千葉県内でホテルや旅館、観光施設を運営されている事業者様へ朗報です。電気自動車(EV)の普及が加速する中、お客様の利便性を高め、新たな集客につなげる絶好の機会が訪れました。千葉県では、観光・宿泊施設への公共用EV充電設備の設置を支援するため、最大100万円を補助する「千葉県観光・宿泊施設等公共用充電設備設置促進補助金」を実施します。この記事では、補助金の概要から対象者、申請方法、採択されるためのポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。EVシフトという大きな波に乗り、競合施設との差別化と環境貢献を両立させるチャンスです。ぜひ最後までご覧いただき、補助金を最大限に活用してください。

この記事のポイント

  • 千葉県内の観光・宿泊施設が対象のEV充電器設置補助金
  • 補助額は最大100万円(太陽光発電設備ありの場合)
  • 申請期間は令和7年7月18日~12月25日まで(予算上限あり)
  • 最重要注意点:必ず工事着手(発注)前に申請が必要!
  • 申請から受給までの流れと必要書類を完全ガイド

① 補助金の概要

まずは、本補助金がどのような制度なのか、全体像を把握しましょう。

正式名称

令和7年度千葉県観光・宿泊施設等公共用充電設備設置促進補助金

実施組織

千葉県 環境生活部 温暖化対策推進課

目的・背景

この補助金は、千葉県内の観光地や宿泊施設におけるEV用公共充電設備の設置を促進することを目的としています。EVユーザーが安心して県内を周遊できる環境を整備することで、観光客の誘致を強化し、地域経済の活性化を図ります。同時に、CO2を排出しないEVの普及を後押しし、千葉県が目指す「2050年二酸化炭素排出量実質ゼロ」の実現に貢献する重要な取り組みです。

② 補助金額・補助率

気になる補助金額と補助率について、詳しく見ていきましょう。この補助金の大きな特徴は、太陽光発電設備の有無によって補助内容が変動する点です。

条件 補助率 補助上限額(1設備あたり)
事業完了までに太陽光発電設備を設置している場合 補助対象経費の 5分の1 100万円
上記以外の場合 補助対象経費の 10分の1 50万円

計算例

  • ケース1:太陽光発電設備がある施設が、300万円の充電器を導入する場合
    300万円 × 1/5 = 60万円
    → 補助額は60万円となります。
  • ケース2:太陽光発電設備がない施設が、600万円の急速充電器を導入する場合
    600万円 × 1/10 = 60万円
    → 上限額が適用され、補助額は50万円となります。

ポイント:太陽光発電設備を既に設置している、または充電器の設置完了までに導入する予定がある場合は、補助率・上限額ともに倍増します。環境への貢献度が高い事業者を優遇する設計となっており、脱炭素経営を目指す事業者にとって大きなメリットです。

③ 対象者・条件

補助金を受け取るためには、誰が、どのような条件を満たす必要があるのかを正確に理解することが重要です。

補助対象者

以下のいずれかに該当する事業者が対象です。

  • 観光・宿泊施設等事業者: 千葉県内で、主に旅行者を対象とした常設型の観光・宿泊施設等を管理運営する法人(公共法人を除く)または個人事業主。
  • リース事業者: 上記の観光・宿泊施設等事業者に、補助対象となる充電設備を賃貸(リース)する事業者。

対象となる施設の具体例

以下のような施設が対象となります。

  • 宿泊施設(ホテル、旅館、民宿など)
  • 博物館、美術館
  • 動物園、水族館
  • 歴史・文化施設
  • 見学・体験施設
  • 日帰り温浴施設
  • その他のレジャー施設(テーマパーク、ゴルフ場など)
  • 土産物販売店
  • 飲食店

補助金交付の主な要件

設置する充電設備は、以下の「公共用」としての要件を満たす必要があります。

  • 公道に面した入口から誰もが自由に出入りできる場所に設置されること。
  • 原則として充電設備の利用者を限定しないこと。
  • 自施設のサービス利用や物品購入を充電利用の条件としないこと。
  • 充電場所を示す案内板を、施設の入口など分かりやすい場所に設置すること。
  • 充電設備の場所や利用状況などを、利用者がインターネット上で確認できるようにすること。

④ 補助対象経費

補助金の計算の基礎となる「補助対象経費」について、対象となるもの・ならないものを明確に区別しましょう。

対象となる経費

  • 機器購入費: 充電設備本体、およびその機器を構成するために必要な付属品の購入費用。

対象とならない経費

  • 設置工事費、電気工事費
  • 既存設備の撤去費、処分費
  • 土地の造成費、購入費
  • 申請手続きに係るコンサルティング費用、書類作成費用
  • 消費税および地方消費税

