詳細情報
茨木市にお住まいの、ひとり暮らしの高齢者の方や、高齢者のみでお住まいのご家庭の皆様。「ゴミ出しが少し大変になってきた」「高いところの電球交換が危なくてできない」「庭の草むしりまで手が回らない」といった、日常生活のちょっとした困りごとはありませんか?介護保険サービスは利用しているけれど、対象外の細々とした作業は頼めずに困っている、という方もいらっしゃるかもしれません。
そんな皆様の在宅生活を力強くサポートするのが、茨木市の「ひとり暮らし高齢者等日常生活支援事業」です。この事業は、介護保険ではカバーしきれない軽易な作業を、1回30分以内・わずか250円(非課税世帯等は150円)という手頃な料金で専門の事業者に依頼できる、非常に心強い制度です。この記事では、茨木市の「ひとり暮らし高齢者等日常生活支援事業」について、対象者やサービス内容、申請方法から利用のポイントまで、誰にでも分かりやすく徹底的に解説します。
茨木市 ひとり暮らし高齢者等日常生活支援事業とは?
まずは、この事業がどのようなものなのか、基本的な概要から見ていきましょう。
事業の目的
この事業の正式名称は「茨木市ひとり暮らし高齢者等日常生活支援事業」です。その目的は、要介護状態にあるひとり暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯が、住み慣れた地域で安心して自立した生活を継続できるよう支援することにあります。介護保険の給付対象とはならない、日常生活における軽易な作業をサポートすることで、高齢者の福祉向上を図ることを目指しています。
実施組織
この事業を実施しているのは大阪府茨木市です。担当窓口は、健康医療部の長寿介護課となります。
ポイント:この事業は、国や府の制度ではなく、茨木市が独自に行っている高齢者福祉サービスです。そのため、対象者は茨木市民に限られます。
利用料金と利用回数
このサービスの最大の魅力は、その手頃な利用料金です。経済的な負担を抑えながら、必要な時にサポートを受けられます。
| 利用者の区分 | 利用者負担額(1回30分あたり) |
|---|---|
| 市民税課税者 | 250円 |
| 市民税非課税者 または 生活保護受給者 | 150円 |
利用回数と支払い方法
- 利用回数:1ヶ月に2回まで利用可能です。
- 支払い方法:利用料金は、サービス提供を受けた後、利用者が直接、担当した事業者へ支払います。市役所に支払うわけではないのでご注意ください。
対象者・利用できる方の条件
この便利なサービスを利用するためには、いくつかの要件をすべて満たす必要があります。ご自身が対象になるか、しっかりと確認しましょう。
【必須要件】以下の3つをすべて満たす方
- 茨木市に住民登録があり、実際に居住している65歳以上の方で、ひとり暮らしまたは高齢者のみの世帯であること。
- 介護保険の要介護認定で「要介護1~5」のいずれかの認定を受けていること。
- 養護老人ホームや特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などの特定の施設に入所していないこと。
具体例で見る対象者
- 対象となる例:茨木市在住で一人暮らしの80歳女性。要介護2の認定を受けている。
- 対象となる例:茨木市在住の夫婦世帯。夫が85歳で要介護3、妻が82歳で要介護1。
- 対象外となる例:要介護認定が「要支援2」の方。(要介護1以上が対象です)
- 対象外となる例:65歳未満の家族と同居している方。(高齢者のみの世帯が対象です)
- 対象外となる例:市内の特別養護老人ホームに入所している方。
利用できるサービス内容
この事業で依頼できるのは、1回30分以内で完了する、介護保険の対象外となる軽易な作業です。具体的には、以下のようなサポートが受けられます。
- ごみ出し:指定の場所までのゴミの持ち運び
- 庭の除草:玄関周りなど、簡単な範囲の草むしり
- 清掃:窓ガラスや網戸の拭き掃除など
- 家具の移動:ちょっとした家具の配置換え
- 衣替え等:季節の衣類や扇風機・ヒーターなどの入れ替え
- 電球・蛍光灯の交換:高い場所の照明器具の部品取替え
- 代筆・代読:手紙や書類の代筆や読み上げ
- その他:市長が必要と認める軽易な作業
【重要】対象外となるサービス
この事業は、あくまで「軽易な作業」の支援です。身体介護(入浴、排泄、食事の介助など)や、専門的な技術を要する作業(エアコンの修理、大工仕事など)、30分を超える長時間の作業は対象外となります。これらは介護保険サービスや専門業者をご利用ください。
申請方法・利用開始までの流れ
サービスの利用を開始するには、事前に茨木市への申請が必要です。ここでは、申請からサービス利用開始までの手順をステップごとに解説します。
ステップ1:必要書類の準備
まず、申請に必要な書類を揃えましょう。
- 利用申請書:市のウェブサイトからダウンロードするか、長寿介護課の窓口で受け取ります。
