詳細情報
千葉県内で商店街の賑わいを取り戻したい、新しいイベントで地域を盛り上げたいとお考えの商工会や商店街団体の皆様へ。千葉県では、地域商業の活性化を力強く後押しするため、最大300万円が支給される「地域商業活性化事業補助金」を用意しています。この補助金は、複数の団体が連携して行うイベント事業から、街路灯のLED化や防犯カメラの設置といった施設整備まで、幅広い取り組みを支援するものです。しかし、「どの事業が対象になるのか?」「申請手続きが複雑そう…」といった不安を感じる方も多いのではないでしょうか。この記事では、千葉県の地域商業活性化事業補助金について、対象事業や補助額、申請の流れ、そして採択されるための重要なポイントまで、どこよりも分かりやすく徹底的に解説します。市町村独自の支援制度との連携についても触れていきますので、ぜひ最後までご覧いただき、あなたの地域の活性化にお役立てください。
この記事のポイント
- 千葉県が実施する商店街向け補助金の全体像がわかる
 - イベント等のソフト事業と施設整備等のハード事業の両方に対応
 - 補助額は最大300万円、補助率は最大で3分の2
 - 申請から採択までの流れと、審査で重視されるポイントを解説
 - 市町村の補助金との連携が成功のカギ
 
千葉県 地域商業活性化事業補助金の概要
千葉県の「地域商業活性化事業補助金」は、地域の商店街などが主体となって取り組む活性化事業を支援するための制度です。目的や内容に応じて、大きく分けて以下の4つの事業メニューが用意されています。自団体の計画に最も適したメニューを選んで申請することが重要です。
| 事業区分 | 事業内容 | 主な対象者 | 
|---|---|---|
| 活性化計画作成支援事業 | 地域商業の課題解決に向けた活性化計画の策定を支援 | 商工会・商工会議所、商店街団体、NPO法人等 | 
| 施設整備事業 | 商店街等の計画に基づく施設整備(街路灯、防犯カメラ等)を支援 | |
| 活性化推進事業(新規的事業) | 新規性のある活性化の取組を支援 | |
| 活性化推進事業(連携事業) | 複数の団体が連携して行う活性化の取組を支援 | 
この記事では、特に活用事例の多い「活性化推進事業(連携事業)」と「施設整備事業」を中心に詳しく解説していきます。
補助金額・補助率
補助金額と補助率は、事業内容によって異なります。自団体が計画している事業がどちらに該当するかを確認し、資金計画を立てましょう。
① 活性化推進事業(連携事業)
複数の団体が連携して行うイベント開催や情報発信などのソフト事業が対象です。
- 補助率: 対象事業費の3分の2以内
 - 補助限度額: 100万円(1,000千円)
 
【計算例】
総事業費150万円の連携イベントを実施する場合
150万円 × 2/3 = 100万円
→ 100万円の補助が受けられます。
② 施設整備事業
街路灯の設置や防犯カメラ、コミュニティスペースの改修など、ハード面の整備が対象です。
- 補助率: 対象事業費の3分の1以内
(※空き店舗活用事業については5分の2以内) - 補助限度額: 300万円(3,000千円)
 
重要:施設整備事業の申請には、事業実施地の市町村から、県と同額以上の補助を受けることが必須条件となります。必ず事前に市町村の担当課(商工課など)に相談してください。
【計算例】
総事業費900万円の街路灯LED化工事を実施する場合(市町村から300万円の補助あり)
900万円 × 1/3 = 300万円
→ 県から300万円、市町村から300万円、自己負担300万円となります。
対象者・条件
本補助金の対象となるのは、千葉県内で地域商業の活性化に取り組む以下の団体です。
- 商工会・商工会議所
 - 商店街振興組合
 - 事業協同組合
 - NPO法人
 - 中小商業者5人以上で構成される法人格のない団体
 - その他、知事が認める団体
 
