詳細情報
2023年4月から道路交通法が改正され、すべての自転車利用者にヘルメットの着用が努力義務化されました。しかし、「ヘルメットは少し値段が張るな…」と感じている方も多いのではないでしょうか。そんなあなたに朗報です!多くの自治体では、安全な自転車利用を促進するため、ヘルメット購入費用の一部を補助する制度を実施しています。この制度を活用すれば、安全基準を満たした高品質なヘルメットを実質的な割引価格で手に入れることが可能です。この記事では、愛知県(岡崎市、尾張旭市、江南市、豊川市)や東京都(小平市)などを例に、2025年度(令和7年度)の自転車ヘルメット購入補助金の対象者、補助金額、申請方法から注意点まで、誰にでもわかるように徹底的に解説します。ご自身やお子様、ご家族の安全を守るため、この機会にぜひ補助金制度をご活用ください。
この記事のポイント
- ヘルメット1個あたり最大2,000円(購入費の1/2)の補助が受けられる!
- 対象者は自治体によって異なり、全年齢対象の自治体も増加中。
- 申請には領収書と安全認証マークの確認が必須。
- 申請期間は2025年4月1日から2026年3月31日までが基本(予算上限に注意)。
- オンライン申請に対応している自治体もあり、手続きが簡単。
自転車ヘルメット購入補助金の概要
自転車ヘルメット購入補助金は、自転車乗車時のヘルメット着用を促進し、交通事故による頭部損傷などの被害を軽減することを目的とした制度です。多くの地方自治体が、国や都道府県と協調して事業を実施しています。
制度の目的と背景
警察庁のデータによると、自転車事故で亡くなった方の約6割が頭部に致命傷を負っています。一方で、ヘルメットを正しく着用していた場合の致死率は、非着用の場合と比較して大幅に低下することが分かっています。こうした背景から、2023年4月1日に改正道路交通法が施行され、年齢を問わず全ての自転車利用者にヘルメットの着用が努力義務化されました。この法改正を受け、各自治体は住民の安全意識向上とヘルメット普及を後押しするために、購入費用の一部を補助する事業を積極的に展開しています。
実施組織
この補助金制度は、主に市区町村が主体となって実施しています。多くの場合、愛知県のように都道府県が補助金を拠出し、それを受けて各市町村が住民向けの窓口となる「協調補助事業」の形をとっています。そのため、お住まいの市区町村のウェブサイトや広報誌で最新情報を確認することが重要です。
- 愛知県:岡崎市、尾張旭市、江南市、豊川市など多くの市町村で実施
- 東京都:小平市など各区市で実施
補助金額・補助率について
補助金額と補助率は、ほとんどの自治体で共通しています。非常にシンプルで分かりやすい内容です。
補助金額と計算方法
補助金額は、ヘルメット購入費用の2分の1で、上限は2,000円です。補助対象者1人につき1個、1回限りの申請となります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 購入費用の2分の1(10円未満の端数は切り捨て) |
| 補助上限額 | 2,000円 |
| 申請回数 | 1人につき1回限り |
具体的な計算例
- 例1:3,850円(税込)のヘルメットを購入した場合
3,850円 × 1/2 = 1,925円 → (10円未満切り捨て)→ 補助金額 1,920円
実質負担額:3,850円 – 1,920円 = 1,930円 - 例2:5,000円(税込)のヘルメットを購入した場合
5,000円 × 1/2 = 2,500円 → (上限2,000円のため)→ 補助金額 2,000円
実質負担額:5,000円 – 2,000円 = 3,000円
【重要】ポイント利用や送料は対象外!
