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【2025年度】大阪港湾局の物流関連補助金を徹底解説!輸出入・運送事業者は必見
大阪府および大阪市で構成される大阪港湾局は、大阪港と大阪府営港湾の国際競争力強化と物流の効率化を目指し、令和7年度(2025年度)も複数の物流関連補助金を実施します。これらの補助金は、輸出入を行う荷主やフォワーダー、モーダルシフトを推進する運送会社など、幅広い事業者を対象としています。この記事では、主要な2つの補助金制度「大阪“みなと”貨物集貨事業補助金」と「集貨機能強化対策事業補助金」について、対象者、補助額、申請期間などを詳しく解説します。
この記事のポイント
- 大阪港湾局が実施する令和7年度の主要な物流補助金を網羅
- 食品輸出を支援する最大300万円の補助金
- モーダルシフトや貨物転換を促進する多様な支援メニュー
- 対象者(荷主、フォワーダー、船会社)や申請要件が明確にわかる
- 申請期間や方法など、手続き上の注意点を解説
1. 大阪“みなと”貨物集貨事業補助金(食輸出促進事業)
「大阪“みなと”貨物集貨事業補助金」は、特に食品の輸出拡大に焦点を当てた制度です。大阪港と府営港湾エリアの冷蔵倉庫を活用して輸出を行う事業者を支援し、大阪港のハブ機能を強化することを目的としています。
制度概要
この補助金は、前年度と比較して大阪港からの輸出コンテナ貨物量が増加した事業に対して、その増加分に応じて補助金が交付されるものです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 補助対象者 | 荷主(生産者団体・商社含む)及びフォワーダー(共同申請) |
| 補助対象事業 | 府営港湾エリアに立地する冷蔵倉庫(堺青果センター等)を活用し、大阪港で輸出を行う事業において、前年度と比較して増加したコンテナ貨物量。 |
| 補助額・上限額 | 1TEUあたり30,000円 上限額:1申請あたり3,000,000円 |
| 補助対象期間 | 交付決定日〜令和8年1月31日(土曜日) |
| 申請受付期間 | 令和7年4月1日(火曜日)~ 11月28日(金曜日) |
| 申請方法 | 必要書類を持参 |
| 提出先 | 大阪港湾局計画整備部振興課(大阪市住之江区南港北2-1-10 ATCビル ITM棟10階) |
主な必要書類
- 補助金交付申請書(様式第1号)
- 事業計画書
- 申請者の会社概要を確認できる資料
- 前年度の輸送実績を確認できる資料(外航船社等が作成したもの)
- その他市長が必要と判断する書類
注意点:前年度に堺泉北港や神戸港を利用していた場合、それらの港からの減少分は補助対象貨物量から除かれます。詳細は必ず公式の交付要綱をご確認ください。
2. 集貨機能強化対策事業補助金
「集貨機能強化対策事業補助金」は、カーボンニュートラルやモーダルシフトといった社会環境の変化に対応し、大阪“みなと”全体の取扱貨物量拡大を図るための制度です。「RORO・フェリー航路充実強化」「内貿貨物集貨促進」「外貿貨物集貨促進」の3つの事業で構成されています。
① RORO・フェリー航路充実強化事業
この事業は、船舶の大型化や増便によって貨物増を実現したRORO・フェリー船会社を対象としています。
- 対象者:府営港湾で新規航路を開設、または既存航路で増便・船舶大型化を行った船会社
- 補助額:増加した取扱貨物量に対し、車両1台につき5,000円(車両以外は10トンにつき5,000円)
- 申請期間:令和8年4月1日(火曜日)~ 令和8年1月30日(金曜日)
② 内貿貨物集貨促進事業
陸上輸送から海上輸送への転換(モーダルシフト)を促進するため、荷主やフォワーダーを支援する事業です。特に農林水産物等には補助が上乗せされます。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 対象者 | 陸上輸送から府営港湾の海上輸送に切り替えた、または貨物量を増加させた荷主、およびその輸送を受託するフォワーダー(共同申請が必要な場合あり) |
| 補助額 | 増加貨物に対し、トラック・トレーラー1台あたり(片道分): ・堺泉北港-千葉港間: 19,000円 ・堺泉北港-新門司港/宮崎港間: 14,000円 ※農林水産物等は1TEUあたり5,000円を加算 |
| 申請期間 | 【前期】令和7年4月1日~8月29日 【後期(追加募集)】令和7年10月16日~令和8年1月30日 |
③ 外貿貨物集貨促進事業
国内他港(大阪港・神戸港を除く)を利用していた貨物を、府営港湾に転換する荷主やフォワーダーを支援する事業です。こちらも農林水産物等の輸出には補助が上乗せされます。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 対象者 | 他港から府営港湾へ輸出入貨物を転換、または新規・増加させた荷主、およびその輸送を受託するフォワーダー(共同申請が必要な場合あり) |
| 補助額 | 増加貨物に対し、コンテナ1TEUまたは20トンあたり5,000円 ※農林水産物等の輸出は1TEUあたり5,000円を加算 |
| 申請期間 | 【前期】令和7年4月1日~8月29日 【後期(追加募集)】令和7年10月16日~令和8年1月30日 |
注意点:集貨機能強化対策事業の申請は電子メールのみで受け付けています。また、予算の上限に達した時点で予告なく受付を終了する場合があるため、早めの申請が推奨されます。
申請の際の共通の注意点
- 制度ごとの違い:紹介した補助金は、それぞれ目的、対象者、申請方法(持参/メール)、期間が異なります。自社の事業内容に合致する制度を正確に把握することが重要です。
- 共同申請の要件:事業によっては、荷主・フォワーダー・船会社の共同申請が必須となる場合があります。関係各社との連携を事前に図っておきましょう。
- 最新情報の確認:公募要領や様式は変更される可能性があります。申請前には必ず大阪港湾局の公式ウェブサイトで最新の情報を確認してください。
まとめ
大阪港湾局が実施する令和7年度の物流関連補助金は、食品輸出の拡大やモーダルシフトの推進など、現代の物流課題に対応するための強力な支援策です。最大300万円の補助が受けられる「大阪“みなと”貨物集貨事業補助金」や、多様なニーズに応える「集貨機能強化対策事業補助金」など、自社の事業拡大や効率化に繋がる制度が見つかるはずです。申請期間は限られており、予算上限による早期終了の可能性もあるため、関心のある事業者は速やかに情報収集と準備を進めましょう。