詳細情報
福岡県久留米市で、地域活動の拠点となる「校区コミュニティセンター」や「自治会集会所」の新築、増築、修繕をお考えの校区コミュニティ組織や自治会の皆様へ朗報です。久留米市では、これらの施設の建築にかかる費用の一部を助成する「校区コミュニティセンター等建築費補助金」制度を実施しています。この制度を活用すれば、老朽化した施設の改修や、待望の新しい集会所の建設が実現可能になります。この記事では、補助金の詳細な内容から、具体的な補助金額の計算方法、申請手順、採択されるためのポイントまで、どこよりも分かりやすく徹底的に解説します。地域コミュニティの活性化に向けた第一歩を、この補助金と共に踏み出しましょう。
この補助金のポイント
- 校区コミュニティセンターは最大で経費の全額(5/5)を補助!
- 自治会集会所も経費の2/3を補助!
- 新築、増築、修繕の幅広い工事が対象!
- 地域の人口規模や建物の構造に応じた手厚い支援。
- 申請には前年度7月末までの計画書提出が必要!
① 補助金の概要
まずは「校区コミュニティセンター等建築費補助金」がどのような制度なのか、基本的な情報を確認しましょう。
制度の目的
この補助金は、地域住民の交流や活動の拠点となる校区コミュニティセンターや自治会集会所の整備を支援することで、地域コミュニティの振興と、文化活動、福祉活動、防災活動といった多様な地域活動の促進に貢献することを目的としています。実際に久留米市の令和元年度決算資料によると、この補助金事業で約1億2,500万円の支出実績があり、多くの地域で活用されている重要な制度です。
実施組織
久留米市 協働推進部 地域コミュニティ課
対象となる団体
以下のいずれかの団体が対象となります。
- 校区コミュニティ組織
- 自治会
複数の自治会が連名で申請することも可能です。
対象となる工事
校区コミュニティセンターまたは自治会集会所の以下の工事が対象です。
- 新築工事
- 増築工事
- 修繕工事
② 補助金額・補助率
補助金額は、施設の種別(校区コミュニティセンターか自治会集会所か)や工事内容(新築・増築か修繕か)によって計算方法が異なります。ここでは、それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。
新築・増築の場合
新築・増築の場合、補助金額は以下の計算式で算出されます。人口規模に応じた「基準面積」と、建物の構造に応じた「基準単価」が設定されているのが特徴です。
新築の場合: 基準面積 × 基準単価 × 補助率
増築の場合: 増築面積 × 基準単価 × 補助率
※補助金額は、全て1万円未満切り捨てとなります。
それでは、具体的な基準面積、基準単価、補助率を見ていきましょう。
自治会集会所の基準面積と補助率
| 人口 | 基準面積 (㎡) | 補助率 (新築・増築) | |
|---|---|---|---|
| – | 600人未満 | 110 | 2/3 |
| 600人以上 | 1,000人未満 | 165 | |
| 1,000人以上 | 2,000人未満 | 220 | |
| 2,000人以上 | – | 330 | |
校区コミュニティセンターの基準面積と補助率
| 人口 | 基準面積 (㎡) | 補助率 (新築・増築) | |
|---|---|---|---|
| – | 7,000人未満 | 370 | 5/5 (全額) |
| 7,000人以上 | 10,000人未満 | 430 | |
| 10,000人以上 | 13,000人未満 | 500 | |
| 13,000人以上 | 16,000人未満 | 560 | |
| 16,000人以上 | – | 650 | |
共通の基準単価の上限
| 構造 | 1㎡あたりの基準単価 (円・税込) |
|---|---|
| 木造 | 110,000 |
| 鉄骨造 | 157,000 |
| 鉄筋造 | 185,000 |
【計算例】自治会集会所の新築
人口800人の自治会が、鉄骨造で150㎡の集会所を新築する場合
- 人口規模:600人以上1,000人未満 → 基準面積 165㎡
- 構造:鉄骨造 → 基準単価 157,000円/㎡
- 補助率:2/3
補助金額 = 165㎡ × 157,000円/㎡ × 2/3 = 17,270,000円 (1万円未満切捨)
※実際の建築面積が基準面積より小さくても、計算には基準面積が用いられます。ただし、補助金額は実際の工事費を超えることはできません。
修繕の場合
修繕工事の場合は、計算方法がシンプルになります。
修繕の場合: 補助対象経費 × 補助率
- 自治会集会所の補助率:2/3
- 校区コミュニティセンターの補助率:5/5 (全額)
③ 対象者・申請の必須要件
この補助金を申請するためには、以下の要件をすべて満たしている必要があります。計画段階で必ず確認してください。
- 校区・自治会等が地域内に設置する施設であること。
- 組織規約や施設管理運営規約等が整備され、適切に運営されていること。
- 建築(新築・増築・修繕)に必要な自己資金等の財源を持っていること。
- 新築の場合、集会室、会議室、調理実習室など、施設として必要な設備を備えていること。
- 新築・増築の場合は、建築基準法に基づく建築確認を受けること。
- 原則として、工事費が100万円以上であること。(公共下水道設備工事は例外)
- 申請する年度内に工事が完了すること。
- 工事の実施について、校区・自治会内での総会等による議決がとれていること。
④ 補助対象経費
どのような費用が補助の対象になるのか、また対象にならないのかを正確に把握しておくことは非常に重要です。
対象となる経費の例
本補助制度の対象経費は、主に建物本体(躯体)に係る経費となります。
- 外壁・屋根の改修工事
- 空調設備の新設工事
- トイレの改修工事
- バリアフリー化工事
