詳細情報
「保育士の資格は持っているけれど、現場を離れてから時間が経ってしまった…」「子育てが一段落したから、もう一度保育士として働きたい」。そんな風に考えている福岡県久留米市および近隣にお住まいの皆様に朗報です。久留米市では、保育士資格を活かして市内の保育所等へ再就職する「潜在保育士」の方を対象に、最大10万円の就職支援給付金を支給する制度を実施します。この記事では、国の保育士確保策の背景から、久留米市の具体的な給付金制度の対象者、申請方法、そして採択されるためのポイントまで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。あなたの新たな一歩を、この給付金制度で力強く後押ししましょう。
この記事でわかること
- ✅ 久留米市の潜在保育士就職支援給付金の概要(目的・背景)
- ✅ 給付金の具体的な金額(常勤10万円、非常勤7.5万円)
- ✅ あなたが対象者かどうか分かる詳細な条件チェックリスト
- ✅ 申請から受給までの具体的なステップと必要書類一覧
- ✅ 申請前に知っておきたい注意点とよくある質問(FAQ)
制度の概要:なぜ今、潜在保育士の力が必要なのか?
正式名称と実施組織
この制度の正式名称は「令和7年度 久留米市潜在保育士就職支援事業」です。久留米市が主体となり、市内の子どもたちの健やかな育ちを支える保育体制を強化するために実施しています。
- 実施組織: 久留米市 子ども未来部 子ども保育課
- 受付開始日: 令和7年4月1日(火曜日)から
目的と社会的背景
久留米市がこの事業を行う目的は、待機児童の解消と、質の高い保育サービスを提供するために不可欠な保育士の確保です。これは久留米市だけの課題ではありません。国(こども家庭庁)も「保育人材の確保」を最重要課題の一つと位置づけています。
こども家庭庁の資料によると、保育士の有効求人倍率は全国平均で3.78倍(令和7年1月時点)と、全職種平均の1.34倍を大きく上回っており、特に福岡県でも3.57倍と高い水準にあります。一方で、保育士登録者約185万人のうち、実際に保育現場で働いているのは約69万人(令和5年時点)に留まり、約115万人が「潜在保育士」となっているのが現状です。
この貴重な資格と経験を持つ潜在保育士の方々が、再び現場で活躍できるよう後押しすることが、地域の子育て環境を豊かにするために急務なのです。本事業は、まさにそのための具体的な支援策と言えます。
給付金額:あなたの再スタートを金銭的にサポート
この制度では、就職後の雇用形態に応じて、以下の金額が給付されます。これは返済不要の給付金(※条件あり)であり、あなたの新しいキャリアの準備に役立てることができます。
| 雇用形態 | 給付金額 |
|---|---|
| 常勤職員 | 100,000円 |
| 非常勤職員 (1日6時間以上かつ月20日以上の勤務) |
75,000円 |
【重要】給付は、1人につき1回限りです。過去に同様の給付金を受け取ったことがある場合は対象外となる可能性がありますのでご注意ください。
対象者・条件:あなたが給付金を受けられるかチェック!
給付金を受け取るためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。ご自身が該当するか、一つずつ確認していきましょう。
要件1:保育士資格と経過年数
保育士資格を取得してから1年以上が経過していることが必要です。資格取得後すぐに就職しなかった方や、一度も保育士として働いたことがない方も対象に含まれます。
要件2:離職期間または未経験
以下の「特定事業」と呼ばれる施設・事業を離職してから1年以上経過している、または特定事業での勤務経験がないことが条件です。これは、真に現場を離れている「潜在保育士」を対象とするための要件です。
- 保育所・幼稚園・認定こども園
- 家庭的保育事業・小規模保育事業・居宅訪問型保育事業・事業所内保育事業
- 企業主導型保育事業・病児保育事業・一時預かり事業
- 届出保育施設(事業所内保育施設含む)
- 放課後児童健全育成事業(学童保育)
- その他子どもの預かり支援に関する事業
短時間のパートやアルバイトでも、これらの事業に該当する施設で1年以内に勤務していた場合は対象外となる可能性がありますので、ご自身の経歴をよくご確認ください。
要件3:就職先と継続勤務
令和7年4月1日以降に、久留米市内の保育所または認定こども園に、常勤職員または非常勤職員(1日6時間以上かつ月20日以上の勤務)として就職し、そこから2年以上継続して就業することが条件です。この「2年以上継続」という意思が、申請時の誓約書で求められます。
【最重要注意点】申請は、保育所や認定こども園に就職した日が属する年度中に行う必要があります。例えば、令和7年5月に就職した場合、令和8年3月31日までに申請を完了させなければなりません。就職が決まったら、速やかに申請準備を進めましょう。
対象経費:給付金の使いみちは?
この制度は、特定の経費を補助する「補助金」とは異なり、就労を支援するための「給付金」です。そのため、使途は限定されていません。受け取った給付金は、あなたの判断で自由に活用することができます。
- 仕事で使うエプロンや靴、教材の購入費
- 通勤用の自転車や衣服の購入費
- 復職に向けた研修やセミナーの参加費
- 就職活動中の交通費や雑費の補填
- 新しい生活を始めるための準備金 など
領収書の提出などは不要で、再スタートを切るあなたを幅広くサポートすることを目的としています。
申請方法・手順:5ステップで完了!
