詳細情報
愛知県南知多町で農業を営む皆様に朗報です。2025年度(令和7年度)から、町の農業を力強く支援するための4つの新しい補助金制度がスタートしました。燃料費の高騰、後継者不足による耕作放棄地の問題、深刻化する鳥獣被害、そして地産地消の推進といった、現代の農業が直面する様々な課題に対応することを目的としています。これらの補助金は、農業生産性の向上、作業効率化、そして安定的な農業経営の実現を後押しするものです。この記事では、南知多町が新たに設けた「水田給水ポンプ等燃料費助成」「農地集積補助金」「地産地消給食補助金」「有害鳥獣被害防止対策補助金」の4つの制度について、対象者、補助金額、申請方法などを一つひとつ詳しく、そして分かりやすく解説します。ご自身の経営にどの補助金が活用できるかを確認し、ぜひこの機会を最大限にご活用ください。
南知多町 新設農業補助金(令和7年度)一覧
| 補助金名称 | 主な目的 | 補助金額(上限等) | 申請受付期間 |
|---|---|---|---|
| 水田給水ポンプ等燃料費助成事業補助金 | 水利困難な水田への給水燃料費支援 | 要綱にて確認 | R7.8.1~R8.2月末 |
| 農地集積補助金 | 農地の集約化による生産性向上 | 定額3万円/人 | R7.8.1~R8.2月末 |
| 地産地消給食補助金 | 学校給食への地元農産物供給支援 | 補助率1/10~4/10 | R7.8.1~R8.2月末 |
| 有害鳥獣被害防止対策補助金 | 鳥獣被害防止用資材の設置支援 | 上限5万円 (補助率1/2) | R7.8.1~R7.10月末 |
※各補助金の詳細な要件は本文で解説します。有害鳥獣被害防止対策補助金のみ申請期間が短いのでご注意ください。
1. 南知多町水田給水ポンプ等燃料費助成事業補助金
この補助金は、農業用水の確保が難しい水田で、ポンプを使って給水している農業者の燃料費負担を軽減するための制度です。水田が持つ多面的な機能(洪水防止、生態系保全など)を守り、耕作放棄地の発生を防ぐことを目的としています。
補助対象者
- 出荷及び販売を目的として南知多町内で農産物を生産する個人または団体
- 南知多町暴力団排除条例に規定する暴力団及び暴力団員等でないこと
- 町税等を滞納していないこと
補助対象経費
以下の条件をすべて満たす経費が対象です。
- 南知多町内で耕作する水利確保困難水田に給水するためのポンプの燃料費
- 申請年度の4月1日から10月31日までの期間にかかった燃料費
- 国または県の補助対象となる事業は対象外
申請受付期間
令和7年8月1日~令和8年2月末
2. 南知多町農地集積補助金
この補助金は、小さな区画の農地をまとめるために「畦畔(あぜ)」を除去し、農地を集約化する地権者に対して交付されます。農地を大きくすることで、大型機械の導入が容易になり、農業の生産性や作業効率を向上させることが目的です。
補助対象者
- 南知多町内に農地を有する個人または法人
- 南知多町暴力団排除条例に規定する暴力団及び暴力団員等でないこと
- 町税等を滞納していないこと
補助対象農地の主な条件
対象となる農地には細かい条件があります。主なものを以下にまとめました。
- 市街化調整区域に所在する農地であること。
- 畦畔除去後の1区画の面積が概ね20a(2,000㎡)以上となること。
- 畦畔除去後、継続して5年以上の一体利用が見込まれること。
- 除去する畦畔に接する農地の耕作者が同一であること。
- 過去にこの補助金の交付を受けた農地でないこと。
【重要】他にも細かい条件(地権者と耕作者の関係など)が定められています。申請を検討される方は、必ず事前に町の産業振興課に相談し、交付要綱をご確認ください。
補助金の額
除去する畦畔1本につき、その畦畔に直接接する農地の土地所有者1名あたり定額3万円が交付されます。土地が共有名義の場合は、代表者1名に交付されます。
申請受付期間
令和7年8月1日~令和8年2月末
3. 南知多町地産地消給食補助金
町内の小中学校や保育所などの給食に、地元で生産された農産物を供給する農業者や団体を支援する補助金です。子どもたちに安全安心な食材を届けるとともに、地産地消を推進し、農業者の安定経営につなげることを目的としています。
補助対象者
- 南知多町内で農産物の生産振興に取り組み、学校等の給食に地場農産物を供給する農業者または団体
- 南知多町暴力団排除条例に規定する暴力団及び暴力団員等でないこと
- 町税等を滞納していないこと
補助事業の種類と補助率
供給する農産物の種類によって、補助率が変わります。
| 事業の種類 | 対象食材 | 補助率 |
|---|---|---|
| 地産地消 米飯給食補助事業 | 米 | 10分の3以内 |
| 地産地消 米飯給食補助事業(有機米) | 有機米 ※1 | 10分の4以内 |
| 地産地消 野菜補助事業(有機野菜) | 有機野菜 ※1 | 10分の4以内 |
| 地産地消 野菜補助事業 | 環境保全型農法で栽培された野菜 ※2 | 10分の1以内 |
※1 有機JAS認証は不要ですが、栽培期間中に化学肥料・化学合成農薬を不使用であることが条件です。
