昨今の世界情勢の影響を受け、肥料価格は依然として高止まりしており、多くの農業経営者を悩ませています。埼玉県川越市では、このような厳しい状況下で農業を営む皆様を支援するため、「川越市肥料価格高騰対策支援金」を実施します。この制度は、肥料購入費の一部を補助することで、経営負担を軽減し、地域農業の持続的な発展を後押しすることを目的としています。具体的には、肥料購入費の3分の1、最大10万円が補助されます。この記事では、川越市で農業を営む皆様がこの貴重な支援金を確実に活用できるよう、対象者の条件から申請方法、必要書類、採択のポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。申請期間は令和7年9月1日から令和8年2月10日までです。早めの準備で、経営の安定化を図りましょう。
この記事のポイント
✓ 川越市肥料価格高騰対策支援金の目的と概要がわかる
✓ 自分が対象者かどうかを正確に確認できる
✓ 補助金額の計算方法や対象経費が具体的にわかる
✓ 申請から交付までの流れと必要書類がすべてわかる
✓ 申請で失敗しないための注意点やコツがわかる
川越市肥料価格高騰対策支援金の概要
本支援金は、肥料価格の高騰に直面する川越市内の農業者の経営安定化を目的とした、市独自の支援制度です。農業経営に不可欠な肥料の購入コストを直接的に補助することで、生産者の負担を軽減し、安心して農業を継続できる環境を整えることを目指しています。
制度の基本情報
まずは、制度の全体像を把握するために、基本的な情報を表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 川越市肥料価格高騰対策支援金 |
| 実施機関 | 川越市(産業観光部 農政課) |
| 申請期間 | 令和7年9月1日(月)~ 令和8年2月10日(火)※消印有効 |
| 補助上限額 | 10万円(1農家世帯または1法人あたり) |
| 補助率 | 対象となる肥料購入費(税抜)の3分の1以内 |
| 対象者 | 川越市内で農産物を生産・販売する農業者(個人・法人) |
支援金額と補助率について
支援金の額は、対象期間中に購入した肥料の費用に基づいて計算されます。ここでは、具体的な計算方法と注意点を解説します。
支援金額と補助率
- 補助率: 交付対象となる肥料購入費(消費税額は除く)の3分の1以内です。
- 補助限度額: 1農家世帯または1法人あたり10万円が上限です。
- 端数処理: 算出した交付申請額に100円未満の端数がある場合は、その端数を切り捨てます。
【重要】予算に関する注意点
全申請者からの申請額の合計が市の予算を超えた場合、交付金額が減額される可能性があります。申請を検討している方は、早めに手続きを進めることをお勧めします。
計算例で確認しよう
具体的な計算方法を例で見てみましょう。
例1:対象期間中の肥料購入費(税抜)が45万円の場合
450,000円 × 1/3 = 150,000円
→ 補助限度額の10万円を超えるため、交付額は100,000円となります。
例2:対象期間中の肥料購入費(税抜)が21万5千円の場合
215,000円 × 1/3 = 71,666.6…円
→ 100円未満の端数を切り捨てるため、交付額は71,600円となります。
支援対象者(交付対象者)の詳細
この支援金を受け取るためには、いくつかの要件をすべて満たす必要があります。ご自身が対象となるか、以下の項目でしっかり確認してください。
対象となる農業者の必須要件
以下のすべてを満たす方が対象です。
- 川越市内に住所を有する農家世帯員、または市内に本店所在地を置く法人であること。
- 川越市内の農地で耕作を行い、生産した農産物を販売または出荷していること。(自家消費のみは対象外)
- 農地台帳に登載された農家世帯員または法人であること。
法人に関する特記事項
法人の場合は、上記の要件に加え、以下のいずれかに該当する必要があります。
- 農地所有適格法人である。
- 農地所有適格法人以外で、農地法に基づき市農業委員会に令和6年度分の事業の状況報告等を行った法人である。
対象外となるケース
上記の要件を満たしていても、以下に該当する場合は交付対象者となりません。
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団に関係する者。
- 川越市税条例に規定する市税の滞納がある者。
補助対象となる肥料と経費
どのような肥料が対象になるのか、購入期間などの条件を詳しく見ていきましょう。
対象となる肥料の条件
「肥料の品質の確保等に関する法律」に規定される肥料で、以下のすべてを満たすものが対象です。
- 購入期間:令和7年4月1日から令和8年1月31日までに購入した肥料であること。
- 使用目的:令和7年度中に使用する目的で購入されたものであること。
- 用途:農業用として適切に使用されるものであること。
水稲用肥料の特例について
水稲に使用する目的で購入した肥料に限り、特例が設けられています。
【水稲用肥料の特例】
水稲の次期作(令和8年4月から6月までに作付けされる水稲)のために使用する肥料も対象となります。
【注意点】
今期作分(令和7年度中に使用)と次期作分(令和8年4月~6月使用)を併せて一度に申請することはできません。どちらか一方を選択して申請してください。