購入時にポイントを利用した場合、ポイント利用分を差し引いた後の実際に支払った金額が補助対象経費となります。また、送料やヘルメット以外のアクセサリー代なども対象外ですのでご注意ください。
対象者・条件
補助の対象となる方の条件は、自治体によって異なります。ご自身がお住まいの自治体の条件を必ず確認しましょう。大きく分けて「年齢制限がある自治体」と「全年齢対象の自治体」があります。
自治体別 対象者・購入条件 比較表
| 自治体名 | 対象者 | 主な購入条件 |
|---|---|---|
| 愛知県 岡崎市 | ・満7歳~満18歳 ・満65歳以上 |
特になし(ネット購入も可) |
| 愛知県 江南市 | ・満7歳~満18歳 ・満65歳以上 |
特になし(ネット購入も可) |
| 東京都 小平市 | 全年齢対象 | 市内の販売店で購入したものに限る |
| 愛知県 尾張旭市 | 全年齢対象 | 特になし(ネット購入も可) |
| 愛知県 豊川市 | 全年齢対象 | 特になし(ネット購入も可) |
共通する条件
上記の個別の条件に加え、以下の条件は全ての自治体で共通しています。
- 申請日および購入日において、その自治体内に住民登録があること。
- 過去に同種の補助金(他の自治体での補助金も含む)の交付を受けていないこと。
- 暴力団員等ではないこと。
補助対象となるヘルメット(経費)
どんなヘルメットでも補助対象になるわけではありません。安全性を確保するため、一定の基準を満たした製品のみが対象となります。
対象となるヘルメットの条件
- 新品であること:中古品や個人間売買(フリマアプリ等)で購入したものは対象外です。
- 自転車乗車用に製造されたものであること:工事用やバイク用のヘルメットは対象外です。
- 安全性の認証を受けていること:下記のいずれかの安全認証マークが付いている製品である必要があります。
主要な安全認証マーク
| マーク | 名称 | 説明 |
|---|---|---|
| SGマーク | 一般財団法人製品安全協会 | 日本の安全基準。対人賠償責任保険が付いています。 |
| JCFマーク | 公益財団法人日本自転車競技連盟 | 主に競技用ヘルメットに付与される日本の認証です。 |
| CEマーク (EN1078) | EU加盟国の安全認証 | 欧州の安全基準。自転車用は「EN1078」の規格番号の記載が必要です。 |
| GSマーク | ドイツの安全認証 | ドイツの製品安全法に基づいた認証です。 |
| CPSCマーク | 米国消費者製品安全委員会 | 米国の安全基準。自転車用は「1203」の規格番号の記載が必要です。 |
購入前に、ヘルメット本体やパッケージ、取扱説明書などでこれらのマークが確認できるか必ずチェックしましょう。
申請方法・手順
申請方法は自治体によって窓口、郵送、オンラインと様々ですが、基本的な流れは同じです。
申請の4ステップ
- ヘルメットの購入:対象となるヘルメットを購入し、必ず領収書をもらいます。
- 必要書類の準備:申請書、領収書、本人確認書類などを揃えます。
- 申請:市役所の窓口、郵送、またはオンラインで申請手続きを行います。
- 補助金の受取:申請内容が審査され、問題がなければ後日、指定した口座に補助金が振り込まれます。
必要書類リスト
申請には以下の書類が必要です。自治体によって様式や要件が若干異なるため、必ず公式サイトで確認してください。
- 補助金交付申請書(兼実績報告書、請求書など):自治体のウェブサイトからダウンロードするか、窓口で入手します。
- 領収書(原本または写し):以下の項目が記載されている必要があります。
- 申請者またはヘルメット着用者の氏名
- 購入日(領収日)
- 購入金額(単価がわかるもの)
- 販売店名、住所、連絡先
- 購入品名(「ヘルメット代」などとわかる記載)
- 安全認証が確認できるもの:ヘルメット本体のマーク部分の写真、保証書や取扱説明書の写しなど。
- 申請者の本人確認書類の写し:運転免許証、マイナンバーカード(表面のみ)、健康保険証など。
- 振込先口座がわかるものの写し:通帳やキャッシュカードの写し。
自治体別 申請期間・申請方法 まとめ
| 自治体名 | 申請期間(令和7年度) | 申請方法 |
|---|---|---|
| 岡崎市 | ~2026年3月31日 | 窓口、郵送 |
| 小平市 | ~2026年3月31日 | 窓口、郵送 |
