埼玉県久喜市で、高齢者の孤立防止や介護予防を目的とした「集いの場(サロン)」を運営されているボランティア団体・個人の皆様へ朗報です。久喜市では、地域での高齢者支援活動を力強く後押しするため、「高齢者ふれあい元気サロン事業補助金」制度を実施しています。この制度を活用すれば、サロン運営にかかる会場費や交通費などの経費に対して最大で年間15万円の補助を受けることが可能です。この記事では、補助金の対象者、具体的な補助内容、申請から受給までの流れ、そして採択されるためのポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。あなたの温かい活動をさらに充実させるため、ぜひ最後までご覧ください。

この補助金のポイント

  • 対象者: 久喜市内で高齢者向けサロンを運営する市民ボランティア団体・個人
  • 補助上限額: 年間最大15万円(会場費等10万円+その他経費5万円)
  • 対象経費: 会場の利用料、遠足時の車両借上料・交通費、参加者の傷害保険料など
  • 重要プロセス: 申請前に市との「事前協議」が必須

① 補助金の概要

まずは、この補助金がどのような制度なのか、全体像を把握しましょう。

正式名称

久喜市 高齢者ふれあい元気サロン事業補助金

実施組織

埼玉県 久喜市(担当窓口:福祉部 高齢者福祉課 高齢者福祉係)

目的・背景

この補助金は、家に閉じこもりがちになる高齢者の方々が、地域の中で気軽に集える「つどいの場」を増やすことを目的としています。ボランティアの方々が主体となって実施する趣味活動やレクリエーション活動を経済的に支援することで、高齢者の社会参加を促進し、介護予防につなげることを目指しています。地域ぐるみで高齢者を支え、誰もが元気に暮らせるまちづくりを推進するための重要な事業です。

② 補助金額・補助率

補助される金額と比率は、経費の種類によって異なります。最大で合計15万円の補助が受けられます。

補助対象経費 補助率 年間限度額
1. 事業で使用する建物等の利用料・賃借料 2分の1 100,000円
2. 遠足等で使用する車両の借上料 2分の1 合計で 50,000円
3. 遠足等で利用する公共交通機関の運賃 10分の10(全額)
4. 利用者に係る傷害保険料 10分の10(全額)

計算例

例えば、以下のような活動を行った場合の補助額をシミュレーションしてみましょう。

  • 会場費: 月1万円の集会所を12ヶ月利用 → 年間12万円
    • 補助額: 120,000円 × 1/2 = 60,000円
  • 日帰り遠足: レンタカー代2万円、参加者10名の電車代が1人1,000円
    • 車両借上料の補助額: 20,000円 × 1/2 = 10,000円
    • 交通費の補助額: 10名 × 1,000円 × 10/10 = 10,000円
  • 傷害保険料: 参加者全員分で年間5,000円
    • 補助額: 5,000円 × 10/10 = 5,000円

この場合の合計補助額は、60,000円(会場費) + 10,000円(車両) + 10,000円(交通費) + 5,000円(保険料) = 85,000円 となります。(各上限額の範囲内です)

③ 対象者・条件

補助金を受けるためには、運営主体(人)と活動内容(事業)の両方で、定められた要件をすべて満たす必要があります。

補助対象となる団体・個人

  • 事業の目的や代表者に関する定め(会則など)があること。
  • 活動を代表する方が久喜市内に住所を有していること。
  • 営利を目的としない活動であること。
  • 市の他の補助金や、社会福祉法人久喜市社会福祉協議会の福祉活動助成金(「ふれあい・いきいきサロン事業」に限る)を受けていないこと。

対象となる事業内容

  • 久喜市内に居住する、おおむね65歳以上の高齢者を対象としていること。
  • 1回の活動につき、おおむね5人以上の高齢者の利用が見込まれること。
  • 1年を通して月1回以上、継続的に活動していること。
  • 活動場所が、市内の建物や公園などであること。
  • 事故や急病など、緊急時における対応方法や連絡体制が整備されていること。
  • 活動中は、利用者の安全に十分配慮していること。

④ 補助対象経費

補助の対象となる経費と、ならない経費をしっかり確認しておきましょう。

対象となる経費リスト

  • 建物等の利用料・賃借料: 集会所や公民館などの会場費です。
  • 車両の借上料: 遠足などでバスやタクシーを借り上げる際の費用です。
  • 公共交通機関の運賃: 遠足などで鉄道や路線バスを利用する際の参加者分の運賃です。
  • 傷害保険料: 活動中の万が一の事故に備え、参加者が加入する保険の費用です。

対象とならない経費の例

  • 会場の光熱水費
  • 遠足時の施設利用料(入場料など)
  • 食費、材料費、消耗品費
  • 講師への謝礼金
  • 備品購入費(机、椅子、カラオケ機材など)

【重要】対象経費は限定的です。運営にかかるすべての費用が対象になるわけではない点にご注意ください。不明な点は、申請前に必ず市の担当課に確認しましょう。

⑤ 申請方法・手順

この補助金は、申請前に「事前協議」が必要な点が大きな特徴です。以下の3つのステップで進めます。

ステップ1:事前協議(前年度の9月末まで)

補助金を受けたい年度の前年度に、市と事業計画について協議を行います。例えば、令和8年度(2026年度)の補助金を受けたい場合、令和7年(2025年)9月30日までに事前協議書を提出する必要があります。

