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【2025年】千葉県|ちばの園芸高温対策緊急支援事業で最大300万円!申請方法を解説

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千葉県で園芸農業を営む皆様へ。近年の記録的な猛暑は、大切な作物に深刻な被害をもたらしていませんか?「収量が落ちた」「品質が低下した」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。そんな課題を解決するために、千葉県が強力な支援策を用意しています。それが「ちばの園芸高温対策緊急支援事業」です。この制度を活用すれば、かん水設備や換気扇、遮光ネットなどの高温対策設備の導入費用として最大300万円の補助が受けられます。この記事では、制度の概要から対象者、申請方法、採択されるためのポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。設備投資の負担を大幅に軽減し、安定した農業経営を実現するための第一歩を、この記事から踏み出しましょう。

この記事のポイント

  • 千葉県の園芸農家向け高温対策設備の導入補助金
  • 補助率は原則1/3、低コスト耐候性ハウス等は1/2
  • 補助額は最大300万円(低コスト耐候性ハウスの場合)
  • 認定農業者や認定新規就農者が対象
  • 申請方法から採択のコツまでを完全ガイド

ちばの園芸高温対策緊急支援事業とは?

制度の目的と背景

「ちばの園芸高温対策緊急支援事業」は、千葉県が実施する農業者向けの補助金制度です。近年、夏季の気温が急速に上昇し、千葉県内の野菜、果樹、花きといった園芸作物に高温による生育不良や品質低下などの被害が多発しています。この深刻な状況を踏まえ、県内の農業者が「かん水」「換気・空気冷却」「遮光・遮熱」といった高温対策に取り組む際に必要となる機械や装置の導入経費を支援し、農業経営の安定化を図ることを目的としています。

事業の概要

この事業の基本情報を表にまとめました。申請を検討する際の基礎知識としてご確認ください。

項目 内容
正式名称 ちばの園芸高温対策緊急支援事業
実施組織 千葉県(農林水産部 生産振興課)
対象者 認定農業者、認定新規就農者など
目的 高温対策設備の導入支援による園芸作物の被害軽減と経営安定
公式サイト 千葉県庁公式サイト

補助金額・補助率について

この補助金の最も重要なポイントである、補助金額と補助率について詳しく見ていきましょう。条件によって補助率や上限額が変わるため、ご自身の状況と照らし合わせて確認してください。

補助率

  • 原則:3分の1以内
  • 特例:2分の1以内(低コスト耐候性ハウス等に機械・装置等を導入する場合)

「低コスト耐候性ハウス」とは、一般的なパイプハウスよりも強度が高く、災害に強い構造のハウスを指します。このタイプのハウスへの設備導入は、より手厚い支援が受けられるのが特徴です。

事業費の上限・下限と補助額の計算例

補助の対象となる事業費には上限と下限が設定されています。事業費とは、設備導入にかかる費用の総額(税込)のことです。

計画の種類 上限事業費 下限事業費 最大補助額
主として低コスト耐候性ハウス等に対策を講じる計画 600万円 30万円 300万円
上記以外の計画(一般的なハウスや露地栽培など) 300万円 100万円

【計算例】
低コスト耐候性ハウスに、総額500万円の自動かん水装置と循環扇を導入する場合:

事業費500万円 × 補助率1/2 = 補助額 250万円

自己負担額は250万円となり、負担が大幅に軽減されます。

対象者・条件の詳細

この補助金を利用できるのは、以下のいずれかに該当する農業者です。

  • 認定農業者:農業経営基盤強化促進法に基づき、市町村から農業経営改善計画の認定を受けた農業者。
  • 認定新規就農者:同法に基づき、市町村から青年等就農計画の認定を受けた新規就農者。
  • 計画の担い手:野菜の産地強化計画または果樹産地構造改革計画に位置づけられた担い手。

対象となる品目と地区

対象となるのは、千葉県内で栽培される園芸品目です。

  • 対象品目:野菜、果樹、花き
  • 対象地区:農業振興地域、生産緑地、市街化調整区域

補助対象となる経費

補助の対象となるのは、高温対策に直接効果のある機械や装置の導入費用です。具体的には以下の3つの分類に分けられます。

対象経費の具体例

分類 具体的な機械・装置の例
1. かん水 自動かん水装置、スプリンクラー、冷却水循環装置(チラー)など
2. 換気・空気冷却 換気扇、循環扇、外気導入ダクトファン、高通気性防虫ネット、夜冷処理用スポットクーラーなど
3. 遮光・遮熱 遮光ネット、遮熱フィルムなど

対象外となる経費

【注意】以下の費用は補助対象外です。

  • 塗布型遮光材(ハウスに直接塗るタイプの遮光剤)
  • 井戸の設置費用
  • 既存の機械・装置等の更新(故障した換気扇の買い替えなど)
  • 消耗品費
  • 中古品の購入

申請方法と手順

申請は、計画書の作成や複数の書類準備が必要となります。以下のステップに沿って進めましょう。

  1. 事前相談:まず、ご自身の住所地を管轄する県の農業事務所に相談します。事業計画の内容や対象経費について確認しましょう。
  2. 書類準備:後述の必要書類を揃えます。特に、導入する設備の「見積書」や「カタログ」は早めに入手しましょう。
  3. 計画書作成:「高温対策実施計画書」を作成します。どのような課題があり、導入する設備でどう改善するのかを具体的に記述します。
  4. 申請:すべての書類を揃え、申請期間内に管轄の農業事務所へ提出します。
  5. 審査・採択:提出された計画書は審査され、採択・不採択が決定します。
  6. 事業実施:採択(交付決定)されたら、計画に沿って設備の購入・設置を行います。交付決定前に発注・購入したものは対象外となるため注意が必要です。
  7. 実績報告と補助金受領:事業が完了したら、実績報告書を提出します。内容が確認された後、補助金が指定口座に振り込まれます。

