詳細情報
埼玉県行田市では、美しい桜並木や大切な果樹を脅かす特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の被害が深刻化しています。この害虫は、サクラやモモ、ウメといったバラ科の樹木に寄生し、内部から食い荒らし、最終的には枯死させてしまう恐ろしい存在です。行田市では、市民や事業者の皆さんと一丸となってこの問題に取り組むため、被害木の伐採や薬剤防除にかかる費用の一部を補助する「行田市クビアカツヤカミキリ対策事業補助金」を実施しています。この制度を活用すれば、専門業者に依頼する際の経済的負担を最大5万円まで軽減できます。この記事では、補助金の対象者、金額、申請方法から採択されるためのポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。大切な樹木を守り、地域の美しい景観を未来へ繋ぐために、ぜひ本制度をご活用ください。
この補助金のポイント
- 行田市内の個人・事業者が対象
- 被害木の伐採や薬剤防除の費用を補助
- 補助率は対象経費の2分の1、上限額は最大5万円
- 申請期間は2025年4月1日~2026年3月31日まで
- 申請は環境課窓口への持参が必須(郵送不可)
行田市クビアカツヤカミキリ対策事業補助金の概要
まずは、本補助金制度の全体像を把握しましょう。どのような目的で、誰が実施しているのかを理解することが、スムーズな申請への第一歩です。
正式名称と実施組織
- 正式名称:行田市クビアカツヤカミキリ対策事業補助金
- 実施組織:埼玉県行田市(担当窓口:環境経済部 環境課)
制度の目的と背景
この補助金は、特定外来生物であるクビアカツヤカミキリによる樹木への被害拡大を防止し、市内の緑豊かな環境や美しい景観を保全することを目的としています。クビアカツヤカミキリは繁殖力が非常に強く、一度侵入されると樹木を内部から食い荒らし、数年で枯死させてしまいます。特に、さきたま古墳公園をはじめとする市内の桜の名所が大きな脅威にさらされています。
この状況を受け、行田市では令和7年度から9年度までを「クビアカツヤカミキリ集中対策強化期間」と位置づけ、行政だけでなく市民や事業者が一体となった対策を推進しています。本補助金は、その対策の一環として、個人や事業者が行う防除活動の経済的負担を軽減し、より広範な対策を促進するために設けられました。
補助金額・補助率について
補助金を活用する上で最も気になるのが、いくら補助されるのかという点です。ここでは、具体的な補助金額と補助率、そして計算例を詳しく見ていきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 補助対象経費(税抜)の2分の1 |
| 上限金額 | 50,000円 |
| 計算方法 | 算出された補助金額の100円未満は切り捨て |
具体的な計算例
【ケース1】業者に依頼した伐採・処分費用が税抜80,000円だった場合
- 補助対象経費:80,000円
- 計算式:80,000円 × 1/2 = 40,000円
- 補助金額:40,000円(上限5万円の範囲内)
【ケース2】薬剤防除と一部伐採で合計費用が税抜120,000円だった場合
- 補助対象経費:120,000円
- 計算式:120,000円 × 1/2 = 60,000円
- 補助金額:50,000円(上限額が適用される)
補助金の対象者と条件
この補助金を受けるためには、いくつかの要件を満たす必要があります。申請してから対象外だったということがないよう、事前にしっかりと確認しておきましょう。
対象となる方(補助対象者)
以下のすべての要件を満たす個人および事業者が対象です。
- 行田市内にクビアカツヤカミキリの被害木を所有または管理していること。
- 被害木の伐採や薬剤防除を専門の業者に依頼し、費用が発生したこと。
- 同一年度内(4月1日~翌年3月31日)に、この補助金の交付をまだ受けていないこと(同一世帯員も含む)。
- 補助金の申請時点において、市税の滞納がないこと。
- 伐採や薬剤防除を、申請する年度内に完了させていること。
対象となる樹木(被害木)
補助の対象となるのは、以下の条件を満たす被害木です。
- フラス(幼虫のフンと木くずが混ざったもの)が発生している、または樹木が枯死している状況が写真等で確認できること。
- 埼玉県の「サクラの外来害虫クビアカツヤカミキリの被害防止の手引」に基づいて、適切な防除対策が講じられていること。
- 【伐採の場合】成虫が飛散しないようネットで覆うなどの逸出防止措置がとられ、申請年度内に焼却処分または1cm以下にチップ化されていること。
- 【薬剤防除の場合】上記の手引で効果があるとされる薬剤を使用し、申請年度内に施工が完了していること。
補助対象となる経費
どのような費用が補助の対象になるのかを正確に理解しておくことが重要です。対象経費と対象外経費を明確に区別しましょう。
対象経費リスト
- 伐採にかかる費用
- 樹木の伐採作業費
- 伐採木の運搬費
- 伐採木の焼却処分費、チップ化費用
- 薬剤防除にかかる費用
- 登録農薬などの薬剤購入費
- 薬剤の注入や散布にかかる作業費
対象外となる経費
- 消費税および地方消費税
- ご自身で作業した場合の人件費や道具代
- 補助金の申請手続きにかかる費用(書類作成費など)
- 振込手数料
申請方法と手順
補助金の申請は、正しい手順と書類の準備が不可欠です。ここでは、申請から交付までの流れをステップバイステップで解説します。
申請期間:2025年4月1日(火曜日)~2026年3月31日(火曜日)
※予算の上限に達した場合、期間内でも受付を終了する可能性があります。早めの対策と申請を心がけましょう。
申請のステップ
- 業者への相談・見積もり依頼:まず、造園業者やシルバー人材センターなど、伐採・防除作業を行える専門業者に相談し、見積もりを取得します。