  • 提出期限: 令和7年9月30日(火曜日)
  • 必要書類:
    • 高齢者ふれあい元気サロン事業補助金事前協議書
    • 補助事業の計画書(別紙1)
    • 補助事業の収支予算書(別紙2)
    • 添付資料(団体構成、事業の経緯・目的、活動内容、参加者募集方法などがわかるもの)

ステップ2:交付申請(補助年度の5月頃)

事前協議が完了したら、補助を受けたい年度の当初に正式な交付申請を行います。

  • 提出期限: 令和8年5月22日(金曜日)
  • 必要書類:
    • 高齢者ふれあい元気サロン事業補助金交付申請書(様式第1号)
    • 補助事業の計画書(別紙1)
    • 補助事業の収支予算書(別紙2)
    • 添付資料(会則・名簿、緊急時連絡網、傷害保険加入の写し、活動の案内チラシなど)

ステップ3:実績報告(補助年度の翌年4月頃)

補助対象の年度が終了したら、事業の実績と経費の支出を報告します。この報告に基づいて、補助金額が確定し、支払われます(精算払い)。

  • 提出期限: 令和9年4月23日(金曜日)
  • 必要書類:
    • 高齢者ふれあい元気サロン事業補助金実績報告書(様式第4号)
    • 補助事業の成果表(別紙1)
    • 補助事業の収支決算書(別紙2)
    • 添付資料(領収書の写し、最新の総会資料など)

各種様式は久喜市の公式サイトからダウンロードできます。

⑥ 採択のポイント

採択率は公表されていませんが、要件をしっかり満たし、計画を具体的に示すことで採択の可能性は高まります。以下のポイントを押さえましょう。

申請書作成のコツ

  • 事業の目的を明確に: なぜこの活動を行うのか、「高齢者の介護予防」「孤立防止」「生きがいづくり」といった目的を具体的に記述しましょう。
  • 計画の具体性: 「いつ、どこで、誰が、何を、どのように」行うのかを、年間スケジュールや活動内容で詳細に示します。例えば、「毎月第2水曜日の10時から12時、〇〇集会所で、地域の高齢者10名を対象に、健康体操と茶話会を実施する」のように具体的に書きます。
  • 安全への配慮をアピール: 緊急連絡網の整備や傷害保険への加入など、参加者の安全を確保するための体制が整っていることを明確に記載することが重要です。
  • 収支予算の整合性: 収入(参加費など)と支出(補助対象経費など)の計画に矛盾がないように、現実的な予算を立てましょう。
  • 記入例を参考に: 久喜市の公式サイトには各種書類の記入例が掲載されています。これらをよく読み、参考にしながら作成することで、不備を防ぐことができます。

よくある不採択・減額理由

  • そもそも対象者の要件を満たしていない(代表者が市外在住など)。
  • 対象外の経費を申請している(食費や備品購入費など)。
  • 事前協議を行わずに申請している。
  • 提出書類に不備や記入漏れがある。
  • 事業計画が曖昧で、継続性や実現性に乏しいと判断される。

⑦ よくある質問(FAQ)

Q1. 個人でも申請できますか?

A1. はい、市民ボランティア団体だけでなく、個人ボランティアの方も対象となります。ただし、代表者として市内に住所があることなどの要件を満たす必要があります。

Q2. これからサロンを始めたいのですが、申請できますか?

A2. はい、申請可能です。これから活動を開始する計画段階でも、まずは事前協議を行ってください。事業計画書で、今後の具体的な活動内容やスケジュールを示すことが重要です。

Q3. 補助金はいつ支払われますか?

A3. 補助金は、原則として事業年度が終了した後、実績報告書を提出し、内容の審査を経て金額が確定した後に支払われる「精算払い」となります。活動期間中に資金が必要な場合は、自己資金などで一旦立て替える必要があります。

Q4. 社会福祉協議会の「ふれあい・いきいきサロン」助成金との違いは何ですか?

A4. 久喜市社会福祉協議会でも同様のサロン活動への助成を行っていますが、実施主体、助成内容、金額、要件が異なります。市のこの補助金は、社協の助成金(ふれあい・いきいきサロン事業)との併用はできません。どちらがご自身の活動に適しているか、両方の制度を比較検討することをおすすめします。詳しくは社協のウェブサイトを確認するか、直接お問い合わせください。

Q5. パソコンやプロジェクターなどの備品購入費は対象になりますか?

A5. いいえ、残念ながら備品の購入費は補助対象外です。対象となるのは、あくまで会場の利用料や遠足の交通費、保険料などに限定されています。

⑧ まとめ・行動喚起

「久喜市 高齢者ふれあい元気サロン事業補助金」は、地域で高齢者を支える貴重なボランティア活動を経済的に支援する制度です。最後に、重要なポイントを再確認しましょう。

  • 最大15万円の補助でサロン運営の負担を軽減できる。
  • 対象は会場費、交通費、保険料など。対象外経費に注意。
  • 申請には前年度の事前協議が必須。スケジュール管理が重要。
  • 事業計画の具体性と安全対策の明確化が採択の鍵。

この補助金を活用して、あなたのサロン活動をさらに活発にし、地域の高齢者の笑顔を増やしていきませんか? まずは、久喜市の公式サイトで詳細な手引きを確認し、事前協議の準備を始めましょう。不明な点があれば、遠慮なく担当課へ問い合わせてみてください。

お問い合わせ先・公式サイト

久喜市 福祉部 高齢者福祉課 高齢者福祉係
〒346-8501 久喜市下早見85番地の3
電話:0480-22-1111
ファクス:0480-22-3319
公式サイトはこちら