定額減税の恩恵を最大限に受ける。「不足額給付」で失われた控除を取り戻す
「定額減税は適用されたけれど、結局、税金が少なすぎて満額の恩恵を受けられなかったのではないか?」
2024年(令和6年)に実施された定額減税措置について、あなたもこのように不安に感じていませんか。特に、年の途中で退職したり、家族が増えたりした方は、当初の計算(推計)が実際の状況(実績)とズレている可能性が非常に高いです。その「引ききれなかった分」は、諦める必要はありません。
「不足額給付」は、定額減税の公平性を担保する最後のセーフティネットです。この権利を失わないよう、正しい知識と手順を学び、行動を起こしましょう。
定額減税補足給付金(不足額給付)とは?その本質と位置づけ
定額減税補足給付金は、一般的な「補助金」や「助成金」とは性質が異なり、税制措置である定額減税の「確定精算」を行うための給付措置です。その目的は、納税額が少なく定額減税の恩恵を十分に受けきれない納税者に対し、現金で不足分を補填し、経済対策の恩恵を等しく行き渡らせることにあります [1]。支給は各市区町村が主体となって実施します。
制度の構造:「調整給付」と「不足額給付」の違い
この給付金制度は、時間軸に応じて二段階で構成されています。
- 【当初】調整給付(当初給付):2024年夏頃に、前年(令和5年)の所得情報から推計した税額に基づき、おおよその不足額を迅速に支給するための措置でした [1, 2]。多くの場合、申請受付は終了しています [1]。
- 【確定】不足額給付(追加給付):私たちが今から準備すべき給付です。2024年(令和6年)の所得税と定額減税の「実績」が確定した後、当初給付で不足が生じた場合に、その差額を追加で支給する措置です [1]。
当初の「調整給付」はあくまで推計に基づいています。あなたの実際の経済状況(例:年の途中での退職、扶養親族の増加)は、2024年分の所得税が確定するまで正確に反映されません。不足額給付は、この実績と推計のズレを是正するために、2025年(令和7年)以降に実施されます [1, 3]。
本制度の3つの大きな特徴
この給付金には、他の一般的な制度にはない、次の3つの特徴があります。
- 【特徴1】非課税措置:この給付金は、所得税や個人住民税が課税されません。また、差押えの対象とならず、生活保護制度の収入認定からも除外されます。純粋な生活支援として設計されています [1]。
- 【特徴2】算定は「切り上げ」:不足額の合計が算出された際、その金額は1円単位ではなく、1万円単位で切り上げて支給されます。例えば、不足額が15,000円だった場合でも、切り上げにより20,000円が給付されます [1, 2]。
- 【特徴3】低所得者向け給付との併給が可能:不足額給付(I)は、過去に非課税世帯等への給付金を受給していた方でも、併給が可能です。これは、異なる時期の経済状況に基づいた措置であるためです [4]。
本給付金が「向いている方」
特に以下のケースに心当たりのある方は、不足額給付の対象となる可能性が極めて高いです。
- 令和6年中に、退職や休職、事業の不振などで所得が大幅に減少した方 [3]。
- 令和6年中に、出産や親族の同居により、所得税上の扶養親族が新たに増えた方 [5, 4]。
- 納税者だが、多額の医療費控除や生命保険料控除などの適用により、定額減税前の所得税・住民税がゼロになった「ゼロ課税者」の方(不足額給付IIの可能性) [6]。
あなたは対象者?定額減税補足給付金(不足額給付)の厳密な診断
不足額給付の対象者は、大きく「不足額給付I(所得・扶養の変動による不足)」と「不足額給付II(ゼロ課税特例)」に分類されます。あなたの状況がどちらに該当するかをチェックしましょう。
ステップ1:不足額給付Iの必須チェックリスト
以下の5つの条件のうち、1つでも該当すれば、当初の調整給付額に「不足」が生じている可能性が高いです。
- 【チェック1】2024年(令和6年)中に退職・休職し、2023年(令和5年)の所得に比べて大幅に収入が減った [3]。
- 【チェック2】2024年(令和6年)12月31日までに、子どもが生まれたり、親族を扶養に入れることになったりして、所得税の扶養親族が増えた [5, 7]。
- 【チェック3】2024年分の所得税計算で、多額の医療費控除や住宅ローン控除を適用し、結果的に納税額が減税可能額を下回った。
