詳細情報
東京都では、地球温暖化対策の一環として、BIM(Building Information Modeling)を活用した省エネ建築設計を推進するため、助成金制度を開始します。この助成金は、都内の新築建築物(戸建て住宅を除く)の設計を行う事業者様が、設計の初期段階からBIMデータを活用して環境性能を解析し、省エネ設計に取り組む際の経費を一部助成するものです。最大450万円の助成を受け、より環境に配慮した建築物を実現しませんか?
BIMを活用した省エネ建築設計・実装支援事業(助成金)の概要
この助成金は、東京都が公益財団法人東京都環境公社と連携して実施する事業です。三次元設計モデル(BIM)を活用した新築建築物の省エネ設計手法の普及を目的としています。
正式名称
BIMを活用した省エネ建築設計・実装支援事業
実施組織
東京都、公益財団法人東京都環境公社(東京都地球温暖化防止活動推進センター(愛称:クール・ネット東京))
目的・背景
2030年カーボンハーフ、そして2050年ゼロエミッション東京の実現に向け、環境性能の高い建築設計が重要な鍵となります。この助成金は、BIMを活用した省エネ設計手法の普及を目的としています。
対象者の詳細
都内の新築建築物(戸建て住宅を除く)の設計業務において、BIMを活用している、または活用する予定である意匠設計者、構造設計者、設備設計者等の関係者によって構成されるグループが対象です。グループの代表事業者は建築士事務所登録を行っている者に限ります。
助成金額・補助率
助成対象経費に対して、東京都建築物環境配慮指針に基づく評価段階に応じて助成率が異なります。
評価段階 | 助成率 | 助成上限額 |
---|---|---|
段階3の評価を取得 | 助成対象経費の3分の2 | 450万円 |
段階1または段階2の評価を取得 | 助成対象経費の3分の1 | 450万円 |
例えば、ソフトウェア利用費、専門家指導費、研修会受講費の合計が600万円の場合、段階3の評価を取得すれば、600万円 × 2/3 = 400万円の助成金を受け取ることができます。
対象者・条件
この助成金の対象となるのは、以下の条件をすべて満たす事業者です。
- 都内の新築建築物(戸建て住宅を除く)の設計業務であること。
- 設計業務において、BIMを活用している、または活用する予定であること。
- 設計の初期段階からBIMデータを用いて新築建築物の省エネ性能の解析や把握を行いながら、関係する設計者全員の共通理解のもとで一体的な省エネ設計を行うものであること。
- BIMの活用方法、省エネ性能の目標、助成対象事業の利用等について建築主の承諾を得ていること。
- 東京都建築物環境配慮指針別表第1の「建築物の熱負荷の低減」及び「省エネルギーシステム」の項に対応する同表の配慮すべき事項の欄に掲げる事項についての配慮を行い、環境への配慮のための措置を定めるものであること。
- 環境への配慮のための措置についての取組状況について、建築物の住宅の用途又は住宅以外の用途の別に定める東京都建築物環境配慮指針別表第1に掲げる評価基準への適合状況を把握し、適合する評価基準に対応する同表の評価基準の段階により評価を行い、段階3の評価を目指すものであること。
- 実績の報告期限(助成事業が完了した日から60日以内または令和9年11月末日のいずれか早い日)までに、公社に当該評価の報告をすること。
例えば、都内でオフィスビルを新築する設計グループが、BIMを活用して日射量解析や照明解析を行い、省エネ性能の向上を目指す場合、この助成金の対象となります。
補助対象経費
助成の対象となる経費は以下の通りです。
- ソフトウェア利用費:BIMデータを用いて設計する新築建築物の省エネ性能の解析を行うためのソフトウェア(環境解析ツール)の導入または利用に要する経費。
- 専門家指導費:BIM管理技士等から環境解析ツールの操作方法の指導を受ける際に要する経費。
- 研修会受講費:環境解析ツールの操作等に係る研修等の受講に要する経費。
注意:BIMデータ(BIMモデル)作成費は対象外です。ただし、国の「BIM加速化事業」及び「建築GX・DX推進事業(BIM活用型)」を併給することは可能です。
申請方法・手順
申請は原則として電子メールで行います。以下の手順に従って申請してください。
- 申請書類一式をダウンロードします。(クール・ネット東京のウェブサイトからダウンロードできます。)
- 申請書類に必要事項を記入します。
- 申請書類を電子メールに添付し、
cnt-bim-syoene@tokyokankyo.jp
宛に送信します。 - メールの件名を「【BIMを活用した省エネ建築設計・実装支援事業】交付申請_代表企業名」としてください。
申請書類の詳細は、クール・ネット東京のウェブサイトでご確認ください。
必要書類
- 交付申請書
- 事業計画書
- 経費内訳書
- グループ構成員名簿
- 建築士事務所登録証明書の写し(代表事業者)
- その他、公社が必要と認める書類
申請期限・スケジュール
申請受付期間は、令和7年7月1日(火曜日)から令和9年3月31日(水曜日)までです。ただし、予算額に達し次第、受付を終了します。
採択のポイント
採択されるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
- BIMを活用した省エネ設計の具体的な計画を示すこと。
- 東京都建築物環境配慮指針に基づく評価で高い段階を目指すこと。
- 申請書類を正確かつ丁寧に作成すること。
審査基準
審査では、事業の目的、計画の妥当性、経費の妥当性などが総合的に評価されます。
申請書作成のコツ
申請書は、審査員が内容を理解しやすいように、具体的に、わかりやすく記述することが重要です。図や表を効果的に活用し、視覚的に訴えることも有効です。
よくある質問(FAQ)
Q: 助成金の対象となる建築物はどのようなものですか?
A: 都内の新築建築物(戸建て住宅を除く)が対象です。オフィスビル、商業施設、集合住宅などが該当します。
Q: BIMモデル作成費は助成対象になりますか?
A: いいえ、BIMモデル作成費は助成対象外です。ただし、国の「BIM加速化事業」及び「建築GX・DX推進事業(BIM活用型)」を併給することは可能です。
Q: 申請は郵送でも可能ですか?
A: いいえ、申請は原則として電子メールのみです。
Q: 助成金の申請はいつからできますか?
A: 令和7年7月1日から申請可能です。
Q: 申請に必要な書類は何ですか?
A: 交付申請書、事業計画書、経費内訳書、グループ構成員名簿、建築士事務所登録証明書の写し(代表事業者)などが必要です。詳細はクール・ネット東京のウェブサイトをご確認ください。
まとめ・行動喚起
東京都のBIMを活用した省エネ建築設計・実装支援事業は、省エネ建築の推進に貢献する絶好の機会です。最大450万円の助成金を活用し、環境に優しい建築物を実現しましょう。申請をご検討の方はお早めにクール・ネット東京のウェブサイトをご確認ください。
ご不明な点がありましたら、以下の問い合わせ先までお気軽にご連絡ください。
問い合わせ先:
東京都地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)
電話:03-6258-5313(9時00分~12時00分、13時00分~17時00分(土曜日・日曜日・祝祭日・年末年始は除く))
メール:cnt-bim-syoene@tokyokankyo.jp