詳細情報
この記事のポイント
- 神奈川県厚木市が実施する保育士等向けの独自の給付金制度
- 勤続年数に応じて最大で年額50万円が支給される
- 常勤だけでなく非常勤の保育士等も対象(年額3万円)
- 保育士のほか、看護師や幼稚園教諭なども対象になる場合がある
- 申請は勤務先の施設が取りまとめて行うため手続きがスムーズ
神奈川県厚木市で保育の仕事に従事されている方、またはこれから厚木市で働きたいと考えている保育士の方に朗報です。厚木市では、保育人材の確保と定着を目的として、独自の給付金制度「厚木市保育士等就労応援給付金(通称:あつぎ手当)」を実施しています。この制度は、勤続年数に応じて最大で年額50万円という手厚い支援が受けられる、非常に魅力的な内容です。この記事では、「あつぎ手当」の詳しい内容、対象となる方の条件、具体的な支給額、申請方法から税金の注意点まで、どこよりも分かりやすく徹底的に解説します。ご自身のキャリアアップと生活の安定に繋がる重要な情報ですので、ぜひ最後までご覧ください。
厚木市保育士等就労応援給付金(あつぎ手当)の概要
まずは、この制度がどのようなものなのか、基本的な情報から確認していきましょう。
制度の目的と背景
「厚木市保育士等就労応援給付金」は、市内の保育現場における人材不足の解消を目指すために創設されました。具体的には、以下の3つの目的を掲げています。
- 新たな保育人材の確保
- 現役保育士等の離職防止と定着促進
- 保育士等が働きやすい環境の整備
これらの目的を達成することで、最終的には「子育て世帯が子どもを安心して預けられる環境」を整えることを目指しています。保育士の皆さんの労働環境を直接的に支援することが、地域の子育て支援全体の質の向上に繋がるという考えに基づいた、非常に重要な取り組みです。
制度の基本情報
| 正式名称 | 厚木市保育士等就労応援給付金(通称:あつぎ手当) |
|---|---|
| 実施組織 | 神奈川県厚木市(担当:健康こどもみらい部 保育課) |
| 対象者 | 市内の対象施設で働く保育士、看護師、幼稚園教諭など |
| 給付額 | 年額3万円~最大50万円(勤務形態・勤続年数による) |
給付金額の詳細
「あつぎ手当」の最大の魅力は、その手厚い給付額です。給付額は「常勤」か「非常勤」か、そして常勤の場合は「勤続年数」によって変動します。ご自身がどれに該当するかしっかり確認しましょう。
1. 常勤保育士等 の場合
常勤保育士等とは、1日6時間以上かつ月20日以上、常態的に継続して勤務している方が該当します。勤続年数が長くなるほど給付額が大きく増えるのが特徴で、長期的なキャリア形成を強力に後押しします。
| 勤続年数 | 給付年額 |
|---|---|
| 4年未満 | 150,000円 |
| 4年以上10年未満 | 270,000円 |
| 10年以上20年未満 | 330,000円 |
| 20年以上 | 500,000円 |
2. 非常勤保育士等 の場合
上記の常勤保育士等に該当しない方でも、月64時間以上の勤務をしている方は非常勤保育士等として給付の対象となります。
- 給付年額:一律 30,000円
【重要】直接支給
この給付金は、勤務先の給与に上乗せされる形ではなく、厚木市から対象者個人の口座(原則として給与振込口座)へ直接振り込まれます。
対象者・支給要件の詳細
給付金を受け取るためには、いくつかの要件をすべて満たす必要があります。ご自身が対象になるか、ここで詳しく確認してください。
対象となる資格
まず、以下のいずれかの資格を持っていることが前提となります。保育士だけでなく、幅広い職種が対象となっている点が特徴です。
- 保育士、国家戦略特別区域限定保育士
- 保健師、看護師
- 小規模保育施設に勤務する准看護師
- 認可保育所に勤務する幼稚園教諭、小学校教諭又は養護教諭
3つの支給要件
上記の資格を持ち、かつ以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。
要件1:継続的な就労
基準期間(通常は年度ごと)に、同一の保育施設で継続的に就労していることが必要です。ただし、同じ法人が運営する厚木市内の別の施設へ異動した場合は、継続して就労しているとみなされます。
要件2:休業日数の制限
基準期間内に、合計で20日を超える「育児休業等」を取得していないことが条件です。ここでいう「育児休業等」とは、以下のものを指します。
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律に基づく休業
- 就業規則に基づく私傷病の療養のための休業・休暇
年次有給休暇や、産前産後休業はここに含まれませんのでご安心ください。
要件3:雇用形態と役職
保育施設を運営する事業者に直接雇用されている必要があります。派遣社員などは対象外となるため注意が必要です。また、施設の経営に携わる役員は対象外となります。
申請方法と手順
申請手続きは個人で行うのではなく、勤務先の保育施設が取りまとめて行います。そのため、ご自身での負担は少なく、スムーズに進めることができます。
- 勤務先から書類を受け取る:勤務先の保育施設から、申請に関する案内と申請書類一式が配布されます。
- 書類の記入・準備:申請書に必要事項を記入し、資格証のコピーなど、指定された添付書類を準備します。