- 【チェック4】2023年(令和5年)の所得が高く、住民税の扶養親族対象外だったが、2024年(令和6年)の所得が減り、所得税の扶養親族対象となった人が世帯にいる.[6]
- 【チェック5】当初の調整給付の通知書(または確認書)が届いたが、記載されている見込み額に疑問がある、または手続きをしなかった。
ステップ2:不足額給付II(ゼロ課税特例)の判定
不足額給付IIは、以下の特殊な要件をすべて満たす納税者への特例措置です [6]。
- 合計所得金額が48万円を超えている。(=低所得世帯向けの給付金の対象外)
- 各種控除適用後、2024年分の所得税額および2024年度の個人住民税所得割額が、ともに「0円」である。(=定額減税の恩恵を全く受けられない)
- 世帯の誰も、当初の調整給付または低所得世帯向け給付を受給していない。(=政策の狭間にいる者) [6]
この特例給付は、「定額減税も低所得世帯向け給付も受けられなかった」層を救済するものです。もし、既に当初の調整給付や低所得世帯向け給付(例:7万円給付、10万円給付)を受給している場合は、この不足額給付IIの対象外となります [6]。
対象となる具体例と対象外ケース
✅ 不足額給付の対象となる具体例
- 【例1:所得減少】会社員Aさん。2023年は年収600万円だったが、2024年4月に退職。退職金を除いた年収が200万円に減少。2024年分の所得税が当初の推計より大幅に低くなったため、調整給付に不足が生じた(不足額給付Iの対象) [3]。
- 【例2:扶養増加】Bさん一家。2024年11月に第2子が誕生。扶養親族が1人増えたことで、定額減税の総額が増加。当初の推計額ではこの増加分に対応できなかったため、不足額給付Iの対象となる [5, 4]。
- 【例3:ゼロ課税特例】Cさん(単身)。合計所得金額は300万円だが、2024年に高額な医療費を支払い、多額の医療費控除を適用。その結果、所得税・住民税所得割がともに0円となり、他の給付も受けていない(不足額給付IIの対象) [6]。
❌ 定額減税補足給付金の対象外ケース
- 世帯全員が2024年度の住民税非課税世帯、または住民税均等割のみ課税世帯である場合(→別途、低所得世帯向け給付の対象となります)。
- 当初の調整給付によって、定額減税の控除不足額がすでに全額補填されている場合 [1]。
- 令和7年になってから子どもが生まれたなど、令和6年12月31日時点で扶養親族の状況に変動がない場合 [7]。
給付額の厳密な計算ロジック:1万円単位「切り上げ」の仕組み
定額減税補足給付金(不足額給付)は、定額減税で「引ききれなかった額」を算出し、その合計額を切り上げて、既に支給された調整給付額を差し引いて決定されます。ここでは、その算定メカニズムを詳細に解説します。
給付額算定の基本原則と「切り上げ」ルール
最終的な給付額は、以下の式に基づき、個別に算定されます [1, 2]。
※ この合計額を1万円単位で切り上げて確定させます [1, 2]。
(不足額給付の支給額) = (確定後の真の調整給付額) − (当初支給された調整給付額)
この「1万円単位での切り上げ」が、本給付金制度の大きな特徴です。例えば、合計控除不足額が10,001円であれば20,000円、32,000円であれば40,000円が、当初給付で不足が生じた場合に支給されます [1, 2]。
計算ステップ1:定額減税可能額(総額)の把握
まず、あなたの世帯が本来受けられる定額減税の総額(定額減税可能額)を把握します。これは、「本人」と「扶養親族数」によって決まります。
- 所得税の定額減税可能額: 30,000円 × (本人 + 扶養親族数) [2]
- 住民税の定額減税可能額: 10,000円 × (本人 + 扶養親族数) [2]
計算ステップ2:所得税・住民税ごとの控除不足額の算出
次に、それぞれの税で減税しきれなかった額(控除不足額)を算出します。
1. 所得税分控除不足額
当初の調整給付では令和5年分の所得税額が推計値として使われましたが、不足額給付では令和6年分の確定した実績額が使用されます。そのため、令和6年中に所得が減少した方は、この不足額が大幅に増える可能性があります [3, 2]。
2. 個人住民税分控除不足額
住民税(所得割)の税額は、令和5年分の収入に基づいて算出されています [2, 6]。
※ いずれも計算結果が0を下回る場合(すなわち、税額が定額減税可能額を上回る場合)は、控除不足額は0円となります [2]。
給付額の計算事例(本人+扶養1人)
