2025年の大阪・関西万博を控え、ビジネスチャンスの拡大が期待される大阪。この絶好の機会を活かし、新たな販路を開拓したいと考えている中小企業の経営者様は多いのではないでしょうか。しかし、展示会への出展には高額な費用がかかるのが悩みどころです。そんな大阪府内の中小企業を力強く支援するのが「中小企業展示商談会出展支援事業」です。この制度を活用すれば、京阪神地域で開催される展示商談会の出展費用(小間料金)が最大78万円(補助率2/3)補助されます。本記事では、この魅力的な補助金の概要から対象条件、申請方法、採択されるためのポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。ぜひ最後までお読みいただき、貴社のビジネス成長にお役立てください。
この補助金のポイント
- 大阪府内の中小企業が対象
- 京阪神(大阪・京都・兵庫)での展示会出展を支援
- 出展小間料金の2/3、最大78万円を補助
- 2025年大阪・関西万博を見据えた販路開拓に最適
- 申請はオンラインで完結
中小企業展示商談会出展支援事業の概要
まずは、本事業の基本的な情報について確認しましょう。どのような目的で、誰が実施しているのかを理解することが、申請への第一歩です。
| 事業概要 | |
|---|---|
| 正式名称 | 中小企業展示商談会出展支援事業 |
| 実施組織 | 大阪府 商工労働部中小企業支援室ものづくり支援課販路開拓支援グループ |
| 目的・背景 | 大阪・関西万博の開催年である令和7年度(2025年度)に、国内外からの来阪者増加によるビジネス機会の拡大を見据え、京阪神地域で開催される展示商談会に出展し、新たな販路開拓に取り組む府内中小企業者を支援することを目的としています。本事業は、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用しています。 |
| 公式サイト | 大阪府公式サイト |
補助金額・補助率
本事業の最も魅力的な部分である補助金額と補助率について詳しく見ていきましょう。注意すべき下限額の条件もありますので、しっかり確認してください。
補助額と補助率の詳細
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 2/3 |
| 補助額 | 10万円 ~ 78万円 |
計算例と注意点
補助額の計算方法を具体例で見てみましょう。
- 例1:出展小間料金が60万円(税抜)の場合
60万円 × 2/3 = 40万円 → 補助額は40万円 - 例2:出展小間料金が120万円(税抜)の場合
120万円 × 2/3 = 80万円 → 上限額が78万円のため、補助額は78万円 - 例3:出展小間料金が21万円(税抜)の場合
21万円 × 2/3 = 14万円 → 補助額は14万円
【重要】補助対象となるための下限額
本事業は大規模な展示商談会を対象としているため、補助額には下限が設定されています。具体的には、1小間(最低申込小間)の料金が税抜15万円未満の場合は対象となりません。(補助額が10万円未満になるため)
例えば、1小間8万円のブースを2つ借りて合計16万円になったとしても、1小間あたりの料金が15万円未満のため対象外です。この点には十分ご注意ください。
対象者・条件
補助金を利用するには、事業者自身と、出展する展示会の両方が条件を満たす必要があります。それぞれ詳しく解説します。
対象となる事業者(以下のすべてを満たす必要あり)
- 大阪府内に主たる事務所又は事業所を有すること。
- 中小企業基本法第2条に規定する中小企業者であり、かつ「みなし大企業」でないこと。
- 本補助金の交付を過去に受けたことがない者であること。(1事業者につき1回限り)
- 暴力団員又は暴力団密接関係者でないこと。
- 刑罰等を受けていないこと。(詳細は募集要項を確認)
- 公正取引委員会から排除措置命令等を受けていないこと。(詳細は募集要項を確認)
- 国税・府税に未納がないこと。
対象となる展示商談会(以下のすべてを満たす必要あり)
- 開催期間: 令和7年4月1日~令和8年2月8日に開催初日を迎えるもの
- 開催場所: 大阪府・京都府・兵庫県で対面形式で開催されるもの
- 対象取引: BtoB(企業間取引)を対象とし、主たる開催目的が商談であるもの
- 募集形式: 広く一般に出展者を募集し、募集要項等が公表されているもの
- 対象外: 以下に当てはまらないもの
- 一般消費者向けの即売会
- 特定の顧客のみを対象とするクローズドなイベント
- 自社が主催または運営に関わるもの
- オンラインのみで開催されるもの
補助対象経費
補助対象となる経費は非常にシンプルです。対象外の経費と混同しないように注意しましょう。
| 対象経費 | 対象外経費の例 |
|---|---|
|
展示商談会の出展小間料金 ※展示商談会主催者と直接、小間契約を交わしたものに限ります。 |
|
申請方法・手順
申請は「大阪府行政オンラインシステム」を利用して行います。出展する展示会の開催時期によって申請方式が異なるため、注意が必要です。
申請期間
- 第1期: 令和7年6月16日(月) ~ 令和7年10月31日(金) 17時まで
- 第2期: 令和7年11月1日(土) ~ 令和7年12月19日(金) 17時まで
【注意】締切前に予算上限に達した場合、申請期間内であっても受付を終了することがあります。早めの申請を心がけましょう。
申請方式の選択
申請日と展示会開催初日の関係で、申請方式が変わります。
- 【事前申請方式】
申請時に展示会の開催初日まで30日以上ある場合。 - 【事後申請方式】
