詳細情報
横浜市にお住まいで、認可保育所以外の「森のようちえん」や「自主保育グループ」などの多様な保育サービスを利用している保護者の皆様に朗報です。横浜市では、これらの施設を利用する家庭の経済的負担を軽減するため、月額最大20,000円を給付する「幼児を対象とした多様な集団活動事業の利用支援事業」を実施しています。この制度は、国の幼児教育・保育の無償化の対象となっていない未就学児を支援する重要な取り組みです。しかし、「自分が対象になるのか分からない」「申請方法が複雑そう」と感じている方も多いのではないでしょうか。この記事では、対象条件から申請手順、必要書類、注意点まで、誰にでも分かるように徹底的に解説します。賢く制度を活用し、子育ての経済的負担を少しでも軽くしましょう。
この制度のポイント
- 横浜市在住で、対象施設を利用する満3歳以上の未就学児が対象
- 利用料に応じて月額最大20,000円が給付される
- 認可保育所や無償化対象の施設を利用していないことが条件
- 申請は半期ごとにまとめて行う
制度の概要をチェック!
まずは、この支援事業がどのような制度なのか、基本的な情報を確認しましょう。
正式名称と目的
この制度の正式名称は「横浜市 幼児を対象とした多様な集団活動事業の利用支援事業」です。認可保育所だけでなく、地域に根ざした多様な集団活動の場が子どもの成長にとって重要であるという考えのもと、それらの施設を利用する保護者の経済的負担を軽減することを目的としています。
実施主体
この事業は横浜市(こども青少年局 保育・教育部 保育・教育給付課)が実施しています。
対象となる子ども(幼児)
給付の対象となるのは、以下のすべての条件を満たすお子さんです。
- 利用する月の1日時点で、横浜市に住民票があること
- 満3歳以上の小学校就学前の幼児であること
- 横浜市が定めた基準を満たす対象施設を、特定の条件で利用していること(詳細は後述)
【重要】対象外となるケース
この制度を利用する上で最も重要な注意点が、他の保育関連の給付を受けていないことです。具体的には、利用する月において以下の給付を受けている、または受ける予定のあるお子さんは対象外となります。
- 子育てのための施設等利用給付(幼児教育・保育の無償化)
(例:私学助成幼稚園、幼稚園預かり保育、無償化対象の認可外保育施設などを利用している場合) - 子どものための教育・保育給付
(例:認可保育所、認定こども園、地域型保育事業などを利用している場合) - 企業主導型保育事業を利用している場合
簡単に言うと、すでに何らかの形で「無償化」の恩恵を受けている場合は、この制度を重複して利用することはできません。
いくらもらえる?給付額と対象費用
給付額の計算方法
給付額は、以下の2つの金額を比べて、少ない方の金額となります。
- その月に施設へ実際に支払った利用料
- 施設ごとに定められた給付基準額(上限20,000円/月)
給付基準額は、多くの施設で月額20,000円が上限ですが、施設の過去の平均利用料によっては20,000円を下回る場合があります。正確な基準額は、利用している施設に確認するか、施設が発行する「利用証明書」で確認してください。
| ケース | 支払った利用料(A) | 給付基準額(B) | 給付額 (AとBの少ない方) |
|---|---|---|---|
| 1. 利用料が基準額を上回る場合 | 25,000円 | 20,000円 | 20,000円 |
| 2. 利用料が基準額を下回る場合 | 18,000円 | 20,000円 | 18,000円 |
対象となる費用・ならない費用
給付の対象となるのは、基本的な「利用料」のみです。以下の費用は対象外となるためご注意ください。
- 対象外の費用
- 入園料、施設整備費
- 延長利用料、預かり保育料
- 実費徴収費(給食費、教材費、通園バス代、行事費など)
あなたは対象?対象施設と利用条件
対象となる施設
この事業の対象となるには、利用している施設が事前に横浜市から「対象施設」としての決定を受けている必要があります。具体的には、森のようちえん、自主保育グループ、一部のインターナショナルスクールなどが該当する可能性があります。ご自身が利用している施設が対象かどうかは、直接施設に問い合わせるか、横浜市の公式ウェブサイトで公開されている対象施設一覧をご確認ください。
横浜市:幼児を対象とした多様な集団活動事業の利用支援事業(保護者向け)ページ
利用条件の詳細
対象施設を利用していることに加え、以下の利用実態が必要です。
- おおむね、1日4時間以上8時間未満の利用
- おおむね、週5日以上の利用
- おおむね、年間39週以上の利用
この条件は、認可保育所の利用に近い、日常的・継続的な利用を想定しています。週に数回の習い事のような利用は対象となりません。
【完全ガイド】申請から給付までの5ステップ
申請手続きは、保護者と施設が連携して行います。以下の流れをしっかり確認しましょう。
- 保護者:施設に利用料を支払う
まずは通常通り、毎月の利用料を施設に支払います。 - 保護者:施設に「利用証明書」の発行を依頼する
申請期間が近づいたら、施設に対して給付申請に必要な「利用証明書」の発行を依頼します。 - 施設:保護者に「利用証明書」を交付する