世帯構成:本人(3万円+1万円)、扶養親族1人(3万円+1万円)。定額減税可能額の総額は80,000円(所得税6万円、住民税2万円)とします。
| ケース | 所得税額(R6確定) | 住民税所得割額(R6年度) | 控除不足額(合計) | 切り上げ額(真の調整給付額) | 当初支給された調整給付額 | 今回の不足額給付額 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 事例1:当初推計と実績が合致 | 45,000円 | 15,000円 | (6万-4.5万) + (2万-1.5万) = 20,000円 | 20,000円 | 20,000円 | 0円 |
| 事例2:R6所得が減少 | 20,000円 | 5,000円 | (6万-2万) + (2万-0.5万) = 55,000円 | 60,000円 | 20,000円 | 40,000円 |
事例2では、実績に基づく不足額は55,000円に増加し、切り上げで60,000円が「真の調整給付額」となります。当初20,000円が支給済みであったため、差額の40,000円が不足額給付として支給されます。
確実に給付を受けるための必要書類チェックリストと手続き
不足額給付の支給対象者への通知方法は、自動支給見込みの「お知らせ通知」と、申請が必要な「支給要件確認書」の2パターンがあります [3, 7]。いずれの書類が届いた場合でも、以下の準備は必須です。
必須書類:まず手元に用意すべき情報
多くの場合、給付を受けるために最も重要となるのは、あなたの正確な課税状況と、それを証明する書類です。
- 【必須1】市区町村から届く「お知らせ通知」または「支給要件確認書」:最も重要な書類です。2025年(令和7年)8月下旬以降に順次発送される予定です。通知に記載された期限を厳守してください [3, 7]。
- 【必須2】本人確認書類(写し):運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証など。確認書を返送する場合に必要となります。
- 【必須3】振込先口座の確認書類(写し):金融機関名、口座番号、口座名義人(カナ)がわかる通帳やキャッシュカードの写し。
条件付き書類:追加で提出が必要なケース
特に、当初の推計では把握されていなかった情報(主に扶養親族の変動や未申告)がある方は、以下の書類が必要となることがあります。
- 【条件1】扶養親族の変動を証明する書類:2024年(令和6年)中に扶養親族が増加したことなどを証明するため、その親族の住民票や戸籍謄本などが必要となる場合があります。
- 【条件2】2024年分の所得を証明する書類:主に、大幅な所得減があったにもかかわらず、まだ2024年分の確定申告や住民税申告を行っていない場合。
- 【条件3】令和6年度個人住民税の申告控え:令和5年中に収入がなく住民税を未申告だったが、扶養親族がいたために給付額が少なく算定された場合、市民税課で申告を済ませた後の控えが必要となります [6]。
申請書類作成のよくある不備と注意点
令和5年分の所得税および令和6年度個人住民税が未申告だった場合、市区町村はあなたの正確な扶養人数を把握できず、定額減税対象人数を「1人(本人のみ)」として算定している可能性があります [6]。
この場合、給付金の通知が届いても、本来の金額より少ない可能性があります。あなたが令和5年中に収入がなかったとしても、扶養親族がいた場合は、まずは市民税課で住民税の申告を行い、その申告控えを提出することで、正しい給付額で再計算が行われます [6]。
自己判断せずに、少しでも給付額に疑問があれば、通知に記載されているお住まいの市区町村の相談窓口(コールセンター)に問い合わせることが重要です。
不足額給付を確実に受け取る!2025年以降の6ステップ完全ガイド
不足額給付は、当初の調整給付と異なり、あなたの令和6年分の所得実績が確定してから始まるため、少し複雑です。確実に給付金を受け取るための、2025年(令和7年)以降の具体的な流れを、6つのステップで解説します。
全体スケジュール(目安)
以下のスケジュールは、多くの自治体で想定されている目安です。自治体によって数ヶ月前後のズレが生じる可能性があるため、お住まいの市区町村の情報も確認してください。
| 時期(目安) | 手続き/アクション | 主な担い手 |
|---|---|---|