申請時に展示会の開催初日まで30日未満の場合、または既に出展を終えている場合。
申請ステップ
- 事前準備:大阪府行政オンラインシステムの利用者登録を済ませます。
- 書類準備:公式サイトから申請様式をダウンロードし、必要事項を記入します。その他、納税証明書などの添付書類を準備します。
- オンライン申請:大阪府行政オンラインシステムにログインし、必要事項の入力と準備した書類のアップロードを行います。
- 審査・交付決定:大阪府にて審査が行われ、採択されると交付決定通知が届きます。
- 事業実施:展示会に出展します。
- 実績報告(事前申請の場合):展示会終了後、実績報告書と証拠書類を提出します。事後申請の場合は申請時に兼ねています。
- 補助金交付:実績報告の内容が確定した後、指定の口座に補助金が振り込まれます。
主な必要書類
- 補助金交付申請書(様式第1-1号) ※事前申請
- 補助金交付申請兼実績報告書(様式第1-2号) ※事後申請
- 要件確認申立書(様式第1-3)
- 暴力団等審査情報(様式第1-4号)
- 株主等報告書(別紙1)
- その他、募集要項で定められた書類(出展契約書、請求書、領収書の写しなど)
※申請方式によって様式が異なります。必ず公式サイトの募集要項P6~P7をご確認ください。
採択のポイントと注意点
補助金を確実に受給するためには、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。
申請書作成のコツ
- 募集要項の熟読:全ての要件を満たしているか、提出書類に漏れはないか、何度も確認しましょう。不備があればその時点で審査対象外となる可能性があります。
- 正確な情報記入:申請書や添付書類の情報は、全て正確に記入してください。特に金額や日付の間違いは致命的です。
- 早めの行動:締切間際はアクセスが集中したり、書類の準備に不測の事態が発生したりする可能性があります。余裕を持ったスケジュールで申請を進めましょう。
よくある不採択・対象外の理由
- 対象外の展示会(開催地が京阪神以外、オンラインのみ、BtoC向けなど)で申請している。
- 補助対象外の経費(装飾費など)を含めて申請している。
- 小間料金が税抜15万円未満で、下限額の要件を満たしていない。
- 申請者が対象要件(府内事業者、中小企業など)を満たしていない。
- 提出書類に不備(記入漏れ、添付漏れ)がある。
類似事業との違い
大阪府には「大規模展示商談会活用事業」という類似の制度もあります。どちらが自社に適しているか確認しましょう。
| 項目 | 中小企業展示商談会出展支援事業(本記事) | 大規模展示商談会活用事業 |
|---|---|---|
| 対象展示会 | 京阪神で開催されるBtoB展示会(要件あり) | 府が指定した国内の特定の展示会 |
| 補助額 | 最大78万円 | 最大25万円 |
| 補助率 | 2/3 | 1/2 |
| 対象経費 | 小間料金のみ | 小間料金、装飾経費 |
よくある質問(FAQ)
Q1. 複数の展示会に出展予定です。その都度申請できますか?
A1. いいえ、できません。本補助金の交付は、府の会計年度において一事業者につき一回限りです。
Q2. 市町村の同様の補助金との併用は可能ですか?
A2. 併用はできない場合が多いです。例えば、枚方市独自の「中小企業向け展示商談会等への出展支援制度」では、本事業との併用は不可と明記されています。申請前にお住まいの市町村にご確認ください。
Q3. 補助金はいつ振り込まれますか?
A3. 補助金は精算払い(後払い)です。展示会への出展が完了し、実績報告書を提出した後、内容の審査・確定を経てから指定の口座に振り込まれます。先に費用を全額支払う必要があります。
Q4. 「万博商談もずやんモール」への同時申請は必須ですか?
A4. 必須ではありません。しかし、本補助金の申請フォームから簡単に同時申請が可能で、海外企業との新たなビジネスチャンスにつながる可能性があるため、登録が推奨されています。希望しない場合は、申請フォームで「希望しない」を選択できます。
Q5. 申請について不明な点がある場合、どこに問い合わせればよいですか?
A5. 専用のコールセンターが設置されています。申請前に公式サイトの「よくあるお問い合わせ」を確認の上、解決しない場合は下記へお問い合わせください。
中小企業展示商談会出展支援事業コールセンター
TEL: 0120-781-120 (土日祝日、年末年始を除く 9:00~17:00)
まとめと次のアクション
今回は、大阪府が実施する「中小企業展示商談会出展支援事業」について詳しく解説しました。最後に重要なポイントを振り返ります。
- 対象: 大阪府内の中小企業
- 支援内容: 京阪神で開催されるBtoB展示会の出展小間料金を補助
- 補助額・率: 最大78万円・補助率2/3
- 申請期間: 第2期は令和7年12月19日(金)17時まで(※予算上限で早期終了の可能性あり)
- 申請方法: 大阪府行政オンラインシステムによる電子申請
大阪・関西万博という千載一遇のチャンスを最大限に活かすためにも、本補助金の活用は非常に有効な手段です。新たな販路を開拓し、ビジネスを飛躍させるために、ぜひ申請を検討してみてはいかがでしょうか。
次に行うべきこと
- 公式サイトで募集要項をダウンロード:まずは制度の詳細と最新情報を必ずご自身の目で確認してください。
- 対象要件のチェック:自社と出展予定の展示会が、すべての要件を満たしているかを確認します。
- コールセンターへの相談:少しでも不明な点があれば、迷わずコールセンターに問い合わせましょう。