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【2025年】住居確保給付金|最大9ヶ月の家賃補助!離職・減収時の申請条件と手続きをわかりやすく解説

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「急な離職で収入が途絶えてしまった」「会社の都合でシフトが減り、来月の家賃が払えそうにない…」そんな不安を抱えていませんか?
住居確保給付金は、離職や休業などによって収入が減少し、住まいを失うおそれのある方々を支えるための公的な家賃補助制度です。この制度を活用すれば、原則3ヶ月間(最大9ヶ月間)、自治体があなたに代わって大家さんに家賃相当額を支払ってくれます。安定した住まいを確保しながら、安心して再就職活動に集中できる、まさに生活再建の第一歩となる重要な支援策です。この記事では、制度の対象者や支給額、申請方法から必要書類まで、あなたが今すぐ行動できるよう、専門家が徹底的に解説します。

この記事のポイント
✅ 住居確保給付金の対象者、収入・資産要件がわかる
✅ 自治体ごとの支給上限額や具体的な計算方法がわかる
✅ 申請から支給までの具体的な流れと必要書類がわかる
✅ フリーランスや学生など、よくある質問への回答がわかる

住居確保給付金とは?離職や減収で家賃に困る方を支える制度

住居確保給付金は、生活困窮者自立支援法に基づき、離職や廃業、または個人の都合によらない休業等で収入が減少し、住居を失うおそれのある方に対して、市区町村が家賃相当額を支給する制度です。この制度の最大の目的は、生活の基盤である住まいを確保し、受給者が安心して就職活動に取り組める環境を整えることにあります。

支給された給付金は、自治体から直接、賃貸住宅の大家さんや管理会社の口座に振り込まれるため、ご自身で家賃を支払う手間や、使い込んでしまう心配がありません。原則3ヶ月間の支給ですが、誠実に求職活動を続けているなどの要件を満たせば、最長で9ヶ月間まで延長することが可能です。

制度の概要

項目 内容
正式名称 住居確保給付金
実施組織 厚生労働省(実施主体:各市区町村)
目的 離職等により経済的に困窮し、住居を喪失した又はそのおそれのある者に対し、家賃相当分の給付金を支給し、住居及び就労機会の確保に向けた支援を行うこと。
支給内容 家賃相当額(自治体ごとに上限あり)
支給期間 原則3ヶ月(延長は2回まで、最長9ヶ月)
支給方法 自治体から賃貸人(大家・管理会社等)へ直接振込

支給額はいくら?自治体ごとの上限額と計算方法

支給される金額は、お住まいの市区町村や世帯の人数、そして世帯収入によって変動します。計算方法は少し複雑ですが、基本的には2つのパターンに分かれます。

  • パターン1:世帯収入が「基準額」以下の場合
    家賃額がそのまま支給されます。ただし、自治体が定める「家賃上限額」を超えることはありません。
  • パターン2:世帯収入が「基準額」を超える場合
    支給額 = 基準額 + 実際の家賃額 - 世帯収入額
    この計算式で算出された額が支給されます。こちらも「家賃上限額」が上限となります。

「基準額」とは?
市区町村民税の均等割が非課税となる収入額の1/12を指し、生活保護の住宅扶助基準額などを参考に、自治体ごとに定められています。

主要都市の支給上限額一覧(例)

家賃の支給上限額は地域によって大きく異なります。以下に主要都市の例を挙げますので、参考にしてください。(※金額は変更される可能性があるため、必ずお住まいの自治体にご確認ください)

自治体 単身世帯 2人世帯 3人世帯
東京都特別区 53,700円 64,000円 69,800円
大阪市 40,000円 48,000円 52,000円
福岡市 36,000円 43,000円 47,000円
仙台市 37,000円 44,000円 48,000円

あなたは対象?申請前に確認すべき4つの必須要件

住居確保給付金を受給するには、主に4つの要件をすべて満たす必要があります。申請前にご自身が該当するかどうか、必ず確認しましょう。

要件1:離職・廃業または収入減少の状況

以下のいずれかに該当する方が対象です。

  • 離職または廃業してから2年以内であること。
  • 個人の責任や都合によらず、給与等を得る機会が離職・廃業と同程度まで減少していること。(例:勤務先の都合によるシフト減、フリーランスの契約打ち切りなど)

また、これらの状況になる前に、世帯の生計を主に維持していたこと(主たる生計維持者)が求められます。

要件2:収入要件

申請月の世帯全員の収入合計額が、「基準額 + 家賃額(上限あり)」で算出される収入基準額を超えていないことが必要です。収入には、給与(交通費を除く総支給額)、事業所得、年金、失業手当、各種手当(児童扶養手当などを除く)などが含まれます。

