【2025年度から開始】横浜市の帯状疱疹ワクチン定期接種(費用助成)を徹底解説!
2025年(令和7年)7月1日から、横浜市では帯状疱疹ワクチンの定期予防接種が開始され、接種費用の一部が助成されることになりました。帯状疱疹は、特に50歳以上で発症率が高まり、激しい痛みを伴うことがある病気です。皮膚症状が治った後も「帯状疱疹後神経痛(PHN)」というつらい痛みが長期間続くことも少なくありません。ワクチン接種は、この帯状疱疹の発症や重症化を防ぐ最も有効な手段の一つですが、費用が高額なことが課題でした。今回の横浜市の助成事業は、対象となる市民の方々にとって、経済的負担を軽減し、安心して予防に取り組む絶好の機会です。この記事では、横浜市の帯状疱疹ワクチン助成について、対象者、助成額、申請方法、協力医療機関などを、誰にでも分かりやすく徹底的に解説します。ご自身やご家族が対象かどうかを確認し、この機会をぜひご活用ください。
この制度の重要ポイント
- 2025年7月1日から横浜市で定期接種(費用助成)がスタート!
- 対象者は年度内に65歳になる方が基本。5年間の経過措置あり。
- 自己負担額は生ワクチン4,000円、組換えワクチン1回10,000円。
- 接種には市から送付される「予診票」が必須。
- 非課税世帯や生活保護世帯は自己負担が免除される制度あり。
助成金の概要|横浜市帯状疱疹ワクチン接種事業とは?
まずは、この制度の全体像を把握しましょう。どのような目的で、誰が実施しているのかを知ることで、制度への理解が深まります。
正式名称と実施組織
- 正式名称: 帯状疱疹ワクチン接種事業
- 実施組織: 横浜市
目的・背景
この事業は、国の示す方針に基づき、予防接種法における定期予防接種(B類疾病)として実施されます。主な目的は、高齢者の帯状疱疹の発症および、合併症である「帯状疱疹後神経痛」への移行を予防することです。帯状疱疹は加齢とともに発症リスクが高まるため、公的な支援によって接種を促進し、市民の健康維持を図ることを目指しています。なお、B類疾病の予防接種であるため、接種は義務ではなく、本人の希望に基づいて行われます。
助成金額・自己負担額について
今回の制度では、接種費用の一部を横浜市が負担するため、対象者は下記の自己負担額でワクチンを接種することができます。帯状疱疹ワクチンは2種類あり、どちらか一方を選択します。それぞれ特徴や費用、接種回数が異なるため、医師と相談の上、慎重に選びましょう。
| ワクチンの種類 | 製品名 | 接種回数 | 自己負担額 |
|---|---|---|---|
| 生ワクチン | 乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」 | 1回 | 4,000円 |
| 組換えワクチン(不活化ワクチン) | シングリックス | 2回 | 10,000円 / 回(合計20,000円) |
補足:組換えワクチン「シングリックス」は、通常2か月の間隔をあけて2回接種します。全額自己負担の場合、医療機関によっては合計4万円以上かかることもあるため、この助成は非常に大きなメリットとなります。
対象者・条件|あなたは助成を受けられる?
助成を受けるためには、横浜市が定める対象者の条件を満たす必要があります。ご自身の生年月日と照らし合わせて、対象になるかを確認しましょう。
基本要件
まず、横浜市内に住民登録があり、接種日時点で下記のいずれかに該当する方が対象です。
令和7(2025)年度の具体的な対象者
2025年度の対象者は、主に3つのカテゴリーに分かれます。
- 年度内に65歳を迎える方
生年月日が 昭和35年4月2日 ~ 昭和36年4月1日 の方。 - 60歳以上65歳未満で特定の障害のある方
ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能に1級相当の障害がある方。 - 経過措置の対象となる方(令和7年度~11年度)
2025年度は、下記の年齢を迎える方が対象です。これは、制度開始時に65歳を過ぎてしまった方への救済措置です。
【令和7(2025)年度 経過措置対象者】
| 年度末年齢 | 生年月日 |
|---|---|
| 70歳 | 昭和30年4月2日 ~ 昭和31年4月1日 |
| 75歳 | 昭和25年4月2日 ~ 昭和26年4月1日 |
| 80歳 | 昭和20年4月2日 ~ 昭和21年4月1日 |
| 85歳 | 昭和15年4月2日 ~ 昭和16年4月1日 |
| 90歳 | 昭和10年4月2日 ~ 昭和11年4月1日 |
| 95歳 | 昭和5年4月2日 ~ 昭和6年4月1日 |
| 100歳 | 大正14年4月2日 ~ 大正15年4月1日 |
| 100歳以上 | 大正14年4月1日以前生まれの方 |
注意:対象となる年度は1回限りです。対象年度を逃すと、次回は全額自己負担となりますのでご注意ください。
申請方法・接種までの流れ
助成を受けて接種するまでの手順を、ステップバイステップで解説します。
ステップ1:予診票の準備
接種には横浜市が発行する「予診票」が絶対に必要です。入手方法は対象者のカテゴリーによって異なります。
- 65歳・経過措置対象者の方:
横浜市から6月下旬に個別通知(予診票同封)が郵送されます。届いたら大切に保管してください。 - 60~64歳の対象者、転入者、予診票を紛失した方:
個別通知は送付されません。ご自身でお住まいの区の福祉保健課へ行き、予診票を受け取る必要があります。その際、本人確認書類(60~64歳の方は身体障害者手帳等も)を持参してください。
ステップ2:協力医療機関を探して予約