重要:補助対象はあくまで「機器本体の購入費」のみです。設置にかかる工事費などは自己負担となるため、資金計画を立てる際には十分ご注意ください。

⑤ 申請方法・手順

補助金を受給するためには、正しい手順で期限内に申請することが不可欠です。ここでは、申請から補助金交付までの流れをステップバイステップで解説します。

申請期間

令和7年7月18日(金曜日) から 令和7年12月25日(木曜日) まで

※申請受付期間内であっても、予算がなくなり次第、受付は終了となります。検討されている方は早めの申請をおすすめします。

申請から交付までの流れ

  1. STEP 1: 事前準備
    千葉県の公式サイトから「交付要綱」「実施要領」をダウンロードし、熟読します。設置業者を選定し、補助対象経費がわかる見積書を取得します。
  2. STEP 2: 交付申請【最重要】
    工事の契約や発注を行う前に、必要書類を揃えて千葉県に提出します。この「事業着手前の申請」が絶対条件です。
  3. STEP 3: 交付決定通知
    県による審査後、「交付決定通知書」が届きます。この通知を受け取ってから、初めて事業に着手(契約・発注)できます。
  4. STEP 4: 事業の実施
    交付決定の内容に従い、充電設備の購入・設置工事を行います。
  5. STEP 5: 実績報告
    事業が完了し、支払いも済ませたら、速やかに(概ね30日以内)県へ「実績報告書」と関連書類を提出します。最終提出期限は令和8年3月6日です。
  6. STEP 6: 補助金額の確定・交付
    実績報告書の審査後、県から「補助金確定通知書」が届きます。その後、「補助金交付請求書」を提出し、指定の口座に補助金が振り込まれます。

主な必要書類リスト

  • 第1号様式 交付申請書
  • 第2号様式 重要事項確認書
  • 第3号様式 誓約書
  • 別紙様式1 事業計画書
  • 補助対象経費の内訳がわかる見積書の写し
  • 設置場所の案内図、配置図
  • 設置する設備の仕様がわかる書類(カタログ等)
  • 【法人の場合】登記事項証明書、法人県民税及び法人事業税の納税証明書
  • 【個人事業主の場合】開業届の写し、個人県民税及び個人事業税の納税証明書

※その他、状況に応じて追加書類が必要になる場合があります。必ず実施要領をご確認ください。

⑥ 採択のポイント

補助金を確実に受給するためには、いくつかの重要なポイントがあります。

1. とにかく「事前申請」を徹底する
最も多い不採択理由は「交付決定前に発注・契約してしまった」というケースです。フライングは絶対にいけません。必ず県の交付決定通知書を受け取ってから事業を開始してください。

2. 書類の不備をなくす
申請書類は多岐にわたります。公式サイトにある「申請時提出書類一覧表」を活用し、提出前に何度もチェックしましょう。押印漏れや添付書類の不足がないか、細心の注意を払ってください。

3. 公共性の要件を遵守する
この補助金は「公共用」充電設備の設置が対象です。宿泊者限定にする、特定のサービス利用者のみに限定する、といった計画では対象外となります。誰もが利用できるオープンな設備であることを事業計画で明確に示しましょう。

4. 早めの申請を心がける
予算には限りがあり、先着順で受付が終了します。特に年度末に近づくと申請が集中する可能性があります。導入を決めたら、速やかに準備を進め、早めに申請することをおすすめします。

⑦ よくある質問(FAQ)

Q1. 国の補助金(次世代自動車振興センターなど)と併用できますか?

はい、併用可能です。国の補助金と千葉県の補助金、それぞれの要件を満たしていれば両方を受給できます。ただし、同じ設備に対して千葉県の他の補助金との併用はできません。

Q2. 設置工事費は補助対象になりますか?

いいえ、設置工事費は補助対象外です。補助の対象となるのは、充電設備本体とそれに付随する付属品の「機器購入費」のみとなります。

Q3. リースで設備を導入する場合も対象になりますか?

はい、対象になります。その場合、申請者(補助対象者)はリース事業者となります。補助金相当額がリース料金から減額されることが条件となります。

Q4. 1事業者あたり何台まで申請できますか?

導入する台数や基数に上限はありません。ただし、補助額は「1設備あたり」で上限が設定されています。例えば、上限50万円の設備を3台導入する場合、要件を満たせば最大150万円(50万円×3台)の補助が受けられる可能性があります。

Q5. 古い充電器を新しいものに交換(更新)する場合も対象ですか?

はい、老朽化した設備の更新も補助対象となります。ただし、新たに設置する設備は新品であること、そして本補助金の交付要件をすべて満たすことが必要です。

⑧ まとめ・行動喚起

今回は、「千葉県観光・宿泊施設等公共用充電設備設置促進補助金」について詳しく解説しました。最後に重要なポイントをまとめます。

  • 対象:千葉県内の観光・宿泊施設事業者
  • 補助額:最大100万円(太陽光発電併設時)、通常は最大50万円
  • 対象経費:充電器本体の購入費のみ(工事費は対象外)
  • 申請期間:令和7年7月18日~12月25日(予算上限に達し次第終了)
  • 最重要ルール:必ず「交付決定後」に事業に着手すること!

EV充電器の設置は、もはや単なる設備投資ではありません。環境意識の高い顧客層へのアピール、新たな顧客の獲得、そして企業のブランドイメージ向上に直結する戦略的な一手です。この補助金は、その初期投資を大幅に軽減できるまたとないチャンスです。

まずは、千葉県の公式サイトで詳細な「実施要領」を確認し、設置業者に相談することから始めてみましょう。未来の観光需要に応え、選ばれる施設となるための第一歩を、今こそ踏み出してください。

お問い合わせ・公式サイト

担当部署: 千葉県 環境生活部 温暖化対策推進課 エコオフィス・次世代自動車推進班
住所: 〒260-8667 千葉県千葉市中央区市場町1-1
メール: einfra-hojo@pref.chiba.lg.jp
公式サイト: 令和7年度千葉県観光・宿泊施設等公共用充電設備設置促進補助金