課
電話番号:043-223-2740