接種は、横浜市が指定する「帯状疱疹ワクチン接種協力医療機関」でのみ助成が受けられます。市のウェブサイトで公開されている医療機関名簿から、お近くの医療機関を探しましょう。接種を希望する医療機関に直接連絡し、予約を取ってください。その際に、帯状疱疹ワクチンの定期接種であることを伝え、希望するワクチン(生ワクチンか組換えワクチンか)も伝えるとスムーズです。
ステップ3:接種当日の持ち物
接種当日は、以下のものを忘れずに持参してください。
- 予診票(個別通知に同封のバーコードシールを必ず貼ってください)
- 本人確認書類(健康保険証、運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 接種費用(自己負担額)
- 【組換えワクチン2回目の方】1回目の予防接種済証
- 【費用免除対象の方】免除を証明する書類(後述)
ステップ4:接種と支払い
医療機関で医師の問診を受けた後、ワクチンを接種します。接種後、窓口で自己負担額を支払ってください。組換えワクチンを接種した場合は、2回目の接種日を確認し、予防接種済証を受け取ります。
接種費用の免除について
特定の条件に該当する方は、自己負担額が免除され、無料で接種を受けることができます。ご自身が該当するかどうか、必ず事前に確認してください。
費用免除の対象者
- 非課税世帯の方(介護保険料段階が第1~第4段階の方)
- 生活保護を受給している方
- 中国残留邦人等で支援給付を受けている方
免除に必要な書類
免除を受けるには、接種時に医療機関の窓口で以下のいずれかの書類を提示・提出する必要があります。後日の提出は認められず、払い戻しもできませんので、必ず接種前に準備してください。
- 「介護保険料額決定通知書」のコピー
- 「介護保険負担限度額認定証」のコピー
- 「後期高齢者医療資格確認書」のコピー
- 「休日・夜間等診療依頼証」のコピー
- 「生活保護費支給証」のコピー
- 「生活保護受給証明書」(原本)
- 「本人確認証」のコピー(中国残留邦人等の方)
これらの書類がお手元にない場合は、区役所等で「帯状疱疹ワクチン接種自己負担免除対象者確認書」の発行申請が別途必要になります。手続きには時間がかかる場合があるため、早めに各区の福祉保健課へお問い合わせください。
助成を確実に受けるための注意点
この助成制度は、条件を満たせば誰でも利用できますが、いくつか注意すべき点があります。スムーズに接種を受けるために、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 対象年度を逃さない:助成を受けられるのは、生涯で一度、対象となる年度のみです。ご自身の対象年度を必ず確認し、期間内に接種を完了させましょう。
- 組換えワクチンは計画的に:シングリックスは2回の接種が必要です。2回目の接種も助成期間内(令和8年3月31日まで)に終える必要があるため、1回目は遅くとも令和8年1月頃までに受けるように計画してください。
- 予診票は必須:予診票がないと助成は受けられません。紛失した場合は、速やかに区の福祉保健課で再発行の手続きをしてください。
- 協力医療機関で接種する:横浜市が指定した協力医療機関以外で接種した場合は、全額自己負担となります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 2種類のワクチンの違いは何ですか?どちらを選べばいいですか?
A1. 生ワクチンは接種が1回で済みますが、免疫機能が低下している方は接種できません。組換えワクチンは2回接種が必要ですが、予防効果が高く、持続期間も長いと報告されており、免疫機能が低下している方でも接種可能です。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の健康状態や希望を医師に相談して決定することをお勧めします。
Q2. 過去に帯状疱疹にかかったことがありますが、ワクチンを接種できますか?
A2. はい、接種できます。帯状疱疹は再発することがあるため、かかったことがある方にもワクチン接種が推奨されています。ただし、現在治療中の方は接種時期について医師にご相談ください。
Q3. 横浜市に最近転入してきました。予診票はどうすればもらえますか?
A3. 転入された方は、個別通知の対象とならない場合があります。ご自身が対象年齢に該当する場合は、本人確認書類をお持ちの上、お住まいの区の福祉保健課で予診票の交付申請を行ってください。
Q4. 接種後に副反応はありますか?
A4. 接種部位の痛み、赤み、腫れなどが比較的多く見られます。特に組換えワクチンでは、筋肉痛や疲労感、頭痛などが起こることがあります。ほとんどは数日で改善しますが、気になる症状があれば接種した医療機関にご相談ください。
Q5. 問い合わせはどこにすればよいですか?
A5. 制度に関する一般的なお問い合わせは、「横浜市予防接種コールセンター(電話:045-330-8561)」で受け付けています。個別の健康相談や接種の予約については、かかりつけ医や接種を希望する医療機関に直接お問い合わせください。
まとめ|大切なのは対象年度を逃さないこと
今回は、2025年7月から始まる横浜市の帯状疱疹ワクチン定期接種(費用助成)について詳しく解説しました。つらい痛みを引き起こす帯状疱疹を、経済的負担を抑えて予防できる貴重な機会です。
最後に重要ポイントを再確認
- 実施期間:令和7年7月1日~令和8年3月31日
- 対象者:横浜市民で、年度内に65歳になる方や経過措置対象の年齢の方など。
- 自己負担:生ワクチン4,000円、組換えワクチン1回10,000円。
- 必須アイテム:市が発行する「予診票」。
まずはご自身の生年月日を確認し、対象者であるかをご確認ください。対象となる方には6月下旬に市から案内が届きますので、見逃さないようにしましょう。ご不明な点があれば、横浜市予防接種コールセンターやかかりつけ医に相談し、健康な未来のためにワクチン接種を検討してみてはいかがでしょうか。