詳細情報
「子育てと仕事を両立しながら、キャリアアップのために新しい資格を取りたい…でも、勉強中の生活費が心配…」
そんな悩みを抱えるひとり親のあなたを強力にサポートする制度が「高等職業訓練促進給付金」です。
この制度は、国がひとり親家庭の経済的な自立を支援するために設けたもので、返済不要の給付金を受け取りながら資格取得に専念できる、非常に心強い制度です。看護師や保育士、介護福祉士といった国家資格から、需要が高まるIT関連の民間資格まで、幅広い分野が対象となります。
この記事のポイント
✅ 月額最大14万円の生活費支援が受けられる!
✅ 看護師や保育士、IT資格など幅広い資格が対象!
✅ 申請から受給までの流れをステップバイステップで解説!
✅ 入学金・就職準備金の貸付制度(返還免除あり)も紹介!
この記事では、高等職業訓練促進給付金の概要から対象者の詳しい条件、気になる支給額、申請方法、そして知っておきたいポイントまで、どこよりも分かりやすく徹底解説します。あなたの新しい一歩を、国と自治体が全力で応援します!
高等職業訓練促進給付金とは?
制度の目的と背景
高等職業訓練促進給付金は、ひとり親家庭の親(母子家庭の母または父子家庭の父)が、就職に有利な専門資格を取得するために養成機関で修業する期間、生活費の負担を軽減し、安心して学業に専念できる環境を整えることを目的としています。資格取得を通じて安定した収入を得て、経済的に自立することを目指すひとり親の方を支援する、国の重要な施策の一つです。
実施組織
この制度はこども家庭庁が所管していますが、実際の申請や相談の窓口は、お住まいの都道府県、市区町村のひとり親家庭支援担当部署となります。自治体によって細かな要件や手続きが異なる場合があるため、まずはお住まいの自治体に問い合わせることが第一歩です。
気になる支給額は?最大月14万円!
この制度では、訓練期間中と修了後の2段階で給付金が支給されます。支給額は、世帯の市町村民税の課税状況によって異なります。
① 訓練期間中に受け取れる「高等職業訓練促進給付金」
養成機関で修業する全期間(上限4年)にわたって、毎月支給されます。特に、修了までの最後の1年間は支給額が4万円増額され、より手厚い支援が受けられます。
| 世帯区分 | 支給月額(通常期間) | 支給月額(最後の1年間) |
|---|---|---|
| 市町村民税 非課税世帯 | 100,000円 | 140,000円 |
| 市町村民税 課税世帯 | 70,500円 | 110,500円 |
② 資格取得後に受け取れる「高等職業訓練修了支援給付金」
養成機関のカリキュラムを修了した後に、一時金として支給されます。新しい職場での準備金などに活用できます。
| 世帯区分 | 支給額(1回限り) |
|---|---|
| 市町村民税 非課税世帯 | 50,000円 |
| 市町村民税 課税世帯 | 25,000円 |
あなたは対象?支給条件をチェック
給付金を受給するには、お住まいの自治体に申請し、以下のすべての要件を満たしていると認められる必要があります。
- ひとり親であること: 20歳未満の子どもを養育する母子家庭の母、または父子家庭の父であること。
- 所得要件を満たすこと: 児童扶養手当の支給を受けているか、同等の所得水準にあること。例えば、お子さんが1人の場合、年間の収入が385万円未満が目安です。
- 養成機関で6ヶ月以上修業すること: 対象資格を取得するために、養成機関で6ヶ月以上のカリキュラムを修業し、資格取得が見込まれること。
- 就業・育児と修業の両立が困難であること: 現在の仕事や育児の状況から、資格取得のための修業との両立が難しいと認められること。
- 過去に同様の給付金を受給していないこと: 原則として、この給付金を受給するのは初めてであること。(准看護師から看護師を目指す場合など、一部例外があります)
- 他の同様の給付金を受給していないこと: 求職者支援制度の「職業訓練受講給付金」など、趣旨を同じくする給付を受けていないこと。
どんな資格が対象になるの?
対象となるのは、就職の際に有利となる資格で、養成機関において6ヶ月以上の修業が必要なものです。具体的には、以下のような資格が挙げられます。
対象となる資格の具体例
- 医療・福祉系国家資格: 看護師、准看護師、保育士、介護福祉士、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、社会福祉士、精神保健福祉士など
- その他の国家資格: 美容師、理容師、調理師、製菓衛生師など
- デジタル分野等の民間資格: シスコシステムズ認定資格(CCNAなど)、LPI認定資格(LPICなど)、Webクリエイター能力認定試験、Microsoft Office Specialist(MOS)、建築CAD検定など
ポイント:教育訓練給付制度の対象講座もOK!