| 2024年2月~2025年3月 | 【事前準備】令和6年分の確定申告(所得確定) | 納税者本人 |
| 2025年6月~7月 | 【行政側準備】自治体による所得情報(実績)の確定と算定 | 市区町村 |
| 2025年8月下旬以降 | 【通知開始】「お知らせ通知」または「支給要件確認書」の送付 | 市区町村 [3, 7] |
| 通知到着後〜期限内 | 【申請手続き】確認書の返送、またはオンライン申請 | 納税者本人 |
| 確認書受理後 約1ヶ月 | 【審査・決定】給付要件の最終審査と支給決定 | 市区町村 |
| 2025年10月頃~順次 | 【入金】指定口座への給付金の振り込み | 市区町村 [7] |
不足額給付 6ステップ手続きフロー
- STEP 1:令和6年分の所得情報確定(最重要準備)不足額給付は、令和6年分の所得税額が確定することが大前提です。年の途中で退職した、医療費控除を適用したいなど、所得状況に変動があった場合は、必ず2025年3月15日までに確定申告を行ってください。これにより、あなたの「実績」が行政側に正確に共有され、不足額の計算がスタートします。
- STEP 2:市区町村からの通知書を待つ2025年8月下旬以降、お住まいの市区町村から給付に関する通知書が送付されます。送付される書類は2種類です [3, 7]。
- 「お知らせ通知」(圧着はがき等):既に当初給付を受給した口座があり、自動支給が見込まれる方。原則手続き不要です [3]。
- 「支給要件確認書」:所得や扶養状況の変動があり、給付要件の確認が必要な方。手続きが必須です。 [7]
- STEP 3:通知書の内容確認と期限の確認(重要)通知書が届いたら、まず以下の3点を確認してください。
- 記載されている給付予定額:(不足額給付)として記載されている金額が、あなたの認識と合っているか。
- 振込予定口座:当初給付から変更がないか。変更希望の場合は申請が必要となる場合があります。
- 提出期限:特に「確認書」の場合、提出期限を1日でも過ぎると給付を受けられなくなる可能性があります [8]。
- STEP 4:必要書類の準備と確認書への記入「支給要件確認書」が届いた場合は、必要事項を記入し、本人確認書類や口座確認書類の写しを準備します。特に、前述の「未申告による過少算定」のリスクに該当する場合は、市民税課で住民税申告を済ませておきましょう [6]。
- STEP 5:申請(提出)提出方法は、自治体により異なります。
- 郵送:確認書に同封された返信用封筒で、期限内に返送します。
- オンライン申請:一部の自治体では専用ホームページからオンライン申請が可能です。この際、送付された確認書に記載されている「お問合せ番号」が必要となります [8]。
- STEP 6:給付金の入金確認書を返送した場合、受理・審査を経て、概ね1ヶ月から1ヶ月半後に指定口座に給付金が振り込まれます。自治体によって入金時期は前後しますが、多くの場合は2025年10月頃から順次開始されます [7]。
「採択」ではなく「確定」させる。不足額給付を確実に得るための5つのポイント
不足額給付は、一般的な補助金のような「競争」ではなく、給付要件を満たしていれば必ず受給できる「権利」の確定です。ここでは、その権利を確実に確定させるための5つのポイントを解説します。
ポイント1:令和6年所得実績を正確に行政に伝える
不足額給付の最大の決定要因は、令和6年分の所得税額の確定額です。年の途中で退職した、事業所得が大幅に減少したなど、当初の推計(令和5年所得)と実績(令和6年所得)に大きなズレがある方は、必ず2025年3月15日までに確定申告を行い、正確な所得を確定させてください。
| 判定項目 | 一般的な補助金・助成金 | 定額減税補足給付金(不足額給付) |
|---|---|---|
| 決定ロジック | 事業計画の革新性・実現可能性 | 所得税・住民税の控除不足額(実績) [1] |
| 審査のポイント | 加点項目、独自性、将来性 | 所得変動、扶養親族の変動、各種控除の有無 [3, 6] |
| 結果通知 | 採択/不採択 | 支給/不支給(要件を満たすか否か) |
ポイント2:扶養親族の変動日を厳密にチェックする
給付額の基礎となる扶養親族の数は、どの税の減税額を計算しているかによって基準日が異なります [4, 7]。
- 所得税(令和6年分):令和6年12月31日時点の状況 [4, 7]