申請方法と手続きの流れ
申請は、必要書類を揃えて窓口に持参するか、郵送で行います。ここでは、申請の具体的なステップと必要書類について詳しく解説します。
申請期間
申請期間は令和7年9月1日(月曜)から令和8年2月10日(火曜)までです。郵送の場合は2月10日の消印有効となります。期限を過ぎるといかなる理由があっても受け付けられませんので、余裕を持った申請を心がけましょう。
申請の4ステップ
- 申請書類の入手: 川越市の公式サイトからダウンロードするか、農政課窓口や市内JAいるま野各支店などで配布されている書類を入手します。
- 必要書類の準備: 領収書や出荷伝票など、申請に必要な書類をすべて揃えます。
- 申請書の記入: 交付申請書兼請求書と申請対象肥料一覧に、記載例を参考にしながら正確に記入します。
- 提出: 準備したすべての書類を、川越市役所本庁舎5階の農政課窓口へ持参するか、郵送で提出します。
必要書類一覧
申請には以下の書類が必要です。漏れがないようにチェックリストとしてご活用ください。
- □ 様式第1号(交付申請書兼請求書)
- □ 様式第1号別添(申請対象肥料一覧)
- □ 振込先金融機関口座確認書類の写し(通帳の表紙裏面など、金融機関名・支店名・口座種別・口座番号・口座名義人がわかるもの)
- □ 領収書等、肥料を購入したことがわかる書類の写し(購入日、購入者名、品名、数量、金額が明記されているもの)
- □ 出荷伝票等、販売・出荷していることが確認できる書類の写し(直売所の販売証明書なども可)
申請書類の配布・ダウンロード場所
- 川越市公式サイト(こちらからダウンロード)
- 農政課窓口(川越市役所本庁舎5階)
- 市内JAいるま野各支店
- JAいるま野第一営農販売センター
- JAいるま野川越第一共販センター
採択されるためのポイントと注意点
本支援金は要件を満たせば比較的採択されやすい制度ですが、書類の不備などで交付が遅れたり、対象外となったりするケースもあります。スムーズに交付を受けるためのポイントを押さえておきましょう。
申請書作成のコツ
- 記載例を熟読する: 公式サイトで公開されている記載例をよく確認し、その通りに記入しましょう。特に金額の計算や押印箇所は間違いやすいポイントです。
- 領収書と肥料一覧を一致させる: 「申請対象肥料一覧」に記入する内容は、添付する領収書の内容と完全に一致している必要があります。転記ミスがないか、提出前に何度も確認しましょう。
- 金額計算は慎重に: 補助対象は税抜価格です。税込価格しか記載がない領収書の場合は、ご自身で税抜価格を計算して記入する必要があります。
よくある不備・不採択理由
- 申請期限超過: 最も多い不採択理由です。期限は厳守してください。
- 書類の不足・不鮮明: 必要書類が一つでも欠けていたり、コピーが不鮮明で読み取れなかったりすると、審査が進みません。
- 対象外期間の領収書: 令和7年4月1日より前、または令和8年1月31日より後の日付の領収書は対象外です。
- 市税の滞納: 申請前に納税状況を必ず確認してください。
よくある質問(FAQ)
申請にあたって疑問に思う点をQ&A形式でまとめました。
Q1. 複数の店舗で肥料を購入した場合、領収書はすべて必要ですか?
A1. はい、申請するすべての肥料購入に関する領収書の写しが必要です。「申請対象肥料一覧」にまとめて記入し、すべての領収書を添付してください。
Q2. 家庭菜園で使う肥料も対象になりますか?
A2. いいえ、対象外です。本支援金は、生産した農産物を販売または出荷している事業としての農業者が対象となります。
Q3. 領収書を紛失してしまいました。どうすればよいですか?
A3. 購入した店舗に連絡し、領収書の再発行や購入証明書の発行を依頼してください。購入の事実が客観的に証明できない場合は、その分の費用は対象外となる可能性があります。
Q4. 交付金はいつ頃振り込まれますか?
A4. 交付時期は、令和8年3月上旬が予定されています。審査状況により前後する可能性があります。
Q5. クレジットカードで支払った場合、利用明細でも大丈夫ですか?
A5. クレジットカードの利用明細だけでは、購入した品目(肥料であること)が確認できないため不十分です。必ず、品名、数量、単価などが記載されたレシートや領収書を店舗から受け取り、それを提出してください。
まとめ:早めの準備で支援金を活用しよう
今回は、川越市の農業者を支える「肥料価格高騰対策支援金」について詳しく解説しました。最後に重要なポイントを再確認しましょう。
- 対象者: 川越市内で農産物を生産・販売する農業者(個人・法人)
- 補助額: 肥料購入費(税抜)の1/3、上限10万円
- 対象購入期間: 令和7年4月1日~令和8年1月31日
- 申請期間: 令和7年9月1日~令和8年2月10日(消印有効)
- 注意点: 期限厳守、書類不備、市税滞納に注意
この支援金は、厳しい経営環境にある農業者の皆様にとって大きな助けとなる制度です。対象期間の領収書は大切に保管し、申請期間が始まったら速やかに手続きを進めましょう。不明な点があれば、早めに市の担当窓口に相談することをお勧めします。
お問い合わせ先
産業観光部 農政課 経営支援担当
〒350-8601 川越市元町1丁目3番地1
電話番号:049-224-5939
ファクス番号:049-224-8712