- 耐震補強工事 など
対象とならない経費の例
以下の経費は補助の対象外ですのでご注意ください。
- 土地の購入費、造成費、測量費
- カーテン、机、椅子、棚などの備品購入費
- 設計費、見積徴収に係る経費
- 既存建物の解体費(新築に伴う解体も含む)
- 外構工事費(駐車場、フェンスなど)
⑤ 申請方法・手順
申請から補助金交付までの流れは、通常の補助金とは少し異なり、工事を実施したい年度の前年度から準備を始める必要があります。スケジュールをしっかり確認しましょう。
申請スケジュール
【工事実施の前年度】
Step 1: 事前相談・計画
まずは地域コミュニティ課へ相談し、事業計画を立てます。住民への周知や総会での議決もこの段階で進めます。
Step 2: 工事計画書の提出 (〜7月末)
工事を実施したい年度の前年度の7月末までに、工事計画書を校区コミュニティ組織に提出します。
Step 3: 現地確認 (8月中旬〜9月中旬)
市職員による現地確認が行われます。工事計画や施設の現状について説明できるよう、自治会長など詳細が分かる方の同席が必要です。
Step 4: 審査
提出された計画書と現地確認の結果をもとに、市の予算の範囲内で、工事の緊急性や必要性が高い施設から優先順位が決定されます。
【工事実施年度】
Step 5: 採択・不採択の通知 (4月上旬)
審査結果が文書で通知されます。
Step 6: 交付申請・工事開始
採択された場合、正式な補助金交付申請手続きを行い、交付決定後に工事を開始します。
Step 7: 実績報告・補助金交付
年度内に工事を完了させ、実績報告書を提出します。検査後、補助金が交付されます。
必要書類
申請段階(工事計画書提出時)では、主に以下の書類が必要になると考えられます。詳細は必ず市の担当課にご確認ください。
- 工事計画書(所定様式)
- 工事の見積書(原則、入札による複数者のもの)
- 工事内容がわかる図面(平面図、立面図など)
- 施設の現況写真
- 総会等で事業が議決されたことを証明する書類(議事録の写しなど)
- 組織の規約
⑥ 採択のポイント
市の公式情報にもある通り、予算には限りがあり、「計画いただいた全ての工事に補助することが難しい状況」です。そのため、申請すれば必ず採択されるわけではありません。ここでは、採択の可能性を高めるための重要なポイントを解説します。
緊急性・必要性を具体的に示す
審査では「工事の緊急性や必要性が高いと判断した施設」が優先されます。計画書や現地確認の際に、以下の点を具体的にアピールすることが重要です。
- 施設の老朽化の度合い:雨漏り、壁のひび割れ、耐震性の不足など、具体的な問題点を写真付きで示す。
- 地域活動への支障:施設の不備により、高齢者サロンや子ども会、防災訓練などの活動が制限されている現状を説明する。
- 整備後の活用計画:施設が整備されることで、どのような新しい活動が生まれ、地域がどう活性化するのか、具体的なビジョンを提示する。
地域住民への十分な周知と合意形成
工事計画や業者選定については、総会や回覧板などで十分に住民へ周知し、地域全体で納得のうえで事業を進めていることが必須要件であり、審査においても重視されます。総会の議事録など、合意形成のプロセスを明確に記録しておくことが大切です。
適切な業者選定
施工業者の決定は、原則として入札にて行うよう求められています。また、地域経済への貢献の観点から、久留米市内の業者を選定することが推奨されています。透明性の高いプロセスで、適切な業者を選定していることを示しましょう。
⑦ よくある質問(FAQ)
Q1. 集会所を新築したいのですが、土地がありません。土地の購入費は補助対象になりますか?
A1. いいえ、対象外です。本制度は建築工事費を助成するものであり、建築用地の選定・確保は地域で対応していただく必要があります。
Q2. 設計費や見積りを取るための費用は補助対象になりますか?
A2. いいえ、これらも補助対象外となります。
Q3. 古い集会所を建て替える際の、解体費は補助対象になりますか?
A3. いいえ、解体費は新築時に伴うものであっても補助対象外です。
Q4. 今年度、計画書を提出して不採択でした。来年度も希望する場合、どうすればよいですか?
A4. 再度、工事計画書を提出していただく必要があります。その際、建築単価の上昇なども想定されるため、見積りの取り直しや工事計画の見直しをお勧めします。
Q5. 工事費が100万円未満の場合は、絶対に申請できませんか?
A5. 原則として100万円以上の工事が対象ですが、公共下水道へ接続するための設備工事については、100万円未満でも対象となる場合があります。詳細は担当課にご相談ください。
⑧ まとめ・お問い合わせ
久留米市の「校区コミュニティセンター等建築費補助金」は、地域の拠点となる施設整備を力強く後押しする制度です。最後に重要なポイントを再確認しましょう。
重要ポイントまとめ
- 対象:久留米市内の校区コミュニティ組織、自治会
- 対象工事:校区コミセン・自治会集会所の新築、増築、修繕
- 補助率:校区コミセンは最大5/5(全額)、自治会集会所は2/3
- 申請締切:工事実施の前年度7月末までに計画書を提出
- 審査:緊急性・必要性の高い事業が優先される
この補助金を活用するには、長期的な視点での計画と、地域内での十分な合意形成が不可欠です。まずは自分たちの地域の施設が抱える課題を洗い出し、どのような整備が必要かを話し合うことから始めてみてはいかがでしょうか。
ご不明な点や、計画の初期段階での相談は、下記の担当課までお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ先
久留米市 協働推進部 地域コミュニティ課
電話番号:0942-30-9014
FAX番号:0942-30-9706
公式サイト:校区コミュニティセンター等建築費補助金