東京都足立区にお住まいで、不登校のお子様がフリースクールなどの多様な学びの場を利用している、または利用を検討している保護者の皆様へ朗報です。足立区では、経済的な負担を軽減するため、「足立区フリースクール等利用者支援助成金」制度を実施しています。この制度の最大の特徴は、東京都が実施する助成金に加えて、さらに月額最大2万円が上乗せで助成される点です。これにより、保護者の皆様の負担を大幅に軽減し、お子様が安心して学び続けられる環境をサポートします。この記事では、制度の概要から対象者、申請方法、必要書類、注意点まで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。ぜひ最後までお読みいただき、制度を最大限に活用してください。
この助成金のポイント
- 足立区在住の小中学生の保護者が対象
- 東京都の助成金に月額最大2万円を上乗せ支援
- 申請には東京都の助成金交付決定が必須
- オンライン申請にも対応で手続きがスムーズ
- お子様の欠席日数は問われない
1. 足立区フリースクール等利用者支援助成金の概要
まずは、この助成金がどのような制度なのか、全体像を把握しましょう。
制度の目的
この助成金は、何らかの事情で学校に登校しない、または登校したくてもできない状況にある足立区内の小・中学生が、フリースクールなどの民間の学習施設を利用する際に発生する費用の一部を区が助成する制度です。これにより、保護者の経済的負担を軽減し、子どもたちの多様な学びの機会を確保することを目的としています。
実施組織
この制度は、東京都足立区が実施しています。申請や問い合わせの窓口は以下の通りです。
- 担当部署: 足立区こども支援センターげんき 教育相談課 登校支援係
- 所在地: 〒121-0816 東京都足立区梅島三丁目28番8号
- 電話番号: 03-3852-3652
2. 助成金額と対象経費
保護者の皆様にとって最も気になるのが、いくら助成されるのか、そして何に使えるのかという点でしょう。ここでは、助成金額の計算方法と対象経費について詳しく解説します。
助成額:月額最大2万円
助成額は、対象となる小・中学生1人につき月額最大2万円です。ただし、これはあくまで上限額であり、実際の支給額はフリースクールの利用料と、東京都など他の団体から受ける助成金額によって変動します。
計算方法は「フリースクール利用料 – (東京都の助成金額 + その他の助成金額) = 自己負担額」となり、この自己負担額分が足立区から助成されます(上限2万円)。
計算例で理解を深めよう
具体的な例を見てみましょう。(※東京都の助成金を月2万円受けていると仮定)
| ケース | 月の利用料 | 自己負担額 | 足立区の助成額 |
|---|---|---|---|
| 例1 | 30,000円 | 10,000円 | 10,000円 |
| 例2 | 60,000円 | 40,000円 | 20,000円(上限適用) |
| 例3 | 25,000円 | 5,000円 | 5,000円 |
対象となる経費・ならない経費
助成の対象となるのは、フリースクール等を利用するための「利用料」のみです。以下の経費は対象外となるため注意が必要です。
- 【対象経費】
- フリースクール等の月謝・利用料
- 【対象外経費】
- 入会金、登録料
- 施設維持費、設備費
- 教材費、テキスト代
- イベント参加費、遠足代
- 食事代、おやつ代
- その他、利用料に含まれない実費負担分
3. 助成対象者と条件
この助成金を受けるためには、いくつかの要件をすべて満たす必要があります。最も重要なポイントは、先に東京都の助成金交付決定を受けていることです。
- 保護者等の子ども(小・中学生)が足立区内に住所を有していること。
- 当該の小・中学生が、欠席日数に関わらず、何らかの事情により在籍する学校に登校しない又はすることができない状況にあり、フリースクール等に通っていること。
- 東京都の「フリースクール等利用者支援事業」の交付決定を受けていること。
重要:まずは東京都の制度から!
足立区の助成金は、東京都の制度への「上乗せ」です。したがって、申請の順番は①東京都 → ②足立区となります。まだ東京都の助成金を申請していない方は、まずそちらの手続きから始めましょう。
4. 申請方法と年間の流れ
申請から助成金の受け取りまでの流れは、少し複雑に感じるかもしれませんが、ステップごとに確認すれば大丈夫です。ここでは、全体の流れと年間のスケジュールを詳しく解説します。
申請から支給までの5ステップ
- 【都】助成金の申請・交付決定
まず、東京都の「フリースクール等利用者支援事業」に申請し、「交付決定通知書」を受け取ります。 - 【区】助成金の交付申請
東京都の交付決定通知書が届いたら、足立区の助成金に申請します。申請期限は令和8年3月31日(必着)です。 - 【区】交付決定
足立区での審査後、「交付決定通知書」が送られてきます。 - 【区】実績報告・請求
四半期ごとに、実際にフリースクールを利用し、利用料を支払った実績を報告します。この際に請求も同時に行います。 - 【区】助成金の支給
実績報告の内容が確認された後、指定した口座に助成金が振り込まれます。
申請方法と必要書類
申請は「オンライン」または「郵送・持参」のいずれかの方法で行えます。
- オンライン申請:
「足立区フリースクール等利用者支援助成金交付申請フォーム」にアクセスし、必要事項を入力の上、必要書類の電子データ(写真やスキャンデータ)を添付して送信します。 - 郵送・持参:
申請書を区のホームページからダウンロードするか、窓口で入手し、必要事項を記入。必要書類のコピーを添えて、担当部署へ郵送または持参します。
【申請時に必要な書類】
