詳細情報
さいたま市で住宅の新築や省エネリフォームをお考えの方に朗報です。さいたま市では、市民のゼロカーボンへの取り組みを支援するため、「省エネ・断熱住宅普及促進補助金」を実施しています。この制度を活用すれば、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の新築や、断熱改修、高効率給湯機の設置で最大30万円の補助が受けられます。さらに、国の補助金との併用も可能で、経済的負担を大幅に軽減できるチャンスです。しかし、この補助金は非常に人気が高く、予算が早期に上限に達してしまうため、事前の情報収集と迅速な申請が成功のカギとなります。この記事では、補助金の対象者、金額、申請手順から採択されるための重要なポイントまで、専門家が徹底的に解説します。賢く制度を活用し、快適で環境に優しい住まいを実現しましょう。
この記事のポイント
- さいたま市民向け、ZEH新築や省エネリフォームが対象の補助金
- 補助上限額は最大30万円(組み合わせにより変動)
- 国の「先進的窓リノベ」や「給湯省エネ事業」などと併用可能!
- 非常に人気が高く、早期の申請が必須(例年夏頃に受付終了)
- 申請から受給までの流れと必要書類を分かりやすく解説
さいたま市省エネ・断熱住宅普及促進補助金とは?
まずは、制度の全体像を把握しましょう。この補助金は、さいたま市が「2050年ゼロカーボンシティ」の実現を目指す取り組みの一環として、住宅のエネルギー消費量を削減することを目的に実施されています。
制度の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 令和7年度 さいたま市省エネ・断熱住宅普及促進補助金 |
| 実施組織 | さいたま市 環境局 環境共生部 ゼロカーボン推進戦略課 |
| 目的・背景 | 住宅におけるエネルギー消費量を削減し、省エネ機器の設置や断熱化を促進することで、ゼロカーボンシティの実現に貢献することを目的としています。従来の補助金制度を見直し、より脱炭素効果の高いZEHや断熱改修へ重点的に支援する形となりました。 |
| 対象者 | さいたま市内に自ら居住する住宅で補助対象事業を実施する個人(市民) |
補助金額・補助率について
補助金額は、実施する工事の内容によって異なります。複数の工事を組み合わせることで、補助額を増やすことも可能です。
補助対象事業と補助上限額
| 区分 | 補助対象事業 | 補助上限額 | 主な要件 |
|---|---|---|---|
| 新築 | ZEH(ゼッチ) | 30万円 | BELS評価書で「ZEH」の認証を取得 |
| 既築(断熱改修) | 全体断熱改修 | 20万円 | 断熱等級5以上の認証を取得 |
| 部分断熱改修 | 10万円 | 熱貫流率(U値)1.9以下の製品を設置(窓・ドア交換等) | |
| 既築(給湯機) | 高効率給湯機 | 10万円 | エコキュート、ハイブリッド給湯機、エネファーム等 |
【重要】組み合わせ申請で補助額アップ!
既築住宅のリフォームでは、複数の補助対象を組み合わせることができます。例えば、
・「高効率給湯機(上限10万円)」+「全体断熱改修(上限20万円)」= 合計で最大30万円
・「高効率給湯機(上限10万円)」+「部分断熱改修(上限10万円)」= 合計で最大20万円
のように、ご自宅の状況に合わせて最適なプランを検討しましょう。
補助率と計算方法
補助金の額は、以下の計算で算出された額と、上記の上限額のうち、いずれか低い方の金額となります(1,000円未満切り捨て)。
(補助対象経費 - 国や県の補助金額) × 1/2
例えば、窓の断熱改修(部分改修)に80万円かかり、国の「先進的窓リノベ事業」で40万円の補助を受けた場合、さいたま市の補助金額は以下のようになります。
- 計算式:(80万円 – 40万円)× 1/2 = 20万円
- 部分断熱改修の上限額:10万円
- 比較:20万円 > 10万円
- 最終的な補助金額:10万円
対象者・条件の詳細
補助金を受けるためには、いくつかの要件を満たす必要があります。申請前に必ず確認してください。