- 住民税(令和6年度分):令和5年12月31日時点の状況 [4]
令和6年中に家族が増えた場合、所得税の定額減税可能額(1人あたり3万円)が増えるため、不足額が大幅に増える可能性があります。この変動が正しく反映されているか、通知書を細かく確認しましょう [5, 4]。
ポイント3:「未申告リスク」を回避する
前述の通り、令和5年分の住民税が未申告である場合、市区町村はあなたの扶養人数を把握できません [6]。
2023年(令和5年)中に収入がなかった方も、扶養親族がいた場合は、お住まいの市区町村の市民税課で住民税申告を済ませておくことが、正しい給付額を得るための必須条件となります [6]。
ポイント4:通知書が届いたら必ず期限内に返送する
「支給要件確認書」が届いたにもかかわらず、手続きを怠ると給付金は支給されません [8]。書類が届くのは2025年8月以降と先ですが、スケジュールを把握しておき、郵便物を見落とさないように準備しましょう。
ポイント5:給付金を装った詐欺に絶対引っかからない
公的機関が、給付金の支給に関してATMの操作をお願いしたり、手数料の振り込みを求めたり、暗証番号を聞き出すことは絶対にありません [5]。不審な電話やメール、訪問があった場合は、すぐに警察やお住まいの市区町村の相談窓口に連絡してください。
不支給となる理由TOP3
- 確認書の提出期限切れ:手続きが必須な「確認書」の返送期限を過ぎてしまった [8]。
- 重複支給(特に不足額給付II):「ゼロ課税特例」の対象者なのに、既に低所得世帯向け給付など他の給付金を受給していた [6]。
- 所得の変動がなかった:当初の推計(調整給付)が正確で、実績(不足額給付)でも差額が発生しなかった [3]。
入金はいつ?給付決定から入金までの流れと、知っておくべき義務
不足額給付は、一旦「支給決定」されてしまえば、事業の実施や実績報告といった複雑な義務はありません。しかし、入金までの流れと、給付金を受け取る上での法的な留意点を知っておく必要があります。
給付金の入金時期と手続き完了
給付手続きが完了し、入金が確定するまでのステップは以下の通りです。
- STEP 1:申請書類の提出「支給要件確認書」が届いた方は、必要事項を記入し、期限内に郵送またはオンラインで提出を完了します。
- STEP 2:市区町村による審査・決定提出された書類に基づき、市区町村が、不足額の算定ロジックに誤りがないか、扶養親族の状況が正しいかなどを最終確認します。確認が完了すると「支給決定通知書」が届きます。
- STEP 3:給付金の入金(概ね1ヶ月後)支給決定後、およそ1ヶ月から1ヶ月半で、指定した金融機関の口座に給付金が振り込まれます。多くの自治体で、2025年10月頃から順次入金が開始される見込みです [7]。
当初の調整給付と異なり、不足額給付は令和6年の所得確定を待つ必要があります。そのため、実際にあなたの手元にお金が届くのは、最も早くて2025年秋頃になる、と想定しておくのが現実的です [7]。
給付金に関する法的・税務上の重要事項
この給付金は、受給者にとって非常に有利な特別な取り扱いが適用されます [1]。
- 非課税措置:所得税・個人住民税が課税されません。確定申告の必要もありません [1]。
- 差押え等の禁止:この給付金は、債権者による差押えの対象とはなりません [1]。
- 生活保護との関係:生活保護制度における収入認定の対象外です [1]。
返還義務が発生するケース(不正受給)
基本的に、給付金には返還義務はありませんが、万が一、不正な行為により受給した場合は、当然ながら返還義務が発生します。
- 申告内容が虚偽であり、実際には給付要件を満たしていなかったことが後から判明した場合。
- すでに他の自治体で同種の給付を受けているにもかかわらず、二重に申請した場合。
不正が発覚した場合は、給付金の返還に加え、加算金が課される可能性があります。必ず正確な情報に基づいて申請してください。
専門家が答える!定額減税補足給付金(不足額給付)Q&A
Q1:個人事業主でも不足額給付の対象になりますか?
A:はい、対象となります。この制度は法人の事業主向けではなく、個人の納税者を対象としています。個人事業主の方で、令和6年分の所得が令和5年分より減少し、定額減税で引ききれなかった不足が生じた場合は、不足額給付Iの対象となる可能性があります [3]。
Q2:当初の「調整給付」を申請しなかった場合、不足額給付は受けられますか?