特に「活性化推進事業(連携事業)」では、既存の商店街組織の枠を超えた、複数の商業者によるグループや団体であることが求められます。例えば、商店街と地域のNPO法人が連携する、といった形が想定されます。
また、市町村によっては独自の要件(例:我孫子市の「千葉県商店会名簿に登載されていること」など)があるため、県の要件と合わせて確認が必要です。
補助対象経費
補助対象となる経費は事業内容によって異なります。ここでは代表的な経費の例を挙げます。
活性化推進事業(連携事業)の対象経費例
イベント開催やプロモーション活動など、ソフト事業に係る経費が幅広く対象となります。
- 謝金: 講演会やイベント出演者への謝礼
 - 旅費: 講師や専門家の交通費・宿泊費
 - 広告宣伝費: チラシ、ポスター、Web広告、ガイドブック作成費
 - 委託費: イベント企画・運営、デザイン制作の外注費
 - 使用料・賃借料: 会場、機材、店舗等のレンタル料
 - 消耗品費: イベントで使用する事務用品や装飾品
 - 印刷製本費: パンフレットや報告書の印刷費用
 
施設整備事業の対象経費例
商店街の魅力向上や安全確保に繋がる施設整備に関する経費が対象です。
- 施設整備費: 工事請負費、備品購入費など
 - 【優先項目】空き店舗活用: コミュニティスペース、子育て支援スペースへの改修
 - 【優先項目】環境配慮型: 街路灯のLED化、省エネ設備の導入
 - 【優先項目】安全・安心推進: 防犯カメラ、AEDの設置、緊急放送設備の更新
 - その他: 共同イベントスペース、休憩所、駐車場・駐輪場の設置など
 
※土地の取得費用や、団体の経常的な運営費は対象外です。詳細は交付要綱をご確認ください。
申請方法・手順
申請から補助金交付までの大まかな流れは以下の通りです。特に、市町村との事前調整が重要になりますので、早めに動き出すことをお勧めします。
- 【STEP1】事前相談
まずは事業を実施する地域の市町村役場(商工担当課)や、千葉県の担当課に計画を相談します。特に施設整備事業では市町村からの補助が必須のため、この段階での連携が不可欠です。 - 【STEP2】申請書類の提出
募集期間内に、必要書類を揃えて千葉県へ提出します。市町村によっては、県への申請前に市への事前要望書の提出が必要な場合があります(例:我孫子市)。 - 【STEP3】ヒアリング・審査
提出された書類に基づき、県の担当者によるヒアリングが行われます。事業の目的や内容、効果などを具体的に説明できるように準備しておきましょう。その後、採否が決定されます。 - 【STEP4】交付申請・決定
採択された場合、正式な「交付申請書」を提出します。県での審査を経て「交付決定通知書」が送付されます。この通知書を受け取ってから事業を開始できます(事前着手は原則不可)。 - 【STEP5】事業実施
計画に沿って事業を実施します。経費の支払いに関する書類(領収書、請求書など)はすべて保管しておいてください。 - 【STEP6】実績報告
事業完了後、定められた期間内(例:完了後20日以内)に「実績報告書」を提出します。 - 【STEP7】補助金額の確定・請求・交付
実績報告書の内容が審査され、補助金額が確定します。「確定通知書」を受け取った後、「交付請求書」を提出すると、指定の口座に補助金が振り込まれます。 
主な必要書類
- 補助金交付申請書
 - 事業計画書
 - 収支予算書
 - 役員等名簿
 - 団体の規約、定款、会則等
 - 経費の内訳がわかる見積書の写し
 - (施設整備の場合)位置図、平面図、工事前の写真など
 