- 勤務先へ提出:記入・準備した書類一式を、勤務先の指定する期日までに担当者へ提出します。
- 勤務先が市へ申請:勤務先が施設全体の対象者分を取りまとめ、厚木市へ申請します。
- 審査・決定:厚木市で審査が行われ、支給が決定すると「交付決定通知書」が届きます。
- 給付金の振込:指定した口座(原則、給与振込口座)へ給付金が振り込まれます。
申請時期と必要書類
申請期間は年度によって定められます。例年、年度初めの4月頃から案内が開始されることが多いようです。まずは勤務先の担当部署に確認してみましょう。
一般的に必要となる書類は以下の通りです。
- 厚木市保育士等就労応援給付金 交付申請書
- 在職証明書(勤務先が発行)
- 資格証明書の写し(保育士証、看護師免許証など)
- 振込先口座が確認できる書類の写し
- その他、市が必要と認める書類
【重要】税務上の取扱いと注意点
この給付金を受け取った際に、最も注意すべき点が税金の扱いです。給与とは異なるため、ご自身で申告が必要になる場合があります。
【注意】給付金は「雑所得」です
この給付金は、税法上「雑所得」に分類されます。給与所得とは異なるため、年末調整では処理されません。課税対象となる可能性があることを必ず理解しておきましょう。
所得税(確定申告)について
所得税の確定申告が必要かどうかは、他の所得との合計額によって決まります。
- 確定申告が不要なケース:給与収入のみで年末調整が済んでおり、かつ、この給付金を含めた「雑所得」の合計額が年間20万円以下の場合。
- 確定申告が必要なケース:この給付金を含めた「雑所得」の合計額が年間20万円を超える場合。または、医療費控除やふるさと納税などで元々確定申告をする必要がある場合。
例えば、常勤で勤続年数4年以上の方(給付額27万円)は、他に雑所得がなくても20万円を超えるため、確定申告が必要です。
市・県民税(住民税)について
所得税の確定申告が不要な場合でも、市・県民税の申告は別途必要です。これは非常に重要なポイントなので忘れないようにしましょう。申告をしないと、後から追徴課税される可能性があります。
申告の際は、市から送られてくる「厚木市保育士等就労応援給付金交付決定通知書」を持参して、厚木市役所の市民税課で手続きを行ってください。課税額は原則として翌年度の給与から特別徴収(天引き)されます。
よくある質問(FAQ)
- Q1. この給付金をもらうと、配偶者の扶養から外れてしまいますか?
- A1. 可能性はあります。この給付金は「雑所得」としてご自身の合計所得金額に含まれます。配偶者控除や扶養控除の所得要件(例:合計所得金額48万円以下など)を超えてしまう場合は、扶養から外れることになります。ご自身の給与所得とこの給付金の額を合算して、扶養の所得要件を確認してください。
- Q2. 年度の途中で退職した場合、給付金はもらえますか?
- A2. 給付金は、基準期間(通常は年度末まで)継続して就労していることが要件の一つです。そのため、原則として年度の途中で退職した場合は支給対象外となります。詳細は市の要綱や勤務先にご確認ください。
- Q3. 複数の施設で非常勤として働いていますが、勤務時間を合算して申請できますか?
- A3. 要件には「同一の保育施設で継続的に就労していること」と定められています。複数の施設での勤務時間を合算することは原則として認められません。いずれか一つの施設で「月64時間以上」の要件を満たす必要があります。
- Q4. 幼稚園で働いていますが、対象になりますか?
- A4. この「保育士等就労応援給付金」の対象施設は「認可保育所」や「小規模保育施設」です。幼稚園で働いている方向けには、別途「厚木市幼稚園教諭等就労応援給付金」という類似の制度があります。ご自身の勤務先がどちらの制度の対象になるか、ご確認ください。
- Q5. いつ頃振り込まれますか?
- A5. 申請の取りまとめや審査のスケジュールによりますが、一般的には申請期間が終了し、審査が完了した後の夏から秋頃に振り込まれることが多いようです。正確な時期については、勤務先または市の担当課にお問い合わせください。
まとめ:厚木市の手厚い支援を活用しよう
今回は、神奈川県厚木市が実施する「保育士等就労応援給付金(あつぎ手当)」について詳しく解説しました。
「あつぎ手当」の重要ポイント
- 勤続年数に応じて最大50万円という全国的にも手厚い給付額。
- 常勤だけでなく、月64時間以上勤務の非常勤も対象。
- 申請は勤務先が取りまとめるため、個人の手続き負担が少ない。
- 給付金は「雑所得」となり、確定申告や住民税の申告が必要な場合がある。
この制度は、日々の業務に真摯に取り組む保育士の皆さんを、市が直接的に評価し、応援するものです。ご自身が対象になるかを確認し、ぜひこの手厚い支援を活用してください。まずは勤務先の事務担当の方や園長先生に、「あつぎ手当の件で」と相談してみることから始めましょう。
お問い合わせ先
制度に関する正式な情報や詳細については、下記へお問い合わせください。
- 担当部署:厚木市 健康こどもみらい部 保育課 保育施設係
- 所在地:〒243-8511 厚木市中町3-17-17
- 電話番号:046-225-2768
- 公式サイト:厚木市保育士等就労応援給付金(あつぎ手当)について