- 介護保険被保険者証の写し:要介護度を確認するために必要です。ただし、申請書の「同意書」欄に本人が署名・捺印すれば、市が情報を確認できるため提出を省略できます。
- 印鑑:窓口で申請書を記入する場合に必要です。
ステップ2:申請手続き
書類が準備できたら、以下のいずれかの方法で申請します。
- 窓口申請:茨木市役所 本館2階の長寿介護課(14番-①・②窓口)へ直接提出します。
- 郵送申請:長寿介護課宛に郵送します。不備があると時間がかかる場合があるので、記入漏れがないかよく確認しましょう。
- オンライン申請:市のウェブサイトにある専用フォームから申請することも可能です。来庁不要で便利です。
ステップ3:審査と利用決定
申請後、市が内容を審査し、利用の可否を決定します。利用が決定すると、「茨木市ひとり暮らし高齢者等日常生活支援事業利用決定通知書」が自宅に郵送されます。この通知書はサービス利用時に必要になることがあるので、大切に保管してください。
ステップ4:サービス利用開始
利用決定通知書と一緒に、サービスを提供できる事業者の一覧が送られてきます。その一覧の中から利用したい事業者を選び、直接連絡を取ってサービスの日時などを調整します。あとは、予約した日時に事業者が訪問し、サービスを提供してくれます。
利用決定のためのポイント
この事業は、補助金のような競争採択ではありません。要件を満たしていれば基本的に利用できます。スムーズに利用決定を受けるためのポイントを押さえておきましょう。
審査基準は明確
審査で最も重視されるのは、前述の「対象者・利用できる方の条件」をすべて満たしているかという点です。特に「65歳以上」「ひとり暮らしor高齢者のみ世帯」「要介護1~5」の3点は必須です。申請前にご自身の状況を再度確認してください。
申請書作成のコツ
- 記入漏れなく正確に:住所、氏名、生年月日など、すべての項目を正確に記入しましょう。
- 同意書を活用:申請書下部の「同意書」欄に署名・捺印(自署の場合は押印不要)をすれば、介護保険被保険者証の写しの添付が不要になり、手間が省けます。
- 代理申請も可能:ご本人が申請手続きが難しい場合は、ご家族などが代理で申請することも可能です。代理申請人欄に必要事項を記入してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 介護保険のヘルパーさんとの違いは何ですか?
A1. 介護保険の訪問介護(ヘルパー)は、身体介護や食事・掃除などの生活援助が中心です。一方、この事業は「電球交換」「庭の簡単な除草」「ゴミ出し」など、介護保険では対応できない、より軽易で単発的な作業を対象としている点が大きな違いです。
Q2. どんな事業者さんが来てくれるのですか?
A2. 茨木市がこの事業の実施に関して契約を結んでいる、市内の介護保険サービス事業所などのスタッフが訪問します。利用決定通知書と一緒に送られてくる事業者一覧の中から、ご自身で選んで依頼することができます。
Q3. 要支援認定でも利用できますか?
A3. いいえ、残念ながらこの事業の対象は「要介護1~5」の方のみとなります。要支援1・2の方は対象外です。
Q4. 利用期間に定めはありますか?
A4. 利用期間は、利用決定があった日から、その日の属する年度の末日(3月31日)までです。翌年度も継続して利用を希望する場合は、再度申請が必要になる可能性がありますので、詳しくは長寿介護課にご確認ください。
Q5. 市外へ転出した場合、手続きは必要ですか?
A5. はい、必要です。市外への転出、死亡、施設への入所などでサービスが不要になった場合は、「利用廃止届」を市に提出する必要があります。この手続きもオンラインで行うことができます。
まとめ:困ったときは市のサービスを賢く活用しよう
今回は、茨木市の「ひとり暮らし高齢者等日常生活支援事業」について詳しく解説しました。最後に重要なポイントを振り返ります。
- 対象者:茨木市在住の65歳以上、要介護1~5のひとり暮らし・高齢者のみ世帯の方。
- サービス内容:ゴミ出し、電球交換、簡単な除草など、30分以内の軽作業。
- 利用料金:1回250円(非課税世帯等は150円)と非常に手頃。
- 利用回数:月2回まで。
- 申請方法:市役所窓口、郵送、オンラインで申請が必要。
加齢に伴い、これまで当たり前にできていたことが難しくなるのは自然なことです。そんな時、一人で抱え込まずに、こうした公的なサービスを上手に利用することが、安心して在宅生活を続けるための鍵となります。ご自身やご家族が対象に当てはまるかもしれないと思ったら、ぜひ一度、茨木市の長寿介護課へ相談してみてはいかがでしょうか。
お問い合わせ先
茨木市 健康医療部 長寿介護課
〒567-8505 大阪府茨木市駅前三丁目8番13号
茨木市役所本館2階(14番-①・②窓口)
電話:072-620-1637・1639
ファックス:072-622-5950
E-mail: kaigohoken@city.ibaraki.lg.jp