詳細情報
地域の伝統行事や民俗芸能は、その地域に暮らす人々の心のよりどころであり、コミュニティの繋がりを維持する上で非常に重要な役割を果たしています。しかし、過疎化や少子高齢化などの社会状況を背景に、これらの文化遺産の継承が困難になっている現状があります。世田谷区では、この課題に対応するため、地域文化財総合活用推進事業を通じて、伝統行事や民俗芸能の継承を支援しています。この助成金は、用具の修理や後継者養成など、地域文化の基盤整備に取り組む団体にとって、次世代への継承と地域活性化を推進するための強力なサポートとなります。
助成金の概要
正式名称:令和8年度地域文化財総合活用推進事業(地域伝統行事・民俗芸能等継承振興事業)<文化庁補助金>
実施組織:世田谷区
目的・背景:この事業は、地域の伝統行事や民俗芸能の継承が困難になっている状況を踏まえ、用具の修理や後継者養成などの基盤整備を支援し、次世代への継承と地域活性化を推進することを目的としています。過疎化や少子高齢化が進む中で、地域文化の維持は地域コミュニティの存続に不可欠であり、そのための支援を行います。
対象者の詳細:地域の文化遺産の所有者、保護団体(保存会)等によって構成される実行委員会等が対象となります。また、担い手や資金の不足を克服するための取組を自ら行う団体であることが求められます。
補助対象となる文化遺産の範囲
- 文化芸術基本法第10条に定める伝統芸能(雅楽、能楽、文楽、歌舞伎、組踊その他)
- 文化芸術基本法第13条に定める文化財等(有形及び無形の文化財並びにその保存技術)
- 文化芸術基本法第14条に定める地域固有の伝統芸能及び民俗芸能
助成金額・補助率
予算の範囲内において、補助対象経費の85%までを上限として補助されます。少なくとも15%は自己負担となります。
計算例:補助対象経費が1000万円の場合、補助金は850万円、自己負担額は150万円となります。
補助率は上限であり、応募状況及び今後の予算の編成状況により引き下げられることがあります。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 補助率 | 対象経費の85%(上限) |
| 自己負担 | 少なくとも15% |
対象者・条件
申請できる対象者は、地域の文化遺産の所有者、保護団体(保存会)等によって構成される実行委員会等です。以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 定款に類する規約を有すること
- 団体の意思を決定し、執行する組織が確立していること
- 自ら経理し、監査する会計組織があり、団体名義の口座があること
- 活動の本拠となる事務所等を有すること
具体例:
- 地域の伝統芸能を保存・継承するNPO法人
- 地域の祭りを運営する実行委員会
- 地域の文化財を管理する保存会
補助対象経費
補助対象となる経費は、以下の通りです。
- 用具等整備事業:地域の民俗芸能や伝統行事に用いる獅子頭や衣装等を修理・新調する経費(新調は1点あたり上限10万円)。修理現場の公開や後継者養成も行う取り組みが対象です。
- 後継者養成事業:地域の伝統行事保存会における会員等の練習や、伝統行事等の継承に必要な原材料の生産者養成等の取り組みにかかる経費。
- 記録作成・情報整備事業:伝統行事等の継承に用いるための記録映像の作成(伝承用だけでなく普及用映像も併せて作成し、インターネット上での公開必須)や、当日のオンライン配信等の取り組みにかかる経費(上限500万円)。
対象外経費の例:
- 鉾、山車、地車
- 法被
- 仮設テント等
- 社寺等の備品
- 建物(不動産)
- 飾りののぼり
- もともと所有していない用具の新調
申請方法・手順
申請は、以下の手順で行います。
- ステップ1:世田谷区の公式サイトから募集案内をダウンロードし、詳細を確認します。
- ステップ2:申請に必要な書類を準備します。
- ステップ3:必要事項を記入した申請書類を、申請期限までに提出します。
必要書類
- 申請書(指定様式)
- 事業計画書
- 収支予算書
- 団体概要(規約、役員名簿等)
- その他、区が必要と認める書類
申請期限:2025年9月16日
申請方法:郵送または持参
採択のポイント
採択されるためには、以下のポイントが重要です。
- 事業計画が具体的かつ実現可能であること
- 地域の文化遺産の保存・継承に貢献する内容であること
- 後継者育成に積極的に取り組んでいること
- 地域活性化に繋がる取り組みであること
審査基準:事業の必要性、計画の妥当性、実施体制、費用対効果などが総合的に評価されます。
申請書作成のコツ:事業の目的や内容を明確に記述し、具体的な数値目標を設定することが重要です。また、地域のニーズや課題を把握し、それに対する解決策を提示することで、説得力のある申請書を作成することができます。
よくある質問(FAQ)
- Q: 補助対象となる文化遺産はどのようなものですか?
A: 地域に古くから継承されている当該地域固有の文化遺産が対象です。具体的には、文化芸術基本法に定める伝統芸能や文化財、地域固有の伝統芸能及び民俗芸能が該当します。 - Q: 補助対象経費にはどのようなものが含まれますか?
A: 用具等整備事業、後継者養成事業、記録作成・情報整備事業にかかる経費が対象となります。 - Q: 申請に必要な書類は何ですか?
A: 申請書、事業計画書、収支予算書、団体概要(規約、役員名簿等)が必要です。 - Q: 補助率はどのくらいですか?
A: 補助対象経費の85%までを上限として補助されます。 - Q: 申請期限はいつですか?
A: 2025年9月16日です。
まとめ・行動喚起
世田谷区地域文化財総合活用推進事業は、地域の伝統行事や民俗芸能の継承を支援し、地域活性化を推進するための重要な取り組みです。対象となる団体は、この機会を活かして、積極的に申請をご検討ください。
次のアクション:
- 世田谷区公式サイトで詳細を確認する
- 申請書類を準備する
- 申請期限までに申請する
問い合わせ先:
教育政策・生涯学習部 生涯学習課 文化財係
電話番号:03-3429-4264
ファクシミリ:03-3429-4267