要件3:資産要件

申請日時点での世帯全員の預貯金や現金の合計額が、以下の表の上限額を超えていないことが必要です。

世帯人数 金融資産の上限額
1人 504,000円以下
2人 780,000円以下
3人以上 1,000,000円以下

※この金額は多くの自治体で共通ですが、一部異なる場合があるため確認が必要です。

要件4:求職活動等要件

受給期間中は、誠実かつ熱心に常用就職を目指した求職活動を行うことが義務付けられています。具体的には、以下のような活動報告が必要です。

  • 月4回以上、自立相談支援機関との面談
  • 月2回以上、ハローワークでの職業相談
  • 週1回以上、企業等への応募または面接

自営業者の場合は、経営相談を受けるなど、事業再生に向けた活動を行うことで代替できる場合があります。

申請から支給までの完全ガイド|5つのステップ

手続きは以下の流れで進みます。まずは相談から始めましょう。

  1. 自立相談支援機関への事前相談
    お住まいの市区町村にある「自立相談支援機関」が相談・申請窓口です。まずは電話で状況を伝え、来所の予約をすることをおすすめします。
  2. 必要書類の準備
    相談時に必要な書類の案内があります。事前に準備できるものは揃えておくとスムーズです。特に、大家さんや管理会社に記入してもらう書類は時間がかかる場合があるので早めに依頼しましょう。
  3. 申請書の提出
    窓口で担当者と面談しながら申請書を作成し、準備した書類とともに提出します。郵送での申請を受け付けている自治体もあります。
  4. 審査
    提出された書類に基づき、自治体が支給要件を満たしているか審査を行います。審査には通常、書類が全て揃ってから4週間程度かかります。
  5. 支給決定と振込
    審査に通ると「支給決定通知書」が届きます。その後、自治体から直接、大家さんや管理会社の口座へ家賃が振り込まれます。

主な必要書類リスト

  • 住居確保給付金支給申請書(窓口で入手)
  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
  • 離職・廃業が確認できる書類(離職票など)または収入減少がわかる書類(給与明細、シフト表など)
  • 世帯全員の収入が確認できる書類(給与明細、年金通知書など)
  • 世帯全員の金融資産が確認できる書類(預貯金通帳の写しなど)
  • 賃貸借契約書の写し
  • 入居住宅に関する状況通知書(大家さん・管理会社が記入)
  • ハローワークの求職申込がわかるもの(求職受付票など)

採択のポイントと注意点

この制度は要件を満たせば基本的に支給されますが、スムーズに手続きを進めるためにはいくつかのポイントがあります。

ポイント1:書類の不備をなくす
最も多い不支給の理由は書類の不備です。記入漏れや添付書類の不足がないか、提出前に何度も確認しましょう。

ポイント2:誠実な求職活動の意思を示す
制度の目的は就労支援です。面談時には、再就職への意欲をしっかりと伝えましょう。

ポイント3:早めに相談・申請を行う
家賃を滞納してしまう前に相談することが重要です。経済的に苦しいと感じたら、すぐに窓口に連絡しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. フリーランスや自営業者でも申請できますか?

A1. はい、対象となります。廃業した場合はもちろん、事業を継続していても、取引先の都合などで収入が大幅に減少した場合は「やむを得ない休業等」に該当する可能性があります。確定申告書や帳簿などで収入減少を証明する必要があります。

Q2. 学生は対象になりますか?

A2. 対象となる場合があります。アルバイト収入で学費と生活費を賄っており、そのアルバイトが休業等で収入減となり、主たる生計維持者と認められる場合は対象になる可能性があります。ただし、親からの仕送り等が主たる収入源の場合は対象外です。

Q3. 持ち家で住宅ローンが払えない場合も対象ですか?

A3. いいえ、対象外です。住居確保給付金は賃貸住宅にお住まいの方が対象であり、住宅ローンは対象となりません。住宅ローンについては金融機関等にご相談ください。

Q4. 支給されたお金は自分で受け取れますか?

A4. いいえ、受け取れません。給付金は、自治体から大家さんや管理会社へ直接振り込まれます。これを「代理納付」といいます。

Q5. 受給中にアルバイトを始めたらどうなりますか?

A5. 毎月の収入報告が必要です。収入が増えた場合、支給額が減額されたり、支給が停止されたりすることがあります。収入を得た場合は、必ず正直に自立相談支援機関へ報告してください。

まとめ:生活再建の第一歩へ、まずは相談窓口へ連絡を

住居確保給付金は、予期せぬ収入減に直面した際の強力なセーフティネットです。家賃の不安から解放され、生活の立て直しに集中するための時間と安心を得ることができます。

  • 対象者:離職・廃業後2年以内、または同程度の収入減少があった方
  • 支援内容:家賃相当額を原則3ヶ月(最大9ヶ月)支給
  • 重要な要件:収入・資産・求職活動の3つの要件をクリアすること
  • 最初のアクション:お住まいの市区町村の「自立相談支援機関」に電話相談する

もしあなたが家賃の支払いに少しでも不安を感じているなら、一人で抱え込まず、まずは勇気を出してお住まいの地域の相談窓口に電話をしてみてください。専門の相談員が、あなたの状況に寄り添い、最適な解決策を一緒に考えてくれます。