申請手続きは、決して複雑ではありません。以下のステップに沿って進めましょう。
- Step 1: 就職先の決定と雇用契約
まずは久留米市内の保育所または認定こども園への就職を決め、雇用契約を締結します。 - Step 2: 必要書類の準備
下記の「必要書類リスト」を参考に、すべての書類を揃えます。申請書などは久留米市の公式サイトからダウンロードできます。 - Step 3: 窓口での申請
揃えた書類を持って、久留米市役所の子ども保育課窓口へ直接提出します。 - Step 4: 審査
市役所で提出書類と要件の確認が行われます。 - Step 5: 給付金の支給
審査が完了し、支給が決定されると、指定した口座に給付金が振り込まれます。
必要書類リスト
申請には以下の書類が必要です。漏れがないようにチェックリストとしてご活用ください。
- □ 給付金支給申請書(市公式サイトからダウンロード)
- □ 保育士証の写し
- □ 経歴書(市公式サイトからダウンロード)
- □ 雇用契約書の写し(勤務時間や常勤/非常勤がわかるもの)
- □ 保育所等勤務証明書(就職先の園に記入を依頼)
- □ 誓約書(市公式サイトからダウンロード)
申請先情報
- 担当部署: 久留米市役所 子ども未来部 子ども保育課
- 電話番号: 0942-30-9754
- FAX番号: 0942-30-9718
- 申請方法: 窓口へ直接持参
採択のポイント:確実に給付金を受け取るために
この事業は、競争して採択枠を勝ち取るタイプの補助金ではありません。基本的には、定められた要件をすべて満たし、必要書類を不備なく提出すれば、原則として支給されます。したがって、最も重要なポイントは以下の2点です。
ポイント1:対象要件の正確な自己チェック
申請してから「実は対象外だった」とならないよう、特に「離職期間」や「就職先の条件(勤務時間など)」を契約書やご自身の経歴と照らし合わせて、正確に確認しましょう。少しでも不安な点があれば、申請前に子ども保育課へ電話で問い合わせることをお勧めします。
ポイント2:書類の完璧な準備
よくある不採択(または手続きの遅延)理由は、書類の記入漏れや添付書類の不足です。提出前に、すべての書類が揃っているか、記入事項に間違いがないか、何度も確認しましょう。特に「保育所等勤務証明書」は就職先に依頼する必要があるため、早めに準備を始めるのが成功の鍵です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 久留米市外に住んでいますが、対象になりますか?
A1. はい、対象になります。この制度は申請者の居住地を問いません。勤務先が久留米市内の対象施設であれば、市外にお住まいの方でも申請可能です。
Q2. 2年以内にやむを得ず退職した場合、給付金は返還しなければなりませんか?
A2. 誓約書で2年以上の継続勤務を誓約するため、自己都合での短期離職の場合は返還を求められる可能性があります。ただし、久留米市の公式サイトには「給付金返還免除申請書」も用意されているため、転居や病気など、やむを得ない事情がある場合は、市の担当課に速やかに相談してください。
Q3. 申請は郵送でも可能ですか?
A3. 公式サイトには「直接子ども保育課窓口へお越しください」と明記されています。原則として窓口での申請となります。遠方にお住まいなどの事情がある場合は、一度電話で相談してみるのが良いでしょう。
Q4. 派遣社員として保育園に勤務する場合も対象ですか?
A4. 対象となるのは、市内の保育所または認定こども園と直接雇用契約を結ぶ場合に限られる可能性が高いです。派遣元企業との雇用契約になる場合は対象外となることが考えられます。詳細は必ず市の担当課にご確認ください。
Q5. どこで求人情報を探せばよいですか?
A5. 久留米市の公式サイトに掲載されている求人情報のほか、福岡県が運営する無料の職業紹介サイト「ほいく福岡(福岡県保育士・保育所支援センター)」の活用がおすすめです。専門のコーディネーターが就職までサポートしてくれます。
まとめ:勇気を出して、新たな一歩を踏み出そう
今回は、令和7年度の「久留米市潜在保育士就職支援事業」について詳しく解説しました。最後に、重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- 対象者: 保育現場を1年以上離れている保育士資格者
- 給付額: 常勤で10万円、条件を満たす非常勤で7.5万円
- 勤務地: 久留米市内の保育所または認定こども園
- 条件: 令和7年4月1日以降の就職で、2年以上の継続勤務
- 申請期限: 就職した年度の末日まで!
ブランクからの復職には、不安がつきものかもしれません。しかし、あなたを待っている子どもたち、そしてあなたを支援する制度がここにあります。この給付金制度を賢く活用し、保育士としての素晴らしいキャリアを久留米市で再スタートさせてみませんか?
まずは、久留米市内の保育園の求人情報をチェックしたり、「ほいく福岡」に相談したりすることから始めてみましょう。あなたの挑戦を心から応援しています。