A:はい、受けられます。当初の調整給付を申請しなかった方でも、最終的な実績計算で「真の調整給付額」が発生していれば、その全額が「不足額給付」として支給されることになります [1]。
Q3:令和7年になってから家族構成が変わりました。給付額は増えますか?
A:いいえ、変わりません。不足額給付は、あくまで令和6年分の所得税(基準日:令和6年12月31日)と令和6年度の住民税(基準日:令和5年12月31日)の課税状況に基づき算定されます。令和7年中に扶養親族が増えても、令和6年分の給付額には影響しません [4, 7]。
Q4:低所得世帯向けの給付金(7万円給付や10万円給付)と併給できますか?
A:原則、併給可能です。例えば、令和5年度に非課税世帯向けの給付を受給した方が、令和6年度に課税世帯となり不足額給付の対象となった場合など、時期が異なる給付措置は併給が認められます [4]。ただし、不足額給付II(ゼロ課税特例)は、他の給付を受給していると対象外となるため、注意が必要です [6]。
Q5:給付額の計算で「切り上げ」になるのはなぜですか?
A:わずかな控除不足であっても、納税者に対して確実に一定のまとまった金額を給付するための措置です。例えば、不足額が10,001円であっても20,000円が支給されることで、政策の恩恵を確実に行き渡らせる目的があります [1, 2]。
Q6:給付金を受け取ると、税金はどうなりますか?
A:この給付金は「非課税」です。所得税や個人住民税は課税されず、確定申告の必要もありません [1]。
Q7:支給要件確認書を紛失した場合、どうすればいいですか?
A:お住まいの市区町村の相談窓口(コールセンター)に連絡してください。再発行の手続きを案内してもらえます [1]。
Q8:令和5年分の住民税を申告していませんが、扶養親族がいます。
A:すぐに市区町村の市民税課で住民税の申告を行ってください。未申告のままだと、扶養人数が「1人(本人のみ)」で計算され、給付額が少なく算定されるリスクがあります [6]。申告後、その控えを提出することで正しい額に再計算されます [6]。
Q9:給付対象者であるか、事前に確認できる方法はありますか?
A:内閣官房のウェブサイトでは、世帯構成や所得に関する質問に答えることで、自身が受けられる措置を判定するフローチャートやチャットボットが提供されています [1]。ただし、これはあくまで目安であるため、正確な判定は2025年8月以降に届く市区町村からの通知書で確認してください [1]。
Q10:不審な電話やメールが来ました。どうすればいいですか?
A:給付金の手続きでATM操作や手数料の振り込みを求められることは絶対にありません [5]。不審に感じた場合は、個人情報を提供せず、すぐに警察またはお住まいの市区町村の相談窓口に連絡してください [5]。
まとめ:定額減税補足給付金(不足額給付)の要点と最終アクション
定額減税補足給付金(不足額給付)は、定額減税の恩恵を最大限に引き出すための、あなたの正当な権利です。制度の複雑さに惑わされず、正しい手順で確実に受給資格を確定させましょう。
この記事で確認した3つの要点
- 要点1:不足額給付は、令和6年中の所得減少や扶養親族増加など、実績の変動によって生じた「引ききれなかった税額」を、1万円単位で切り上げて補填する確定精算措置です [1, 3, 2]。
- 要点2:給付金の通知(お知らせ通知または確認書)は、2025年(令和7年)8月下旬以降に順次発送されます。特に「確認書」が届いた方は、手続きが必須です [7]。
- 要点3:給付金は非課税であり、低所得世帯向け給付金(Iの場合)との併給も原則可能です [1, 4]。
今日、あなたができる3つのアクション
- 【アクション1】2024年分の所得を確定させる:所得に変動があった方は、2025年3月15日までに確定申告を行い、不足額の計算の基礎となる「令和6年分の所得税」を確定させてください。
- 【アクション2】住民税申告の有無を確認する:もし扶養親族がいるのに令和5年分の住民税が未申告であれば、すぐに市民税課で申告を行いましょう。これにより、給付額の過少算定を防げます [6]。
- 【アクション3】2025年秋の郵便物を注視する:2025年8月以降に、お住まいの市区町村からの「お知らせ通知」または「支給要件確認書」を見落とさないよう、常に郵便物をチェックする習慣をつけましょう [7]。
あなたの経済的な安心を確かなものにするため、今すぐ行動を始めましょう。不明点は、通知書に記載されているお住まいの市区町村の相談窓口へ問い合わせてください。
