東京都で林業や木材関連事業を営む皆様へ。環境配慮やSDGsへの関心が高まる中、「森林認証」の取得は企業の信頼性向上と販路拡大に不可欠です。しかし、認証取得にはコンサルティング費用や審査料など、少なくないコストがかかります。そこで活用したいのが、東京都が実施する「農林水産物認証取得支援事業(森林認証取得支援事業)」です。この記事では、制度の概要から対象者、申請方法までを専門家が分かりやすく解説します。
森林認証取得支援事業の概要
この事業は、適切に管理された森林から産出された木材であることを第三者機関が認証する「森林認証」の取得を支援するものです。消費者が認証ラベルの付いた製品を選ぶことで、持続可能な森林管理を促進することを目的としています。東京都では、公益財団法人東京都農林水産振興財団が、認証取得にかかる経費の一部を補助しています。
補助金のポイント早わかり表
項目 | 内容 |
---|---|
制度名 | 農林水産物認証取得支援事業(森林認証取得支援事業) |
対象者 | 東京都内の森林所有者、製材事業者、二次加工事業者など |
補助対象経費 | 認証取得に係るコンサルタント契約料、審査料、年間公示料など |
補助率 | 2分の1以内 |
補助上限額 | コンサルタント契約料は最大40万円 |
募集期間 (令和7年度) | 2025年4月14日(月) ~ 2026年3月19日(木) |
実施団体 | 公益財団法人東京都農林水産振興財団 |
誰が対象?詳細な要件をチェック
この補助金は、取得する認証の種類によって対象者が異なります。
森林管理認証 (FM認証) の対象者
- 東京都内に所在する森林の所有者または管理者
- 中小企業者等であること
- 東京の木多摩産材認証協議会に登録していること
木材認証 (CoC認証) の対象者
以下のいずれかに該当する事業者様が対象です。
- 素材生産事業者、原木市場または製材事業者で、東京の木多摩産材認証協議会に登録している者
- 中小企業者等で、かつ東京の木多摩産材の取扱実績がある二次加工事業者または流通事業者等
※「中小企業者等」の具体的な定義など、詳細は必ず公式の募集案内をご確認ください。
何に使える?補助対象経費の詳細
補助の対象となる経費は、認証の段階に応じて以下の通りです。
事業区分 | 対象経費 |
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取得 (初回審査) | 認証取得に係るコンサルタント契約料、初回審査料、年間公示料 |
定期審査、更新審査 | 定期審査料、更新審査料、年間公示料 |
⚠️ 申請時の重要注意ポイント
- 契約は必ず「交付決定後」に! 交付決定日より前に契約・着手した経費は補助対象外となります。
- 消費税は対象外です。補助対象経費の計算には含めないでください。
- コンサルタント契約料の補助額は40万円が上限です。
- 申請は随時受付ですが、予算がなくなり次第、受付を終了することがあります。早めの行動が鍵です。
申請から受給までの5ステップ
- 1事前相談・申請書類の準備
まずは担当窓口に相談し、公式サイトから申請様式をダウンロードして準備を進めます。 - 2審査・交付決定
財団による審査が行われ、採択されると「交付決定通知書」が届きます。 - 3事業の実施
交付決定通知を受け取ってから、コンサルタントや審査機関との契約を行い、認証取得を進めます。 - 4実績報告・請求
期間内に認証審査に合格(事業完了)した後、実績報告書と補助金請求書を財団に提出します。 - 5補助金の受給
提出書類の内容が確認された後、指定の口座に補助金が振り込まれます。
申請書類・公式情報はこちら
申請に必要な書類や制度の最新情報は、必ず公式サイトでご確認ください。以下のリンクから募集案内や申請様式をダウンロードできます。
まとめ
東京都の「森林認証取得支援事業」は、持続可能な森林経営と多摩産材のブランド価値向上を目指す事業者にとって、非常に価値のある制度です。認証取得にかかる経済的負担を大幅に軽減できるこの機会をぜひご活用ください。申請は先着順で予算上限に達し次第終了となるため、早めの準備と申請をおすすめします。
お問い合わせ先
公益財団法人東京都農林水産振興財団 地産地消推進課
電話番号: 042-528-0510