- 写真撮影(施工前):被害状況がわかるように、フラスや木の全体像などを写真に撮っておきます。これが重要な証拠書類となります。
- 伐採・薬剤防除の実施:業者に作業を依頼し、完了させます。作業中や作業後の写真も忘れずに撮影しましょう。
- 費用の支払いと書類の受領:業者に費用を支払い、必ず領収書と作業内容のわかる明細書を受け取ります。
- 申請書類の準備・作成:市のホームページから申請書をダウンロードするか、環境課窓口で入手し、必要事項を記入します。
- 窓口へ提出:すべての必要書類を揃えて、行田市環境課の窓口へ直接持参して提出します。(郵送・代理人提出可)
- 審査・交付決定:市で書類審査が行われ、内容に問題がなければ交付が決定されます。
- 補助金の振込:後日、申請時に指定した口座へ補助金が振り込まれます。
必要書類一覧
申請には以下の書類が必要です。漏れがないようにチェックリストとしてご活用ください。
- (様式第1号)行田市クビアカツヤカミキリ対策事業補助金交付申請書兼請求書
- 本人確認書類の写し(運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証など)
- 被害木の伐採等に係る領収書(宛名、日付、金額、但し書き、発行者名が明記されているもの)
- 対象経費の詳細がわかるもの(見積書や請求書の内訳など)
- 被害木の現況写真
- ア. 被害状況が確認できる写真(フラスのアップなど)
- イ. 施工状況および施工完了が確認できる写真(作業前・作業中・作業後)
- 振込先口座が確認できるものの写し(通帳の表紙裏、キャッシュカードなど)
- その他、市が必要と認める書類
採択されるためのポイント
この補助金は、要件を満たして正しく申請すれば交付される可能性が高い制度です。しかし、書類の不備などで受理されないケースもあります。確実に補助金を受けるための重要なポイントをまとめました。
ポイント1:写真撮影を徹底する
最も重要なのが証拠となる写真です。「被害状況」「施工中」「施工後」の3点が明確にわかるように撮影しましょう。特に、クビアカツヤカミキリの被害の証拠である「フラス」は、はっきりと写るように接写してください。また、どの木に対して作業を行ったかわかるように、少し引いたアングルからの写真も用意すると万全です。
ポイント2:領収書と明細書の記載内容を確認する
業者から受け取る領収書には、「クビアカツヤカミキリ被害木の伐採費用として」など、作業内容が具体的に記載されているか確認してください。また、費用の内訳がわかる明細書も必ずもらいましょう。これにより、補助対象経費が明確になり、審査がスムーズに進みます。
ポイント3:県の「手引」を遵守する
補助の条件として、埼玉県の「サクラの外来害虫クビアカツヤカミキリの被害防止の手引」に基づいた対策が求められます。特に、伐採後の逸出防止措置(ネットで覆うなど)や、適切な処分(焼却・チップ化)、使用薬剤の選定などが重要です。依頼する業者にも、この手引に沿った作業を依頼するように伝えましょう。
ポイント4:不明な点は事前に環境課へ相談する
「この木は対象になるだろうか?」「この書類で大丈夫だろうか?」など、少しでも不安な点があれば、作業を依頼する前や申請書を提出する前に、行田市の環境課へ電話で相談することをおすすめします。事前に確認することで、手戻りを防ぎ、確実な申請につながります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 自分で伐採した場合も補助金の対象になりますか?
A1. いいえ、対象外です。この補助金は、専門の業者に伐採や薬剤防除を請け負わせた場合に発生した費用を対象としています。ご自身で作業された場合の人件費や道具代は補助されません。
Q2. 庭に被害木が複数本あります。まとめて申請できますか?
A2. はい、可能です。同一年度内であれば、複数本の伐採や複数回の薬剤防除をまとめて一括で申請できます。ただし、補助金の上限額は申請1回あたり5万円となります。
Q3. 申請は郵送でも受け付けてもらえますか?
A3. いいえ、郵送での申請は受け付けていません。必ず行田市環境課の窓口まで直接持参してください。ただし、ご本人様以外の方(ご家族など)による代理提出は可能です。
Q4. 補助金は申請してから、どのくらいで振り込まれますか?
A4. 申請書類に不備がなければ、審査を経て交付決定通知が送付され、その後、指定口座に振り込まれます。通常、申請から1ヶ月~2ヶ月程度かかることが多いですが、具体的な期間については申請時に窓口でご確認ください。
Q5. 被害木かどうかの判断に自信がありません。どうすればよいですか?
A5. フラス(木くずのようなもの)が出ているかどうかが一つの目安になります。判断に迷う場合は、ご自身で判断せずに、まずは行田市環境課にご相談ください。状況を説明し、アドバイスを受けることをお勧めします。
まとめと問い合わせ先
今回は、行田市の「クビアカツヤカミキリ対策事業補助金」について詳しく解説しました。この制度は、私たちの手で地域の貴重な緑を守るための力強いサポートです。
重要ポイントの再確認
- 対象:行田市内の被害木の所有者・管理者(個人・事業者)
- 内容:業者に依頼した伐採・薬剤防除費用の1/2を補助
- 金額:上限50,000円
- 期間:2026年3月31日まで
- 注意点:窓口持参申請、証拠写真、領収書が必須
ご自宅の庭木や管理されている土地の樹木に被害の兆候が見られたら、手遅れになる前に行動を起こしましょう。この補助金を賢く活用し、専門家による適切な処置を行うことで、被害の拡大を防ぐことができます。まずは、お気軽に下記の問い合わせ先にご相談ください。
申請・問い合わせ先
- 担当部署:行田市 環境経済部 環境課
- 住所:〒361-0031 埼玉県行田市緑町13-12
- 電話番号:048-556-9530
- 公式サイト:行田市クビアカツヤカミキリ対策事業補助金について