【2025年】補聴器購入費助成事業｜最大5.5万円・高齢者/難聴者向け・申請受付中

申請手順

補聴器購入費の助成を受けるための一般的な申請手順は以下の通りです。多くの自治体で購入前の申請が必須となりますので、ご注意ください。

補助金額・補助率

助成される金額や補助率は、お住まいの自治体によって大きく異なります。以下に一般的なパターンと具体例を示します。

計算例（岡山市のケース）: 補聴器購入費が70,000円の場合
70,000円 × 補助率1/2 = 35,000円となりますが、上限額が25,000円のため、助成額は25,000円となります。自己負担額は45,000円です。

対象者・申請要件

助成対象となる方の主な要件は以下の通りです。特に年齢、聴力レベル、所得に関する要件は自治体ごとに基準が異なるため、注意が必要です。

共通する主な要件

• 申請先の市区町村に住民登録があること
• 身体障害者手帳（聴覚障害）の交付を受けていない、または交付対象とならないこと
• 耳鼻咽喉科の指定医により、補聴器の装用が必要と診断されていること
• 過去に同種の助成を受けている場合、規定の耐用年数（多くは5年）が経過していること

自治体により異なる要件（例）

• 年齢要件: 18歳以上（鴻巣市）、50歳以上（横浜市）、65歳以上（岡山市、山陽小野田市）など、自治体によって対象年齢が異なります。
• 聴力レベル: 両耳の聴力レベルが30dB以上（横浜市、上越市）、40dB以上（鴻巣市、岡山市）など、基準となる聴力レベルが異なります。
• 所得要件: 市民税非課税世帯（横浜市、岡山市）、世帯の市民税所得割額が一定額未満（鴻巣市、上越市）など、所得に関する制限が設けられている場合があります。

補助対象経費

助成の対象となる経費、ならない経費は明確に定められています。特に、医療機器として認定されていない「集音器」は対象外となる点にご注意ください。

必要書類一覧

申請に必要な書類は自治体によって若干異なりますが、一般的に以下の書類が求められます。事前に市の窓口や公式サイトで確認し、準備を進めてください。

審査基準・採択のポイント

この助成事業は、事業計画の優劣を競う競争的な補助金とは異なり、定められた要件を満たしているかを確認する形式が一般的です。したがって、採択されるためには以下のポイントを確実に押さえることが重要です。

主な審査項目

1. 対象者要件の合致: 年齢、住所、聴力レベル、所得等の要件をすべて満たしているか。
2. 書類の整合性: 申請書、医師の意見書、見積書の内容に矛盾がないか。
3. 手続きの遵守: 必ず補聴器の購入前に申請手続きを行っているか。
4. 対象経費の妥当性: 見積もられた補聴器が助成対象（管理医療機器）であるか。

助成を受けるためのポイント

• 早めの相談: まずはお住まいの市区町村の担当窓口に相談し、制度の詳細や手続きの流れを正確に把握する。
• 指定医の確認: 意見書を依頼する前に、受診予定の耳鼻咽喉科医が自治体の指定医（補聴器相談医等）であるかを確認する。
• 書類の不備防止: 提出前に、記入漏れや必要書類の不足がないか、複数回確認する。
• 予算の確認: 自治体によっては予算の上限があり、年度の途中で受付を終了する可能性があるため、早めに申請する。

よくある質問

Q1: すでに購入してしまった補聴器は対象になりますか？

A: いいえ、ほとんどの自治体で対象外となります。この助成金は、購入前に申請し、交付決定を受けてから購入することが原則です。

Q2: インターネット通販で購入した補聴器も対象ですか？

A: 対象外となる可能性が高いです。補聴器は個人の聴力に合わせて調整が必要な医療機器であるため、対面での調整や相談ができる販売店（認定補聴器専門店を指定する自治体もあります）での購入を要件としている場合がほとんどです。

Q3: 医師の意見書は、かかりつけの耳鼻科でもらえますか？

A: 自治体が指定する「身体障害者福祉法第15条指定医」や「補聴器相談医」である必要があります。かかりつけ医が指定医でない場合は、指定医のいる別の医療機関を受診する必要があります。事前に自治体の担当窓口や公式サイトで指定医のリストを確認してください。

Q4: 両耳に装用する場合、助成額は2倍になりますか？

A: 自治体により扱いが異なります。鴻巣市のように「両耳2台も1回の扱い」として上限額が変わらない場合もあれば、助成対象となる台数が定められている場合もあります。詳細は申請先の自治体にご確認ください。

Q5: 申請してから助成金が振り込まれるまで、どのくらいかかりますか？

A: 申請から交付決定まで数週間、その後、補聴器を購入し、実績報告と請求を行ってから振込までさらに数週間から1ヶ月程度かかるのが一般的です。手続き全体では2～3ヶ月以上を見込んでおくとよいでしょう。

制度の概要・背景

この補聴器購入費助成事業は、加齢などにより聴力が低下したものの、身体障害者手帳の交付基準には至らない軽度・中等度の難聴者を対象とした支援制度です。多くの市区町村が、高齢者の社会参加促進や生活の質の向上を目的として実施しています。

近年、難聴がコミュニケーションの減少を招き、社会的孤立や認知機能低下のリスクを高めることが指摘されています。本事業は、適切な補聴器の装用を促すことで、円滑な意思疎通を維持し、フレイル（虚弱）予防や認知症リスクの低減につなげることを目指しています。

まとめ・お問い合わせ先

補聴器購入費助成事業は、聞こえに不安を感じる方の経済的負担を軽減し、積極的な社会参加を後押しする重要な制度です。ただし、助成内容は全国一律ではなく、お住まいの自治体によって大きく異なります。申請を検討される方は、まずはお住まいの市区町村の担当窓口へ相談することから始めてください。