※様式は千葉県の公式サイトからダウンロードできます。申請する事業によって必要書類が異なるため、必ず最新の要綱を確認してください。
採択のポイント
審査を通過し、採択を勝ち取るためには、いくつかの重要なポイントがあります。申請書を作成する際に、以下の点を意識してください。
専門家を無料で活用しよう!
千葉県では、商店街の課題解決を支援する専門家(コーディネーター)を無料で派遣する「地域商業活性化コーディネーター派遣事業」を実施しています。事業計画の策定段階からこの制度を活用することで、より質の高い申請書を作成でき、採択の可能性が高まります。ぜひ積極的に活用しましょう。
① 事業の公益性と波及効果
「なぜこの事業が必要なのか?」という地域の課題を明確にし、その事業がどのように課題を解決し、商店街全体や地域社会にどのような良い影響(波及効果)をもたらすのかを具体的に示しましょう。単一の店舗の利益のためではなく、地域全体の活性化に貢献する公益性の高い事業であることが重要です。
② 計画の具体性と実現可能性
誰が、いつ、どこで、何を、どのように行うのか、事業計画を具体的に記述してください。スケジュールや役割分担、予算の内訳も詳細かつ現実的に作成することが求められます。特に経費については、なぜその金額が必要なのか、積算根拠(見積書など)を明確にすることが不可欠です。
③ 新規性と連携体制
原則として新規事業が対象となります。既存の事業であっても、新たな内容を追加するなど発展的な取り組みであれば対象となる場合があります。また、「連携事業」では、どのような団体と、なぜ連携する必要があるのか、連携によってどのような相乗効果が生まれるのかをアピールすることが採択の鍵となります。
④ 優先項目への合致(施設整備事業)
施設整備事業では、「空き店舗活用」「環境配慮(LED化など)」「安全・安心推進(防犯カメラなど)」が優先項目として挙げられています。計画している事業がこれらのテーマに合致する場合は、その点を強調して申請書を作成すると評価が高まる可能性があります。
よくある質問(FAQ)
- Q1. 毎年行っている夏祭りイベントは対象になりますか?
 - 
A1. 原則として新規事業が対象のため、従来と全く同じ内容のイベントは対象外となる可能性が高いです。ただし、例えば「新たにデジタルスタンプラリーを導入する」「近隣の大学と連携して企画を刷新する」など、新規性のある内容が含まれていれば対象となる場合があります。詳しくは県の担当課にご相談ください。
 - Q2. 施設整備事業で、市町村からの補助金が必須なのはなぜですか?
 - 
A2. 施設整備は地域に密着した事業であるため、県と市町村が連携して支援するという考え方に基づいています。市町村がその事業の必要性を認め、補助を決定していることが、県への申請の前提条件となります。これにより、より地域の実情に合った効果的な支援が可能になります。
 - Q3. 政令市(千葉市、船橋市、柏市)の商店街は対象外なのでしょうか?
 - 
A3. 施設整備事業については、原則として政令市の区域内は対象外とされています。これは、政令市が県から権限移譲を受け、独自の商業振興施策を行っているためです。ただし、事業内容によっては対象となる場合もあるため、まずは各市の商工担当課にご相談ください。船橋市などでは、市独自の商店会向け支援制度が充実しています。
 - Q4. 申請から補助金の入金まで、どれくらいの期間がかかりますか?
 - 
A4. 補助金は事業完了後の精算払いとなります。申請から交付決定まで1〜2ヶ月、事業実施期間があり、事業完了後の実績報告から入金まではさらに1〜2ヶ月程度かかるのが一般的です。事業期間中の資金繰りについては、事前に計画しておく必要があります。
 - Q5. 複数の商店街が合同で申請することは可能ですか?
 - 
A5. はい、可能です。「活性化推進事業(連携事業)」は、まさにそのような複数の団体による連携を促進するための制度です。代表となる団体を一つ決めて申請し、事業計画書の中で各団体の役割分担を明確にすることが重要です。
 
まとめ
今回は、千葉県が実施する「地域商業活性化事業補助金」について詳しく解説しました。
- ソフト事業(連携事業): 複数の団体で連携するイベント等に最大100万円(補助率2/3)
 - ハード事業(施設整備事業): 街路灯や防犯カメラ等の整備に最大300万円(補助率1/3)
 - 申請の鍵は「事業の公益性」「計画の具体性」「連携体制」
 - 施設整備事業は市町村との事前連携が必須
 - 計画策定に困ったら無料の専門家派遣制度を活用できる
 
この補助金を活用することで、これまで予算の都合で実現できなかったアイデアを形にし、地域に新たな活気を生み出すチャンスが広がります。まずは自団体の課題や目標を整理し、どの事業メニューが活用できるか検討してみてください。そして、最初の一歩として、お住まいの市町村や千葉県の担当課へ気軽に相談してみましょう。
お問い合わせ先
千葉県 商工労働部 経営支援課 商業振興班
詳細な連絡先や最新情報については、以下の公式サイトをご確認ください。
地域商業活性化事業補助金交付要綱等(千葉県公式サイト)