- さいたま市民であること: 実績報告書を提出する時点で、補助対象の住宅に住民票があることが必須です。
- 自ら居住する住宅であること: 賃貸目的の物件や別荘は対象外です。
- 市税を滞納していないこと: 納税証明書の提出が求められます。
- 対象工事期間: 工事完了日(工事と支払いの両方が完了した日)が 令和7年3月16日(日)から令和8年3月15日(日)までのものが対象です。
- 申請者=契約者=支払者=居住者であること: 原則として、全て同一人物である必要があります。
- 未使用品であること: 設置する設備は新品に限ります。
補助対象となる経費
具体的にどのような工事や設備が補助の対象になるのか、詳しく見ていきましょう。
対象事業の詳細
- ZEH(新築): BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価書により「ZEH」の認証を受けた戸建住宅の建築・購入費用。※Nearly ZEH、ZEH Ready、ZEH Orientedは対象外です。
- 全体断熱改修: BELS評価書等で「断熱等級5」以上の認証を受けた住宅の断熱改修工事費用。外壁等の躯体工事が必須です。
- 部分断熱改修: 熱貫流率(U値)が1.9W/㎡・K以下の性能を持つ製品を使用した以下の工事費用。
- ガラス交換
- 内窓設置
- 外窓交換
- ドア交換
- 高効率給湯機: 以下の設備の購入・設置費用。
- エコキュート
- ハイブリッド給湯機
- エネファーム(家庭用燃料電池)
- 太陽熱利用システム
- 地中熱利用システム
対象外となる経費
注意点として、さいたま市のこの補助金制度では、太陽光発電設備や蓄電池は直接の補助対象外です。ただし、ZEHの認証を受けるためには太陽光発電設備が必要となるため、結果的にZEH補助金を受ける住宅には設置されていることになります。太陽光発電や蓄電池の導入を検討している方は、市の「みんなのおうちに太陽光」共同購入事業や、埼玉県の補助金制度の活用を検討しましょう。
申請方法と手順(ステップ・バイ・ステップ)
申請は「交付申請」と「実績報告」の2段階で行います。流れをしっかり理解し、計画的に進めましょう。
Step 1:施工業者との契約
補助対象となる工事について、施工業者と工事請負契約を締結します。
Step 2:交付申請書の提出
申請期間内に必要書類を揃えて市に提出します。工事後の申請も可能ですが、審査に時間がかかるため早めの提出が推奨されます。
申請期間:令和7年4月1日(火)~令和8年3月2日(月) ※ただし、予算がなくなり次第終了。
Step 3:交付決定通知書の受領
市による書類審査後、不備がなければ「交付決定通知書」が郵送されます。
Step 4:工事の実施・支払い完了
交付決定後、工事を実施し、代金の支払いを完了させます。
Step 5:実績報告書の提出
工事完了後、期限内に実績報告書と関連書類を提出します。
提出期限:交付決定通知書到着後 ~ 令和8年3月23日(月)まで
Step 6:交付確定通知書の受領
実績報告書の審査後、「交付確定通知書」が郵送されます。
Step 7:請求書の提出と補助金の受領
「補助金交付請求書」を提出します。提出後、約2~4週間で指定の口座に補助金が振り込まれます。
必要書類一覧
書類に不備があると受付が遅れる原因になります。市のホームページにあるチェックリストを活用し、漏れなく準備しましょう。
- 【交付申請時】
- 交付申請書(様式第1号)
- 補助対象事業詳細表(様式第1号の2)
- 見積書の写し
- 令和6年度の市民税・県民税納税証明書の写し
- 建物の登記事項証明書等の写し
- 契約書の写し
- 製品の仕様がわかる書類(パンフレット等)
- BELS評価書の写し(ZEH、全体断熱改修の場合) など
- 【実績報告時】
- 実績報告書(様式第8号)
- 領収書の写し
- 住宅全景や工事箇所のカラー写真
- 認証工事完了証明書(様式第9号)【ZEHの場合】
- 補助金交付請求書(様式第11号) など
採択されるための最重要ポイント
この補助金を確実に受けるためには、いくつか押さえておくべき重要なポイントがあります。
ポイント1:とにかく早く申請する!
