大分県で医療機器開発に取り組む中小企業の皆様へ朗報です。自社の技術を活かして医療分野への参入や事業拡大を目指す企業を対象とした、最大400万円の補助金「医工連携医療関連機器等事業化補助事業」の追加公募が開始されました。この記事では、補助金の概要から申請方法、注意点までをプロが徹底解説します。
令和7年度「医工連携医療関連機器等事業化補助事業」とは?
この補助金は、大分県が推進する「東九州メディカルバレー構想」の一環として、県内中小企業の医療関連機器分野への挑戦を支援するものです。大学や医療機関などと連携し、自社の技術シーズを活用した医療関連機器の研究開発や実用化、事業化にかかる経費の一部を補助することで、地域産業の活性化と医療の質の向上を目指します。
この補助金の3つのメリット
- 高額な補助金: 事業化を目指す「事業化枠」では最大400万円、「試作品開発枠」でも最大200万円の支援が受けられます。
- 幅広い経費が対象: 機械装置費や原材料費はもちろん、共同研究費や専門家への謝金、人件費まで幅広くカバーします。
- 強力な連携体制の構築: 大学や医療機関との連携が必須のため、専門的な知見を得ながら事業を進めることができます。
補助金の詳細(概要)
補助金の主な内容は以下の通りです。事業フェーズに合わせて2つの枠が用意されています。
項目 | A. 事業化枠 | B. 試作品開発枠 |
---|---|---|
補助率 | 補助対象経費の2/3以内 | |
補助限度額 | 400万円 | 200万円 |
採択予定件数 | 3件程度 | 1件程度 |
対象事業 | 大学、医療機関等と連携して行う医療関連機器の研究開発、実用化開発、または医療機器等の申請・届出、規格認証等の取得。 | |
応募条件 | – | 同一または類似テーマで他の機関に申請・採択されていないこと。 |
補助対象経費
事業の遂行に直接必要な経費として、以下のような幅広い費用が対象となります。
- プラント・機械装置費
- 原材料費
- 外注加工・分析費
- 委託費、共同研究費
- 人件費(※条件あり)
- 旅費、謝金・報償費
- 手数料、事務庁費
申請の条件と注意点
応募資格
申請するには、以下のすべての条件を満たす必要があります。
- 大分県医療ロボット・機器産業協議会の会員であること。
- 事業の実施主体が大分県内に事業所を持つ中小企業であること。(連携相手は県外企業や大企業でも可)
- 大学等研究機関、医療機関・福祉施設、医療機器製造販売業者等のいずれか1つ以上を含む共同体を形成していること。
⚠️ 申請前の重要確認事項
- 同一事業で他の公的機関から重複して資金交付を受けていないこと。
- 他者の知的財産権を侵害しないことを確認済みであること。
- 事業を遂行するための安定的な財務基盤を有していること。
申請手続きとスケジュール
申請から採択までの流れ
- 1公募要領を確認し、事業計画書等の必要書類を準備します。
- 2「大分県スマート申請システム」から電子申請を行います。
- 3書類審査後、プレゼンテーションによる審査会が実施されます。
- 4審査結果に基づき、採択事業が決定・通知されます。
- 5採択後、補助金の交付申請手続きを行います。
主要スケジュール
申請受付期間 | 令和7年8月上旬~9月上旬頃(※追加公募のため、正確な期間は公式サイトで必ずご確認ください) |
審査会 | 令和7年9月下旬~10月上旬頃(予定) |
まとめと公式情報
「医工連携医療関連機器等事業化補助事業」は、大分県の中小企業が医療分野で大きく飛躍するための強力な後押しとなる制度です。研究開発から事業化までを見据えた計画を立て、大学や医療機関との連携を深めることで、採択の可能性は大きく高まります。追加公募は期間が短い場合があるため、早めの情報収集と準備が成功のカギとなります。
本事業に関するお問い合わせ先
大分県医療ロボット・機器産業協議会事務局
(大分県商工観光労働部工業振興課内)
担当:後藤 氏
TEL: 097-506-3276
E-mail: jimukyoku@medical-valley.jp
住所: 〒870-8501 大分市大手町3丁目1番1号