雇用保険の「教育訓練給付制度」の対象として厚生労働大臣が指定する講座(専門実践教育訓練、特定一般教育訓練、一般教育訓練(情報関係))も、この給付金の対象となります。これにより、対象資格の範囲が大きく広がります。
申請から受給までの5ステップ
申請手続きは、お住まいの自治体の窓口で行います。一般的な流れは以下の通りです。
Step1: 【最重要】自治体への事前相談
申請に先立ち、必ず自治体の母子・父子自立支援員による事前相談を受ける必要があります。この相談では、生活状況や資格取得への意欲、取得後のキャリアプランなどを確認されます。制度を正しく理解し、ミスマッチを防ぐための重要なステップです。相談の際は、検討している養成機関のパンフレットなど、カリキュラムがわかる資料を持参しましょう。
Step2: 養成機関の決定と入学
事前相談を経て、修業する養成機関を決定し、入学手続きを行います。
Step3: 必要書類の準備
申請には以下の書類が必要です。自治体によって異なる場合があるため、必ず事前に確認してください。
- 高等職業訓練促進給付金等支給申請書
- 申請者及び扶養している児童の戸籍謄本または抄本
- 申請者及び世帯全員のマイナンバーが確認できる書類
- 運転免許証などの本人確認書類
- 児童扶養手当証書または所得証明書
- 養成機関の入校(在学)証明書
- 養成機関のカリキュラムがわかる資料
- その他、自治体が必要と認める書類
Step4: 申請書の提出
修業を開始した日以降、速やかに(例:修業開始日から1ヶ月以内など)自治体の窓口に申請書を提出します。申請した月からの支給となるため、提出が遅れないように注意しましょう。
Step5: 審査・支給決定〜受給開始
提出された書類に基づき審査が行われ、支給が決定します。決定後は、毎月請求書を提出することで、指定の口座に給付金が振り込まれます。
支給決定の可能性を高める3つのポイント
ポイント1: 事前相談で熱意と計画性を伝える
事前相談は単なる手続きではありません。「なぜその資格を取得したいのか」「資格取得後にどのように働いて自立したいのか」といった具体的なキャリアプランや熱意をしっかりと伝えることが重要です。これが、支給要件である「資格取得により自立が見込める」ことの証明にも繋がります。
ポイント2: 書類の不備をなくす
申請書類に不備があると、審査が遅れたり、最悪の場合、申請が受理されないこともあります。提出前には、自治体からもらったリストと照らし合わせ、記入漏れや添付書類の不足がないか、何度も確認しましょう。
ポイント3: 関連制度「資金貸付事業」も併せて検討する
高等職業訓練促進資金貸付事業
この給付金だけではカバーしきれない入学金や就職時の費用を支援する貸付制度です。
・入学準備金: 最大50万円
・就職準備金: 最大20万円
最大のメリットは、養成機関を修了し、取得した資格を生かして5年間継続して就労すると、返還が全額免除される点です。給付金と併せて活用することで、経済的な不安を大幅に軽減できます。
よくある質問(Q&A)
- Q1: パートで働きながらでも利用できますか?
- A1: はい、利用できる可能性があります。「就業または育児と修業の両立が困難である」と認められれば対象となります。例えば、パートの収入だけでは生活が厳しく、資格取得によるキャリアアップが必要な状況などを事前相談で具体的に説明することが大切です。
- Q2: 通信制の講座でも対象になりますか?
- A2: はい、多くの自治体で通信制も対象としています。ただし、自治体によっては通学制のみの場合や、対象資格が限定されることもありますので、必ず事前相談で確認してください。
- Q3: 所得制限を超えてしまったら、すぐに給付は止まりますか?
- A3: 所得水準を超過した場合でも、その後1年間に限り、引き続き支給対象者とする経過措置があります。詳細は自治体にご確認ください。
- Q4: 途中で退学してしまった場合はどうなりますか?
- A4: 修業を取りやめた場合、給付金の支給は停止されます。速やかに自治体に届け出る必要があります。不正受給と判断された場合は、返還を求められることがあります。
- Q5: ハローワークの職業訓練とは何が違いますか?
- A5: ハローワークの職業訓練(ハロートレーニング)は、主に雇用保険受給者などを対象とした制度です。一方、高等職業訓練促進給付金は、ひとり親に特化し、看護師や保育士など、より長期間の修業が必要な専門資格の取得を支援する点で異なります。両方の制度を同時に利用することはできません。
まとめ:勇気を出して、新しいキャリアへの第一歩を
高等職業訓練促進給付金は、ひとり親の方が経済的な心配をせずにキャリアアップを目指せる、非常に価値のある制度です。
- 生活費支援: 月額最大14万円の返済不要の給付金で、学業に集中できる。
- 幅広い対象資格: 医療・福祉からITまで、将来性のある専門資格を目指せる。
- 手厚い関連制度: 入学金などをカバーする貸付制度もあり、5年間の就労で返還免除に。
「自分も対象になるかもしれない」「もっと詳しく話を聞いてみたい」と思ったら、まずは勇気を出して、お住まいの市区町村のひとり親支援窓口へ「高等職業訓練促進給付金について聞きたい」と電話をかけてみましょう。それが、あなたの未来を大きく変える第一歩になるかもしれません。
この記事が、あなたの新しいキャリアへの挑戦を後押しするきっかけとなれば幸いです。