- 足立区フリースクール等利用者支援助成金交付申請書
- 東京都フリースクール等利用者支援事業交付決定通知書 の写し(または電子データ)
【実績報告・請求時に必要な書類】
- 足立区フリースクール等利用者支援助成金実績報告書兼請求書
- 通っているフリースクールに利用料を支払ったことを証明する書類の写し(領収書など)
年間スケジュール(令和7年度)
申請する時期によって、その後のスケジュールが変わります。ご自身の状況に合わせてご確認ください。
| 申請回 | 交付申請時期 | 実績報告・請求時期 | 支給予定時期 |
|---|---|---|---|
| 第1回 | 都交付決定後~R7.8.29 | 4-6月分: ~R7.10.10 7-9月分: ~R7.11.28 10-12月分: ~R8.1.30 1-3月分: ~R8.4.27 |
10月下旬 12月下旬 2月中旬 5月中旬 |
| 第2回 | R7.9.1~R7.9.30 | 7-9月分: ~R7.11.28 10-12月分: ~R8.1.30 1-3月分: ~R8.4.27 |
12月下旬 2月中旬 5月中旬 |
| 第3回 | R7.10.1~R7.10.31 | 10-12月分: ~R8.1.30 1-3月分: ~R8.4.27 |
2月中旬 5月中旬 |
| 第4回 | R7.11.4~R8.1.30 | 1-3月分: ~R8.4.27 | 5月中旬 |
| 第5回 | R8.2.2~R8.3.31 | 利用分: ~R8.4.27 | 5月中旬 |
※最終の実績報告期限は令和8年4月27日です。この日を過ぎると請求できなくなるため、厳守してください。
5. 申請・採択のポイントと注意点
この助成金は、要件を満たしていれば原則として交付されるものですが、手続きをスムーズに進めるためにいくつかのポイントと注意点があります。
- 都の交付決定通知書は鮮明に: オンライン申請で画像を添付する際や、コピーを提出する際は、文字がはっきりと読める鮮明なものを準備しましょう。不鮮明な場合は再提出を求められ、手続きが遅れる原因になります。
- 期限は厳守: 申請期限(令和8年3月31日)はもちろん、特に四半期ごとの実績報告・請求の期限を守ることが重要です。最終期限(令和8年4月27日)を過ぎると、助成金を受け取れなくなります。
- 変更があったら速やかに届け出を: 申請後に住所や在籍校、利用するフリースクール、保護者情報などに変更があった場合は、速やかに「変更申請書」を提出してください。これを怠ると、助成金の支給が遅れたり、停止されたりする可能性があります。
- 領収書は必ず保管: 実績報告の際に、利用料を支払った証明として領収書の写しが必要です。毎月必ず保管しておきましょう。
6. よくある質問(FAQ)
Q1. 東京都の助成金に申請中ですが、足立区の助成金も同時に申請できますか?
A1. いいえ、できません。足立区の助成金申請には、東京都の「交付決定通知書」の添付が必須です。必ず東京都から通知書が届いてから申請手続きを行ってください。
Q2. フリースクールに通い始めたばかりで、欠席日数が少ないのですが対象になりますか?
A2. はい、対象となります。この制度では、学校の欠席日数は要件とされていません。「何らかの事情により在籍する学校に登校しない又はすることができない状況」と認められれば対象です。
Q3. 足立区外のフリースクールに通っていても対象になりますか?
A3. はい、対象になります。お子様が足立区に在住していれば、通うフリースクールの所在地は問いません。ただし、そのフリースクールが東京都の助成事業の対象施設として認められている必要があります。対象施設は東京都のホームページで確認できます。
Q4. 助成金はいつ、どのように支払われますか?
A4. 助成金は後払いです。四半期ごとに利用実績と支払いの証明(領収書等)を提出し、その内容が審査された後、指定された保護者の口座に振り込まれます。支給は年4回(10月下旬、12月下旬、2月中旬、5月中旬)が目安です。
Q5. 申請書類はどこで手に入りますか?
A5. 申請書等の様式は、足立区の公式ホームページにある「足立区フリースクール等利用者支援助成金」のページからダウンロードできます。また、窓口である「こども支援センターげんき 教育相談課 登校支援係」でも配布しています。
7. まとめ:まずは東京都の助成金から手続きを始めましょう
今回は、足立区が実施する「フリースクール等利用者支援助成金」について詳しく解説しました。最後に重要なポイントをもう一度確認しましょう。
- 対象者: 足立区在住で、都の助成金交付決定を受けた小中学生の保護者
- 助成額: 自己負担額に対し、月額最大2万円
- 必須条件: 東京都の「フリースクール等利用者支援事業」の交付決定を受けていること
- 手続き: ①都へ申請 → ②区へ申請 → ③四半期ごとに実績報告・請求 → ④支給
- 注意点: 期限厳守と変更時の速やかな届け出
この助成金は、フリースクールという選択肢を経済的な理由で諦めることがないよう、力強く後押ししてくれる制度です。手続きは少し複雑に感じるかもしれませんが、一つ一つ着実に進めれば問題ありません。まずはお子様が利用している、または利用を検討しているフリースクールが東京都の助成対象かを確認し、東京都の制度への申請から始めてみてください。
不明な点があれば、一人で悩まずに足立区の担当窓口へ相談してみましょう。専門の職員が丁寧にサポートしてくれます。
問い合わせ・書類提出先
- 部署名: 足立区こども支援センターげんき 教育相談課 登校支援係
- 住所: 〒121-0816 東京都足立区梅島三丁目28番8号
- 電話: 03-3852-3652
- 公式サイト: 足立区フリースクール等利用者支援助成金