この補助金は先着順で、毎年予算が早期に上限に達します。 令和7年度の過去の実績では、4月1日に受付を開始し、7月24日には予算執行率が100%に到達し、実質的な受付が終了となりました。住宅の計画が決まったら、受付開始後すぐに申請できるよう、施工業者と連携して書類準備を進めることが何よりも重要です。
ポイント2:書類の不備をなくす
申請書類に不備があると、修正している間に予算が上限に達してしまうリスクがあります。特に、納税証明書の種類間違いなどが多発しているようです。市のホームページで公開されている「申請手引き」や「チェックリスト」を隅々まで確認し、完璧な状態で提出することを心がけましょう。施工業者による代理申請も可能なので(電子申請を除く)、経験豊富な業者にサポートを依頼するのも有効です。
ポイント3:国の補助金との併用を最大限活用する
この補助金の大きなメリットは、国の補助金と併用できる点です。例えば、窓リフォームなら「先進的窓リノベ2025事業」、給湯器交換なら「給湯省エネ2025事業」と組み合わせることで、自己負担額を大幅に圧縮できます。国の補助金は予算規模が大きいものが多いため、積極的に活用しましょう。ただし、併用する場合は市の補助金額の計算に影響するため、事前にシミュレーションしておくことが大切です。
よくある質問(FAQ)
- Q1. 太陽光発電システムや蓄電池は補助の対象になりますか?
- A1. いいえ、さいたま市のこの補助金制度では、太陽光発電システムや蓄電池は直接の補助対象外です。ただし、ZEHの補助金を申請する場合、ZEHの要件として太陽光発電の設置が必要となります。
- Q2. 国の補助金(先進的窓リノベなど)と併用できますか?
- A2. はい、併用可能です。国の「先進的窓リノベ2025事業」や「給湯省エネ2025事業」、「子育てグリーン住宅支援事業」などと併用できます。ただし、国の補助金額は、さいたま市の補助金額を計算する際に補助対象経費から差し引かれます。
- Q3. 申請はいつまでに行えばいいですか?先着順ですか?
- A3. 申請は先着順です。公式の申請期間は令和8年3月2日までですが、例年、予算が夏頃になくなります。令和7年度の実績では7月下旬に受付が終了しました。計画が決まり次第、一日でも早く申請することが重要です。
- Q4. 中古住宅を購入してリフォームする場合も対象になりますか?
- A4. はい、対象になります。ご自身が居住するために購入した中古住宅で、断熱改修や高効率給湯機の設置を行う場合は補助の対象となります。
- Q5. 申請手続きは施工業者に代行してもらえますか?
- A5. はい、可能です。郵送や窓口での申請は、施工業者による代行が認められています。ただし、マイナンバーカードを利用する電子申請システムは本人申請のみとなります。
- Q6. ZEHを申請する場合、J-クレジット事業への参加が必須と聞きましたが、これは何ですか?
- A6. ZEHの補助金を受ける方は、さいたま市が実施するJ-クレジット事業への参加が必須となります。これは、太陽光発電による自家消費分の環境価値を市に提供し、市がそれをクレジット化して企業に売却、その利益を市の環境施策に活用するものです。申請者に費用負担はなく、売電収入にも影響はありません。
まとめ:計画的な準備で賢く補助金を活用しよう
さいたま市の「省エネ・断熱住宅普及促進補助金」は、ZEH新築や省エネリフォームを検討している市民にとって非常に魅力的な制度です。最大30万円の補助に加え、国の制度との併用で、高性能な住宅をお得に実現できます。
成功の鍵は、「スピード」です。人気の高さから予算が早期に終了するため、以下のステップで今すぐ準備を始めましょう。
- 1. 施工業者に相談: 信頼できる施工業者を見つけ、補助金の利用を前提とした住宅プランと見積もりを依頼する。
- 2. 書類の事前準備: 業者と協力し、申請に必要な書類(見積書、契約書、製品カタログ等)を早めに揃える。
- 3. 受付開始と同時に申請: 令和7年4月1日の受付開始後、速やかに申請手続きを行う。
この補助金を活用して、光熱費を抑えながら夏は涼しく冬は暖かい、快適で健康的な暮らしを手に入れてください。
お問い合わせ先
さいたま市 環境局 環境共生部 ゼロカーボン推進戦略課 普及推進係
住所:〒330-9588 さいたま市浦和区常盤6-4-4(さいたま市役所本庁舎7階)
電話番号:048-829-1316
公式サイト:令和7年度 省エネ・断熱住宅普及促進補助金