申請期間

本事業は例年、春頃に募集が行われます。また、予算の状況により追加募集がかかることがあります。

【令和7年度 追加募集期間】
令和7年11月14日(金曜日)まで
※これは過去の情報を基にした参考情報です。最新の募集期間は必ず千葉県の公式サイトでご確認ください。

必要書類一覧

申請には多くの書類が必要です。漏れがないようにチェックリストとしてご活用ください。

  • 高温対策実施計画申請書(様式第1号)
  • 高温対策実施計画書(様式第2号)
  • 誓約書(様式第3号)
  • 役員等名簿(様式第4号)
  • 認定農業者、認定新規就農者等であることを証する書類(計画認定書の写し等)
  • 対策を講じる施設・ほ場の位置及び面積を示す書類(位置図、地番リスト等)
  • 導入する機械・装置等の価格と内容を示す書類(見積書、カタログ等)
  • 補助金の振込先の通帳の写し
  • 同意書
  • 【該当者のみ】低コスト耐候性ハウス等であることを示す書類(確定申告書、園芸施設共済証券等)
  • 【該当者のみ】施設園芸における高温対策チェックリスト(パイプハウス等に対策する場合)

様式は千葉県の公式サイトからダウンロードできます。

採択されるための重要ポイント

この補助金は申請すれば誰でも受けられるわけではなく、審査があります。採択率を上げるために、以下のポイントを押さえましょう。

採択基準をすべて満たす

以下の要件をすべて満たす計画が採択の対象となります。

  • 園芸品目(野菜、果樹、花き)への対策であること。
  • 事業費(税込)が30万円以上であること。
  • 原則として「かん水」「換気・空気冷却」「遮光・遮熱」の全ての対策を講じるものであること。(※露地栽培は除く。また、既に実施済みの対策も認められます。)
  • 県または専門家(普及指導員など)の指導・助言を受けて、栽培方法の改善等を行うものであること。

特に重要なのが「3つの対策を講じる」という点です。例えば、今回換気扇を導入する場合でも、既にかん水設備や遮光ネットを導入済みであれば要件を満たします。計画書には、今回導入する設備だけでなく、既存の対策についても記載することがポイントです。

計画書の具体性と説得力

審査員に「この計画なら確実に高温被害が軽減され、経営が安定する」と思わせることが重要です。

  • 現状の課題を明確に:「夏場のハウス内温度が40℃を超え、トマトの着果不良が多発している」など、具体的な数値や状況を記述する。
  • 導入設備の効果を具体的に:「大型換気扇を導入することで、ハウス内温度を5℃低下させ、着果率を20%向上させる」など、期待される効果を数値で示す。
  • 費用対効果をアピール:投資額に対して、どれだけの収量増加や品質向上、損失軽減が見込めるかを説明する。

よくある質問(FAQ)

Q1. 既存の古い換気扇を新しいものに買い替える費用は対象になりますか?

A1. いいえ、既存の機械・装置等の更新は対象外となります。新たに対策を強化するための設備導入が対象です。

Q2. 井戸を掘る費用は対象になりますか?

A2. いいえ、井戸の設置費用は対象外です。ただし、その井戸水を利用した自動かん水装置やスプリンクラーの導入は対象となります。

Q3. 3つの対策(かん水、換気、遮光)を全てこの補助金で導入しないといけませんか?

A3. いいえ、その必要はありません。例えば、既にかん水設備と遮光ネットを導入済みであれば、今回新たに換気扇を導入する計画でも採択要件を満たします。計画書に既存の対策状況も記載してください。

Q4. 事業費が30万円未満の場合は申請できますか?

A4. できません。補助対象となる事業費は税込30万円以上と定められています。

Q5. 申請はどこにすれば良いですか?

A5. ご自身の農地がある市町村を管轄する県の農業事務所企画振興課が提出先となります。事前に電話で相談することをお勧めします。

まとめ:今すぐ行動して猛暑に負けない農業経営を!

今回は、千葉県の園芸農家を支援する「ちばの園芸高温対策緊急支援事業」について詳しく解説しました。

重要ポイントの再確認

  • 目的:高温対策設備の導入を支援し、園芸作物の被害を軽減する。
  • 補助額:最大300万円(低コスト耐候性ハウス等、補助率1/2の場合)。
  • 対象者:千葉県内の認定農業者、認定新規就農者など。
  • 採択の鍵:「かん水・換気・遮光」の3対策を網羅した、具体的で説得力のある計画書を作成すること。

気候変動は今後も続くと予想され、高温対策は持続可能な農業経営に不可欠です。この補助金を活用することで、初期投資の負担を大きく減らし、将来にわたって安定した収量と品質を確保することができます。

まずは、ご自身の経営課題を洗い出し、どのような設備が必要かを検討してみてください。そして、最寄りの農業事務所に相談することから始めましょう。専門家のアドバイスを受けながら、万全の準備で申請に臨んでください。

お問い合わせ先

千葉県 農林水産部 生産振興課 園芸振興室
電話番号:043-223-2882
または、お近くの農業事務所企画振興課までお問い合わせください。