施設は、保護者の依頼に基づき、利用月ごとの利用実績や支払われた利用料を証明する書類を作成し、保護者に渡します。 - 保護者:横浜市へ申請書類を郵送する
「支給申請書」に必要事項を記入し、施設から受け取った「利用証明書」を添付して、横浜市の担当部署へ郵送します。 - 横浜市:指定口座へ給付金を振り込む
市が申請内容を審査し、問題がなければ指定した保護者の口座へ給付金が振り込まれます。
申請に必要な書類とスケジュール
必要書類一覧
申請には以下の3点が必要です。申請書と利用証明書の様式は横浜市のウェブサイトからダウンロードできます。
- 支給申請書:保護者が記入します。
- 利用証明書:利用施設が発行します。
- 口座情報がわかるもの:通帳やキャッシュカードのコピー、ネットバンクのスクリーンショットなど。
申請期間と支払い時期
申請は半期ごとにまとめて行います。スケジュールは以下の通りです。
| 利用月 | 申請受付期間(消印有効) | 支払い予定時期 |
|---|---|---|
| 4月~9月分 | 11月1日~11月30日 | 翌年1月中旬 |
| 10月~翌年3月分 | 5月1日~5月31日 | 7月上旬 |
注意:申請期限を過ぎてしまっても、利用月の末日から5年間は申請が可能です。その場合、次の受付期間での審査・支払いとなります。
提出先と注意点
書類の提出先は区役所ではありません。必ず以下の宛先に郵送してください。
〒231-0015 横浜市中区尾上町1-8 関内新井ビル9階
横浜市こども⻘少年局保育・教育給付課
多様な集団活動事業の利用支援事業給付担当
また、郵便料金の不足には十分ご注意ください。料金が不足していると返送され、提出が遅れる原因となります。
確実に給付を受けるための3つのポイント
ポイント1:申請期限を意識して行動する
申請は半期に一度です。忘れずに手続きできるよう、スマートフォンのカレンダーに登録するなど工夫しましょう。特に施設に「利用証明書」を依頼するタイミングは重要です。早めに依頼しておくとスムーズです。
ポイント2:書類の記入ミスを防ぐ
書類に不備があると審査が遅れ、支払いが大幅に遅延する可能性があります。以下の点に注意して記入しましょう。
- 消えるボールペンや修正液は使用しない。
- 訂正する場合は、二重線を引いてその上に正しい内容を記入する。
- 口座名義人は原則として申請者本人にする。
ポイント3:自分が対象外でないか再確認する
申請前に、お子さんが幼児教育・保育の無償化給付など、他の給付を受けていないかを必ず確認してください。もし対象外の給付を受けているにも関わらず申請・受給してしまった場合、後日返金を求められる可能性があります。
よくある質問(FAQ)
- Q1. どんな施設が対象になりますか?
-
A1. 横浜市が定めた基準を満たし、市の決定を受けた施設が対象です。具体的には、一部の認可外保育施設、森のようちえん、自主保育グループ、インターナショナルスクールなどが考えられます。最新の対象施設一覧は横浜市のウェブサイトで確認するか、ご利用の施設に直接お問い合わせください。
- Q2. 幼稚園の預かり保育を利用していますが、対象になりますか?
-
A2. 幼稚園(特に私学助成幼稚園)やその預かり保育は、多くの場合「幼児教育・保育の無償化」の対象となります。その場合、この制度は利用できませんので対象外となります。
- Q3. 申請を忘れてしまいました。もう申請できませんか?
-
A3. 諦めないでください。申請期限は利用した月の末日から5年間あります。受付期間に間に合わなかった場合は、次の受付期間(5月または11月)に申請すれば審査してもらえます。ただし、支払いはその分遅れます。
- Q4. 月の途中で横浜市に引っ越してきました。申請できますか?
-
A4. この制度は、利用する月の「1日」に横浜市に住民票があることが条件です。例えば8月10日に転入した場合、8月分は対象外となり、9月1日に在住していれば9月分からが対象となります。
- Q5. 満3歳になったばかりです。いつから対象になりますか?
-
A5. 満3歳に達した日(誕生日の前日)が属する月の、翌月の利用料から対象になります。例えば、8月25日が誕生日(満3歳に達するのは8月24日)の場合、9月分の利用料からが対象です。ただし、7月1日が誕生日の場合は、満3歳に達するのが6月30日なので、7月分から対象となります。
まとめ:賢く制度を活用して子育ての負担を軽減しよう
横浜市の「多様な集団活動事業の利用支援事業」は、認可外の施設を利用する家庭にとって非常に心強い制度です。最後に重要なポイントを再確認しましょう。
- 対象者:横浜市在住で、無償化給付を受けていない満3歳以上の未就学児の保護者。
- 給付額:支払った利用料と基準額(最大2万円)の少ない方。
- 申請時期:4~9月分は11月、10~3月分は5月に申請。
- アクション:まずは利用施設が対象か確認し、申請期間に合わせて書類を準備しましょう。
不明な点があれば、下記の専用ダイヤルに問い合わせてみましょう。この制度を最大限に活用し、お子様の豊かな育ちと、家計の負担軽減につなげてください。
お問い合わせ先
多様な集団活動事業の利用支援事業 専用ダイヤル
電話:045-840-6064
開設時間:午前8時から午後8時まで(土日祝日も含む ※12月28日~1月3日を除く)