| 尾張旭市 | ~2026年3月31日 | 電子申請、窓口 |
| 江南市 | ~2026年2月27日 | 電子申請、窓口 |
| 豊川市 | ~2026年3月31日 | 窓口、郵送、支所提出 |
※注意:いずれの自治体も予算額に達し次第、期間内でも受付を終了する場合があります。購入後は早めに申請しましょう。
採択のポイントと注意点
この補助金は、要件を満たしていれば基本的に交付されるものですが、書類の不備で手続きが遅れたり、対象外となったりするケースもあります。スムーズに補助金を受け取るためのポイントを確認しておきましょう。
申請書作成のコツ
- 記入漏れ・間違いをなくす:申請書や請求書の記入例をよく確認し、住所、氏名、口座情報などを正確に記入しましょう。特に、押印が必要な場合は忘れないように注意が必要です。
- 消えない筆記用具を使用する:消せるボールペンや鉛筆で記入された書類は受付不可とされる場合がほとんどです。必ず黒のボールペンなどを使用してください。
よくある不採択・返戻理由
- 領収書の要件不備:「購入者氏名」「品名(ヘルメットとわかる記載)」がないレシートは認められないことが多いです。購入時に必ず補助金申請に使う旨を伝え、要件を満たした領収書を発行してもらいましょう。
- 対象外のヘルメット:安全認証マークがない、中古品である、などの理由で対象外となるケースです。購入前に必ず確認しましょう。
- 申請期限切れ:特に郵送の場合は必着日が設定されていることが多いので、余裕をもって手続きを行いましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. インターネット通販で購入したヘルメットも対象になりますか?
A1. 多くの自治体では対象となります。ただし、東京都小平市のように「市内の販売店での購入」を条件としている場合もあります。また、ネット購入の場合でも、補助金申請に必要な項目(購入者氏名、品名など)が記載された領収書や購入証明書が発行できるか、事前に確認が必要です。
Q2. 家族分のヘルメットをまとめて購入しました。申請はどのようにすればよいですか?
A2. 補助対象者1人につき1つの申請が必要です。領収書が1枚しかない場合は、代表者1名の申請に原本を添付し、他の家族の申請書にはその領収書のコピーを添付します。その際、コピーの余白に「原本は〇〇(代表者名)の申請書に添付」などと記載するよう指示されることが多いです。自治体のルールを確認してください。
Q3. レシートでも申請できますか?
A3. 自治体によります。原則として「領収書」が必要ですが、品名や購入者名が印字されているなど、要件を満たしていればレシートでも可とする自治体もあります。ただし、手書きの領収書を発行してもらうのが最も確実です。
Q4. 以前住んでいた市で補助金を受けました。引っ越し先で再度申請できますか?
A4. できません。この補助金は「1人につき1回限り」となっており、他の自治体で同種の補助金を受けた場合も対象外となります。
Q5. 申請してから補助金が振り込まれるまで、どのくらいかかりますか?
A5. 申請から1〜2ヶ月程度かかるのが一般的です。申請が集中する時期はさらに時間がかかることもあります。申請後に送付される「交付決定通知書」などで目安を確認しましょう。
まとめ:補助金を活用して、安全な自転車ライフを!
自転車ヘルメット購入補助金は、私たちの安全を守るための非常に有益な制度です。最後に重要なポイントを再確認しましょう。
- 補助額:購入費の1/2、上限2,000円。
- 対象者:お住まいの自治体の要件を確認(全年齢対象の自治体も!)。
- 対象ヘルメット:SGマークなどの安全認証付きの新品。
- 必須書類:要件を満たした領収書が最重要。
- 申請時期:予算がなくなる前に、購入後すみやかに申請を。
自分や家族の命を守るヘルメット。この補助金制度を賢く利用して、ぜひ着用を習慣にしてください。まずは、お住まいの自治体のウェブサイトで詳細を確認し、安全でお得な自転車ライフをスタートさせましょう。
各自治体のお問い合わせ先(一例)
- 岡崎市 防犯交通安全課:0564-23-6340
- 小平市 交通対策課:042-346-9827
- 尾張旭市 市民活動課:0561-76-8128
- 江南市 防災安全課:0587-50-0174
- 豊川市 人権生活安全課:0533-89-2149