※2 地域の一般的な栽培方法と比較して、化学肥料・化学合成農薬を50%以上削減した方法で生産された野菜が対象です。
申請受付期間
令和7年8月1日~令和8年2月末
4. 南知多町有害鳥獣被害防止対策補助金
イノシシやシカなどの野生鳥獣による農作物への被害は、多くの農業者にとって深刻な問題です。この補助金は、被害を軽減するために防護柵などの資材を設置する農業者を支援し、地域農業の振興を図ることを目的としています。
補助対象者
- 南知多町内で農産物の生産に取り組む個人または団体
- 南知多町暴力団排除条例に規定する暴力団及び暴力団員等でないこと
- 町税等を滞納していないこと
補助対象経費
農作物の被害防止のために南知多町内の農地等に設置した有害鳥獣被害防止用資材(防護柵、電気柵など)の購入費が対象です。
ただし、設置に必要な工具の購入費、人件費、運搬費、撤去費は対象外となります。
補助金の額・補助率
- 補助率:対象経費の2分の1(千円未満切り捨て)
- 上限額:5万円
- 対象条件:対象経費の合計が1万円以上の場合に限る
(計算例)防護柵の購入に8万円かかった場合
80,000円 × 1/2 = 40,000円 → 補助額は4万円となります。
申請受付期間
【注意!】この補助金のみ期間が短くなっています。
申請期間:令和7年8月1日~令和7年10月末
申請方法・採択のポイント
申請手続きの基本的な流れ
- 事前相談:まずは南知多町役場の産業振興課に相談し、事業内容が補助金の対象になるか確認します。
- 書類準備:南知多町の公式サイトから申請書等の様式をダウンロードし、必要事項を記入します。
- 申請書提出:受付期間内に、必要書類を産業振興課へ提出します。
- 審査・交付決定:町で審査が行われ、採択されると交付決定通知書が届きます。
- 事業実施:交付決定後に、計画していた事業(燃料や資材の購入など)を実施します。
- 実績報告・請求:事業完了後、実績報告書や請求書を提出します。
- 補助金交付:指定した口座に補助金が振り込まれます。
採択率を高めるための3つのコツ
- 1. 交付要綱の熟読:公式サイトで公開されている各補助金の「交付要綱」を必ず読み込みましょう。対象となる条件や経費、手続きの詳細が記載されており、ミスの防止につながります。
- 2. 早めの行動と事前相談:申請期間は限られています。特に有害鳥獣被害対策補助金は期間が短いため注意が必要です。不明点や不安な点は、早めに役場の担当窓口に相談することが採択への近道です。
- 3. 書類の正確な作成:申請書類に記入漏れや間違い、添付書類の不足があると、審査が遅れたり不採択の原因になったりします。提出前には必ず複数回チェックしましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 複数の補助金を同時に申請することはできますか?
A1. はい、それぞれの補助金の要件を満たしていれば、複数の補助金を申請することが可能です。ただし、同一の経費に対して国や県の補助金と重複して受けることはできません。
Q2. 補助金はいつ頃もらえますか?
A2. 補助金は原則として、事業が完了し、実績報告書と請求書を提出した後、内容の確認を経て支払われます。「後払い(精算払い)」が基本となりますのでご注意ください。
Q3. 町外に住んでいますが、南知多町内に農地があれば対象になりますか?
A3. 補助金によって要件が異なります。「農地集積補助金」は町内に農地を有する個人・法人が対象なので、町外在住でも対象になる可能性があります。一方、「水田給水ポンプ」や「有害鳥獣被害」などは町内で農産物生産に取り組む方が対象です。詳しくは産業振興課にご確認ください。
Q4. 申請に必要な書類はどこで入手できますか?
A4. 申請書や計画書などの各種様式は、南知多町の公式ウェブサイトの各補助金ページからWord形式でダウンロードできます。
Q5. 採択率はどのくらいですか?
A5. 採択率は公表されていません。しかし、これらの補助金は要件を満たしていれば採択されやすい「助成金」に近い性質を持っています。予算の範囲内での交付となるため、早めの申請をおすすめします。
まとめ:南知多町の支援を活用し、持続可能な農業経営を目指そう
今回は、2025年度(令和7年度)から南知多町で新たに始まる4つの農業関係補助金について詳しく解説しました。これらの制度は、燃料費、農地集約、地産地消、鳥獣被害といった、農業者が日々直面する課題に寄り添った、非常に実用的な支援策です。ご自身の経営状況や課題と照らし合わせ、活用できる制度がないかぜひご検討ください。持続可能な農業経営を実現するため、町の支援制度を積極的に活用していきましょう。
お問い合わせ・申請窓口
ご不明な点や申請に関するご相談は、下記までお問い合わせください。
- 担当課:南知多町 産業振興課
- 住所:〒470-3495 愛知県知多郡南知多町大字豊浜字貝ケ坪18番地
- 電話番号:0569-65-0711
- ファクス:0569-65-0694
- 公式サイト:農業関係補助金を新設しました。